今日は、韓国大邱広域市(대구)の八公山(팔공산)についてお伝えします。
八公山は中腹までケーブルカーでアクセスできる紅葉の名所で、市内から路線バス1本で行くことができます。週末のみならず平日も多くの登山者で賑わい、稜線上にはかなりボリュームがある縦走路が整備されています。
今回私は、山塊の東側に位置するカッパウィから、山塊の中央に位置する東峰までの区間約8kmを縦走してみましたので、この記事で詳しくお伝えしていきます。
- 大邱に遊びに行くついでにどこかでハイキングを楽しみたい
- ハイキングはしないけれど、八公山について詳しく知りたい
という方に向けて情報共有します。
八公山の概要
八公山についてご存知ない方も多いかと思いますので、ここで少し説明。実際に私も、大邱へ行く直前までその存在すら知りませんでした。
まず、大邱って街を知っていますか?
韓国南東部、釜山からKTXで45分程度の内陸部の都市で、人口250万人ほどが住む韓国第3の都市。
韓国系のLCC数社が日本から直行便を飛ばしていて、最近では往復1万円以下で行けちゃう穴場的な都市でした。
ところが日韓関係の悪化で減便や運休が相次いで決まり、以前に比べて大邱へ簡単に行くことが難しくなってきたんですね。1日も早い日韓関係の正常化に期待したいところです。
なお、今回のフライトは北海道の新千歳空港からエアプサン利用で約11,000円(往復)です。
大邱広域市と八公山の位置関係
八公山は大邱広域市の北東部に位置し、さらに東側には世界遺産の石窟庵と仏国寺がある慶州市があります。
八公山へのアクセスについて
はじめにお伝えした通り、八公山へは大邱市内を走る路線バスで行くことができます。
予約不要で便数も多く、所要時間は1時間程度ととってもお手軽。
東大邱駅または大邱国際空港からケーブルカー乗り場への行き方
八公山の中央部にはケーブルカーが運行されています。
ケーブルカー乗り場へ行くには、급행1(急行1系統)のバスを利用。大邱市内のバスは、車体の色分けと大きく書かれた系統番号とで識別するのが容易で、급행1は赤い車体です。
このバスは東大邱駅や大邱国際空港にも停車するだけではなく、136東区庁、137峨洋橋、133七星市場、中心部の131中央路、328西門市場の北側、地下鉄2号線の220啓明大、219江倉、218テシルまでの各地下鉄駅からも乗換えが可能。
大邱の市内バスについては、大邱広域市のウェブサイトが便利で、日本語にも対応しているのですが、動作が遅くなることが多いみたいです。
東大邱駅または大邱国際空港からカッパウィ地区への行き方
八公山の東側はカッパウィ地区と呼ばれています。
カッパウィ地区へ行くには、車体の色が青色もしくは緑色の401系統のバスを利用。このバスも大邱国際空港を経由するので利用機会が多いかと思いますが、終点がカッパウィですので、何も気にせずにただ乗っているだけで連れて行ってもらえますよ。
このバスも137峨洋橋、136東区庁、135東大邱、133七星市場、132大邱駅、131中央路、130半月堂、332コンドゥルパウィまたは333大鳳橋、340凡勿、341龍池の各地下鉄駅に接続。
なお大邱のバスでは、ソウルのT-moneyや釜山のCashbeeといった交通系ICが使えるので、運賃を現金で支払う人はかなり少ないかも。
大邱独自の交通系ICもあるためか、これらのICカードは地下鉄自動券売機でのチャージができませんが、コンビニではチャージすることができます(2019年8月現在)。
カッパウィ地区から東峰への縦走
では、実際に2019年7月に訪れた時の様子を時系列で紹介して行きます。
今回、私が辿ったルートは、東側のカッパウィから稜線上の八公山冠峰石造如来坐像(팔공산관봉석조여래좌상)(以下「石造如来坐像」)に立ち寄り、そこから稜線上の縦走路を使って山塊中央部にある東峰へ至るコース。
帰りは電波塔が立ち並ぶ最高峰にも立ち寄り、そこから中央部の尾根伝いのコースを辿ってケーブルカー乗り場があるレストハウスへ。
最後にケーブルカーを利用して下山するというものです。
東大邱駅からカッパウィ地区へ
東大邱駅からカッパウィ地区まで行く場合、アンダーパスを下りたところにあるバス停から乗車します。ここは空港へ行く場合と同じ場所。
東大邱駅の4番出口を出て右側に向かって歩くと、バス停への階段とエスカレーターがあるのでそこを下り、さらに右側へ。
ちょっと進んだところにタクシー乗り場があり、さらにその奥にバス停があります。道路を渡ったところにはコンビニもあるので便利。
ちなみに私はチムジルバンに宿泊したので、不要な荷物は東大邱駅の中にあるコインロッカーに預け、ハイキングスタイルで出かけました。
終点でバスを降りると、乗客全員が同じ方向に向かって歩き始めるので、彼らについて行けば大丈夫。みなさん目的地は一緒です。
縦走しないで石造如来坐像をピストンする場合は、ここのバス停から帰りのバスに乗ればOK。石造如来坐像までなら、見学時間を含めて往復4時間もみておけば十分でしょう。
バスを降りてから数百メートルの区間に飲食店や売店、公衆トイレが数か所あり、トイレは水洗で清潔。これからの道中には寺院等の有人施設以外を除いてトイレはないので、ここで済ませておきましょう。
また、登山口にはとても詳しく書かれた案内標識もあるので、この先の行程をよく確認しておくといいですね。
道中の分岐点には随所に道標が設置されているものの、概念図のイメージが湧かないとピンとこないので、スマホで写真を撮っておくことをおすすめします。
途中にある寺院までは舗装された車道が付いていますので、そこを登っていきます。意外とはじめから傾斜があるのでゆっくり登るといいかも。そうそう、何となく雰囲気がシンガポールのブキッティマに似ています。
シンガポール最高峰|ブキティマの登り方とMRTでのアクセス方法|ガイドブックに紹介されないローカルな海外ハイキング
車道の周囲には縦横無尽に遊歩道や踏み跡がありますが、車道から離れない方が無難かな。
20分くらい歩くと、やがて冠岩寺という寺院に行き当たります。ここにもトイレがありました。
石段を登ると上の画像のような寺院となっていますが、石段を登ってすぐに左に曲がると登山道が続いていて、ここからがこのコース一番の急登。
寺院から頂上にある石造如来坐像までの区間は長い石段が続いていて、みんな苦しそうに登っています。韓国の人たちは年配の方でも歩くペースが速い傾向があり、カメ足で登る日本人登山者とはちょっと歩き方が異なる様子。
途中に何か所も休憩スペースが設置されており、海苔巻きや果物を食べながら談笑している微笑ましい様子を見ることができます。
海外マラソン同様、同じ方向を目指して共に汗をかく場面では、民族や言葉の壁を超えて一体感が生まれるもの。会話をしなくても、顔を見合わせて笑顔になることがよくあるんですよね。
登山口からゆっくり歩いて約1時間。やっと山頂へ至ることが出来ました。
信仰の対象となる大きな石造如来坐像があり、大半の人たちがロウソクや献花を手向けてお祈りしています。
スピーカーから延々とお経が流れており、やや異質なムードを感じますが、ここを目指してやってくる方々の信仰深さが伝わってくるんですよ。
ここへは山の反対側から登ってくる人も大勢いて、服装もハイカーのスタイルをした人ばかりではありません。
ただ共通して言えることは、基本的に年配の方が多いということ。若い人が全くいないわけではありませんが、その姿はかなり少ないですね。
2019年現在、日韓の政治関係が過去最悪の状況と言われていますが、両国の国民は政治的な対立とは無縁でありたいと願います。
こうして人々の生活の一部に近づくと、韓国民の日常だって私たちが正月に初詣に行ったり、お盆に墓参りに行ったりするのと何ら変わらないということを感じます。
なのになぜ市民レベルでまで対立する必要があるのだろうか、と疑問に感じてしまうのです。メディアから流れる断片的な様子だけではなく、実際に現地へ足を運び、自分の目で見て肌で感じることが大切です。
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さて山頂で石造如来坐像を拝観したら、少し戻ったところに自動販売機やカフェがありますのでそこで一休み。山で飲むコーヒーは美味しいんですよね。
カッパウィ地区から東峰まで
さらに石段を下りて戻ると、東峰へと続く縦走路の入り口があります。石仏を拝観しない場合は、山頂まで登らずに左側に続く登山道へ入ります。
ロープと手摺りが設置されて、足がかりがないツルツルの岩場がいきなり現れますが、そこをよじ登ると縦走路の始まり。
こちらを訪れる人はあまりいないので、これまでとはかなり変わって一気に静かな山歩きに変わるのが面白いですね。
縦走路を東峰まで歩くと約7kmの距離があり、結構遠いと感じることでしょう。
ただ、登山道はしっかりと整備されていて、道標も至るところに設置されているので安心して歩くことが出来ます。
見通した先に見える電波塔群が乱立しているところが八公山の最高地点。
その手前にあるのがこれから目指す「東峰」。多くの登山者が目指すところがこちらの東峰です。縦走路は弧を描くように迂回しています。
眼下にはゴルフ場を見下ろし、同じ山域に寺院、電波塔群、ゴルフ場、ケーブルカー、そして登山の縦走路と多様な要素を持ち合わせていることがわかります。
私が訪れたのは日曜日だったためか、意外と多くのハイカーとすれ違いました。多くの人はケーブルカーを利用して東峰へ登り、カッパウィ地区へと縦走しているみたい。私とは逆なんですね。
私が履いているサポートタイツを見て話しかけてきた男性。言葉が分からず「イルボン」と答えると、笑顔で握手を求めてきました。これは大邱の人たちの気質なのかわからないけれど、今まで大邱で接した人のなかで感じが悪い人に出会ったことがありません。これは先月訪れた伽倻山でも同じ印象を受けました。
ちなみに、韓国人登山者がサポートタイツを履いている姿をほとんど見たことがないので、私のスタイルが珍しかったのかもしれません。
縦走路の途中にはいくつかのピークがあります。
たとえ縦走路が外れていても必ず道が付いていて、すべてに登ろうとすると大変なので、見晴らしが良さそうなところだけにしておきましょう。
山頂標識が設置されているピークも何か所かあり、休憩スペースを兼ねています。
韓国のハイカーさんは、ちょっと離れた藪の中など意外な場所で休憩していることがあり、誰もいないと思って油断をしていると実は草陰に人がいた、なんてことが良くありました。
縦走路を歩いて約3時間40分で東峰に到着。
一部はザレの滑りやすい箇所もありましたが、全体的には整備が行き届いた歩きやすい登山道でした。
稜線上はそよ風が吹いて気持ちよく「また歩いてみたいな」と思うハイキングコース。そうそう、八公山は紅葉の名所のようですので、次回は秋に訪れてみたいと思います。
東峰から最高点に立ち寄ってケーブルカーで下山
比較的多くのお花が咲いている東峰付近から、次は最高点(標高1,193m)を目指して歩きます。
あれだけ遠かった電波塔群は、もう目と鼻の先。途中に鞍部があるのでいったん大きく下るように見えますが、実際のところは大したことはありません。
最高点は金網のフェンスに囲まれた小さなスペース。
周囲には人工物しかない殺風景な場所ということもあり、休憩にはあまり適しません。
北側の稜線には管理者道や施設群が立ち並んでいますが、残念ながらそちら側へは行くことが出来ません。
今回は西峰はスルーして、ケーブルカーを利用して下山しようと思います。
八公山は最高点の他にも先ほど訪れた東峰、反対側には西峰があるものの、特に複雑な感じはなく、分かりやすい地形です。
でも至るところに小道が発達しているので、下山時は注意が必要です。
ハングルが読めて、かつ地名と頭の中に入っている場所が一致していればいいのですが、そうでなければ案内標識をよく見ながら歩くべきです。
ケーブルカーへは087から続く枝番を歩き、やせ細った尾根伝いに下ります。
一部の標識は英語表記のCable-carの文字が消えていて分かりずらいですが、ハングルでは케이블카と書きます。
英語をそのままハングルの音に合わせた表記なっていますので、朝鮮語が分からなくてもハングルが読めれば意味を理解できます。
大邱に遊びに行くような方であれば、相当数の訪韓経験があるかと思いますので、ある程度の朝鮮語が理解できる人も少なくないでしょう。
でも私は今回で10回目の訪韓になりますが、まったくダメ。韓国へ行くたびに識字できないもどかしさを感じていました。
そこで今回は、フライト中に1時間でハングルが読めるようになる本を読んでサクッと勉強をしました。
未だに激音とか濃音とかの使い方などはよくわかっていませんが、子音と母音くらいがザックリわかると、こんなにも旅が楽しくなるんですね。
東峰からケーブルカー乗り場までは僅か2.2kmしかありませんが、カッパウィ地区同様に山頂付近の傾斜が急なので、かなり膝に負担をかけながらの下りになります。
しかもケーブルカー乗り場の手前には登り返しもあるのでちょっと疲れるんですよ。
最高点まで登って「あとは乗り物で帰るだけ♪」などと油断をしていると、最後の最後で心が打ち砕かれるかもしれません。
ケーブルカー乗り場の様子
八公山のケーブルカーは、登山者のみではなく、むしろ一般の観光客の方が多く利用しています。
大邱の市街地も眺められることから、外国人旅行者の姿も多く見られます。ただ、個人的にはアプサン展望台の方が大邱の街に近くて見晴らしが良いのでおススメ。当時の旅行記の中にも紹介していますのでご覧ください。
韓国大邱旅行記|新千歳からエアプサンで行く八公山とアプサン展望台、ついでに雨竜沼湿原
また、アプサンについては下記の記事でも詳しく説明しています。
【最強の夜景】アプサン展望台の行き方|大邱市街地からのバスとケーブルカー、登山道についても解説します
ケーブルカー乗り場から見上げる山頂部付近の様子。手前にもピークが見えますが、この奥も尾根地形になっていて山頂へと続いています。標高差は300mくらいあります。
ケーブルカーを上りで使用すると、もっと縦走が楽になるかもしれませんね。
屋内は1階も2階も広々としたフードコートになっています。私はお腹が空いていたので2階でビビンパを食べました。
屋外のテラスでも食事が出来るようになっているので、夏はビールを飲みながら気持ちよく過ごすことも出来るんですよ。
縦走後にケーブルカーを片道のみで利用する場合は、乗車前にチケットの購入が必要です。
チケット売り場は1階のフードエリアにあり、売店や食事の注文をするカウンターと併用になっています。
八公山ケーブルカーの乗り方
八公山のケーブルカー。チケットは片道7,500ウォンでした。ちなみにアプサンは往復で10,500ウォンでした(どちらも2019年7月現在の料金)。
乗車時に係員に見せればOKのはず。ビールを飲んで酔っ払っていたので記憶が定かでなくてスイマセン、、、
ケーブルカーは4人乗り。背中合わせに2名ずつが乗れるようになっています。
私のように一人で利用する場合は、人数合わせで先に乗せられることもあるみたい。「おいでおいで」と先にお呼ばれしました。
ケーブルカー下車後、大邱市街地への帰り方
韓国のキャラクター「booto」はここ八公山でも使われていて、다음에 또 오세요(また来てください)と書かれていました。bootoはLCCのT-way航空でもイメージキャラクターとして使われていることでも有名ですよね。
bootoの公式ホームページへのリンク(外部サイト:韓国語)
ケーブルカー乗り場から階段を下ってさらに正面の道路を下って行けば、やがてT字路にあたります。
カッパウィ地区と一緒で、この付近には飲食店やコンビニもあり、道路を挟んでCUとGS25があります。
ちなみに私はCU派。
T字路まで下りて信号を渡ると、左手にバス停があります。
ここが赤いバス급행1の始発です。T字路の右手にもバスが並んでいますが、乗り場は左手のバス停からになります。
急行1系統などの赤バスの車内は、他の路線バスと異なり多くの人が座れるように座席数が多くなっています。
前乗りで先払い、交通系ICカードをピッとかざすだけで大丈夫。
地下鉄に乗り継ぐ場合は、下車時にもICカードリーダーにかざしたほうが運賃がお得になるようです。
八公山縦走の時間計画
最後に今回私が辿ったルートと通過した時刻についてまとめます。これから行かれる方、時間計画の参考になれば幸いです。
丸一日を要するのが難点ですが、爽快なハイキングが楽しめますし、運動後のお風呂や食事、お酒も楽しめるのでおススメ。
主な地点名 | 時刻 |
東大邱駅(401系統バス乗り場) | 8:10 |
カッパウィ(401系統バス終点) | 9:00 |
カッパウィ(石仏) | 10:00 |
八公山(東峰) | 13:40 |
八公山(最高点) | 14:20 |
八公山ケーブルカー乗り場(上):昼食 | 15:25 |
八公山ケーブルカー乗り場(下) | 16:40 |
八公山バス停(急行1系統バス始発) | 16:50 |
東大邱駅 | 17:30 |
下山後は汗を流しにお風呂へ行こう
山歩きのあとは、汗を流してから夜の街に出かけたいですよね。
ホテルに帰ってシャワーでもいいのですが、やっぱり日本人ならお風呂に入りたい!
大邱にもたくさんのチムジルバンがありますが、私がいつも利用するのはここ「宮殿ラベンダー」。
八公山から急行1系統のバスで直接行けるので便利です。もちろん、サウナだけの利用も可能。詳しくは下記の記事をご覧ください。
宮殿ラベンダー|韓国大邱空港に夜遅くに到着してもバスで直行できる便利なチムジルバン|行き方と利用方法
今回は韓国大邱の八公山についてまとめてみました。機会があれば、今度は紅葉の時期の八公山にも訪れてみて、みなさんに紹介したいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
なお、同じく大邱市内から市外バスで行くことが出来る世界遺産海印寺と伽倻山もおススメですので、ぜひそちらの記事もご覧ください。