今日の話題は、毎年11月にタイのバンコクで開催されるバンコクマラソンについて。
今回、2019年のハーフマラソンに参加しましたので、その様子を中心にお伝えしていきます。もちろん、フルマラソンに参加予定の方にもきっと参考になるはず。
記事の前半は本大会の概要やエントリーについて、後半は現地での受付や体験談についてお話していきます。
バンコクマラソンってどんな大会?
バンコクマラソンは毎年11月中旬に開催されていて、2019年大会は32回目。
全種目の参加者が3万人規模という東南アジア有数のマラソンイベントです。
大会は全部で4種目。2019年大会では、
- フルマラソン
- ハーフマラソン(21.1km)
- ミニマラソン(10.55km)
- マイクロマラソン(ファンラン)(5km)
この大会の最大の特徴は、深夜から早朝にかけて行われる点。フルマラソンは0時、ハーフマラソンでも2時に出走し、すべての種目が朝6時には終了。表彰式等のイベントも午前8時には終了します。まあ、暑いから当然かもしれませんよね。
大会のコース
バンコクマラソンのコースは、王宮の横、サナムチャイ通りをスタート。フルマラソンとハーフマラソンはチャオプラヤー川を渡り、その後はずっと高架道路の上。中盤の直線が長く、折り返して戻ってくるパターンです。
香港マラソンと同じで、レースの中盤はあまり面白くないかもしれないけれど、ラストはかなり盛り上がります。
香港マラソン2019|すべて教えます!エントリーからレース当日まで
なお、10kmと5kmは王宮の北側一帯のコースです。
フルマラソンのコースマップ
ラーマ8世橋を通過するのは往路が4km、復路が36km地点。実に32km区間にも渡って夜の高架道路を走ることになります。
参加人数は4,000人と少なめ。東南アジアのマラソン大会では、ほぼ例外なくフルマラソンの参加人数は少なめ。制限時間は6時間です。
ハーフマラソンのコースマップ
ハーフマラソンはフルマラソンのショート版と考えても良さそう。フルマラソン同様、ラーマ8世橋を通過する4km地点と15km地点の間、この11km区間は高架道路を走ります。
かなりバランスが取れていておすすめ。今回私が参加したのもこの種目です。
参加者は8,000人とフルマラソンの2倍の人数。制限時間は3時間です。
ミニマラソンコースマップ
ミニマラソンのコースは、この大会で唯一ウィスカサット通りよりも北側まで展開し、ラチャウィティ通りまで北上します。
チットラダー宮殿(国王が日常起居や執務をする離宮で、事実上の王宮)と動物園の間のラーマ5世通りを走り、プラスメン要塞の脇を通ってスタート地点に戻ります。
本大会で最も参加者が多いのがこの種目。10,000mのタイムトライアルというよりも、ジョギングを習慣にしている人たちが、みんなで楽めるような位置づけのようです。
ファンランコースマップ
ファンランは5時15分出走。空が薄っすらと明るくなる頃からの出走、故障などでお休み中の方が、レースの楽しさを思い出すきっかけにするために、こういうショートレースに参加するのもいいかと思います。
バンコクマラソンのエントリーについて
次は実際のエントリーについて。
バンコクマラソンは現地のウェブサイト(Go To Race)からエントリーするのが一般的ですが、日本事務局も開設されていて、スポーツエントリーやランネットからでも申し込めます。日本語での通知を受けることができるので、海外マラソンの参加に不安がある方にはおすすめ。日本事務局ではツアーの紹介もしています。
費用のお話ですが、前年の2018年大会と比べ、現地のウェブサイトからのエントリーでも5USドル~10USドルほど高くなりました。それでも日本事務局から申し込むより割安になります。
なお、日本事務局でインターネットからの申し込みをする場合、締め切り日が少し早まりますのでご確認ください。
現地ウェブサイトはこちら。エントリーはGo To Raceのウェブサイトから。
日本事務局のウェブサイトはこちら。
*日本事務局のサイトは、ドメイン名のsports-info.co.jp/bangkok20xx/...のxxを開催年に変えると最新のページにアクセス可能できるようです。例えば、2019年の場合は...bangkok2019という具合です。
以下に2019年大会のエントリー料金をまとめました。
1.現地ウェブサイトからのエントリー
種 目 | エントリー料金 |
フルマラソン | 75USドル |
ハーフマラソン(21.1km) | 55USドル |
ミニマラソン(10.55km) | 35USドル |
ファンラン(5km) | 25USドル |
2.日本事務局からのエントリー(第1次締め切り:~8月19日)
種 目 | エントリー料金 |
フルマラソン | 10,000円 |
ハーフマラソン(21.1km) | 8,500円 |
ミニマラソン(10.55km) | 6,000円 |
ファンラン(5km) | 4,500円 |
3.日本事務局からのエントリー(第2次締め切り:~10月7日)
種 目 | エントリー料金 |
フルマラソン | 11,500円 |
ハーフマラソン(21.1km) | 10,000円 |
ミニマラソン(10.55km) | 7,000円 |
ファンラン(5km) | 5,500円 |
この他に、処理費用に5USドルが必要です。
2019バンコクマラソン体験記
さて、ここからは私のハーフマラソン体験記。参加予定の方、引き続きお付き合いください。
バンコクマラソンは当日受付が出来ないので、大会3日前から1日前までに現地での受付が必要です。なので、現地到着が前日の夜という方は、受付に間に合わないので注意が必要です。
今回のスケジュールと費用
参考のために私の今回のスケジュールをご紹介します。スケジュールには、観光などの時間も含めています。
日時(2019年11月) | 内 容 |
15日(金)11:55 | 新千歳空港出発(エアアジアX) |
15日(金)18:00 | ドンムアン空港到着 |
15日(金)20:30 | ホテルチェックイン、夕食 |
16日(土)13:30 | 受付、前後に市内観光 |
16日(土)19:00 | 就寝 |
16日(土)23:30 | 起床 |
17日(日)00:00 | スクンヴィットからタクシーで移動 |
17日(日)02:00 | ハーフマラソン出走 |
17日(日)04:30 | ハーフマラソン完走 |
17日(日)07:00 | ホテルにてシャワー、再び就寝 |
17日(日)12:00 | ホテルチェックアウト、市内観光 |
18日(月)02:00 | ドンムアン空港出発(エアアジアX) |
18日(月)10:30 | 新千歳空港到着 |
フライトはLCC。新千歳発着のエアアジアXは現地深夜出発、日本折り返しがお昼なので、フライトスケジュールの都合上3泊4日の旅程です。でも、成田発着であれば土曜日出発で、日曜日の夜には帰ることも可能です。例えば次のようなプラン。
スカイスキャナーのサイトから検索結果を引用
バンコク便はスクートやタイライオンエアなどLCCも多く飛んでいるので、往路と復路を別々に手配することでいろいろな組み合わせが選択できます。
「せっかくタイまで行くんだから観光もしたい」という方にはおすすめできないスケジュールですが、私の経験上、フルマラソンを走るのであれば「観光はしないでマラソンだけに専念したほうが楽」だと思います。
で、今回の費用は次の通り。
内 容 | 費 用 |
航空券 | 27,177円 |
宿泊費 | 2,800円(2泊) |
エントリー | 7,200円 |
合 計 | 37,177円 |
どうです?もちろんこの他にも現地での食事や交通費が必要になりますが、基本はこれだけで大丈夫。
当サイトでは何度か繰り返しお伝えしていますが、アジア圏で開催されるマラソンの参加費用は、案外かからないんです。フライトはLCCのセール運賃、宿泊はドミトリーといった「お値打ちどころのチョイス」ではありますが、十分可能。
これが国内の都市型レースに地方から出場する場合、エントリー費用が高いうえに宿泊費もそこそこかかるんですよね。しかも抽選という関門があり、参加できるかどうかすら不確実。
それならばいっそのこと海外へ行って、他国の人たちと一緒に走った方がずっとおもしろい!って当サイトでは発信しているのですが、なかなか共感が得られないのが残念。
現地受付とEXPO会場について
さて、前置きはこのくらいにして、ここからは実際の様子をお伝えしていきます。まずはレース前の受付とEXPO会場について。場所はBTSナショナルスタジアム駅から徒歩数分程度のところにある、スポーツジムの中になります。
この場所はラーマ1世通りの南にあり、東側にあるパヤータイ通りを越えると、高級デパートが立ち並ぶサイアム地区があります。また、ラーマ1世通りの北側には有名なジムトンプソンの家もあります。
会場の中は基本的に一方通行。まずは受付ブース、その後はEXPO会場で構成されています。
入口側から種目別のブースが並んでいます。奥には団体登録、SICスポーツ情報センター(日本事務局)、ACTIVE RUN、GO TO RACEなど申し込みの区分ごとにブースが分かれます。
事前に届いたメールにはQRコードが添付されており、スマホの画面かプリントをブースの係員さんに見せるだけ。メールにはパスポートも必要と書かれていますが、確認しないことも多いみたい。
最後に自分の名前が間違っていないかどうかを確認し、名簿にサインをして完了です。
ちなみにレース当日の受付は不可。受付時間は3日前~前日の10時~19時までとなっています。
受付ではBIBの他にも、参加記念のノンスリーブとサロンパスなどのサンプル品、プーケットマラソンのご案内などが入った参加キットを受け取ります。
ナップサックに入れてくれるので、手ぶらで行っても大丈夫。
受付が完了したら、隣りのブースでチップの動作チェックをしてもらいます。
BIBの裏にはレーシングチップが貼られているので、正常に反応するかどうかを確認します。
その後はEXPO会場のブースが並び、ほとんどが物販のブース。
マラソン関連のグッズってウェアやシューズ以外にもいろいろな種類がありますが、街ではなかなか見つけられないもの。こういう大会前のEXPO会場は品揃えが豊富で意外と掘り出し物があるので、じっくり見たほうがいいかも。
でも、サンプルを配布しているブースでは、しつこくセールスされることもあるので、上手くやり過ごしましょうね。
個人的に注目してしまったのが、前年までの記念Tシャツ。中にはフィニッシャーTシャツもあって、場合によっては経歴詐称になりかねません。
それでも私は買ってしまいましたが、、、
大会当日は深夜にスタート会場へ移動
さて、いよいよレース当日。大半の人は寝不足気味での参加になるかと思います。
2019年になってMRTブルーラインが延伸したおかげで、王宮周辺へのアクセスがとても良くなったのですが、残念ながら今回は深夜の特別ダイヤでの運行はありませんでした。
そうそう、2018年のクアラルンプールマラソンでは、深夜に無料運行してくれたのでとっても助かりました。
海外マラソンはこんなに楽しい!クアラルンプールマラソンの魅力について
とは言え、バンコクマラソンは、フルマラソンが0時、ハーフマラソンが2時にスタートするので、フルマラソンならMRTの運行時間内での移動になりますし、ハーフマラソンでも終電を利用して、ちょっと早めの移動をすることが可能です。
今回、私たちはタクシーでスタート会場へ。スクンヴィットからブルーラインと同じ経路でルンビニー公園、チャイナタウンを通ると渋滞もなくスムーズです。
途中のラーマ4世通りからは、マハナコーンタワーの眺めも見れて、深夜にもかかわらずかなりテンションが上がります。
スクンヴィットから約20分程度で会場へ到着。時刻は0時20分を過ぎたくらい。フルマラソンの選手たちがすでに出走しており、会場周辺は比較的空いています。
ハーフマラソンの出走まではまだ1時間半くらいありますが、場内をゆっくりと散策しながらウォーミングアップ。
前日のEXPO会場同様に、サラーンロム公園周辺では物販やサンプルの試供なども行われていて、イベントを盛り上げてくれます。
そうそう、バンコクマラソンでは手荷物を預けることも可能。
どの種目も夜が明ける頃には終了するので、競技終了後にホテルへ戻り、それからチェックアウトという流れが一般的だと思います。なので、ほとんどの場合は手ぶらで来ることなるのでここの利用価値は低いかも。
王宮周辺の施設も基本的にライトアップされているので、出走時間までブラブラしていれば退屈しないでしょう。5kmレースのスタート位置に見えるのは国防省。
なかには仮装して走るランナーさんもの姿も。
コースの1本東側の通りにはバスを改造した仮設のトイレも。混雑はしていませんでしたが、ちょっと離れているのでトイレは早めに済ませておいた方がいいかも。
バンコクマラソン、いよいよスタート
スタート15分前くらいになると、ランナーたちがコース上に集まってきて、いよいよ会場全体が盛り上がってきます。
レース直前にいつも感じるのこの高揚、ホントたまらないですよね。
そしていよいよスタート。民族衣装を身につけたボランティアの方々に見送られ、21kmの旅が始まります。
道路幅が広くて参加人数もそれほど多くないため、スタート直後はほとんど渋滞しませんでした。国防省のとなりにあるサーンラックムアンという寺院もライトアップされていて、ついついレースを忘れてしまいがちの私。
次に右手に見えてくるのは最高裁判所。真っ白な壁面がとっても印象的。
夜のバンコクって、中心街で過ごすことが多いので、この時間に訪れるとかなり新鮮に感じるかと思いますよ。
道路の北側には、その昔バックパッカーの聖地とも言われたカオサンロードがあるのですが、そちらには寄らずメインストリートを東へ。
次に見えてくるのが民主記念塔。Rattanakosin Exhibition Hallやマハーカーン砦もライトアップされているので、ついついスピードを下げてしまいがちの私。
見どころとなる建物はほとんど右側にあるので、中央線側を走っていたほうがいいかも。
橋を渡って右手にラーマ7世王博物館を見たら、ここからいったん北へ進路を変えます。
このあとは一気に道路幅が狭くなります。右側に路上駐車している車両もあるので注意しましょう。
さらに450mくらい走って交差点を左に曲がると、ラーマ8世橋方向へ向かいます。ここからしばらくは一本道。橋への登り坂が長いので、ちょっとペースが落ちるところ。
フルマラソンのエリートランナーが帰ってくるのもこの頃。彼らの熱い走りに励まされます。
ラーマ8世橋に差し掛かるところが約4km地点。このくらいになると周囲のペースはほぼ一緒になりますが、中には序盤で一気に飛ばしてペースダウンする人もいるので、前をよく見て走りましょう。
高架道路に入るとしばらくの間は単調な道のり。最初のところだけ湾曲して進行方向が変わる箇所がありますが、ほとんどは直線。あとは折り返し地点まで走って戻ってくる感じです。
そう言えばハーフマラソンのコースには、途中に1ヶ所のみトイレがありました。場所は折り返し地点を過ぎたあたりなので、11km地点くらいでしょうか。それ以外の場所にはトイレはなかったように思います。
深夜のレースは周囲が暗いので、遠くが見えません。これはある意味ではラッキー。「あそこまで走らないとならないのか~」というネガティブな気持ちにならないですからね。いずれにしても、せっかくの海外マラソン。とにかく楽しんで走りたいですよね。
再びラーマ8世橋を渡り、橋を下りたところでUターン。この辺りが約17km地点。残り4kmでゴールなので気持ちが盛り上がるところです。
東南アジアのレースではとにかく早めの水分補給が大切。2kmくらいの間隔で給水所が設置されているので、面倒くさがらずにすべての給水所でほんの少しずつ補給するのがいいかも。
私は氷点下の北海道からの参加だったため、30℃の気温差に苦しみました。
汗、半端なく吹き出しますよ。
往路では通らなかったプラスメン要塞の前も通過。ここもライトアップされていて、思わず「うお~」って言葉が出ちゃいます。
こちらはThawornwatthu Buildingという博物館。赤い外壁がとっても印象的。ここまで来るとゴールまでは残り僅か。ファンラン気分で参加している人でも、この辺からラストスパートをかけたいところです。
コーナーを曲がればゴールが見えてきます。すでにゴールしたランナーたちが沿道に詰めかけ、最後の力が湧いてきます。そして思わず笑顔にも。
完走後はメダルとスナックを貰って自由解散
さて、ゴールラインを過ぎたらクールダウンをしながらそのまま真っ直ぐ進み、まずは完走メダルを受け取ります。
次にスナック類の受け取り。パン、りんご、豆乳が入った紙袋を貰い、そのあとは自由解散となります。果物はバナナが定番ですが、2番目に多いのがりんご。
私は前歯が差し歯なので、ナイフが無いと食べられません、、、
水やスポーツドリンクはもちろん、その他にも串焼きやタイ風のおかゆ、アイスクリームなどの配布もされていました。
休憩を兼ねてここで朝食を済ませてしまうツワモノも。
ブルーラインの延伸で、帰りはMRTでの移動が可能になった
MRTの始発は午前6時頃。完走後にちょっと待ち時間があるけれど、圧倒的に便利なので嬉しいですよね。
ブルーラインが延伸したことによって、こうしてMRTで帰ることができるのは今年から。これからはMRTでの移動が定番になりそうです。
なんと!リボンとメダルの内容が違う
最後に余談になりますが、私が貰ったメダルがおかしいんです。リボンは21kmのハーフマラソンなのに、メダルだけが10kmになっているレアなもの。
日本のレースならクレームになりかねませんが、誰だってミスはありますからね。これはこれで承認。
さあ、みなさんもバンコクマラソンに参加してみませんか?
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私たちは今回3名でエントリーしました。初めてのマラソン参加がいきなり海外マラソンという仲間と感動のゴール。マラソン前後の様子や、私が感じたことなどについて、別のブログ記事をアップしていますので、こちらもぜひご覧ください。
バンコク旅行記|2019バンコクマラソン&良き仲間たちとビール三昧