2019年4月25日から就航したピーチの新千歳(札幌)ー仁川(ソウル)線について。初便を利用したソウル旅行で感じたことについて共有します。あらかじめ、LCC深夜便の長所と短所をしっかりと理解してから利用することで、無用なミスマッチが起こらず、楽しく予定通りの旅行ができると思い書いてみました。
この記事が参考になりそうな対象者と内容は次の通り。
- 新千歳(札幌)から仁川(ソウル)の旅行を考えており、ピーチと韓国系LCCの両方を検討している方
- すでにこの航空券をお持ちの方で、仁川到着直後や新千歳到着直後の交通機関との接続について知りたい方
- 仁川到着後、空港内で仮眠しようと考えている方
- この路線を有意義に活かすための提案
- 大人向け!?ソウルの歩き方(私の場合)
このような内容について書いていきます。
追記)2019年10月27日のフライトをもって運休が決まりました。
新千歳22時出発でソウル弾丸旅行が道民にも身近に。でも経験者向けかも!?
新千歳ー仁川線のLCCは、これまで韓国系航空会社ばかりでした。これらの運航スケジュールは、韓国国内を午前に出発して新千歳で折り返すパターン。そのため、新千歳出発が午後になってからとなり、ソウル、釜山、大邱、清州のいずれに行くにせよ、韓国到着は夕方以降。丸1日を移動のみで過ごすことになりました。これだとせっかくの弾丸旅行の魅力がややスポイルされてしまいますよね。
今回ピーチの深夜便が就航するにあたり、会社勤めの方でも退勤後に余裕を持って空港へ向かい、その日の夜のうちにソウル入りできるようになりました。そのため、2日間のお休みでも韓国への旅行が可能になったわけです。
*無理すれば、1日でも可能。でもお奨め出来ない理由を後述します。
ピーチの深夜便、若干の注意点がありますので、まずはその辺についてお話ししていきます。
1.ソウル到着後の夜が中途半端に長い
日本と韓国は地理的に距離が近いので、フライト時間は3時間程度。エコノミークラスでも、あまり疲れずに移動することができます。その反面、到着が早いので深夜の時間帯をどう過ごすかが悩ましいところです。
ピーチのフライトは、仁川到着時間が午前1時10分と完全に深夜。入国審査がスムーズにいけば、午前1時40分頃には到着ロビーへ。現地に知人や友人がいない場合、ここで考えられる行動の選択肢はせいぜい4パターンになるかと思います。
- 深夜バスでソウル市内へ移動する(宿泊はチムジルバン)。
- 空港近郊のホテルや地下にあるSPAに泊まる。
- タクシーで雲西へ移動する(宿泊はチムジルバン)。
- 空港内のベンチで夜を明かす。
およそこんなところで落ち着くかと思います。
2.ソウル行き空港深夜バス(N6001系統)は便数も少なく混雑。それでもこんな時間に市内へ行く!?
次はソウル行きの深夜バスのお話です。
仁川国際空港第1ターミナルへの到着は深夜1時10分。最も早くに乗車できるバスの時刻は午前2時00分出発です。ソウル到着時刻は午前3時10分。
その次は午前2時55分出発、ソウル到着は午前4時05分となります。
その他には江南高速バスターミナル行き(N6000系統)もありますが、ここでは割愛します。
でも、午前3時にソウル市内に到着して、いったいどこに行きますか?
私ならせいぜい、チムジルバンに泊まるくらいしか選択肢はないでしょう。確かにソウル駅の近くには、快適なシロアムサウナもありますので、ここで午前9時くらいまで眠ることもできます。詳しくは下記の記事をご覧ください。
シロアムサウナ|ソウル駅至近で仮眠もできる格安チムジルバンの使い方
でも、シロアムサウナも10時から12時までの時間帯は清掃が入るので、仮眠室からも追い出されるでしょう。お風呂に入ったりしていたら、せいぜい5時間眠れるかどうかという感じ。逆に疲れてしまうのでは?と思っちゃいます。
3.空港での仮眠は経験者でもちょっと辛いかも
では、空港内での仮眠はどうでしょう?
羽田空港や関西空港では、出国前のエリアでもかなり快適に仮眠することができ、特に成田空港には北ウェイティングルームという仮眠することを想定(?)した待合室まで用意されています。
仁川国際空港は、乗り継ぎの旅行者には快適と言われているのですが、それはあくまでもエアサイド(制限エリア)における話。ランドサイトは硬い木のベンチが多く、そのまま横になると背中が痛くてなかなか熟睡できません。でも、ベンチの数が多いので、空きスペースがないということはないでしょう。
ちなみにソウルの冬は日本と同じく寒いので、これも快眠を阻害する要素。どこの空港も、外気には大きく左右されるものです。
それでも比較的快適な場所があるとしたら、到着ロビーを出て右側に突き当たったところにあるベンチ。木のベンチの表面に柔らかい素材が養生されているので、マットが無くても眠れます。
近くにはコンビニ(CU)もあって便利。ただし、人気がある場所みたいなので、満席になっていることも。空港の寝場所は早い者勝ちなんですよね。
地下に下りれば、空港鉄道の手前にも多くのベンチがあり、こちらは比較的静かに眠れるのがいいところ。新韓銀行のATMやコンビニ(CU)、充電スタンドもあるので便利です。ただ、ちょっと寒いかも。
2階は航空会社のテナント等があり、仮眠できる場所はほとんどないみたい。搭乗カウンターのある3階も基本的には不向き。朝早くからカウンターが開いて騒がしくなります。4階は深夜の時間帯は閉鎖されている様子でした(要確認)。
余談になりますが、空港で仮眠する場合は照明が明るいのでアイマスクがあると便利。おすすめは天使のシルクアイマスク。それと耳栓もマストアイテム。あとはアウトドア用の軽くてポケッタブルなインナーシーツがあれば完璧。空港で仮眠する機会なんてそうそう滅多にないでしょうから、良いモノは必要ありません。1,000円程度の商品で十分。チムジルバンやゲストハウス、フライト中のひざ掛け替わりとしても使えます。でもアイマスクは100円ショップ等でケチらない方がいいです。良いモノはフライト中も快眠度がグッと向上します。
あとは、地下にあるSPAで休むことも可能。こちらは、多くの方がブログで紹介していますので割愛します。
4.ピーチ深夜便のメリットは、時間を最大限に利用できること
このように、新千歳から仁川への深夜のフライトに関して言えば、韓国系LCCに比べて到着直後の行動にかなり制限を受けてしまいます。ここはしっかりと理解しておきたいポイント。
料金体系やサービス、使用する機材もほとんど変わらないわけですが、それでも最大のメリットとしてあげられるのは、旅行の前日からソウル入りが出来ること。睡眠不足や徹夜になってでも、朝一番からソウルの街を楽しめるわけです。
そのため北海道の人にとってはこれまで3日間のお休みが無ければ行けなかった韓国に、2日間で遊んで帰って来られることに。実は会社員よりも、主婦業の方のほうがまとまったお休みは取りにくいもの。特にお友達を誘って数人で旅行する場合は、3日間のお休みを合わせるのは難しいですよね。それをピーチの深夜便就航によって実現したわけです。これは嬉しい!
そういった方々にとっては、深夜のフライトスケジュールは「時間を買う」と言う点でとても価値あるものです。
ソウル(仁川)深夜2時40分出発には課題アリ
さて一方で、仁川国際空港を深夜2時40分に出発するフライトは、結構課題がありそうです。ここでは、その問題点を列挙します。
ちなみに仁川国際空港出発便では、このフライトが事実上の最終便。次は朝6時台の出発になるようです。
1.ピーチのカウンター開設時間は24時10分から
仁川国際空港を利用したことがある方ならご存知かと思いますが、韓国系航空会社(LCCを含む)を利用する場合で、荷物を預ける必要無い場合、自動チェックイン機を利用することが出来ます。これは空港到着後すぐに出国審査を受けて、制限エリア内でゆっくりと過ごせることを意味します。
制限エリア内は仮眠スペースも豊富なので、搭乗時間1時間前くらいまで仮眠を取ることが出来ます。
また、LCC利用でもプライオリティパスを使えば、SKY HUB LOUNGEなど多くのラウンジを利用して食事をしたり、お酒を飲んでゆっくりと過ごすこともできるでしょう。
ちなみに仁川国際空港はとても広く、ピーチの新千歳行きはターミナル1のコンコースからの搭乗となるので、出国手続き終了後から20分以上の移動時間がかかります。
さて、話を戻します。ピーチでは、韓国系航空会社と異なり、荷物を預ける必要がない人でもカウンターでチェックインを済ませなければなりません。
ピーチの国際線は「カウンターの開設時間が出発150分前」となっており、仁川ー新千歳線の場合、チェックインカウンターの開設時間は0時10分から。早めに空港へ到着した場合、時間を持て余してしまうでしょう。なぜなら、深夜になるとコンビニなど一部を除き、ほとんどのお店が閉店してしまうからです。
ここは、せめてウェブチェックインをして、スマホの画面にe-ボーディングパスを表示させることができるようにして欲しいところです。
2.新千歳空港到着後の公共交通機関との接続が悪い
そして新千歳空港到着後にはもっと課題があります。
それは、早朝の時間帯に公共交通機関が動いていないのです。例えば札幌方面へ行く場合、
- JRの始発は6時56分(ホームへの入線は6時51分頃)
- バスの始発は7時40分
となっており、到着後に待ち時間が生じます。
*北海道中央バスと北都交通では、4月26日からソウル到着便に合わせて対応。下記をご参考ください。
*北海道中央バスのウェブサイトより引用
私が搭乗した4月28日のように5時ピッタリに早着した場合、早朝に眠い目をこすりながら、空港関係者しかいない新千歳空港で、いったい何をします?
お店もこの時間帯はまだ営業していません。国内線の搭乗手続きが始まる6時過ぎになって、一部のお店が営業を開始しますが、それまでの間、ソファーで寝るか、自動販売機や充電できるコンセントを探して空港内を彷徨うなど、他の旅行者も困惑している様子です。日本円を持っていない外国人旅行者の場合は、自販機すら利用できずちょっと可哀そう、、、
そもそも新千歳空港では、国内線・国際線、出発・到着を問わず、午前7時30分の女満別行きが最初のフライトでした。しかし、今回のピーチ「新千歳ーソウル線」の就航と同時に、朝5時30分到着と2時間も早まったわけです。
しかも、ソウルから札幌までのフライトは東へ向いますし、搭乗客が少ない場合は仁川空港を早発することもありますので、新千歳には定刻より早く到着することも。繰り返しますが、実際に私が利用した4月28日の場合、定刻より30分早い5時00分に到着しました(駐機場到着は4時48分)。
今後、早朝時間帯の発着枠が増えて活性化すれば、新千歳空港の利用者にとって利便性が格段に向上するでしょうが、現状ではまだまだこういった課題も。満席でも180席程度のたった1便のために、JR北海道やバス会社各社も早朝便を出せないでしょう。この時間帯の発着便が増えるまで、ガマンするしかないようです。
なので、この点はピーチさんには全く罪はなく、そこを理解して利用したいものです。
追記)国内線ターミナル1階に「軽食自動販売機コーナー」が新設されました。
軽食自動販売機コーナーではコカ・コーラの自動販売機のみだけではなく、おにぎりやサンドイッチ、パン、お菓子などのローソン商品も購入できます。
この自販機は現金のみの取り扱い。また、商品の保存温度帯の特性上、おにぎりは冷たいままでの喫食でしょうか。
場所はココ。到着ロビーの一番端っこにあります。
新千歳空港は国内線の出発ロビーがある2階は分かりやすいのですが、到着ロビーがある1階は意外と分かりずらい構造になっています。
- センタービルとメインビルという2つのビルの間にバス・タクシーレーンがあるため、2つのビルが分断されること
- メインビルもJALなど数社の航空会社と、ANAなど数社の航空会社の到着ロビーが中央で分断されること
これらの理由で、国内線の1階フロアだけでも3ヵ所に分断されているのです。
今回の動線を考えてみた場合、国際線ターミナルの到着ロビーがある2階から、連絡通路を使って国内線ターミナルの出発ロビーがある2階へ移動するでしょう。
- 最初のエスカレーターがある2階ショッピングワールドから1階に降りるとセンタービルの1階へ
- センタープラザを突き抜けて、左側にあるANAの搭乗カウンター前のエスカレーターから1階に降りると、メインビル1階の到着口3番付近へ
- センタープラザを突き抜けて、右側にあるJALの搭乗カウンター前のエスカレーターから1階に降りると、メインビル1階の到着口4番付近へ
この3パターンで1階に降りることができるわけです。でも正解は一つだけ。
目的の軽食自動販売機コーナーへ行くためには、JALの搭乗カウンター前のエスカレーターから1階に降りる必要があり、そこからさらに一番奥まで進んだところに、軽自動販売機コーナーがあるわけです。
これは新千歳空港に相当詳しい人でなければ、分からないかもしれません。
それともう一つ、新千歳空港温泉という便利な施設が国内線ターミナルの4階にあります。食事の必要がない場合、お風呂に入ってサッパリしてから電車やバスに乗るというパターンもあるでしょう。ここなら迷わずに行けると思います。
〇朝風呂入浴(5:00~8:00*最終受付7:30)
大人(中学生以上)800円
子供(小学生、幼児*3歳~未就学児)400円
*2019年5月2日現在
ということで選択肢としては、
- 自家用車を新千歳空港に駐車しておく
- 家族や知人に迎えに来てもらう(家族や知人も早朝に迷惑ですよね)
- タクシーを利用する(LCCを利用する意味がなくなりそう)
- ガマンして気長に空港内で待機する(お風呂に入っていい気分にも!)
のいずれかになりそうです。 空港内で待機する場合は、仁川国際空港のコンビニで朝食やおやつを購入しておいたほうが無難ですよ。
3.ほぼ徹夜で過ごすことになり、遊んだ後にはちょっと厳しい
機内で過ごす時間が短い日韓路線。そもそも機内でまとまった睡眠を取ることができないでしょう。往復でピーチを利用した場合、往路・復路ともに徹夜に近い状態。短時間の睡眠しか取れず、身体へのダメージは予想以上に大きくなります。
たとえ現地滞在中に1日くらいゆっくりと休むことが出来たとしても、短い期間中に徹夜に近い状態が2日もあるのはツラいもの。10代や20代ならまだ平気かもしれませんが、30代以降は自分が考えている以上に回復まで時間がかかります。
私が帰国した日曜日は、帰宅後にお風呂に入って昼寝を5時間!、夜もさらに6時間、併せて11時間を寝て過ごすことになりました。月曜に出社しても酔っぱらっているような感覚で、仕事のパフォーマンスが上がりませんでした。
4.ソウルから出社は難しい!?では何のために早朝に到着するの?
朝5時30分に到着するということで、ソウルから帰国後すぐに出社も可能かもしれません。でもちょっと待ってください。前述の通り、
- 新千歳空港到着後、公共交通機関と相性が悪い
- ほぼ徹夜に近い状態で、体調不良
このような理由から空港から真っ直ぐに職場へ行っても、頭も体もすぐに切り替えができず、その日は仕事にならないかもしれません。単純作業なら勢いで何とかなるでしょうが、デスクワークなどでPCを酷使するような仕事の場合、眠気との戦いになります。
そのため、帰国したその日はお休みとなるようなスケジュールが望ましいでしょう。それでも前述の通り、かなり負担があることを承知で。
土日がお休みなら、金曜の夜に出発して日曜早朝に到着、日曜日はゆっくり休むという感じがベター。月曜早朝に到着してすぐに出社は、思っているよりもかなり厳しいですよ。
となると、ピーチを利用して早朝に到着する意味はあるのでしょうか?
次の項で一つの提案をします。
5.ソウル行きはピーチ、札幌行きは韓国系LCCがベターかも
おさらいをすると、ピーチの深夜便の恩恵を最大に享受できる人は、
- 札幌発着のLCCを利用して、格安で韓国へ行きたい
- 2日程度の少ない休日をフルに活用し、ソウルの街で遊びたい
という両方が当てはまる方ではないでしょうか。
ただし、帰国便が早朝に到着するデメリットは前述の通り。最終日はゆっくり休んで、午前のフライトで帰ってくるほうが体への負担も少なく、気持ちにも余裕が生まれます。
では、徹夜に近い状態にまで追い込んで、朝5時に帰ってくる必要がいったいどこにあるのでしょうか?
韓国系LCCは午前中に仁川を出発するスケジュールが多いので、1泊して休んでから帰ってくるほうがいいでしょう。そのため、当サイトが推奨するのは、
- ソウル行きはピーチ
- 札幌への戻りは韓国系LCC
というパターン。もしくは、
- ソウル行きは韓国系LCC
- 札幌への戻りはピーチ
といったように、2社の組み合わせが良いのではないかと思うのです。でも普通なら帰ってから休みたいと思いますので、前者のパターンがお薦め。あくまでも私見になりますのであしからず。本音は往復ともピーチ利用で応援したいところなのですが、現状ではお薦めできない点があるのも事実です。
でも、往路はピーチで復路は別の航空会社を利用することが、誰にでも適しているかと言えばそうでもないのも事実。これにはデメリットもあります。それは、
- 航空会社のウェブサイトから直接予約をする場合、ピーチと韓国系LCC、それぞれのウェブサイトに訪問しなくてはならない
- 上記の場合で、更に両社のセール運賃を狙うのであれば、それぞれのセール開催時期中に片道ずつ予約しなければならず、情報収集などにある程度の経験が必要になる。
ということ。
でもこれって、韓国人旅行者にとっても同じことが言えるかも。札幌へ行くときはピーチを利用し、ソウルへ帰るときは韓国系航空会社を使えば、彼らだって1泊2日で北海道を楽しむことができるでしょう。実際に4月28日の新千歳行きのフライトは、日本人より韓国人の利用者が多い印象。
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こうして、両国の多くの方々がもっと頻繁に旅行をすることで、新しい交流が生まれ、相互の理解も深まり、日韓関係も民間レベルから良い方向に向かうのではないか、というのが私の想いです。今回のピーチ就航には、そんなポテンシャルを秘めているものと感じます。
海外旅行に不慣れな人こそピーチは魅力的
ややネガティブなお話もしましたが、個人的にはピーチさんにはこの路線で頑張っていただきたいと思いますし、これからも応援します。
また、海外旅行に不慣れな方にこそ、お薦めしたい気持ちもあります。その理由は、
- 日本企業なので、乗務員は基本的に日本人で親しみやすい
- 現地の搭乗カウンターでも日本語が通じるので、朝鮮語や英語に不慣れな人にとっても優しい
そういった意味で、海外旅行に不慣れな方や、LCCに馴染みがない方が新しい扉を開くきっかけとなる可能性があります。
エアアジアが「Now Everyone Can Fly.」というキャッチフレーズを掲げているように、LCCは「旅を特別なものから生活の一部に変えてくれる『旅の頻度』の向上」、そして「私たちをより遠くへと運んでくれる『行動範囲の拡大』」を実現させてくれます。
北海道民は内向きと言われていますが、私はもっと多くの人に海外へ頻繁に出かけてもらい、韓国訪問をきっかけにして、いろいろなことを感じ取って欲しいと願います。昔から「可愛い子には旅をさせよ」と言われますが、現地で体験したことや感じたことは、人格形成に役立ち、人生観をも変える可能性があります。
その最初の一歩として、ピーチの札幌ーソウル線はもっと盛り上がって欲しいところです。
今回のソウル、私が訪れたところ
最後に、ソウル行きが決まっていても、どこに行こうかまだ迷っている方に向けて、一部の見どころを少しだけ紹介します。明洞や東大門といった定番以外の場所について、今回私が行ったところをもとにご案内します。
1.松島新都市
松島新都市は高層ビルが建ち並ぶ夜景スポットで、ソウルではなく仁川市内に位置しています。空港からは直線距離では近いのですが、地下鉄を利用するとかなり遠くなります。もちろんソウル駅からも遠いです。
ソウル駅からの場合、空港鉄道もしくはソウルメトロ1号線と仁川メトロ1号線を乗り継いで「セントラルパーク」駅で下車。徒歩圏内です。
移動には1時間30分くらいはかかるでしょうが、ピーチを利用して新千歳空港へ帰る場合、ソウル駅を19時くらいに出発すれば、松島新都市の夜景が輝き始める時間帯にちょうど良いでしょう。夜景を見た後に仁川メトロ1号線と空港鉄道を乗り継げば、23時過ぎに空港へ到着できるので、ちょうど良いかと思います。
2.北漢山(プッカンサン)
北漢山(プッカンサン)はソウル市民に愛されているハイキングの名所で、地下鉄やバスでアクセスし、比較的短い時間で簡単に登ることが出来る山です。
上部は急な岩場となるので、初心者にはお奨めできない向きもありますが、子供や欧米人のハイカーも多く、見晴らしも良いのが魅力です。
韓国では登山がポピュラーな趣味の一つで、日本とは異なり若い登山者も多いです。
ソウルは東京よりも桜の開花時期が遅いので、4月下旬でもまだ一部で咲いています。その他にも梅や色鮮やかなたくさんのお花を見ることができるので、天気が良ければ楽しいでしょう。アクセスはソウルメトロ3号線「旧把撥」駅からバスを利用します。詳しくは下記の記事にて。
【北漢山(プッカンサン)白雲台|韓国ソウル】登山口への行き方とコース案内】
2017年9月からは、UI牛耳新設(ソウル軽電鉄牛耳新設線)が開業したため、終着駅の「北漢山牛耳」からも登ることができるようになりました。
こちらの登山コースについては、後日別の記事で詳しくご紹介します。
3.戦争記念館
ソウル駅から地下鉄4号線で2駅と言えば「明洞」ですが、反対側に2駅は「三角地」です。
戦争記念館はここ「三角地」にあり、しかも入場料は無料です。
朝鮮戦争についてのみならず、有史以来の朝鮮半島についての歴史、ベトナム戦争以降の海外派兵、北朝鮮との和平に向けた近年の動向、武器装備品の展示など、半日いても飽きないくらいのボリュームがあります。
屋外にはB52爆撃機やF-4C戦闘機、AH-1J攻撃ヘリコプターやK1戦車などといった西側諸国の兵器だけではなく、スカッドBミサイルやMIG-19など旧東側諸国の旧い兵器も一緒に展示されているのが面白いところです。
竹島(独島)や日本統治時代についての記述もあり、政治的な側面もやや見受けられますが、中立な視点で全体を見学すれば、老若男女を問わずきっと楽しめることでしょう。
雨が降ったときに訪れる施設として、選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか。ここも欧米や東南アジアからの見学者が多い施設の一つです。
4.水原華城
水原華城は、ユネスコの世界遺産に登録されているためとても有名な景勝地ですが、ソウル中心部から地下鉄1号線で1時間程度かかることから、なかなか訪れる機会が少ないかと思います。
じっくり見て歩けば半日くらいはかかるボリュームですが、見どころが多いというよりも、敷地面積が広いというのが本音。史跡と現代が入り乱れているので、スポットを事前に予習して効率よく見て回るのが良いでしょう。
初めてソウルに行く人よりも、ソウルの観光名所はひと通り見たよ、という方にお薦めしたいスポットです。
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ガイドブックで定番の、明洞、南大門、東大門などでグルメやショッピング、宗廟や光華門などだけでも、2日もあれば十分に楽しめます。むしろ、ザックリした予定だけ立てて、天気や気分次第でフレキシブルに朝から晩まで遊び尽くすくらいが、ソウルの弾丸旅行にちょうど良いと思います。
みなさん良い旅を。最後までお読みいただきありがとうございました。
〇この時の旅行記
韓国旅行記|新千歳からピーチでソウル旅行記とゴールデンウィークはスマホ決済が熱い!
〇2週間後に新千歳から桃園をピーチで往復した台北旅行記
新千歳からピーチで行く1泊3日の台北旅行記|九份の基隆山、ミッフィパークの八里文化公園など