こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
キナバル登山の後編。今日は第2日目の行動についてお伝えしていきます。すでにキナバル行きが決まっている方、イメージを膨らませて下さいね。
なお、前編の記事はこちらからお読みいただけます。
旅行記はこちらから。
キナバル(標高4,095m)旅行記|札幌から3泊4日、10万円で登れちゃうマレーシアの最高峰
キナバル登山|山頂アタックに向けて
山頂アタック当日。
前日は早めに休んだものの、興奮してなかなか寝付けなかった人もいるはず。
いよいよ深夜から行動が始まります。
満天の星空を楽しもう!
キナバルのピークへ向かって登山を開始するのは午前2時半頃。
深夜2時から朝食の提供が始まりますので、大半の人たちはそれに合わせて起床します。
ドミトリーですから、早くに起きてガサゴソ準備するのは迷惑がかかりますからね。ここは前の日、休む前に準備を完了させておきたいところ。
いきなり余談ですが、30分くらい早く起きて外へ出ると、静かに満天の星空を見ることができます。晴れていれば、山頂までずっと星空が見えていますが、隊列になるのでゆっくりと撮影をする余裕が生まれません。
星空を眺めながら軽く準備体操をすると、体も少し温まります。深夜の食事もスムーズに食べることができますよ。
深夜2時に行列ができる朝食会場
起床後はまず朝食から。会場は前夜の夕食会場と一緒ですが、みんなが一斉に集まるので行列になります。
2時30分より前に出発するパーティーを除いて、15分くらい遅れて並んだ方がいいでしょう。
起きたら先に着替えや荷物の最終チェックを済ませ、それから朝食に並ぶくらいがちょうどいいかも。
また、ラバンラタ小屋から最終ゲートまでの登山道は、狭い一本道。ここではしばしば渋滞が発生します。
そのため(足が)遅いパーティから早く出発するのではなく、早いパーティーから出発した方がスムーズ。朝食の時間もそれに合わせる感じがいいかも。下山時にヴィア・フェラータのアクティビティに参加するグループも、早めに出発したほうがいいでしょう。
●行動前には適度に食べて、コーヒーは飲まずに水をしっかり飲んで
朝食もブッフェ形式で、比較的シンプル。相席必至ですが、各国から参加している岳人達と一緒に食事をするのは楽しいもの。
コーヒーを飲んで体を温めたいところですが、利尿を促進するので控えたほうが無難。シリアルもミルクによってお腹が不調になる可能性があるので避けたいですね。
前日は暑い中を5時間以上登ってきているので、脱水気味のはず。前日からフルーツや水を多めに取って、高山病にならないように気を付けたいものです。
●トイレもしっかりと済ませて
ラバンラタ小屋を出発すると、トイレは最終のチェックポイント付近に1か所だけ。
最終ゲートまでは渋滞する1本道ですし、ゲートを越えてから山頂までの間は樹木がない開けた岩盤地帯になります。
そのためトイレの心配がある人は、出発前にしっかりと済ませておきましょう。
担当ガイドさんと合流していよいよ出発
朝食を済ませたらいよいよ出発です。前日に同行するガイドさんから出発時間を告げられていますので、その時間に出発できるよう準備をしましょう。
●担当ガイドさんは、準備が出来るまで待ってくれる
日本の山岳ガイドツアーと異なり、参加者の都合で出発時間を遅らせても大丈夫。ガイドさんは待ってくれます。
むしろ、慌てて朝食を流し込んだり、装備のチェックを怠ったり、あるいはトイレを我慢したりして出発する方が問題あります。
しっかりと準備が完了した時点で、ガイドさんに合図をして出発しましょう。
●最初からどのくらい防寒対策するべきか?
さて、気になるアタック時の荷物と服装ですが、初日と大きく変わる点が2つあります。
- 登山道(序盤は急登で道が狭く階段が多く、後半は岩の斜面)
- 周囲の環境(夜間行動、樹木が無いので風の影響を受け、気温も低い)
初日のラバンラタ小屋までとは、全く別物だと思っていいかもしれません。大雑把に言うと、初日が樹林帯、アタック日が森林限界より上、ということ。
そのためでしょうか、実際にキナバル山に登った多くの人が「とにかく寒かった」という感想を持つようです。
確かに山頂部の気温は一桁まで下がるので、雨や風に当たれば想像以上に寒さを感じるでしょう。
ですが、序盤は急登。しかも朝食を取ったばかりなので、身体も内部から温まってくるはず。最初はちょっと寒いかもしれないけれど、長袖1枚程度で出発したほうが楽です。
出発前に外に出て気温を肌で感じ、ウェアを重ね着するか決めた方がいいでしょう。
●意外と大切な手袋
標高が上がり、出発から夜間の行動となるため気温が低くなります。身体は温まっても、手指や顔など露出している箇所は冷たく感じるもの。
また、階段の手すりや岩場ではロープに触れたりなど、手で何かを直接触れる機会が多くなります。
そのため、軍手でも良いので最初から手袋をしていたほうがいいです。
100円ショップで売られているような、薄手の小さくて伸びる手袋などがピッタリ。
行動中に万が一濡らしてしまったり、寒い場合に備えて、厚さの異なるタイプを予備で持っておくことをおすすめします。
●山頂アタックに持っていくべき最低限の荷物は?
不必要な持ち物は、ラバンラタ小屋の自室にそのままデポすることが可能。山頂アタックには最低限の荷物を携行します。
- 雨具上下
- 耳を覆えるタイプの帽子か目出し帽
- 水(1リットル程度)
- 防寒具(ダウンやフリースなど)
- 行動食
- ヘッドライト
それと、
- 暗い中でもすぐに取り出せるような場所にしまう。
- 風が吹いても脱落しないようにする。
このような着意も必要。
暗闇の中、ヘッドライトの明かりを頼りに出発
いよいよ山頂アタック。ガイドさんと合流してスタートです。
最初はちょっと肌寒いと感じるかもしれませんが、すぐに身体が温まるから心配しないで。バンガローの通路を縫って最初のゲートを通過し、登山道に入ります。
前日にラバンラタ小屋から岸壁を見上げて感じたと通り、いきなりの急登。しばらくは階段をひたすら上ります。
●グループ参加なら仲間とはぐれないように注意
深夜ですが、みんなが照らすヘッドライトの光で、自分が照らさなくても足元は明るいでしょう。でも、顔やウェアの色は意外と見えないもの。前後にしっかり並んで歩かないと、仲間を見失います。一度見失うとなかなか見つけれません。
特に後ろを歩く人がちょっと外れて一息ついたり、星空を眺めて立ち止まったりすると、すぐに仲間やガイドさんを見失います。目指す方向は一緒で道を外れることは無いわけですが、とにかく離れないことが大切。
仲間やガイドさんと同色のケミカルライトを付けて歩くなど、ちょっとした工夫をするといいかもしれません。
●いきなり急斜面。準備体操はしっかりと
多くの人が高山病を一番の心配事にするようですが、純粋に山歩きそのものにも気を配りたいところ。
「キナバルは楽勝」というように言う方がいますが、それは想像していたよりも大したことがなかったというだけの話。やはりそれなりの難易度はあります。
初日のコースに比べて急登が続きますし、深夜の行動という点も異なるところ。平地よりも身体の能力が間違いなく低下します。
登りきったらチェックポイント。最終チェックを受けて
急登を登り切ったところには、SAYAT SAYAT チェックポイントという小屋が建てられています。トイレもここが最後になります。
ここでは前日に渡されたIDを公園係員からチェックしてもらい、それから通過するルールになっています。
傾斜は緩やかになりますが、足元は岩場。岩場と言っても小さな石がゴロゴロしているのではなく、石の滑り台の上を登って行くようなイメージ。
雨で濡れると滑るからかもしれませんが、一部にはロープが固定されています。
山頂が近づくにつれ、だんだんと東の空が明るくなり、そして夜が明けていきます。
その下には雲海と上空まで立ち上る積乱雲も見え、日本の山では見られないような景色に思わず感動。
山で迎える地球の夜明けは本当に神秘的。きっと涙が出ることでしょう。
キナバルの山頂はやや急な岩場の上にあります。
ゴールが見えて、はやる気持ちになるかもしれませんが、最後まで気を抜かず慎重に。
●山頂直下からの眺め
黒から青へ、青からオレンジへと移りゆくグラデーションに感動。
今までに見たことがないような雲海の厚み。
憧れのキナバルピークへ
いよいよ憧れの山頂へ。
キナバルの山頂は非常に狭く、写真撮影の行列ができます。
夜が明けてだんだんと暖かくなるものの、順番待ちをしている間に身体が冷えてくるので、まずは上着を着用しましょう。
●山頂からの眺め
見知らぬ人でも、お互いにシャッターを押してあげる配慮を。
日の出直後に朝日を浴びている山がm最も輝いて美しい。
ピークより低いけれど、登攀欲を掻き立てられる姿。
行動に国民性の違いも表れるので、観察してみると面白いですよ。
ラバンラタ小屋までの下り
山頂をで記念撮影をしたらすぐに下山開始。
実は、ここからがキナバル登山一番のお楽しみだと思います。
登りは周囲が真っ暗でほとんど見えなかったけれど、下りではすべてを見ることができます。日本では見たことがないような景色にきっと感動するはず。
帰りは雲海に向かって一直線に下っていく感じが楽しめます。
天候が安定していて急いで下山する必要が無ければ、ゆっくりと景色を楽しみましょうよ。
チェックポイントを過ぎるといよいよ本格的な下り。ラバンラタ小屋をはるか下に見ながらちょっと頑張る場面。
急なところには階段が付いているので安心ですが、一歩一歩慎重に下っていきましょう。
ラバンラタ小屋で朝食と荷物をまとめて
ラバンラタ小屋に到着すると、今度は朝食とチェックアウト。担当ガイドさんと次の行動開始時間を決めていったん別れます。
朝食後に荷物をパッキングする時間を含め、1時間くらい取るのが一般的なようです。登山口のティンポホンゲートまでまだ3時間くらいはあります。気を抜いてあんまり寛いでしまうと、動きたくなくなりますので、ここは適度に。
朝食もブッフェ形式。ボリュームがかなりありますので、しっかり補給して最後の下りに備えましょう。
ティンポホンゲートまでの下り
初日の明るいうちに登ってきたコースなので、ある程度覚えているかと思いますが、意外と長く感じると思います。
それほど急なコースではないものの、平均して段差があるので、膝への負担がかかります。また、山頂アタックの時より荷物が重くなっていると思いますので、これも負担がかかる原因。
ティンポホンゲートまでおよそ3時間の道のりです。
そうそう、ティンポホンゲートの直前に長い登り返しがあるんですよ。
疲れた体にはここが結構な難所。最後まで気を抜けません。
公園本部に戻ったらレストランでランチ
ティンポホンゲートに到着したら、公園内のシャトルバスに乗って公園本部へ戻ります。
ここで担当ガイドさんにチップを渡してお別れ。登頂証明書をこの段階で受け取りますが、忘れていたらランチの後、出発前に受け取ることも可能。
最後は、BALSAM CAFEというレストランでランチ。これもツアー料金に含まれていて、いくつかあるメニューの中から好きなものを選べます。
これからの行動は、手配の仕方によって違いが。
たいていの場合、日本からのツアーまたは現地のツアー会社からの申し込みになるでしょうから、ここからコタキナバル市内まで専用、あるいは混在車で移動になるかと思います。
以上でキナバル登山に関する記事はおしまいです。
海外登山に興味がある方、キナバル山と同じくらいの高さを誇る、台湾の雪山に関する記事も書いていますので、こちらもぜひお読みください。
台湾|雪山(標高3,886m)|オンラインで超カンタン!入山申請手続きについて詳しく説明します