今日の話題は台湾。
12月1日に台湾で2番目に高い山「雪山」に登ってきました。
今回の旅では登山以外には何もしていないのですが、一般の旅行者にはなかなか経験できない内容かと思いますので、旅行記をまとめて面白さを共有します。
行ってみたい方の参考になれば嬉しいです。
なお、実践編は次の記事にて。
台湾|雪山(標高3,886m)|オンラインで超カンタン!入山申請手続きについて詳しく解説します
新千歳空港からpeachの夜行便で行く、台湾桃園国際空港
以前から登ってみたかった台湾第2峰の雪山。
最高峰の玉山にはまだ登ったことはないけれど、なぜか先に雪山を登りたい気分。
玉山に次いで標高3,886mの高さを誇り、富士山より100mくらい高いんです。
2019年の4月にキナバル山に登ったのをきっかけに、心の中で新しい扉を開いた私。
キナバル山(標高4,095m)旅行記|札幌から3泊4日、10万円で登れちゃうマレーシア最高峰
一歩踏み出したら行動は素早くがモットー。
人生はあっという間に過ぎ去っていきます。
山歩きをする方なら体験的に分かると思いますが、登りたい山は1年でも早く登ってしまうのが理想。
夏が終わり、適期に差し掛かったのを見計らい、航空券の取得と入山届を提出。
運良くpeachの冬ダイヤが弾丸旅行向けで、新千歳20時50分発、台北5時25分発のスケジュール。
これ、ニーズはあまりないかもしれないけれど、私には最高のプレゼントです。
だって退勤後にそのまま台北へ行けるんだもの。
すかさず11月(雪山登山)、12月(台北マラソン)、1月(スタンダードチャータード台北マラソン)、3月(台北国道マラソン)の4往復フライトを予約。
残念ながら3月のフライトはコロナウィルス騒動でキャンセルになったけれど、それ以外は予定通り。
そしてあっという間に当日を迎え、17時まで仕事をしてから出発。
エクストリーム出社ならぬ、エクストリーム退社です。
台北の桃園空港に来るのはこれで4回目。
到着が24時を過ぎるので、まずは空港で仮眠を取ることにします。
- どこでも眠ることができる
- 荷物を軽く収められる
- エコノミークラスでも全く問題なく移動できる
- 食にこだわらずに生きていける
この4つはLCCの旅では必須だと思う。
で、経験上桃園空港の1タミであれば、どこで快適に寝られるかは想像できます。
とは言え、台北経由でまずは宜蘭市へ行く予定なので、念のためにバスの時間を調べておきます。
そう、台北から地方都市へ行くのは今回が初めてなんですね。
すると、宜蘭市へ直行のバスがあるじゃないですか。
旅はアドリブがモットー。急きょ計画を変更することにします。
このように臨機応変に旅行が出来るようになると、旅がより一層楽しく快適になりますね。
バスは1時間に1本くらいのペースで運行していて、早朝4時30分のバスに乗れば、どんなに遅くても宜蘭市には6時30分に到着できるだろうと推測。
まずはコンビニでビールを買って安着祝いをし、ベンチに座って4時まで寝ることに。
宜蘭市への直通バスについては、下記の記事で詳しくご紹介しています。
宜蘭市からバスに揺られて3時間。武陵農場へ
3列シートの高速バスに乗って宜蘭市へ。乗客はなんと自分1人だけ。
宜蘭市までバスに揺られること約1時間半。
日本の高速バスよりも快適でシートにどっぷりと埋まる感じです。
宜蘭到着時刻は朝6時、辺りはまだ暗いです。
深夜に雨が降ったのか道路が濡れていて、雲行きも怪しい感じ。
雨が降ったときのオプションまで考えていないので、最悪の場合は台北に戻ってホテル探しをすることになりそうです。
とは言え、自分はセルフイメージが高いので、天気まで動かすと信じ、晴れた山頂にいる自分の姿を思い描いてみます。
さて、宜蘭のバスターミナルは乗車専用になっていて、到着便は少し離れたところで降ろされます。
あたりに何もないポイントで降りてしばらく戸惑いますが、ちょっと歩いたところにターミナルがありました。
登山口となる武稜農場を経由して梨山まで行くバスは1日2便のみ。
第1便が7時30分発車なので、まだ1時間半くらい時間があります。
筆談で往復乗車券を購入したのち周囲を散策するけれど、徒歩圏内には日本でお馴染みの「しまむら」やコンビニの「ハイライフ」などがあるくらいで特に何もありません。
水3リットルを含めてすでに9kgくらいの荷物を背負っているので、歩き回る気にもなれず待合所で待機。
バスの出発時間の7時30分になってもいっこうに案内されず、ソワソワし始めるけれど、ちょっと遅れ気味で乗車開始。
週末と言うこともあって、バスの車内はほぼ満席。
ここから武稜農場まで約3時間の長丁場です。
昼間でも眠れるように、アイマスクを持ってくるべきだったと後悔、、、
途中、南山村というポイントでトイレ休憩があります。
ボロボロの食料品店の奥にトイレがあり、ちょっと歩いたところにはファミリーマートもあります。
でも基本的にトイレ休憩程度の時間なので、もたもたしていると置いていかれることも。
実際に、バスが出発して2kmくらい過ぎたところで、乗客2名を置き去りにしてきたことが発覚。
結局はこの2名は回収できたものの、こういうアバウトなところが楽しいですよね。
宜蘭を出発して3時間後、やっとのことで武稜農場へ到着。
心配していた雨だったけれど、すっかり晴れ模様。
武陵農場は、北東側に位置する宜蘭縣から直線距離で約60kmくらい離れています。
西側の台中市に位置する武稜農場とではかなり気候が異なるみたい。
武稜農場にはキャンプ場もあるため、週末を避暑地で過ごすファミリーが多いですね。
空も青くて3,000m級の山々の景観がバツグン、美瑛や上富良野にいるのと変わらないような感じでした。
台湾在住の人でも、ここへ行ったことがない人はきっといるでしょう。
この辺りは標高が2,000mくらいあるため、11月30日にもなると半袖では寒いくらい。
自分は登山口まで7km以上の登り区間を歩かなければならないので、早々に半袖に着替えたけれど、周囲を見渡す限り、半袖姿は大人はもちろん、子供ですらいませんでした。
雪山登山口から七卡山荘へ2kmの道のり
登山口まで約2時間。正確にはバスを降りて、武稜農場の入場料を支払った場所から約2時間30分で登山口へ到着。
ここでは事前に届け出を済ませておいた書類を見せて、入山手続きをします。
「我是日本人。」
たいていの場合、これで話は理解してもらえる。
ちなみに事前の申請なしに入山すると、台中市の条例により最高30,000元の罰金に科せられるみたいなので注意が必要です。
上部にある三六九山荘の宿泊予約が取れなかったことから推測できたけれど、この日の入山者数はかなり多い様子。
入山手続きを済ませたらトイレも済ませて出発。
今晩宿泊する七卡山荘までは約2km、1時間程度の道のりです。
14時には到着してしまい、さてどうしようかと思い悩んだのですが、
- 出発直前にカゼをひき、朝の体温が37.5℃あったこと
- 桃園空港に24時過ぎに到着し、その後もまともに眠っていないこと
- バスの移動時間が長かったこと
- 武稜農場に到着後、すでに3時間半くらい歩いていること
こういったことを総合して考えると、風邪薬を飲んでマスクをしたまま15時には就寝し、深夜出発でご来光登山をするのがベストと判断。
自分が指定された寝床はすでに別の人がシュラフを敷いて寝ているので、空いている場所で寝ることに。
実は、天気が安定しているので、この時間から山頂をピストンすることも一緒考えた私。
23時頃に山荘へ到着するような行程でも良いかと考え、500mくらい進んでみたけど、やっぱり止めることに。
結果として満天の星空の下、ピーク到着が一番乗りとなったので良かったんだけど。
七卡山荘を24時に出発し、一番乗りで雪山山頂へ
おかげで約8時間半の休息が取れて、23時30分に起床。
体調も8割くらい回復した感じです。
新千歳空港のローソンで購入したメンチカツパンを食べて24時に出発。
すでに準備をしているパーティーもたくさんいたけれど、自分より先に出発したパーティはおそらく1組だけだったみたい。
みんなストーブでコーヒーを沸かしたりカップラーメンを食べている。
暖かいコーヒーが飲みたい気分になって、ちょっと羨ましい。
でも自分の食事はすべて行動食。
新千歳空港へ向かう途中、近所の「まいばすけっと」で購入したチョコレート、パン、もちなど。
いっぱい担いだけれど、かなり残してしまった。
さて、真っ暗の登山道。月は出ていないけれど、星が最高にキレイ。
今年を振り返ってみると星を見ながら歩くことが何度かあった。
2月の芽室岳、4月のキナバル山、7月の白雲岳、9月の平山がそうだ。
深夜なのでほとんど写真も撮らずにサクサク登って行く。
今日から12月だというのに暖かい夜。
途中でスライドしたパーティーが1組3人。
深夜0時過ぎにパーティとすれ違うことなんて、今まで経験したことがないですね。
その後は三六九山荘までは前に1組がいたようだったけれど、付かず離れずといった具合。
三六九山荘まで約3時間の行程。
その後は多数のパーティを追い抜き、最終的には山頂直下でトップに躍り出ました。
標高は4,000m近いけれど高山病の兆候は全くありません。
十分な睡眠とたっぷりの水分補給が良いと言われていますが、本当にその通りだと思います。
山頂直下で背後から夜が明け始めます。
大自然の中で見る地球の夜明けは、何度見ても本当に美しい。
感性が研ぎ澄まされます。
だから山はやめられません。
山頂からは、空は黒~青~オレンジ~黄色のグラデーション、明るい星もまだ見えています。
峰々の遥か下には大雲海が広がり、この感動を多くの人と分かち合いたい気分。
今や動画やVRでこうした体験を共有しやすいし、このブログの読者さんにも少しは伝わるのかもしれないけれど、すべてを再現することはできない。
やはり現地に行って五感で感じることに意味があるんです。
だから、行ける人にはぜひ同じ体験をしていただきたい。
3日間のお休みと交通費3万円、それと一歩を踏み出す勇気だけで行けるのだから。
セルフで記念撮影をしたあと、数組のパーティーが到着。
20分もしないうちに、山頂にはすでに30名くらいが到着して、ご来光を待っています。
なぜかベトナムの国旗を揚げて記念撮影するパーティも。
事前の下調べをほとんどしていなかったので知見が不足していたけれど、この辺の山々の多くは縦走が可能みたい。
これで再訪する理由が出来たというもの。
近いのだから、また来年も来ればいいじゃないか。
日本で言うところの北アルプスのような山並み。
日本百名山から日本三百名山などで多くの山々を歩いた方にも、ぜひ登ってみてもらいたいと思います。
沖縄の与那国島からわずか数百キロ程度の場所にもこんな素晴らしい場所があるのだから。
雪の時期であればもっと素晴らしい眺めなんでしょう。
1月~3月は本当に雪山になるそうなので、1月の正月明け、チャイニーズニューイヤー前の航空券激安時期の再訪を狙いたいですね。
陽が完全に登ったものの、かなり寒いので下山開始。
武陵農場発14時10分のバスに乗らないと台北へ帰れなくなってしまうので、6時30分に山頂を出発。
続々と登ってくる人達とすれ違い、帰りのバスの時間を気にしながらスピード下山。
日本でも「もう登って来たんですか?」と訊かれることが多いけれど、台湾でもそんな感じ。
ガレ場ですれ違うときに「小心」「加油」と声をかけたり、かけられたり。
行きは真っ暗でスルーしてしまった雪山東峰。
ヘリポートらしき広場があるので、ちょうど目印になりますね。
ずーっと雲海を見下ろしながら七卡山荘まで下り、デポしていた寝袋を回収。
最後の一休みを入れて無事に登山口まで降りてきました。
すぐにトイレに駆け込んで激しい便意を解消(汗)
続いて下山届を提出して、最後のひと仕事です。
登山口から車道を徒歩で降りてくる人は皆無。
珍しいのか、話しかけられることもしばしば。
「えー!雪山に登ったの~!?」みたいな感じ。
ここでも「我是日本人。」で再び驚かれます。
下山して宜蘭で乗り継ぎ、台北行って士林市場で晩ごはん
山頂から登山口まで5時間を要し、武陵農場までさらに1時間ほどかかりました。
バスの時間まで1時間30分ほどあるので、給水とアルコール補給、着替えを済ませてバス待ち。
早くシャワーを浴びたい気分だけど、結局のところ桃園空港のラウンジでもシャワーに入らずじまい。
せめて汗だけでも飛ばそうと思い、芝生の上で来ていたウェア類やザックを干して乾燥。
これで荷物が少し軽くなる。こういうのを悪あがきって言うんだっけ?
再びバスに揺られて2時間半で宜蘭へ。
さらに渋滞して1時間半で台北。
お腹が減ったので士林夜市へ行っていつも店へ。
チンジャオロースーとシシャモのフライ、えびチャーハンにビール。
このお店、5月にも来たけれど、そんなに美味しくない割にはそこそこ高い。
これで約600元だもんな。
日本の居酒屋と変わんないよきっと。
相席も日本人だし、周囲もすべて日本人。
すでに帰国した気分。
最近よく言う話だけど、日本に来る外国人はおもてなしなどのサービスを期待しているわけではなくて、単純に安いからなのだそう。
確かに交通費を除いて、宿泊費や外食は北東アジアや東南アジアとあまり大差はない。
士林夜市については、5月の旅行記にて。
新千歳からピーチで行く1泊3日の台北旅行記|九份の基隆山、ミッフィーパークの八里文化公園など
帰りもpeachの早朝便。
チェックインカウンターが開くのが午前2時過ぎなので、早く空港へ着いてもラウンジには入れません。
こういう時、韓国だとチムジルバンがあるからいいんだけどね。
そこで夜の観光を試みるものの、やはり疲れがたまってしんどいのでMRTの終電で空港へ。
いつも通り、4階のソファーで3時まで仮眠を取ります。
今回は結局、雪山登山という目的では大成功だったけれど、その他は特に何もできず終了。
次回は2週後の台北マラソンに参加するので、こちらでは新しいことにいろいろチャレンジできるかも。
雪山の詳しい記事は近くまとめて公開します。取り急ぎダイジェスト版はヤマレコにて。