こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は、先週に引き続いて北大雪の平山。
訪れたのは、2019年9月29日。札幌から日帰りの日程です。
深夜2時20分に登山口を出発し、平山山頂でご来光を眺めます。
今回のコースはこのような感じ。
晴れて天候が安定していたので、アンギラスと比麻良山へも立ち寄ってみました。
平山登山道は紅葉最盛期。今シーズン最後の夏山ハイクにふさわしい山歩きができましたので、その状況をお伝えしていきます。
平山の概要やアクセス等については先週の記事にてお伝えしていますので、今回は割愛。
平山(北大雪)|初心者向けのお花の名山に初雪が降った紅葉シーズンに登ってみよう
また、ダイジェスト版はヤマレコにアップしていますので、時間がない方はこちらをどうぞ。
深夜出発で山頂で迎えるご来光と表大雪の眺め
土曜日の勤務終了後、19時に札幌の自宅を出発。
国道275号、12号、39号、旭川紋別道を繋いで23時15分に奥白滝ICへ。
ここには道の駅が併設されているので、シートをフラットにして1時30分まで約2時間の仮眠を取ります。
今回借りたレンタカーは、ホンダのN-BOX。
このクルマは山へ行くときのお気に入り。
- 車中泊が快適
- 後部座席での着替えや靴の交換が楽
- スキーなど大きな荷物も積みやすい
- 燃費が良くて(今回はリッター23kmくらい)、軽なので高速料金も安い
- 林道もそこそこ走れる
レンタカーはいつものニコニコレンタカーさん。
シェアエコノミーの時代になって、クルマは所有しないで借りた方がコストを安く抑えられます。
クルマの維持にはお金も時間もたくさんコストがかかりますし、レンタカーは保険も安全点検もしっかりしているので安心。
必要に応じて、いろいろな種類のクルマを選択できるものいいところ。
平山の登山口は林道の終点。
深夜で真っ暗なので、街灯が点いている道の駅の駐車場で準備を完了。
登山口到着後はすぐに出発できるようにしておきます。
スパッツやヘッドライトは装着済み、ストックも組み立てておくことで、到着後はリュックを背負ってすぐに出発できます。
で、先週も走った林道をトコトコ進んでいくと、、、
さっそくシカが横切っていきます。
夜の林道ではほぼ100%の確率でシカやキツネに遭遇するので、スピードは控えめに。
今回はシカ3頭、キタキツネとタヌキがそれぞれ1匹。
だいたい遠くで彼らの目が光るため、事前に気付くのですが、、、
クルマを運転しているときに動物と遭遇するのはまだいいのですが、歩いているときに藪の中をシカが駆けて行くと正直言って怖いです。
私、過去に陸上自衛隊に在籍していたので、夜間行動の緊張感はどうしても苦手。
平山登山口から暗闇の登山道を行く
駐車場に着くと、先客のクルマが1台。
もし車の中で寝ていたら迷惑をかけてしまうので、ちょっとだけ配慮。
切り返しをせずに駐車し、すぐにライトを消してエンジンも停止。すぐに下車して出発です。
ちなみに自分の中で決まっているルールがあって、
- 1番|お財布
- 2番|車の鍵
- 3番|スマホ
これらを出発前に確認します。「1番よし」「2番よし」「3番よし」こんな風に。
休憩などでザックを下ろした時などにも必ずやるようにします。
1番と2番は脱落防止のためにフックを付けています。これ意外と大事なんですよ。
先週は橋がかかっていたのですが、今週は足場の天板を外されていました。
骨組みの上を注意しながら渡渉。
単独の場合、ついついペースが上がっていきますが、基本的に夜が怖いので暗い時間帯は慎重になります。
満天の星空がとてもキレイなのですが、月が出ていないので真っ暗。
ただ秋冬の良い点は、ヘッドライトに集(たか)る虫がほとんどいないこと。
下山時に気付いたのですが、「こんなに黄葉していたのか!」とビックリするくらい登山道は真っ黄色。
でも、登りのときは深夜で何にも見えず、写真も全くなし。なので後ほどご紹介します。
ナイトハイクでは、どんなに登山道が明瞭でも1ヶ所や2か所くらい道をロストする私。
2週間連続で来ているので、迷わず2時間少々で稜線上の分岐点へ到着。
雪もほとんど消えていて、暖かい朝を迎えます。
平山山頂でモルゲンロートの山並みに感動
山歩きでも旅行でも、たいていの場合は計画通りの時間で進むことはありません。
なので今回はやや早めに出発したのですが、ほぼ時間通りに平山山頂に到着することができました。
時刻は4時20分くらい。辺りはまだ真っ暗です。
幸い暖かくて風がないのがいいところ。
念のためにダウンジャケットなどを重ね着をし、ザックから三脚を出して撮影の準備をしていると、東側の武利岳の方向から明るくなってきます。
武利岳の右には武華山。その中間奥には北見富士の姿も。
ちなみに使っているカメラはいつものキャノンEOS kiss x7。
最近ならミラーレスのEOS M100あたりが軽くて安くて人気みたい。
旅行では24mmの単焦点レンズを使っていますが、山では18mm-55mmのレンズと28mm-200mmのレンズを持って行くことが多いです。
海外旅行ではもっぱらリコーGR。
小さい、軽い、起動が早いというハード面のメリットだけではなく、夕方から日没の街並みがキレイに撮れるのがお気に入り。
何の特徴もない平山山頂ですが、全周の展望が素晴らしくてお気に入り。
化雲岳、美瑛岳と並んで展望が素晴らしい大雪山系山頂3選に勝手に選出。
山頂標識は表大雪がバックになるように設置されていて、みんなでしゃがんで撮影すれば最高のスナップショットにも。
そして迎える日の出。
武利岳とニセイチャロマップ岳の中間くらいから顔を出しました。
山でテント泊をしないと見られないと思いがちなモルゲンロートですが、そんなことはありません。
平山は登山口から稜線までの距離が短いので、比較的容易だと思います。
表大雪の著名に見える山頂は、右から愛別岳、比布岳、北鎮岳。
北鎮岳の左手前には凌雲岳。
その隣りには御鉢平と奥に旭岳の姿も見えます。
要するに表大雪のすべての山が見渡せると言っても過言ではないくらい。
こちらは黒岳の明瞭な尾根筋。
中腹に見えるペアリフトの終点から、尾根の東側に山頂への登山道が付いています。
西側は急な谷。東西で山容が大きく異なっていますよね。
そして黒岳の山頂奥には北海岳も見えていますね。
左手には烏帽子岳と奥に白雲岳。
さらに左手には花の名山小泉岳と手前に赤岳の姿も。
こちらの山々は、7月に登った時のブログで紹介しています。
大雪山赤岳・小泉岳|北海道で気軽に高山植物を楽しむなら7月の銀泉台がおすすめ
表大雪の山塊の左奥には、忠別岳とトムラウシ山。
直線距離にして約29kmあるのですが、空気が澄んでいるとこのようにクッキリと見えるんですね。
早朝の山頂からは、驚くほど広い範囲が見渡せます。
こちらは東大雪の音更山と石狩岳。
音更山の左奥にはウペペサンケ山。
石狩岳の山頂左にちょこっとだけ見えているのがニペソツ山だと思います。
さらに左には、クマネシリの山塊。
真ん中に西クマネシリ岳が見えていますが、平山から見通すとちょうど手前にピリベツ岳が重なってしまいますね。
右手に南クマネシリ岳、左手にクマネシリ岳。
どれもあまり登られていないマイナーな山ですが、標高1500m級で北海道では高い山々です。
私も西クマネシリ岳に過去2回登ったことがあるだけで、他の山々は未踏。
機会を作って紹介したいと思います。
それと手前に見えるのは三国山とユニ石狩岳へと続いて行く長い稜線。
この稜線は残雪期に登られることが多いのですが、北海道の山と谷3でも紹介されていないですね。
私は数年前の4月に登ってみました。
表大雪から右に目を転じると、右からニセイカウシュッペ山、大槍そして小槍。
紅葉が色付く山肌が朝日に染まってとっても美しいですよね。
山頂にはうっすらと雪化粧も。
平山から見てみると、ニセイカウシュッペ山がなぜ日本三百名山に選ばれているのかが理解できます。
これからご紹介するアンギラスや比麻奈山も含め、この山域全体でニセイカウシュッペ山の魅力を作り上げているんですね。
平山山頂から比麻奈山を経てアンギラスへ
平山山頂で約1時間半くらいゆっくりとした朝を過ごした後、再び分岐点まで戻ってきました。
もう午前6時を過ぎましたが、今朝はまだ誰ともスライドしていません。
12時前には下山をしたいところなので、文三岳までの稜線をのんびり歩いて帰る計画。
でもニセイカウシュッペ山へと続くアンギラスの姿が勇ましく、計画を変更してちょっと寄り道してみることにしました。
平山の稜線はとても歩きやすく、あっという間に標高点・1811、通称比麻奈山へ。
ここからニセイカウシュッペ山への縦走路が続いています。
とは言っても踏み跡程度で、一気に様変わりします。
誰にでもおすすめできるような道ではありません。
いきなりハイマツ帯が現れます。
ここ数年、夏の日高山脈にはまともに登っていない私。
すでに忘れかけていた「ハイマツに身体が跳ね返される感触」は久しぶり。
北海道夏山ガイド③の中でもこの踏み跡は点線道で描かれており、"一番のハイマツ漕ぎは俗称比麻奈山山腹だろう"という一節に思わず納得。
新版北海道の山と谷3においても、「無雪期の道」として紹介されているなかでは珍しく「経験者向け」にカテゴライズされています。
なので、気軽に行っちゃいけません。
人のことは言えませんが、、、
さて、アンギラスまでの途中には明瞭なポコが2つあります。
岩場を越えるたびに急峻な下降が待っていて、その都度思わず閉口してしまいます。
そのくらい高度差があるように見えるんですよね。
でもコースタイムは片道1時間となっていて、「時間が解決してくれる」と自分に言い聞かせながら下降を始めます。
標高やコースタイムなど、数字は決して嘘をつきません。
ややハードな道のりになりますが、目の前に見える表大雪の山並みと、紅葉真っ盛りのニセイカウシュッペ山の渓谷美が私を引き寄せる感じです。
最初のポコを越えた頃にちょうど背後から陽の光が差し始めました。
アンギラスの北斜面に影が映り始めました。
10月下旬から11月上旬頃、真っ白く雪化粧をした姿を見てみたい。
さてこの区間、すべてがハイマツと言うわけではありません。
低灌木や笹に覆われる場所があるいっぽうで、両脇にお花畑を見るようなところもあるんです。
例えばチングルマ。
周囲に草紅葉が広がっていて、心が癒される箇所が随所に現れます。
2つ目のポコを過ぎると最後はアンギラスへの急斜面。
慌てず焦らず一歩一歩高度を稼いでいきます。
アンギラスの山頂に到着。
山頂部にはこれと言って特に何もありませんが、ハイマツの根がむき出しになった小さな広場があり、ここからも全周を見渡せます。
このブログの最後にYou Tubeへのリンクを貼っておきますので、そちらもご覧ください。
振り返るとここまで歩いてきた稜線とその奥には比麻奈山。
右奥には武利岳がひときわ大きく見えます。
比麻奈山からここまでの区間はほぼ1時間。
せっかくなのでニセイカウシュッペ山まで往復したいところですが、残念ながら時間切れ。
メリットばかりをお伝えしたレンタカーですが、デメリットは返却時間ですかね。
さて、アンギラスから見る大槍はなかなか迫力があります。
ここまで歩いてきて本当に良かったなと感じるでしょう。
ニセイカウシュッペ山側から見たアンギラスは、数年前の10月にニセイカウシュッペ山に登ったときのブログにアップしています。
ニセイカウシュッペ山|日本三百名山|10月中旬、初冠雪の山頂と大槍、小槍、アンギラス
アンギラスから比麻奈山へ慎重に戻り、比麻良山へ寄り道
さてアンギラスに登って満足したあとは、比麻良山まで寄り道をして平山登山道へ戻ることにします。
荒井川の両脇には紅葉の山肌。思わず見とれてしまいますよね。
名称が紛らわしいので、ここでおさらいを。
- 比麻奈山はこの稜線の最高峰で標高点・1811の俗称
- 比麻良山はさらに北にある標高1796.1の三角点で正式名称
- 平山は南にある標高1771でこらも正式名称
アンギラスから比麻奈山までの帰り道も、ポコからの下り斜面に気を付けながら慎重に進み、最後は逆目のハイマツ帯を両手でかき分けながら進みます。
そうそう、ここに来るなら軍手は必須。
薄手の手袋はすぐに穴が開くし、高いグローブはもったいない。
ホームセンターで売っている軍手がベストです。
ストックは比麻奈山にデポしてきたほうがいいかも。
比麻奈山へ戻る途中、北斜面のトラバースから屈曲して稜線に上がる箇所がありますが、ここは道をロストしないように。
ちょうど北斜面が開けていて紅葉もきれいなので直進しそうになりますが、注意が必要。
一応、テープがぶら下がっています。
また、いかにもヒグマが好きそうな地形が多く、登山者も極端に少ないので、音を鳴らすなどヒグマ対策が必要でしょう。
ハイマツを掻き分けながら比麻奈山へ到着したら、ここからは一気に高速道路。
思わず走りたくなるような気持ちよい稜線が続きます。
比麻良山までは10分程度。
途中にまとまった雪が残っている箇所があり、たった1輪だけですが、お花が咲いている箇所もありました。
比麻良山の山頂には三角点と小さな標識があって、さらに文三岳(こちらも標高点・1755の俗称)へと稜線が続いています。
奥にはチトカニウシ山も見え、登るどころか話題にすらほどんど出てこないような道北の山々に、少しだけ興味が湧いてくるはず。
比麻良山から見るニセイカウシュッペ山とアンギラス。
平山から1時間もかからず来れるのに、見える景色がかなり異なります。
風がなく天気が安定しているようなら、ぜひ足を延ばしたいところ。
よく見ると遥か彼方にはうっすらと阿寒富士と雌阿寒岳の姿も。
天気が良い日に朝早くから登ると、本当に良いことがたくさんありますね。
稜線上にはウラシマツツジが分布していて、ちょうど赤く紅葉していました。
繰り返しますが、この時期の平山は本当にイチ押し。
黄葉の平山登山道に終始ニコニコ
稜線上の分岐点へ戻り、登りは真っ暗で何も見えなかった登山道を下っていきます。
時刻は午前10時を過ぎたころ。続々とハイカーさんが登ってきます。
この日はかなり気温が上がり、みなさんかなり汗ばんでいるようす。
先週はガスでほとんど見えなかった景色も、今週はくっきりと澄み渡っていて、しかも僅か1週間で紅葉が一気に進んだもようです。
後ろを振り返ると山肌は真っ黄色。
紅葉と書きたいところですが、ほとんど黄色なので黄葉と表現するのが適切ですね。
標高点・1425のちょっと上から見下ろした風景。
1週間前にほぼ同じ場所から撮影した風景と比べ、明らかに木々の色づきが異なっています。
やはり一度雪が降ったからでしょうか。
20代の頃から山歩きを始めてすでに20年以上経ちますが、山でこれほどの黄葉を見た記憶はほとんどないかも。
直近で覚えているのは、数年前に登った一切経山と月山、それと楽古岳の紅葉も印象的でした。
新千歳からpeach初号機で行く仙台2泊3日|お釜の蔵王熊野岳、紅葉の月山、魔女の瞳の一切経山
【楽古岳】アポイとピセナイに登ったら次のステップはココがおススメ。紅葉の時期に沢と尾根を楽しんで
夏なら何とも感じない風景なのに、秋になると本当に画になるから不思議。
ついつい足を止めてしまいがち。本当にとっても素晴らしい山歩きができました。
お花の時期に人気の平山ですが、みなさんも秋深まったころに一度訪れてみませんか?
ちなみにこちらは下山後に撮影したチトカニウシ山。
残念ながら夏道がありませんが、雪が降ると多くのスキーヤーが訪れています。
奥白滝ICからだとちょうど隠れて見えないのですが、白滝高原まで登るとはっきりと見ることができますよ。
【チトカニウシ山|北海道の百名山】藪漕ぎ、踏み抜きで登った11月の山頂は360度のパノラマが素晴らしい!