こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は風不死岳と樽前山。
支笏湖を挟んで対岸から見たとき、右の山が風不死岳、左に見える溶岩ドームが樽前山です。
樽前山は言わずと知れた活火山で、日本二百名山としても有名。
いっぽう、風不死岳は知名度としてはかなり劣るけれど、支笏湖の景観には無くてはならない存在。
今回は雪が降る直前、11月上旬に樽前山7合目から東山を経由して風不死岳へ登ってみましたので、その様子を中心にお伝えします。
なお、樽前山7合目へ通じる樽前山観光道線の入口、道道141号樽前錦岡線は例年11月上旬から4月下旬頃まで冬季通行止めになります。
道道樽前錦岡線については国土交通省北海道開発局「北海道地区道路情報」から。
樽前山観光道線については苫小牧市「冬季通行規制について」から、それぞれ最新情報をご確認ください。
樽前山と風不死岳の概要
まずは2つの山の位置関係について。地図を見てもらえば分るように、支笏湖の南にまずは風不死岳があり、さらに南に樽前山があります。
風不死岳に登るには、支笏湖の畔から北尾根コースを登るのが一般的ですが、樽前山の7合目ヒュッテからでも登ることができます。
湖畔から登るほうが明らかに距離が短くなりますが、ヒュッテから登る方が350mくらいの標高をはじめから獲得することができるので、急登が苦手という方にはおすすめ。
とは言っても、一部に鎖場や固定ロープが設置されていて、かなり急な箇所がいくつかあります。
いっぽう樽前山は、ヒュッテからゆっくり歩いても、外輪山まで1時間もかからないのでお手軽。
ほとんど草木が無いので景色が良く、太平洋側の海岸線を見渡すことができます。
注意点は、いつも風が強いところ。
東京や大阪からの樽前山日帰りがおすすめ
ちょっと余談になりますが、樽前山は新千歳空港から近いので、東京や名古屋、大阪などからでも日帰りすることができるんです。しかも余裕で。
新千歳空港でレンタカーを借りれば、距離にして40km程度(所要時間1時間程度)で登山口へ。
北海道到着後、1時間で樽前山の登山をスタートできるのが魅力。
登山の所要時間は、今回ご紹介する樽前山と風不死岳をセットで周回するルートでも、せいぜい6~7時間程度。
樽前山の外輪を周回するだけならその半分もかかりません。
下山後はちょっと寄り道をして、支笏湖の景色を見ながら丸駒温泉で汗を流し(時間が無ければ新千歳空港にある新千歳空港温泉でも)、空港で海鮮丼を食べてお土産を買って帰ればかなり充実した日帰り旅行が楽しめるでしょう。
宿泊を伴わないので、LCCを使えば旅行費用もせいぜい2万円程度。
おすすめの時期は5月下旬から6月いっぱい。それと9月と10月。
この時期は閑散期なので航空券も安く手に入り、レンタカーの季節割増しもほとんどありません。
特に6月の梅雨時期は自宅でダラダラ過ごすより、晴れた北海道で遊んだ方がすっと楽しいと思いますよ。
当サイトでは夏休みや冬休み以外の時期にも、日帰りや1泊2日の短期間で遠くへ行く旅行をおススメします。
毎月の短期旅行でリフレッシュして、仕事のパフォーマンスを上げることが目的。
樽前山日帰りのこのプラン、当サイトおすすめです。
7合目ヒュッテから東山経由で風不死岳へ
さて、ここからは実際に歩いてみた様子をお伝えします。
私は札幌在住ですので8時に市内を出発、10時に登山開始。2019年11月5日の状況です。
樽前山7合目登山口と駐車場について
さて、前置きはこのくらいにして登山口への行き方。
樽前山の登山口は、支笏湖畔のモラップから道道141号樽前錦岡線を南下し、途中のT字路を直進したところにあります。
途中から未舗装の道路になり、さらに進むと行き止まりに7合目ヒュッテ。その先が駐車場です。
ここにはトイレが併設されていて、その脇から登山道が始まります。
なお、ヒュッテから道路を挟んで向かい側にも登山口があり、こちらは風不死岳へ直接登るときによく使うコース。
今回は下山時に利用。
駐車場には数十台分のスペースがあるものの、週末には満車になることが多いようです。
登山者だけではなく一般観光客も利用するので、週末の日中は特に混雑しますよ。
クルマを停めるスペースがない場合は、道路わきに縦列で駐車することとなり、かなり下の方まで続くこともあるようです。
樽前山ヒュッテコースから頂上へ
登山口には入山届を記入するポストがありますので、ここで記入を済ませてスタート。
樽前山は初心者向けの易しいコースですが、1年を通して強い風が吹くことが多く、草木がほとんどありません。
ガスがかかると道迷いの可能性も。
天気によって一気に厳しい環境になる山なので、その点は慎重に。
このコースは歩いて数十分も経たないうちに絶景を楽しめるのが良いところ。
背後には支笏湖とこれから目指す風不死岳、左手の眼下には苫小牧市から白老町にかけての樹林帯、海岸線に街並みと奥には太平洋が広がります。
樽前山は札幌市から近いので移動がとっても楽。
本州からの出張で札幌へ来るビジネスマンでも仕事の後にすぐに帰社せず、休日を入れて登ることも可能。
とにかく、千歳や札幌から近いので移動に時間がかからず、深夜・早朝から登り始めるのもそれほど大変ではありません。
樽前山の最高点は溶岩ドームですが、現在は登山禁止となっています。
地理院地図上を一部加工して使用
外輪山は溶岩ドームを周回するように登山道が付いていて、山頂は東山(標高1,022m)。
7合目登山口から1時間もかからずに外輪山の分岐点に到着。
時計回りに周回すると西山(標高994m)を経て、最後に東山へ。再び分岐点から7合目へ戻ることができます。
今回は分岐点から反時計回りで最初に東山へ登り、そのまま風不死岳へ向かいます。
東山の山頂には周囲を遮るものが一切ありません。
全周を見渡すことができて爽快な気分!
溶岩ドーム一帯や風不死岳、支笏湖はもちろん、50km彼方には羊蹄山と尻別岳の姿も。
東山から風不死岳へ
東山から北側に下っていき、次に風不死岳へと向かいます。
海側から風が吹いている場合は溶岩ドームが風よけになるので、この辺りは比較的快適に歩けるでしょう。
風不死岳への登山道は、さらに分岐点から下り、標高点・932の北山への分岐点を右へ進みます。
この辺りから草木が生い茂るようになり、あたりの景色がちょっと変わります。
平坦地を過ぎると、今度は急な登りの始まり。
振り返ると青い空。樽前山のシルエットを間近に見上げられます。
鎖場が一か所、固定ロープが設置されている箇所も数か所あり、慎重に通過したい場所。
一般の登山道で、このくらいの急斜面はあまりないかもしれません。
自信がない方は風不死岳へは行かないで、樽前山だけにしておいた方が無難ですよ。
急斜面をやり過ごし、いよいよピークかと思わせる場面ですが、この辺は標高点・963の付近。
頂上はまだずっと先。
この辺りからは、苫小牧の市街地と海岸線を見渡せるので、最後の一休みをするのもいいかも。
もちろん、残り30分を一気に進んでしまってもいいですし。
再び平坦地がちょっと続き、最後は標高差100mの登り。
一段上がったところからは一気に視界が開けてきて、支笏湖や恵庭岳がきれいに見えてきますよ。
うん、頑張った甲斐がありました。
そして風不死岳の山頂へ。
山頂はそれほど広くなく、細長く伸びています。
なので、みんな登山道の両脇で休憩している感じでした。
景色がステキなので、風が弱ければゆっくりと過ごしたいですよね。
深夜から夕方までの長い時間を使い、数十キロを歩き通すスタイルとは違った登山の楽しみ方。
40代前半まではこういう楽しみ方が分からなかった私ですが、最近は登り2~3時間程度で登れる山でも、その面白さが理解できるようになりました。
樽前山から縦走してきた場合、山頂標識で引き返さず、ぜひ突端まで進んでみましょう。
支笏湖を眼下に見下ろし、もう一つの支笏三山、恵庭岳も全部見えるんですよ。
その他にも支笏湖周辺の紋別岳やイチャンコッペ山。
こちらは樽前山。
新千歳空港や苫小牧市街から見るのとは、ちょっと違った感じの雰囲気が魅力。
樽前山に何度も登っていても、風不死岳に登ったことがない人って結構いるはず。
そういう私も今回が初めてでした。
風不死岳山頂から7合目ヒュッテへ下山
山頂からの景色を楽しんだ後は、樽前山7合目ヒュッテに向けて下山開始。
途中の急斜面は一歩一歩を慎重に通過し、滑落しないように気を付けて。
急な箇所を過ぎて緩やかになった辺りで、ヒュッテ方向への分岐点や標識がいくつかあります。
ここからヒュッテへ向けて直接下山することに。
もちろん、そのまま登り返して樽前山の外輪を周回したり、北山に立ち寄ってから下山したりするのも楽しいでしょう。
ザレの下り斜面、一部に登り返しもあって、ヒュッテまでの道のりが案外遠く感じるかもしれません。
最後は林内を過ぎるとヒュッテ脇の登山口へ到着。
樽前山はいつも風が強いのが難点ですが、それを除けば比較的容易に楽しめる山。
そして風不死岳まで足を延ばせば支笏湖全体を見渡せるのも魅力。
以上、2019年11月5日の樽前山と風不死岳の山歩きでした。
今年の夏山はこれで最後と思っていましたが、12月1日に登った台湾で2番目に標高が高い雪山(シュエシャン)が最後の夏山になりました。
そちらの記録もどうぞご覧ください。