韓国ソウルのチムジルバン「梨泰院(イテウォン)ランド」について。2019年3月に利用してみましたので、その様子を含めてお伝えしていきます。
「梨泰院ランド」はサウナやお風呂、仮眠室を備えたチムジルバン。日本では「健康ランド」とか「クアハウス」、最近では「温泉テーマパーク」などと呼ばれる公衆浴場と似た感じ。日本人ならとても親しみやすい施設だと思います。
このブログでは、梨泰院ランドを宿泊目的で利用することを想定した場合、そのニーズに対して満足できるかどうかを本音でお話します。記事の概要は次の通りです。
- 梨泰院ランドってどこにあるの?
- 梨泰院ランドの利用方法をザックリと説明
- 梨泰院ランドの良いところ
- 梨泰院ランドのあまり良くないところ
- 宿泊に適しているか?他のチムジルバンと比較してみた結果
※この記事のなかに、汗蒸幕やサウナ、アカスリについての体験談や説明はありません。あらかじめご了承ください。
「梨泰院ランド」ってどこにあるの?
梨泰院ランドはその名の通り、ソウルの梨泰院にあるチムジルバン。地下鉄の駅からも近く、繁華街のど真ん中にあります。
そして何より嬉しいのは、24時間いつでも格安で利用することができるところ。ただ、施設全体がやや老朽化している感じがします。
梨泰院ランドへのアクセス方法
梨泰院ランドは、地下鉄6号線の「梨泰院」駅から徒歩5分もかからない距離にあります。上のGoogleマップでは平面に見えますが、実際には地下鉄6号線の上を走る大通りよりも高台にあるため、階段を上って施設に到着する感じです。
◎行き方
- 梨泰院駅の3番出口、または2番出口から西に向かって歩きます。
- 2つ目の信号(左手にセブンイレブンがあり、歩行者用の横断歩道のみがある)まで進みます。
- セブンイレブンの正面(道路の反対側)に梨泰院ランドへ登る階段があるので、そこから入ります。
梨泰院ランドの利用方法をザックリと説明します
さて、ここからは梨泰院ランドの利用方法について、利用者の視点で説明していきます。
韓国とはいえ、異国の地ではいろいろと不安があるもの。事前に情報をインプットしてイメージを持ってから、現地に行きたいものですよね。
まずは正面の受付で入館料を支払います
梨泰院ランドは、ソウル駅の近くにある「シロアムサウナ」や龍山駅の近くにある「ドラゴンヒルスパ」と同じように、正面入り口を入ってすぐに受付カウンターがあります。
まずはここで入館料を支払います。私が利用した土曜日の夜でも、料金はたったの10,000ウォンで、前述のシロアムサウナやドラゴンヒルスパ、江辺スパランドと比較してかなり割安な料金です。
これらのチムジルバンについての記事は下記をご覧ください。
●シロアムサウナ
シロアムサウナ|ソウル駅至近で仮眠もできる格安チムジルバンの使い方
●ドラゴンヒルスパについて
【ドラゴンヒルスパ】韓国ソウル|チムジルバンの利用方法|龍山駅至近で便利!だけど仮眠や宿泊はおすすめできません
●江辺スパランド
江辺スパランド|とっても清潔でおススメ!韓国ソウルのチムジルバン。お泊りはどうなの?
受付で会計を済ませたら、男女別に左右に分かれて、館内着を貰う
受付で入館料を支払ったら、次に館内着を受け取ります。2019年3月に利用したときは、館内着のみを受け取りました。タオルは浴室の入り口付近に積んであるので、そこで勝手に貰います。もしかすると、男性と女性では異なるかもしれません。
次に、男性は受付の右側、女性は左側で靴を脱いで上がります。
シューズロッカーに靴を入れて2階のロッカールームへ
シューズロッカーには番号が振られています。この番号は入館料を支払ったときに貰うレシートに書かれています。シューズロッカーの鍵は、ロッカールームの鍵を兼ねており、館内での飲食などで購入する際にも使用します。館内ではロッカーキーのみで、キャッシュレスでの会計になります。
シューズロッカーに鍵を掛けたら、次に2階へ上る階段があります。2階まで階段を上がって自動ドアを開くと、ロッカールームや脱衣所、浴場、トイレ、売店などがあります。
3階より上に行くには、ロッカールームで館内着に着替える必要があります。
ますはロッカールームへ。各自に与えられるロッカーは番号順に並んでいて、自分が使えるロッカーは、さきほどのシューズロッカーと同じ番号です。
ロッカーの大きさはドラゴンヒルスパやシロアムサウナと同じくらい。機内持ち込みサイズのスーツケースなら、ピッタリ納まる程度でしょうか。
死角が多いので、利用客が少ない時間帯は盗難が心配になるかもしれません。でも、しっかりと鍵をかけておけば、まず問題ないでしょう。また、仮眠室は個人ブースになっているので、就寝時はそこに持ち込み、身につけて管理すれば安心でしょう。
スッポンポンになってお風呂へ直行!
ロッカーに荷物を入れたら館内着に着替えます。でもたいていの人は、まずお風呂に入るでしょうから、服を脱いで全裸になり、ロッカーの鍵を閉めたらスッポンポンで浴室へ向かいます。
浴室内でタオルやシャワータオルが必要な人は、浴室の入り口にたくさん積んであるので、そこから勝手に貰いましょう。
入浴方法は基本的に日本の公衆浴場と一緒。シャンプーやボディソープの備え付けはないので、あらかじめ自分で用意するか購入します。ただ、石鹸だけは用意されています。
また、浴室内で歯を磨く人のために、ハミガキも用意されています。もちろん、歯ブラシは自分で用意する必要があります。みんな脱衣所の洗面台では歯磨きをしないみたい。
浴室内は決してキレイとは言えず、清掃があまり行き届いていない感じがしました。それでも、38℃くらいの温めのお風呂や43℃くらいの熱めのお風呂もあるので、シャワーだけでは物足りない人にはいいかもしれません。
海外でこうして大きなお風呂に入れるだけでも幸せだと、ポジティブに考えたいもの。
お風呂の後は、館内を散策しながらゆっくり過ごそう
お風呂から上がったら、再びロッカールームで館内着に着替えて館内を散策しましょう。すぐに就寝態勢に入ることもできますし、続いて汗蒸幕を利用することもできます。もちろん、食事をすることだってできます。
まず、3階には売店や食堂があります。私が訪れた19時台は、店員さんもお客さんもほとんどいない印象。営業しているのか心配になるくらい。
日本のスーパー銭湯でも、喫食スペースは冷凍食品の簡単メニューしか扱っていないところもあるので、チムジルバンによっては、この辺の温度差はあってもおかしくありません。
とはいえ、スナック類や飲み物もありますので、夜遅くに滑り込んだ場合や、日中に長時間滞在する場合などでも、とりあえず食べるものには困りません。
缶ビールはやはり館内価格で3,000ウォン。館内はロッカーキーでお会計をするシステムなので、現金を持ち歩かなくても大丈夫。退館時に精算します。
3階と4階には、食堂や売店の他に、汗蒸幕や広い休憩スペース、マッサージなど、長時間ゆっくり過ごすための設備が備わっています。
私のように、お風呂に入ってビールを飲んでさっさと寝るというタイプの場合は、あまり縁がないゾーンかも。汗蒸幕やマッサージなどの詳細は、他の方が書いたサイトで確認してくださいね。
館内ではフリーWiFiが利用できる
梨泰院ランドの館内では、フリーWiFiでインターネットに接続することが出来ます。3階、4階、5階でアクセスポイントが異なりますが、パスワードは一緒のようです。
なお、チムジルバンで困るのはスマホの充電。専用の充電ロッカーもあるようですが、充電中はスマホを使えないことと盗まれたら困るので、「野良コンセント」見つけてモバイルバッテリーを充電するほうがいいかも。これなら万が一盗まれてもリスク回避できます。
韓国の電源プラグはCタイプまたはSEタイプなので、プラグは事前に日本国内で購入を。家電量販店でも購入できますが、SIMカードと合わせてAmazonで購入した方が楽チンです。なお個人的な意見になりますが、マルチタイプの電源プラグではなく、渡航先に応じてそれぞれの電源プラグを持っていくほうが、荷物が少なくなっていいですよ。これ、空港で搭乗直前まで充電していて、そのまま電源につなげたまま置き忘れるんですよね、、、
5階には男女別の仮眠室があり、2段のブースになっている
5階には男女別の仮眠室があります。中は照明がほとんどなくて暗いので、しっかりと眠るには最高です。梨泰院ランドも2段の個人ブースになっており、さながらカプセルホテルのようです。
もちろん、ブースは先着順でどこを利用しても大丈夫。雑魚寝と違って周囲を気にせず熟睡できるでしょう。ただ、マットや枕はビニールの薄手のものなので、あくまでも仮眠と割り切るべき。
また、人の出入りが常時ありますし、いびきや歯ぎしり、スマホの着信や通話、アラーム音なども鳴りますので、神経質な人には向かないかも。
梨泰院ランドのココが良い!
ここまでザックリと館内の利用方法について説明してきましたが、大体の様子が伝わったでしょうか?
最後に、梨泰院ランドを宿泊目的で利用する場合、どんなところが良いか挙げていきます。
とにかく入館料が格安!
やはり一番目に挙げられるのは、その料金でしょう。入館料10,000ウォン(日本円にして約1,000円)で長時間滞在できるのはありがたいところ。
- 個人ブースで睡眠がとれる
- お風呂に入って汗を流せる
- 滞在中は荷物の心配をしなくてもよい
- 無料でWiFiが使える
単純にこれだけの要素を満たしていれば、コスパは良好です。
立地が良い
梨泰院ランドは都心部にあり、地下鉄の駅からも徒歩5分程度なので大変便利な場所にあります。特に梨泰院で夜遊びする人にとっては、終電後でも徒歩で訪れることができるので便利。
また、小雨の降る日や冬の寒い時期には、駅から近いのが嬉しいですよね。
仮眠室が意外と静かでゆっくり眠れる
梨泰院という土地柄で土曜日ということもあり、夜遅くになってから賑わい始めると予想。そのため、うるさくて熟睡できないだろうと心配していました。
前日に利用したドラゴンヒルスパと比べた場合、確かに入客のピークタイムは遅い様子。深夜の時間帯に出入りが激しいわりには、静かな夜を過ごすことが出来ました。
ちなみに私が起きた朝5時頃は仮眠室が満杯で、枕をもってウロチョロしている人がいるくらいの混雑状況でした。
梨泰院ランドのココが残念
そんな梨泰院ランドですが、残念なところもいくつかあります。ここも整理してみましょう。
仮眠スペースがかなり寒い(3月)
梨泰院ランドには、せっかく個人スペースが確保されている仮眠スペースがあるにもかかわらず、寒くて眠れませんでした。私が訪れた3月は、最低気温がマイナス2℃、最高気温が8℃の日。そのせいかもしれませんが、5階の仮眠室内の温度は、館内の空調よりも外の気温に大きく左右されるのかもしれません。
また、ソウル駅至近のシロアムサウナには、各自のスペースにタオルケットが用意されているのですが、梨泰院ランドでは有料(5,000ウォン)での貸し出しになります。でもお金を払って借りるなら、ここの最大のメリットである格安な入館料がスポイルされてしまいますよね。
私は最初2時間くらい粘りましたが、寒さに我慢できずにロッカールームに戻り、仮眠室のブースの中でジャージ上下とダウンの室内着を着て、やっと朝まで眠ることが出来ました。はじめから、着込んで眠れば快適に過ごせるかもしれません。
浴室の清潔さがちょっと、、、
ここも残念なポイント。きちんと掃除しているのかな?って疑問を感じてしまうような印象。入館料が安いので、割り切って利用する必要がありそうです。
チムジルバンで宿まるなら、シロアムサウナが良いかも
梨泰院ランド | ドラゴンヒルスパ |
シロアムサウナ |
江辺スパランド | |
入館料(ウォン) | ◎(1,000) | △(1,500) | △(1,700) | 〇(1,300) |
浴室の清潔さ | △ | △ | 〇 | ◎ |
仮眠室の快適さ | 〇 | △ | ◎ | ー(なし) |
立地の良さ | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 |
総合判定 | 〇 | △ | ◎ | △ |
最後になりますが、今回の旅行で利用した3ヵ所のチムジルバンについて、私なりの比較してみました。宿泊目的でチムジルバンを利用する場合、総合的な判断ではシロアムサウナのほうが良い印象。
それでも、梨泰院ランドは入館料がシロアムサウナより約700円お得なので、そこの判断が分かれるかも。特に2泊以上利用する場合、だんだんと差が開いていきますからね。
私はこれからもシロアムサウナをリピートする予定ですが、場合によっては梨泰院ランドやドラゴンヒルスパを利用することもあるでしょう。チムジルバンの最大のメリットは、予約をしなくても宿泊場所が確保できるところ。旅の目的が決まっていないような人にとっては、気分しだいで臨機応変に使い分けたいところです。
ソウル市内のチムジルバンについての記事は下記をご覧ください。
●シロアムサウナ
シロアムサウナ|ソウル駅至近で仮眠もできる格安チムジルバンの使い方
●ドラゴンヒルスパについて
【ドラゴンヒルスパ】韓国ソウル|チムジルバンの利用方法|龍山駅至近で便利!だけど仮眠や宿泊はおすすめできません
●江辺スパランド
江辺スパランド|とっても清潔でおススメ!韓国ソウルのチムジルバン。お泊りはどうなの?
チムジルバンでの宿泊は、カゼに気を付けて
チムジルバンでの宿泊の最大のメリットは、カゼをうつされる可能性が高まるところです。不特定多数の人が密度の高い場所で寝泊まりしているので、想像しただけでもわかりますよね。
せっかくの韓国旅行が体調不良で台無しにならないためにも、念頭に置いて利用しましょう。