今回の話題は、台湾で2番目に標高が高い「雪山」について。
前回の記事で、事前の入山申請手続きについて説明しました。今回はその続きとなる、現地での移動編をお届けします。
入山申請手続きや雪山の概要については前回の記事をご覧ください。
台湾|雪山(標高3,886m)|オンラインで超カンタン!入山申請手続きについて詳しく解説します
また、旅行記はこちらから。
台湾到着から雪山登山口への行き方
この記事ではもっとも格安で、一般的と思われる移動方法について説明して行きます。
台湾到着後、公共交通機関を利用して雪山登山口まで行くには、
- 空港または台北市から宜蘭市までバスまたは電車で移動
- 宜蘭市から武稜農場までバスで移動
- 武陵農場から登山口まで徒歩で移動
この3段階のステップが必要です。
台北市内から武稜農場まで直接行くバスもありますが、こちらは事前に予約が必要なツアーバスが中心になります。便利ですが割高。すべて公共交通機関というこの記事の趣旨からちょっと外れるので、今回は割愛。
参考までにリンクを貼っておきます。
では、1ステップずつ説明していきます。
1.台北到着から宜蘭市までの行き方
ご存知の通り、台北には桃園国際空港と松山国際空港の2つの空港があります。
いずれの空港に到着しても、MRTやバス、タクシーなどを利用して、まずは台北市内へ向かい、その日は台北市内で宿泊するのが一般的でしょうか。
登山当日は、朝早くからの行動。まずは、台北市内からバスあるいは電車を利用して、宜蘭市へ向かいます。
台北駅から宜蘭駅までは、電車を利用すると1時間くらいで行くことができます。
もちろん、バスを利用してもそれほど時間に大差はありません。当ブログではバス利用をおすすめしていて、理由は次の通りです。
- 複数のバス会社によって運行されているため、便数が多い
- 早朝から深夜まで運行している
- 高速道路を利用するので必ず座れる
- 台北市内の複数の場所で乗降可能
- 宜蘭到着後、武陵農場行きのバスへの乗り換えがスムーズ
などといった利点が挙げられます。
まずは、台北市と宜蘭市とを結ぶバスについて、詳しく説明して行きます。
1-1.台北駅や板橋、科学大樓から乗るなら葛瑪蘭汽車客運の1915、1916
葛瑪蘭汽車客運が運行している1915系統、1916系統のバスが、台北駅、MRT板南線の板橋駅、MRT文湖線の科技大樓駅に隣接するバスターミナルを発着します。
松山空港からダイレクトに乗り換えるのであれば、MRT文湖線で5駅のところにある科技大樓駅が便利です。
なお、始発は板橋4時50分、終発は0時30分で台北駅を通過するのがその25分後、科技大樓駅を通過するのが45分後になっています。
運賃は片道140台湾ドル、往復252台湾ドルです。(2019年12月現在)
最新情報は、葛瑪蘭汽車客運のウェブサイトでご確認ください。
1-2.市政府からの乗るなら首都客運の1571、1572
首都客運が運行している1571系統、1572系統のバスが、MRT板南線の市政府駅を発着します。1572系統は宜蘭の先にある羅東まで行くバスで、便数はやや少なめ。
ちなみに、宜蘭からの帰り道では、台北101の前で下車可能です。
忠孝復興付近に宿泊している場合は便利。このバスの車内は2-1列の配列になっていて、とても快適です。
1571系統利用の場合、始発は6時00分、終発は23時10分。
運賃は片道131台湾ドルで、窓口で整理券を貰った後に、交通系ICの利用も可能。
最新情報は、首都客運のウェブサイトでご確認ください。
1-3.圓山で乗るなら國光客運の1878
最後はこちら。國光客運が運行している1878系統のバスが、MRT淡水信義線の圓山駅を発着します。
始発は6時00分、終発は22時30分で、朝は10分間隔、曜日にもよりますが、長く空いても30分毎には次のバスが来ます。
運賃は片道130台湾ドル。
最新情報は、國光客運のウェブサイトでご確認ください。
1-4.桃園国際空港からダイレクトに行くなら統聯客運の1661
なお、桃園国際空港から宜蘭市へ直行するバスもあります。台北市内に立ち寄る必要がない場合はおすすめ。今回私が利用したのはこのバス。
詳しくは下記の記事でご紹介しています。
台湾桃園空港から宜蘭市への行き方|1661直達バスが便利です
統聯客運のウェブサイトはこちら。
2.宜蘭市から武稜農場までの行き方
次のステップはこの行程の核心部、宜蘭市から武稜農場への移動です。
宜蘭市から武稜農場までは、國光客運が運行する1751系統のバスを利用。
ちなみに羅東から武稜農場まで、國光客運が運行する1764系統のバスがありますが、こちらは割愛。
このバスは1日2便が運行されており、武陵農場を経由して最終的には梨山まで行きます。
ポイントは、宜蘭のバスターミナルからの始発が7時30分というところ。それを逃すと次は12時40分となり、武陵農場に到着するのが15時半を過ぎてしまいます。
なので、武陵国民賓館で前泊する場合を除いては、始発に乗車するのが必至。
運賃は往復で購入すると片道275元なので往復550元(1TWD≒3.63JPY換算で約2,000円)。行きのきっぷは日時が指定されますが、帰りのきっぷは指定されません。
所要時間は行きが約3時間、帰りは2時間半。
車内は4列シートで、USBの充電も出来るので比較的快適ですが、山道を走るので車酔いする方は要注意。
途中、約2時間後に南山村というところでトイレ休憩があります。
3.武陵農場から登山口への行き方
武陵農場に到着すると、公園入口にある武陵収費站で入園料を支払うため、いったん下車します。
ここで入園料160元(2019年12月現在、平日は130元)を支払ってバスに戻り、武陵農場のバス停で下車という流れです。
武陵国民賓館で宿泊するなら、武陵収費站で降りたらバスに戻らず、ここから徒歩で向かいます。
武陵国民賓館では、公園内シャトルバスの乗車予約も受付しているとのことですので、登山口まで歩きたくない方もこちらで下車します。
現地でシャトルバスが運行しているのを何度か見ましたし、親切な方からそういった情報も寄せられました。
しかし、この記事を書いている時点で、詳しい一次情報を見つけることができませんでした。参考までに武陵農場のウェブサイトへのリンクを貼っておきます。
武陵農場のバス停で下車すると、ここから登山口までは徒歩での移動になります。
途中にはキャンプ場もありますし、登山口へも車で行くのが一般的なので、歩いている人はほとんどいません。道も細くて傾斜もあります。
親切な人に巡り合えれば、車に同乗させてもらえるかもしれませんが、そうでなければ1時間半から2時間くらいの車道を登らなくてはなりませんので、ちょっと覚悟が必要。
終わりに
登山口への徒歩移動は大変ですが、途中には景色が素晴らしい箇所がいくつも点在しています。そういったところを、一つ一つ楽しみながら歩くのもおすすめ。
せっかく武陵農場まで来たのですから、雪山登山だけで終わらせないで全体を楽しみたいものです。
***
この記事では、移動手段だけに特化して紹介してきました。
事前の情報収集はもちろんですが、実際に現地でバスの系統番号や時間を調べるシーンも想定して書いています。
1人でも多くの登山愛好者が、海外での登山を楽しむ一助になれば幸いです。
入山手続きについては、前回の記事をご覧ください。
台湾|雪山(標高3,886m)|オンラインで超カンタン!入山申請手続きについて詳しく解説します