こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は、2019年2月17日に開催されたスタンダードチャータード香港マラソン2019について。この大会でフルマラソンに参加した様子をお伝えします。
私がスタンダードチャータードマラソンシリーズへ参加するのは、2018年4月のクアラルンプールマラソン、2018年12月のシンガポールマラソンに続いて3回目。そして次は2020年1月の台北マラソンへと続き、最後はドバイマラソンに参加する予定です。
その中でも今回の香港マラソンは、トータル的にバランスがとても良くてかなり参加しやすい大会だと感じました。
さて、この記事では、
- 前半は大会の概要などの情報を中心に。次回以降参加される方に向けて、香港マラソンの参加申し込みや航空券の手配といった事前の準備について説明していきます。
- 後半は画像を中心に。マラソン当日の一連の流れについて時系列で紹介します。
どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
香港マラソン【準備編】
さてまずは準備編から。
約5か月前のエントリー開始から、大会当日が近づいて出国手続きまでの様子を中心に書いていきます。
人気の香港マラソンのエントリー。日本事務局から申し込んだほうが良い3つの理由
香港マラソンは、通常現地の公式ウェブサイトから直接申し込みをしますが、日本事務局のウェブサイトを通じて申し込むことも可能です。
日本事務局から申し込みをする場合、費用がやや割高になります。それでも日本事務局から申し込むことをおすすめします。
なぜか?その理由を3点挙げていきます。
まず、2019年大会のエントリーの登録料は次のとおりです。
種目 | 日本事務局 | 公式ウェブサイト |
フルマラソン |
すべて 15,000円 |
70USドル(551香港ドル) |
ハーフマラソン | 65USドル(512香港ドル) | |
10km | 60USドル(473香港ドル) |
日本事務局をおすすめする理由①「先着順なのでほぼ確実に参加できる」
香港マラソンは毎年2月に開催され、アジアで最も大きなマラソン大会の一つになっています。2018年の全参加者は74,740人(大会本部発表)で毎年増加傾向にあるようです。
2019年のフルマラソンの募集人数は22,500人、ハーフマラソンは19,500人となっており、エントリーは抽選になっています。
ただし日本事務局から申し込んだ場合、先着順で参加できることから、数千円を割増しで支払ったとしても、それだけの価値が十分にあります。
マラソン大会は1年に1度しか開催されません。人生は「やりたい時が旬」なので、もし抽選に落選して1年先送りしてしまうと、来年は参加したいとは思わないかもしれません。
日本事務局のエントリーは先着順。
国内で人気の大会と違って、募集開始後数時間程度で締め切られることはないので大丈夫。しかも日本事務局のほうが公式サイトより早くから募集を開始します。
さらに、追加エントリーを募集することもあります。
なお、2019年大会の募集期間は次の通りです。
参加区分 | 日本事務局 | 公式ウェブサイト |
フルマラソン |
9月5日15時 ~11月12日 |
9月12日10時 ~9月29日19時 |
ハーフマラソン |
9月5日13時 ~11月12日 |
|
10kmラン |
9月5日11時 ~11月12日 |
日本事務局をおすすめする理由②「現地での受付は前日20時まで対応」
香港マラソンの参加にあたり、渡航にゆとりのある日程を組める方であればいいのですが、週末の2日間だけで香港を往復するようなタイトスケジュールを組む場合、日本事務局での受付がとても助かります。その理由は、現地での受付は前夜20時まで対応してくれるからです。
下記の通り、2019年大会のランナーズパックコレクション(現地受付)は両者でかなり異なります。
受付日時 |
日本事務局 (油麻地) |
大会本部 (ビクトリアパーク) |
2月13日(水) | 受付なし | 15:00~21:00 |
2月14日(木) | 受付なし | 15:00~21:00 |
2月15日(金) | 13:00~17:00 | 15:00~21:00 |
2月16日(土) | 10:00~20:00 | 9:30~17:30 |
わずか2時間30分異なるだけ、と思われるかもしれませんが、前日の日本発のフライトをお昼前後にしても間に合うことになります。私は2016年のクアラルンプールマラソンで30分遅れてしまい、参加できなかった苦い経験があります。お休みが取りずらいお仕事の方にとっては、前日土曜日の出発になるでしょうから、日本事務局からの申し込みを強くおすすめしたいと思います。
日本事務局をおすすめする理由③「すべて日本語対応」
日本事務局では大会終了までの期間中、すべての対応を日本語で行ってもらうことが出来ます。
- 申し込み後のメールでの案内
- 日本語版のパンフレット(ウェブサイトから入手できます)
- 現地受付会場への詳細なアクセス方法
- 受付会場でのインフォメーション
- 緊急時の対応
香港マラソンに何度も参加されている方であれば心配不要でしょうが、初めて参加される方にとっては、いくつかの懸念材料の解消になることでしょう。
また、日本事務局ではツアーはもちろん、航空券の手配や宿泊先の手配に関しても相談に乗ってもらえそうですので、「すべてお任せ」を希望の方にはとても便利です。
申し込むならどっち?ハーフマラソンもフルマラソンも面白い
さてエントリーにあたり、どの種目を申し込もうか迷うことあります。「フルマラソンに参加したいけれど、ちょっと自信がない」ということってありませんか?いつもサブ4未満をキープしている市民ランナーであれば
問題ないでしょうが、完走すら危ういジョガーにとっては悩みどころ。私もそんな一人です。
特に雪国に住んでいる方ならシーズンオフで十分なトレーニングができずに参加することになり、不安を抱えてのエントリーになりますよね。
それと日本との気温差。香港は日本より遥かに南方に位置しています。ただ、大会が行われる2月は、気温が比較的低めで走りやすいほうです。東南アジアで行われる大会のように早朝から25℃を超え、日中は30℃を上回るようなこともないので、気温に関して言えばフルマラソンでも安心です。
そのためでしょうか。募集人数もハーフマラソンよりフルマラソンの方が多いですよね。
次に、コースに関してはどうでしょう。フルマラソン、ハーフマラソンいずれのコースでもスタートは尖沙咀、ゴールは香港島のビクトリアパークとなっています。途中の青衣周辺をスキップしたのがハーフマラソンの大まかなコースなので、ハーフマラソンの参加であっても、楽しく盛り上がることでしょう。
今回私はフルマラソンを走りましたが、もし次回も参加する機会があればハーフマラソンを選んで、少ないダメージで観光やグルメもバランスよく楽しみたいと思います。
それで結論はと言うと、ジョガーの方が大会参加のみだけではなく、香港滞在全体を楽しむことが目的であれば、ハーフマラソンを推したいと思います。その他にも10kmのレースもありますので、10kmレースでベストタイムを狙うような参加方法もありますし、完全にファンマラソンとしてスロージョグを楽しむこともできます。
香港マラソン参加のための航空券は早めに購入しておきたい
海外マラソンにおける航空券は参加費用の多くを占めることになるので、出来る限り費用を低く抑えたいところ。香港マラソンが開催される2月は航空会社にとっての閑散期であり、2019年のようにチャイニーズニューイヤーの後であれば、通常より割安のチケットが手に入ります。
とは言え、このような大きなイベントが開催される場合は早めにチケットを入手しておいたほうが無難。「来年は必ず出場するぞ!」と、あらかじめ参加を決めているのであれば、日程が確定した段階(2020年は2月9日開催で決定しています)で航空券を手配しておいてもいいでしょう。
なお、香港は宿泊費が高めなので、ホテルとセットになった航空券を探しておくとコストを下げられそうですよね。
私のようにLCC派であれば、香港エクスプレスやpeachなどセールの開催時が狙い目。特に香港エクスプレスでは頻繁にセールが行われていますので、SNSでのフォローやウェブサイトをこまめにチェックして、セール時の航空券取得がおすすめです。
宿泊は安く快適に。中心街を外したほうが良い!?
先日、シンガポールマラソンに関するエントリーを投稿した際、「スタート場所まで徒歩圏内のホテルに宿泊すべき」とお話しました。しかし、香港マラソンの場合はそうでもないようです。その理由は次の通りです。
理由①香港は宿泊費が高いうえに部屋が狭い
香港のホテルは香港島と九龍の尖沙咀~太子までのネイザンロード沿いに集中しています。アクセスの良さから観光には便利な反面、値段設定が高いうえに部屋も非常に狭いところが一般的。1泊1万円以上の予算を取れる方であれば特に問題ありませんが、それ以下の予算を組んでいる方であれば、やや郊外にあるホテルのほうがいいかもしれません。
啓徳空港跡地より東側のエリアには、比較的リーズナブルなホテルがあるので狙い目のようです。この付近から尖沙咀まででも、電車移動はそれほど時間がかかりません。
理由②マラソン2組なら6時過ぎに現地入りしても間に合う
香港マラソンは出走時刻が遅めなうえ、MTRも特別ダイヤで運行されます。そのため、徒歩圏内に宿泊しなくても特に問題ありません。
例えば、クアラルンプールマラソンの出走時間は午前4時、シンガポールは午前5時、台北も午前6時に設定されていますが、香港マラソンにフルマラソン2組であれば午前7時以降の出走。ハーフマラソンの1組、2組であればさらに遅めの午前8時過ぎ出走です。そのため、MTR沿線のホテルであれば早朝移動の懸念が全くないので安心です。
参考までに、私はこれまで宿泊の予約をエクスペディアをメインに手配してきましたが、最近はアゴダ、中華圏ではTrip.comで手配することが多くなりました。好みが分かれるところですが、Trip.comは登録されているホテルの件数は格段と多い印象です。
申し込み、フライト、ホテルを手配したらあとはトレーニングと準備だけ
大会へのエントリー、航空券と宿泊手配が済めば、あとは大会当日に向けて粛々と走りこむだけになります。マラソン大会の一番のハードルは、半年くらい先の大会に向けて、自分自身のモチベーションを維持すること。計画的にトレーニングを重ね、準備万端で臨みたいものです。
スケジュールのお話をすると、事務局から具体的な詳細についてお知らせが来るのは年が明けてからになります。ただし、コースや時間などは例年と変わらない部分が大半です。そのため、過去の情報に目を通しておいて、モチベーションの維持と渡航に向けた準備を進めていきましょう。
さて実際の準備ですが、香港渡航時に必要なドキュメント類はパスポートのみ。事務局から1月後半頃にメールで送られてくる「エントリー通知書」やホテルや航空券関連のドキュメントもモバイル画面で対応できますので基本的にペーパーでのプリントは不要です。
ランニング時の服装は、受付時に貰うTシャツを着て走ると思いますので、キャップ、ランパン、貴重品を入れるランニングポーチ、ソックス、シューズのみで大丈夫。いくら冬で涼しいとは言ってもタイツを履くと暑くて荷物も増えるので、カーフタイツくらいがちょうど良いかも。あとはサングラスくらいでしょうか。
その他は通常の海外旅行と一緒ですが、現地で使うSIMカードやBFタイプのプラグ、このブログで何度も書いているゼッケンホルダーやニップレス、下痢止めの「ストッパ」などを持っていくと便利です。近所で売ってそうでなかなか手に入らないものなので、こういうものは悩まずにまとめてAmazonでの購入が便利です。
ちょっと余談になりますが、しっかりとした思い出を残したいならカメラも必須。普通の旅行であればスマホで十分ですが、マラソンの場合は汗でレンズが曇ったり、タッチパネルがうまく作動しなくなったりするトラブルが起こりがち。私もシンガポールマラソン2018やムンバイマラソン2019で、謎の連写後に画面がフリーズするトラブルに見舞われました。ソウルのような寒い時期でのレースでも、まじめに走って汗をかくと同様のことが起きます。感動のゴールで写真が撮れないと、かなりテンションが下がります。
そこで、スマホの他に軽めのコンデジを持っておくことをおすすめします。ミラーレス一眼は軽くて描写力が高いけれど、マラソンではやはりお荷物になるでしょう。そこでコンデジの出番となるわけですが、1万円~2万円程度の低価格帯モデルはスマホより画質が劣る上に、早朝や夜間はほぼ使い物にならないのでほとんど出番がありません。ちなみに私はCOOLPIXの下位モデルを保険代わりに持って走っていますが、スマホより画質が劣るのであまり使ってないですね。もうすぐ新モデルが発売されて旧モデルとなるGR2や、サイバーショットシリーズの初期型RX100などを購入したい思っています。
あとは服装ですね。この時期の香港の気温は20℃前後と意外と寒いもの。移動や観光時には長袖の着用が必須。特にマラソン終了後は風邪をひきやすいので、温かい服装を心がけたいものです。
香港マラソン【現地編】
さて、ここからは現地編。現地の画像を見ながら振り返っていきたいと思います。前述の通り、日本事務局での受付は前日の20時まで対応していただけますので、お昼前後のフライトで香港入りしても間に合います。
香港到着後、受付会場へ直接行くにはバスが便利
香港へ初めて行かれる方は、空港からのアクセスについても事前に知っておきたいですよね。香港島への移動に便利なのは、機場快線(エアポートエクスプレス)ですが、受付会場が九龍に直接向かうのであればバスのほうが割安で便利。「巳士」の案内表示に向かって進み、A21系統のバスに乗れば受付場所の油麻地付近を通過します。万が一途中で降りれなくて、終点の尖沙咀まで行ってしまっても、MTRですぐに戻れる距離なので安心です。
ちなみに香港のバスは2階建てで快適。荷物はバス下のトランクではなく、1階の中央付近に広い荷物スペースがあるので、大きなトランクを持って行っても自分でバスの中に運びます。
空港バスの乗り方
バスは前乗りで、乗車時に運賃を支払います。運賃は現金でも支払えますが、車内では釣銭がもらえません。機場快線の乗り場手前のカウンターで交通系カード「八達通(オクトパス)」を購入し、購入時または自動券売機でチャージしておくのがおすすめ。八達通はMTRやセブンイレブンなどのコンビニ、飲食店などでも幅広く利用できますので、香港ではマストアイテムになっています。
日本事務局の受付会場は油麻地のホテル「The Cityview」
日本事務局の受付会場は、MTR油麻地駅徒歩1分程度にあるホテル「城景國際(The Cityview)」の中にあります。
大会が近くなると、事務局からアクセス方法についてのお知らせもあり、迷わずに受付会場へ行くことができるでしょう。
会場では日本人スタッフの方々が、手荷物の預け方について説明してくれます。その他にも疑問に対しては丁寧に対応してくださり、ホワイトボードには大会当日の天気予報などの情報も書かれています。
公式ウェブサイトで申し込んだ場合は、EXPO会場に併設された受付会場での手続きになるので混雑が予想されますが、日本事務局では受付手続きのみのなので、5分もかからずに完了します。
大会前夜は、翌朝の準備と体調管理に万全に
さて受付が終了したら、当日のレース開始を待つだけ。香港の街は魅力がいっぱいなので、余った時間を使ってついつい夜遊びをしたり、暴飲暴食をしたくなるところですが、出来れば体調を万全にしてレースに臨みたいですよね。
特に食事には気を付けて。香港や隣町の深圳市には日本食もありますし、日本食に近い広東料理もたくさんあります。
ちなみにイオンなど日本でお馴染みのスーパーでは、フードコートも併設されていますし、お弁当なども売られているのでお一人様でも大丈夫。翌朝の朝食を調達するついでに、ショッピングセンター内で夕食を済ませるのもいいでしょう。
ホテルに戻ったらナンバーカードを装着したり、シューズの確認やスマホの充電をしたりなど、案外やることはたくさんあるものです。パスポートや現地通貨、八達通、薬などの携行品、着替えやタオルなどの預け入れ手荷物の準備などで、1時間くらいあっという間に過ぎてしまいますので、時間に余裕を持って過ごしたいですよね。
ちなみに私は前夜に深圳まで遊びに出かけ、旺角のホテルに戻ったのは23時頃でした。レースが主目的なら早めに休みたいものです(反省)。
その時の旅行記は下記のリンクから。
香港マラソン2019|ついでに深圳と香港の夜景、上海生煎包と旺角街歩き。香港滞在45時間街歩き
大会当日|朝のMTRで尖沙咀のスタート地点へ
さていよいよ大会当日。MTRは3時台から特別ダイヤで運行されており、スタート地点の尖沙咀到着は最も早い電車で4時20分頃になっています。
私が参加したマラソン2組の出走は7時。なので、宿泊先がある旺角駅を出発したのはゆっくり目の午前6時ころ。
この時間帯、8時以降出走のハーフマラソンの1組・2組のランナー達もいるので、あちこちにランナーが目立ちます。
尖沙咀に到着すると、駅構内はランナーたちで賑わっています。まだ外は薄暗くて肌寒いからでしょうか。確かにウォーミングアップをするには屋内のほうが快適ですよね。
そうそう、ソウルマラソンもスタート場所の光化門広場が寒すぎて、こんな感じでした。
ソウルマラソンについて下記のブログも併せてご覧ください。
●2017年のソウルマラソンについて
●2018年のソウルマラソンについて
ソウルマラソン2回目だから気付いたこと|初参加の方に教えます
午前6時過ぎの尖沙咀。これ、ネイザンロードの様子です。土曜日の夜より人が多いですよね。1年に1度、香港マラソン当日にしか見られないような混雑です。
路上にトラックが数台停まっています。手荷物を預ける場合は、受付時に貰った専用の袋(A2サイズくらい)に荷物をまとめ、バッゲージタグに書かれた番号と同じ番号のトラックで荷物を預けます。
当ブログで何度か紹介している、独特な雰囲気の重慶大廈(チョンキンマンション)。この中もランナーたちでいっぱい。お昼以降の時間帯は南アジア系のコミュニティとなりますが、この時間は両替商も飲食店もほとんど店じまいしているので、一般的な香港の雑居ビルという印象。
なお、重慶大廈は格安のホテルが多くて立地は抜群、コスパも最強です。でも先ほど紹介しなかったのは、万人にはお勧めできないから。旅慣れた男性ならいいでしょうが、、、
重慶大廈での香港ドルへの両替はかなり高レートですが、入り口付近の両替商ではレートが劣ります。
尖沙咀のスタート位置付近には仮設トイレが設置されますが、ご覧の通り行列が出来ています。これはどんな大会でも同様の光景。ただ、主観的な感想になりますが、香港マラソンは参加者数に対してトイレの数は少ないほうだと思います。
裏通りの店舗ではサンドイッチが販売されていました。普段このお店ではサンドイッチは売っていなかったと思うのですが、、、
まあ、そもそもこの時間に開いているお店は少ないので、朝食はホテルの自室で済ませるほうがいいでしょう。香港はセブンイレブンが多いものの、日本のようにすぐに食べられるようなパンやおにぎり、お弁当などは圧倒的に少ないです。
最初の2kmは九龍のど真ん中を駆け抜ける!
尖沙咀からネイザンロードを北に向かって走り始める香港マラソン。出走はネイザンロードの南端から700mくらい北にあるホテル「ザ・ミラ香港」付近からスタートです。
スタート時間が近くなり、みんなと一緒にネイザンロード上で並んでいると、ランナーの列が徐々に北へ北へと流れていき、いつも間にかスタートラインを過ぎている、そんなイメージの出走です。
最もスタートが早いハーフマラソンの「チャレンジ」が5時45分出走、その後フルマラソンの「チャレンジ」「ラン1組(4時間~5時間)」「ラン2組(5時間~6時間)」と続きます。
開催当日の日の出時間は6時53分なので、ラン2組以降の出走の場合はスタートから明るい中を走れます。香港マラソンで特に面白いシーンは、尖沙咀から旺角までの2km区間のネイザンロードとラストの香港島。そのため例え5時間未満で走ることが出来るランナーであっても、ラン2組でエントリーし、朝日を浴びながらネイザンロードを駆け抜けた方が楽しいでしょう。
ちなみに、これだけ大きなマラソン大会ですが、尖沙咀での係員による統制は必要最低限といった印象。事前のインフォメーションの徹底と、ランナーたちの規律ある行動に委ねられている感じです。
ネイザンロードを走る区間は旺角までの約2km。最初は両車線を使いますが、しばらくして左車線のみとなるため一部でちょっとした渋滞が発生します。それでもスタート直後にしては流れは早い方でしょう。
旺角でネイザンロードを離れ、左折して亞皆老街に入ります。いったん西九龍方向に南下して折り返すと、まもなく西九龍公路に入り、これ以降のほとんどは高速道路を走ることになります。ただ日本の高速道路とは違って、風景が楽しめるのがいいところ。
ラン2組は7~8分/km程度で流れていきます。
橋とトンネルがクセ者。アップダウンと強風に負けないように
青衣の手前にある昴船洲大橋では、長い登り坂と橋の中央からの長い下り坂、帽子を吹き飛ばされるくらいの強い風に煽られながらのランニングになります。
途中にこうした橋が数か所あり、風向きによっては苦戦するかもしれません。長い下り坂でペースを上げると膝の故障に繋がる可能性もあるので、オーバーペースには配慮したいですよね。
海外マラソンでは好タイムを狙いたい気持ちをちょっとだけ抑えて、安全・確実に完走することを第一の目標としたいところ。
10kmくらいまではトイレが近くなりがち。市街地と高速道路がメインなので、男性でもその辺で済ませている人はほとんど見かけません。
簡易トイレに1度並ぶと3分~5分くらいロスしてしまいますが、尿意が気になり始めると、まともな走りができなくなりますよね。早め早めに済ませておいたほうが吉かも。
橋と同様にトンネルも数か所あります。橋のように風が吹くことはありませんが、気温が一気に上がるのでやや不快に感じるかも。
最後の海底トンネルや香港島に入ってからの小さな覆道は、前後のアップダウンがあります。
給水と補給食、手厚いサポート体制で安心して走れます。
給水も3kmに一度くらいの割合で準備されていますので、計画的に補給しながら走りましょう。給水が訪れるとついつい手に取りたくなるものですが、飲みすぎは禁物。胃の調子を崩してしまうと、走るどころか歩くのすらつらくなります。
大会によっては、私のように遅めのランナーは水が売り切れてしまって貰えないこともありますが、香港マラソンではそういったことはないので安心です。
パウチに入ったスポーツドリンクも随所に用意されています。サッパリしていて飲みやすく、ほぼすべての給水箇所で手に入ります。スタッフによってキャップも丁寧に開けて用意されています。
こういうパウチものって、ついつい全部飲んでしまいがちですが、必要な分だけ飲むようにしましょうね。
補給食はバナナとキットカット。これも数回配られていて、チョコレート好きには特に嬉しいおやつです。スポンサーに感謝したいですよね。
丁寧に袋から出して並べてくれていることもあり、大会スタッフの心配りに感謝です。
マラソンでバナナは食べやすいですよね。半分にカットされて貰うことが出来ました。ただし、バナナを食べた後にスポドリを飲むと激マズですが、、、
リタイヤしても大丈夫!?回収バスが随所に待機しています。リタイヤした選手と大会スタッフの移動のために待機している様子。
これまで出場した海外マラソンでは、リタイヤしたら自力で帰るというイメージがありました。そのため、コース上にある公共機関の路線と駅の場所を覚えながら走ることが多かったのですが、香港マラソンではそういった心配は不要ですね。
フルマラソンで距離表示を見たとき、みなさんはどんなことを考えているのでしょうか?私は思うことはいつもだいたい一緒。
- 14km地点「すでにツラい、まだ1/3しか終わっていないじゃん!」
- 18km地点「ハーフならあと3kmスパートかけて終わるんだけどな~」
- 21km地点で一瞬テンションが上がって500mくらい調子が出るものの一気にペースダウン、そして「まだ半分も残っている!」
- 25km地点「まだ17kmもあるのか、歩きたいけどここで歩いたら6時間オーバーするからな~」
- 30km地点「あと12km走れば終わる!」時計を見て暗算しながら「歩いても大丈夫そう!」で、油断する
- 35km地点「残り7kmだ!そろそろスパートかけるか~」と一瞬思うがここからの1kmが異常に長く感じ始める
- 40km地点で一気にテンションが上がって快調に走り始めるが、観客が少ないところでコッソリ歩いたりする。
- ゴール「やった~!」と胸を撫でおろす。
- ゴール後にビールを飲みながら「マズい、やっぱハーフにしておけば良かった」と後悔する。
こんな感じです(汗)
35kmを過ぎて香港島に入ってから再び盛り上がる!
35km地点は九龍と香港島を結ぶ海底トンネルの中にあり、いよいよ舞台は香港島へと移っていきます。
このトンネルは結構長くて、香港島の出口付近が36km地点。入り口から約2km、トンネル前後の高低差を含めると、50m下って再び50m登るイメージです。
トンネルの入口付近は応援多数。「加油!」で励まされますよ。
トンネルを抜けて香港島に入ってからは海岸線を走ります。皆さんご存知の通り香港島は坂が多いので、この道路のほうがマラソンに向いていますよね。
朝、対岸の尖沙咀から見た風景をこうして間近に見て、テンションが上がります。おそらく香港に初めて来た方より、何度か来たことがある方のほうが楽しめるのではないでしょうか。
ちなみに、櫛状の飾りがバリカンのアタッチメントのようなifcが見えますが、ifcの高い方は雲の中です。
4号線を離れ、香港観覧車が見えてくると中環。ここから龍和道を金紫荊広場方向に駆け抜けます。
この付近は観客やカメラマンの姿も多く、自然と笑顔になってテンションも上がります。敗残兵のように歩いている人も、カメラが向いているのに気付くとガッツポーズを取るのが謎だったりして。
振り返ると中環付近の高層ビル群。どうです?かなり贅沢なコースでしょう?
ラスト1kmがこのコースのハイライト。繁華街の中を多くの観客の声援を受けながら走ることが出来ます。歩いているとちょっと恥ずかしいので、足取りが軽いフリをしたりして。
最後は香港トラムの線路脇を駆け抜けます。ゴールのビクトリアパークはもう目の前。
いつも思うこと。これまで歩いていたランナーたちが、最後はしっかり走れるから不思議。マラソンは自分との戦いだということですね。
ビクトリアパークに入り、最後はスタンダードチャータード銀行のコーポレートカラーのカーペットが敷かれています。
あとで写真を購入する予定の方は、キメのポーズで駆け抜けましょう。いや、自然の表情がいいかも。プロが撮影する写真は嘘を隠せません。自分が疲れていることをしっかりと捉えます。帰国後にウェブサイトから自分の不自然なフォームと表情を見て愕然とするものです。
ゴール後はメダルを貰って自由解散。
スタンダードチャータードマラソンのメダルは、いつもカッコいいのですが今回も凝っています。メダルにはもちろんスタンダードチャータード銀行のビルが描かれています。
サイズはシンガポールマラソンのメダルより小さいのですが、裏に「六福珠賽」と書かれていてちょっと嬉しい♪
メダルの他には、ミネラルウォーター、バナナ、タオル、サロンパス、ソイジョイが入った大きめの手提げ袋が貰えます。
ワトソンズのペットボトルのキャップは開封に力が要らないし、スタイリッシュなので気に入っています。日本の飲料メーカーもぜひ採用して欲しいですよね。
手荷物は色分けされた場所に、自分のトラックのナンバーが並んでいます。
ゴミもしっかり分別されて回収されます。先ほど貰った食べ物は、敷地内でストレッチをしながら全部消費したほうがいいですね。
最寄りのMTRの駅はコーズウェイベイ。マラソンの敷地を出ると一般の方々もいるので駅周辺は特に混雑します。汗臭いカラダで混雑したMTRに乗るのはやや気が引けますが、真っ直ぐホテルに帰って早くシャワーを浴びましょう。日本へ真っ直ぐ帰国する方は、この付近からでも空港行きのバスが出ているので便利です。
以上で香港マラソン2019の記事は終了です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。興味がある方、シンガポールマラソン2018やクアラルンプールマラソン2018の記事も併せてお読みください。
*2018シンガポールマラソン
シンガポールマラソンに参加してみたい人必見!どちらか迷ったらハーフマラソンを選んだほうが理由とは?2018年にフルマラソンに参加してみた雑感とエントリーからスタート直前までの様子
*2018クアラルンプールマラソン
海外マラソンはこんなに楽しい!クアラルンプールマラソンの魅力について