こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は北大雪の平山。初心者向けで比較的短時間で登ることができる花の名山です。
また、平山の登山道と天狗山までの縦走路は「大雪山トレイルジャーニー」(第6回大会までは「大雪山ウルトラトレイル」)のコースにもなっていることから、トレランの練習で訪れる方も多く、ファン層がちょっと偏った山なのかなと思います。
そんな花の名山に、あえて季節外れの9月下旬に2回訪れてみたので共有します。
高速道路を使えば意外と近い♪平山登山口へのアクセス
道央自動車道の比布北JCTから旭川紋別自動車道が遠軽瀬戸瀬ICまで延伸しているおかげで、札幌市や旭川市から北大雪の山々へのアクセスが容易になっています。
特に平山やニセイカウシュッペ山は、東大雪の山々や銀泉台から登る赤岳や白雲岳などと比べると、一般道を走る区間が短いので運転が楽なんです。
これは積雪期に北見峠から登るチトカニウシ山や、朝日町から登る天塩岳に関しても同様。登山者にとって、旭川紋別道の存在感はとても大きいですよね。
さて平山の登山口へ行くには、奥白滝ICから北大雪スキー場を経由して道道558号線に出るのが便利です。
奥白滝ICには道の駅が併設されているので、ここで最後のトイレ休憩を済ませ、看板に従って平山登山口を目指します。
登山口で前夜から車中泊をする人もいるかと思いますが、それならば奥白滝ICで寝た方がいいかも。山間部なのでちょっと寒いのですが、トイレも自動販売機もあるので便利。
登山口までの道のりは、道道558号線(白滝原野白滝(停)線)から途中で支湧別本流林道に変わります。2019年9月22日、2019年9月29日に訪れたときは全線開通していました。
林道には未舗装区間がありますが、普通車でも問題なく通行できます。とは言え、スピードの出しすぎには注意。
なお、14時半過ぎに遠軽町の方が道路パトロールをしていました。
- 道道558号線の情報は国土交通省北海道開発局が提供しており、北海道地区道路情報のホームページで確認可能
- 支湧別本流林道の情報は網走西部森林管理署が提供しており、北海道森林管理局のホームページで確認可能
登山口から平山の山頂を目指して
平山の登山口にはクルマが10台以上駐車できるスペースがあります。本当の駐車場は、登山口より数百メートル手前の高台にあるのですが、ほとんど利用されていませんでした。と言うことで、満車のために駐車できないということはないでしょう。
網走西部森林管理署と遠軽町が設置する入林届設置箱がありますので、ここで必要事項を記入します。当サイトでは何度かお話していますが、登山届は別途警察署等へ提出します。北海道警察では、メールフォームからオンラインで登山届を提出できるので便利です。
平山は北海道夏山ガイドでのグレードは初級となっていますが、標高が1700mを超えることから決して油断はできません。メールフォームから登山届を提出するには手間も時間もほとんどかからないので、山へ行く前の準備として習慣化しましょう。
そうそう、定番の夏山ガイドに特選34コースという全道版が加わり、これには平山と比麻良山が掲載されています。こちらも書店でぜひ手に取ってみて下さい。
登山コースは支湧別川に沿って延びていて、途中には特に危険箇所はありません。
渓相が美しい枝沢を幾つか渡渉しますが、最初はしっかりとした橋が架けられているので安心。橋のない渡渉地点もありますが、飛び石で靴を濡らすことなく渡れる程度の川幅です。
登山道は全般を通じて、少しずつ標高を上げていくようなイメージ。急登もないので息が上がるようなことはないでしょう。
途中にある行雲の滝と呼ばれる細くて高い滝や、冷涼の滝と呼ばれる幅広い滝が見どころ。これらを見ながら登って行くと、徐々に木々の葉が赤や黄色に色づき始めていきます。
日々秋が深まっていくかのよう。
コース途中で後ろを振り返ると、最初に支湧別岳(1,688m)とニセイチャロマップ岳(1,760m)が見えてきます。さらに標高を上げていくと、北大雪最高峰の武利岳(1,876m)の姿がひと際大きく確認できます。
どちらの山も北海道で山歩きをする人にはよく知られた名峰なのですが、道外の登山者にはほぼ知られていないかと思います。
武利岳へは登山道があるものの、北側から登山口へ至る道道1070号線と南側から合流する大規模林道がそれぞれ通行止めになっています。温根湯温泉側の大規模林道は途中まで通行できるようですが、通行止めの場所から登山口までは徒歩で12km程度あり、道路の陥没箇所等があるようですので日帰りは現実的ではないでしょう。
平山山頂付近は冬の足音が。風が強くて一部には降雪も
さて今年の大雪山系に初雪が降るのは例年より1週間くらい早く、しかも初回にしてはかなり多くの降雪量があった様子。
今年、2019年は標高1,500m付近でもかなりの量の降雪が確認できました。
【登山者の方へ】
— 大雪山層雲峡黒岳ロープウェイ (@rinyu_kurodake) September 20, 2019
9月20日9時現在、黒岳山頂付近では15㎝程度の積雪になっています。登山道は膝上ラッセルとなります。
夏山装備での登山はできません。登山を計画されている方は中止をご検討ください。
写真は今朝の黒岳石室の状況です。 pic.twitter.com/gHBLElPmUw
ツイッター上では、表大雪の黒岳石室に吹き溜まりができている画像が流れて話題になりました。
参考までに、前日19日18時頃の天気図は下図の通り。
*気象庁のホームページより引用。
紅葉と雪!絶景の大雪山旭岳! https://t.co/6A3lpJWFsG pic.twitter.com/WkZbr2k2aQ
— 大雪山旭岳ロープウェイ (@asahidake_2291) September 21, 2019
私も大雪山系の初雪は毎年楽しみにしていて、初冠雪のタイミングとお仕事の休日が合えば山歩きに出かけます。
残念ながら翌9月22日日曜日は午後まで曇り空。北大雪だけではなく、表大雪や十勝連峰でも展望に恵まれなかったようですね。変化のテンポが早いのが秋のお天気らしいところ。
なお、過去の初冠雪の山歩きに関する記事は下記にて。
大雪山系旭岳|10月上旬紅葉シーズン終盤の温泉街から初冠雪の山頂に登ろう
富良野岳|10月初冠雪の十勝連峰と表大雪の眺め|凌雲閣から夏道で山頂へ
ニセイカウシュッペ山|10月中旬、初冠雪の山頂と大槍、小槍、アンギラス
ニペソツ山|白いニペソツ山に会うためには?10月上旬、旭岳の初冠雪の時期を目がけて登ろう
夏には第2雪渓と呼ばれるお花畑の付近を過ぎると、最後はハイマツ帯になります。
層雲峡方向の沢から吹き上げる強烈な風。今回は20~30名くらいの方とスライドしましたが、みなさん口々に強風で立っていられないほどだったとのこと。
稜線上の分岐点へ到着。ガスが晴れた一瞬の隙に見えた平山の山頂。なんの特徴もないですね。
あえてこの時期に平山に登りに来たのは、紅葉だけではなく北大雪と表大雪の展望が楽しみたかったから。でも残念ながら叶わず。また来ることにしましょう。
この1週間後に再訪したときは、最高のお天気。この記事の最後の方に写真を載せていますので、ぜひご覧ください。
駐車場に設置されている案内版ではこの場所が山頂になっています。最高点が近くに見えていますが、風が強い中でわざわざ行く必要もないでしょう。
僅かな距離ですが悪天候での無理は禁物。
そう言えば、過去にも稜線上の一つのピークまで達したけれど、風が強くて最高点まで行けなかった山がいくつかあります。例えば昨年2018年7月のウペペサンケ山。糠平富士まで到達した時点でそのまま下山。
ウペペサンケ山(糠平コース)|林道の被災状況と登山道の倒木や笹刈りなど登山道の荒廃状況について
それと2015年2月の海別岳。これもニセピークで引き返しました。
海別岳|2月下旬のスノーシュー登山は山頂付近が強風のためニセピークで撤退
いずれも後悔はしておらず、むしろ無理をして行かなくて良かったと思います。山歩きは、ときに諦めも大切。むしろしょっちゅう諦めるくらい。
分岐点のケルンで風をしのぎながら、一瞬でも景色が見えたらいいかと思って15分くらい粘ってみたもののダメでした。ブログ上でみなさんに景色をお見せできないのが残念。
道道と林道が開いているうちに真っ白な北大雪を眺めてみたいですね。チャンスがあれば再訪してこの記事に追記します。
→早速1週間後に再訪してみました。以下、追記します。
追記)僅か1週間後にこんなに変化する平山の黄葉
さてこのブログを書きながら、どうしても晴れた日に平山へ登りたいと思い、翌週2019年9月29日に再訪してみました。
すると僅か1週間で大きく状況が変わったのでレポします。
まず、沢に架かる橋の天板がほとんど外されていました。これからの降雪に備えての準備かと察しますが、利用する場合は注意したいところです。
それと紅葉。わずか1週間でこんなにも進むものかと驚いてしまうほどの変化。
平山はお花の名山ですが、私は黄葉の名山だと思います。確かに表大雪の紅葉は素晴らしいのですが、平山はそれ以上に美しいというのが私の感想です。
これなら毎年訪れたいと思います。
登山道も常にこんな感じで真っ黄色。
初めて山歩きをする人をここに連れてきたら、感動すること間違いなし!
これ、最初の画像と同じ場所から撮影したもの。
1週間前は雪が降りましたが、草はまだ緑でした。それが一気に黄色く色づいて、お見事です。
1週間前はガスがかかって視界がまったくありませんでしたが、今回はバッチリ。
こちらの画像はニセイカウシュッペ山と通称アンギラス。踏み跡程度の縦走路がありますが、往復約4時間を要します。
今回はアンギラスまで往復してみました。その様子については後日別記事でまとめます。
アンギラスへ向かう途中から見た表大雪の山々。
もちろん平山の山頂からもバッチリ見えます。