旭岳、羊蹄山と並んでアクセスが良い
私の登山計画はいつも直前まで決まらないのですが、その大半の理由は天気。基本的に晴れている時にしか登りたくないので、いつも天気図と天気予報を眺めながら判断しています。
北海道の山をテーマにブログを書いていますが、登ったことがない山はまだまだたくさんあります。でも、十勝岳に登るのはたぶん7度目。その理由の一つに「アクセスの良さ」が挙げられます。
未舗装区間がないので夜間の運転も安心
夜明けとともに行動開始をするのが私の登山スタイル。最近はナイトハイクも増えてきて、直近の十勝岳は2018年6月に23時頃から登っています。
十勝岳登山|望岳台からのナイトハイクの注意点|満天の星空、ご来光、雲海を安全に楽しむために心がけたいこと
ナイトハイクはしないにせよ登山口を夜明け前に出発するには、やっぱり夜間に運転する必要があります。車中泊をする場合でも仕事が終わってからの移動となるため、やはり夜間の運転。
そのため、運転にはなるべく未舗装の林道区間は避けたいもの。野生動物と遭遇する可能性もありますし、運転操作を誤って道路外に脱輪なんてしたら目も当てられないですよね。
その点十勝岳は、東大雪ルートを除き、望岳台、吹上温泉、十勝岳温泉のどこから登っても、駐車場まで完全に舗装されているので安心です。
これまで十勝岳に登ったのは6月、7月、8月、9月、12月で、そのうち6月は2回、12月は敗退。5月は今回が初めて。
コースは、望岳台からが4回目、十勝岳温泉からの縦走が3回。吹上温泉は下山に使用したことがあり、東大雪ルートは未経験。
望岳台には大きな駐車場があります。十勝岳は山頂が少しだけ見える程度ですが、美瑛岳や美瑛富士、富良野岳の姿が美しく、なぜここが望岳台と呼ばれているかが良く分かります。
以前のレストハウスは再建されて新しくなり、水洗トイレや自動販売機、休憩スペースがあります。屋外には展望台も。
入口には入山届の記帳台がありますので、ここに記入してから出発。
まだまだ雪が残り、一部は夏道が露出している箇所も
望岳台からしばらくの間、夏道の雪はすでに無くなっています。残雪期は足回りのチョイスが悩みどころですが、私はモンベルさんの4シーズンブーツ「アルパインクルーザー3000」を使用。夏道を重たいブーツで歩くのは非効率ですが、この時期は雪の上でアイゼンを着用したほうが登りやすいし、日中になると雪解けが加速して靴が濡れるので、私はかなり遅い時期までこの登山靴を履いています。
夏はサロモンのトレランシューズ「スピードクロス4」。機動力は優れるけれど、長持ちしないので消耗品として割り切って使います。トレランはしないので専門的なことはわからないけれど、今まで履いたシューズの中ではこれが一番。2017年6月に登った時もこのシューズ。
【十勝岳・美瑛岳縦走】望岳台から登るなら6月をおススメする理由とは?
十勝岳避難小屋からの登りが頑張りどころ
朝日を浴びる富良野岳にはいつも魅了されますね。
望岳台から十勝岳避難小屋までの半分以上はまだ雪が残るので、早々にアイゼンを装着。見晴らしが良くて地形も単純なので、一直線に避難小屋まで登るように進みます。
一歩一歩の積み重ねが大きな成果を生み出しますが、夏道のショートカットでも同じことが言えるわけです。
避難小屋までの区間でウォーミングアップが完了したら、ここから火口縁まで一気に登ります。ここが望岳台コースの最も厳しいところ。
夏道は左側の尾根地形上に付けられていますが、残雪期は谷地形の雪渓も利用します。今回は登りも雪渓を使いましたが、夏道のほうが早いかも。
もちろん、下りは雪渓を使ったほうが数倍速く下りられます。
表大雪や芦別岳の眺めが素晴らしい
雪渓の登りは頑張りどころ。ちょっと辛いところですが、次に登る山へ向けたトレーニングだと思ってガマン。
登りきると、再び表大雪の山並みが見えてきます。
反対側には芦別岳と周辺の山並み。夕張山地には、たくさんの名山がありますが、未だに芦別岳と夕張岳にしか登ったことがありません。このブログで共有できる日がいつ来るのかはちょっと定かではないです。最近、休日に海外へ行くことが増えてきたので、、、
*2018年6月の芦別岳については下記の記事にて。
【芦別岳|新道コース】全周に広がる雲海、残雪と緑と青い空、ツクモグサを楽しみに早朝から山頂を目指そう!
*2015年5月の夕張岳については下記の記事にて。
【夕張岳|日本二百名山】林道でヒグマ遭遇、マダニに咬まれる|冷水コースと馬の背コース
火口縁まで登り詰めると、十勝連峰と表大雪とを繋ぐ山並みも見えてきます。オプタテシケ山からトムラウシ山までは、あまり人気がないみたい。何となく東アジアとヨーロッパの間にある中央アジアのようなイメージ。実は私にとっても未踏区間。ここも早く歩いてみたいです。
火口縁から十勝岳山頂直下までの区間はしばらく平坦。この付近は雪が消えるのが早いですね。ここから見る美瑛岳は、縦走路からの山容とは全く異なりとても端正。
美瑛岳は十勝連峰のなかで最も展望が良くて好きな山。でも、登るのは意外と大変なんですよね。
【十勝岳・美瑛岳縦走】望岳台から登るなら6月をおススメする理由とは?
南寄りの風が吹くと、噴煙が風に乗って登山道に流れてきます。また、雲の通り道となって十勝岳の山頂を隠してしまうことも。
平坦地系ではガスがかかると進行方向を見失いがちなので、風向きにも注意して。
山頂直下の最後の登り。この時期はまだ直登が出来るのですが、意外と急斜面なので時間がかかります。
右側に見える尾根上には夏道があり、雪が解けて地面も出ています。すでにアイゼンを外しているのなら、夏道を登った方が楽で早く、しかも安全です。
夏道を登って稜線へ出ると、富良野岳へと続く縦走路が一望できるので、夏道の尾根を登った方が楽しいですよ。
上ホロカメットク山と上富良野岳も間近に見えるんです。上富良野岳から十勝岳までの縦走路はお花が乏しいけれど、山肌の荒々しさと迫力を感じられる区間。十勝連峰の縦走路は、いろいろな表情があって面白いですよね。
*2014年6月と2015年7月の十勝連峰の縦走に関する記事はこちら。
【十勝連峰】日帰り縦走するにはどこを起点とする?富良野岳から十勝岳、オプタテシケ山まで繋いでみよう
【十勝連峰日帰り縦走】十勝岳温泉からオプタテシケ山まで往復してみた
十勝岳山頂はタイミングが悪く、残念ながら雲の中。そう言えば、山頂標識も落ちていました。ちょっと待てば晴れる可能性がありましたが、すでに満足したので今回はすぐに下山。
帰りは雪渓を使えば夏より早く下りられますし、膝への負担も少ないのでいいですよね。この時期の十勝岳の魅力のひとつかも。
週末は多くの登山客や観光客でにぎわいますが、望岳台の駐車場はキャパシティが大きいので問題なく駐車できるでしょう。何度も行きたい十勝岳。今回は2019年5月19日の様子でした。