こんにちは!コモ子@やまたび北海道です。今回の10日間日記は、室蘭岳(鷲別岳)のレビュー記事。公開が遅くなりましたが、山行日は3月3日です。
室蘭岳には20年くらい昔に、夏道と沢からそれぞれ登ったことがあるのですが、それっきり久しく訪れていませんでした。
今回は3月に入り残雪期の室蘭岳を訪れてみましたので、その様子をお伝えしていきます。
余談になりますが、半年ほど前に交通事故で右足を負傷し、通院とリハビリを続けてきました。完治はしていませんが、医師から「症状固定」を言い渡されたので、現状と仲良く付き合って最善を尽くしていこうと思います。
山歩きもほとんどお休みしていたので、すっかり体力が落ちて身体がなまっています。4月にはボルネオのキナバル登山を控えていることもあり、今週は室蘭岳、来週も百松沢山にでも登って徐々に体力を付けていこうと計画中。
それではご覧ください。
冬の室蘭岳登山口も夏山と一緒。室蘭岳山麓総合公園から
室蘭岳の登山口となるのは、だんパラスキー場の手前にある室蘭岳山麓公園の駐車場付近。市街地から全線舗装路でアクセスでき、距離もそれほど遠くありません。
札幌からのアクセスは、高速道路を使えば早いのですが、今回は一般道で。室蘭って近い印象がありますが、意外と遠くて札幌~旭川間くらいの距離があります。
道路の正面には目指す室蘭岳がどっしりと構え、右手にはスキー場のロッジがあります。その手前、約100mくらいのところに駐車場があり、登山者はここを利用します。
室蘭岳山麓総合公園には、キャンプ場や遊戯施設などが併設されているため、駐車場には数十台駐車することができます。
今回、2019年3月3日に訪れた時には、山岳連盟のスキー大会が行われていたためほぼ満車状態。こうしたイレギュラーを除けば、問題なく駐車できることでしょう。
最短ルートは南尾根コースと冬コース。山らしさを感じるには西尾根コースがおススメ
さて、室蘭岳には4本の夏道があります。
室蘭岳山麓総合公園から山頂を目指す場合、南尾根コースと西尾根コース、やや迂回する形で水元沢コースを利用することができます。そのうち最短コースは南尾根コースです。
さらに冬には南尾根コースよりやや西側に冬コースがあり、主にスキーでこちらのルートを登られているようです。もちろんスノーシューでも登ることができます。
それぞれの詳細については、北海道夏山ガイド①「道央の山々」、北海道雪山ガイドに詳しく紹介されています。
登山口から歩き始めて15分足らずで、まずは白鳥ヒュッテに到着。ヒュッテから右に進むと南尾根コース、左に進むと西尾根コースになります。
ヒュッテは通年利用可能とのこと。水場やトイレもあります。
さて、今回は西尾根コースから登り、冬コースを下りる周回ルートを取ります。ここから左に進んで沢まで下り、登り返して西尾根に取り付きます。
ヒュッテからやや下ったところにある渡渉点。ペトトル川と呼ばれているのだそう。
飛び石で十分に渡れますので、靴を濡らすことなく通過できます。
このあとは傾斜が緩やかな樹林帯の中をしばらく歩いて、まずは825mピークを目指します。南尾根コースに比べて訪れる人が少ない西尾根コースですが、この日はトレースがしっかりと付けられており、ツボ足でも十分に歩けるくらい踏み固められていました。
樹林帯を抜けると急登に差し掛かり、小ピークを越えて825mピークへ
木々がまばらになったところで急登に差し掛かります。見晴らしが良くて視界が一気に広がり、この付近まで登るだけでも十分に価値があるでしょう。
ここは小ピークまで直登することもできますが、大きくジグを切りながら登った方が楽です。メインのトレースも迂回するように付けられていました。
この付近からは目指す室蘭岳の山頂が良く見えます。振り返ると眼下に広がる街並みや噴火湾が一望できるはずなのですが、、、
残念ながら訪れた日は霞んでいました。PM2.5の影響なのだとか。空は快晴なのにちょっと残念ですよね。
春は天候が安定して雪山に登りやすくなるいっぽうで、こういった状況になることがしばしばあります。4月頃になると、例年黄砂の影響で雪が汚れることもあるので、真っ白な雪山ってなかなかお目にかかれないものですよね。
小ピークを過ぎて825mピークに手前にある肩まで登りきったら、再び傾斜は緩やかになります。
顕著な尾根で左右は谷になって視界も開けているので、山歩きをしている実感が湧きます。初心者でも雪の稜線を楽しみながら歩くことが出来るので、この西尾根コースはおススメかも。
稜線手前の825mピークには標識があります。ここからいったん下って、反射板がある稜線まで登り返します。風がそれほど吹いていなければ、景色を楽しみながらひと休みするような場面。
825mピークから、反射板がある稜線までいったん登り返します。「錯視」とはちょっと異なるかもしれませんが、実際に見て感じた印象ほど高度差はないので楽チンです。むしろ楽しい稜線歩き。
室蘭岳の西尾根は、右前方に山頂を見ながら歩くコース。主稜線まで上がると、山塊の北斜面一帯の状況が確認できるようになります。これまでのようななだらか斜面とは異なり、北側が急になっているのがよくわかります。
繰り返しになりますが、西尾根はやや遠回りになるものの、山らしさを感じ取ることができるのがいいところ。南尾根の往復ではこの表情を見ることが出来ないんですよね。
主稜線上には一か所だけ顕著なコブがありますが、それを乗越すとあとはダラダラとした最後の登り。アポイ岳の最後の登りに似ていると思うのは私だけ!?
右手から合流してくる冬コースの大きな斜面が見えたら、山頂は間近。
全周の見晴らしが良い室蘭岳山頂からの眺め
山頂には大きな看板があり、開けた大きな広場になっています。もしも多くの登山者が休憩していても、十分な地積があるのでゆっくりすることができます。
ここからの見晴らしはとても良いんですよ。標高911mとはとても思えないような景色。
山頂からは南側に広がる眺めが素晴らしいとよく言われますが、北側一帯に連なる山々の眺めも魅力的。
北東方面には来馬山やオロフレ山、ホロホロ山などといった著名な山々もが多いのですが、無名の山々も含めて山の雪景色が広がります。
こちらは隣のカムイヌプリ。縦走するには、いったん300mくらい標高を落とすので精神的なタフさが必要かも。
この日は山頂でも氷点下2度。ひな祭りの日とは思えないほどポカポカ陽気の週末でした。
室蘭岳山頂からの下山は冬コースを一気に下って
さて、下山は「冬コース」を使います。このコースは北海道雪山ガイドでも詳しく紹介されていて、スキー向き。海を見ながら大斜面を滑ることができるので楽しそうです。
斜面が広くてなだらかなので、ツボ足やスノーシューでも楽しいと思います。
結局今回は最後までツボ足で歩くことが出来ました。西尾根の登り2時間、冬コースの下り1時間。もちろん雪質に大きく左右されますが、ツボ足で歩けるような条件なら、このくらいをみておけば十分です。
- 太平洋側は冬場でも天気が安定しやすい
- 雪が少ないので冬道の運転も安心
そんな感じで、冬こそ室蘭岳に登りやすいのかな、と感じた1日でした。
帰りの温泉は登別の「湯元さぎり湯」さんにて
室蘭からの帰り道。虎杖浜温泉が便利でおススメですが、ちょっと寄り道して登別温泉も。3年に一度くらいですが、ここ「湯元さぎり湯」さんには定期的に通っています。大人420円、子供180円で利用することができ、朝7時から夜21時まで通年営業しています(2019年3月現在)。