こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は雌阿寒岳。
2020年2月2日に登ってみましたので、その様子をお伝えします。
なお、インスタはこちら。
ダイジェスト版はヤマレコで公開していますので、そちらもご覧ください。
雌阿寒温泉コースから登る冬の雌阿寒岳
雌阿寒岳には冬でも登りやすい理由がいくつかあるんです。
まず1つ目は登山口へのアクセスの良さ。
冬季通行止めの影響で、車でのアクセスが悪くなる北海道の山々。
でも、雌阿寒岳の登山口がある野中温泉へは基本的に通年で除雪されているため、夏とほとんど変わりません。
今日は札幌市内を24時に出発して、一般道だけを繋いで約5時間30分で登山口へ到着できました。
雪が少ないこともあり、国道274号線は夕張ー穂別ー日高ー日勝峠の全線に雪が無く、足寄付近まで完全に夏道。
ドラぷらのサイトより引用
アクセスと言えばこちらも大事。
以前は札幌からの日帰りが困難だった道東の山々。でも最近は高速道路を繋ぐことで、かなり運転が楽になりました。
札幌南ICから足寄ICまではおよそ3時間15分。
軽自動車で休日・深夜のETC割引を使えば片道3,190円(2020年2月現在)なので、3人くらいで遊びに行けば、ガソリン代込みでひとり4,000円程度で済ませることも可能です。
さて話を戻して、登山開始。
冬の雌阿寒岳は、基本的に夏道と同じルートで登れるのも魅力の一つ。
ヤマケイ入門&ガイド「雪山登山」でも紹介されているメジャーなコース。
夏道のマーキングが多いので、誤ってルートを外れる可能性もグンと下がり、安心感が増えます。
もちろん雪山ですので、GPSや地図読みの技術は必須ですが、目印はあったほうがいいですよね。
また、道東地域は日本海側に比べて雪が少ないので、ラッセルも比較的楽でしょう。
3合目くらいまで樹林帯の中を歩きますが、そこを抜けると一気に視界が開けてきます。
初めての雌阿寒岳登山が積雪期、という方はほとんどいないと思いますので、過去の記憶を思い出しながら歩くのかな?
だいたいこの辺りまでで1時間半くらい。
山頂までの距離が短いのもいいですよね。
私が登った日は、3合目を過ぎた辺りがもっとも雪が深くなって、膝くらいまでのラッセルをする場面もありました。
でも、樹林帯を抜ければ雪質が固くなるので、この辺だけガマンすれば大丈夫。
樹林帯を抜け、広い尾根を直登して火口縁へ
樹林帯を抜けたあとも夏道と一緒。ハイマツ帯のトラバースとなります。
雪が固く締まってきますが、たまに踏み抜きをして、ちょっと疲れる場面も。
途中でいったん沢地形に下りて、対岸の尾根地形に取り付きます。
この辺りが4合目付近。2万5千地形図の標高点・999があるところですね。
4合目の標識を確認することなく、ここから広めの尾根地形を直登していきます。
夏道は300mくらい標高を上げた辺りから大きく東側に進路を変え、沢地形から離れていきます。
全体的にザレの部分とハイマツの部分が混ざっているので、今回はハイマツを踏み抜かないように、スノーシューのままで沢側の斜面を直登しました。
もちろん雪が固く締まっていれば、アイゼンのほうが登りやすいですし、安全です。
この付近で風が強い場合は、引き返した方が無難でしょうね。
隣り見えるのはフップシ岳。
樹木に覆われていて、夏も冬も登山の対象になっていないようですが、おそらく阿寒湖や雄阿寒岳の景色が良さそう。
そして背後には凍結したオンネトーも。
ちなみに雌阿寒温泉のゲートから湖畔まで歩いても2kmくらいしかないので、湖上をスキーやスノーシューで楽しみに行ってみるのもいいかも。
火口縁に到着すると、景色ががらりと変わる
標高1,300mくらいまで高度を上げると、いったん傾斜が緩やかになりますが、このあと再び急登となります。
左手に切り立った岩場を見上げ、正面には銀色に輝く分岐点の標識を目指して登り詰めます。
火口縁まで到達すると、最高地点まではあと僅か。
ついついの覗き込みたくなる火口の底ですが、冬はあんまり近づかないほうが無難。
底までの標高差も200mはあり、羊蹄山の父釜とはわけが違います。
【羊蹄山|真狩コース】火口壁から父釜へ下りる、11月シーズンオフの静かな山旅
さて、陽が高くなり始めると雲海が晴れて、遠くに大雪山系の山々が見えます。
ここから見るウペペサンケ山は台形には見えないんですよね。
ウペペサンケ山(糠平コース)|林道の被災状況と登山道の現状について
手前には上士幌ー足寄ー陸別くらいの街しかないので、ほとんどが大自然。
イメージ的には北大雪より東大雪のほうが近いように感じますが、直線距離ではほとんど変わらず、どちらも80kmくらい。
表大雪の旭岳までは約100kmなんですって。
ここを登りきるといよいよ雌阿寒岳の山頂。
今回はスノーシューのままで登れました。
早朝で寒かったり風が強かったりすれば、アイゼンに換装しないと厳しいし、危険でしょうね。
北東側の斜面は一見なだらかに広がって見えますが、山頂直下はそれなりの斜度があるので、滑り始めたら止まらないかも。
何度来ても美しい、山頂から見渡す雪と氷の世界
3時間ちょっとで山頂に到着。思わず見とれてしまうような真っ白な世界が広がっています。
十勝岳や旭岳、樽前山などと一緒で、活火山で樹木が少ないゆえに楽しめる冬景色。
山頂標識の背後には剣が峰と雲海に浮かぶ雄阿寒岳の山頂も。雄阿寒岳は数年前の4月に登ってみましたが、頂上台地で時間切れ。未だ山頂は踏めていません。
【雄阿寒岳|オクルシュベコース】4月の残雪期に廃道となった夏道コースを行く
ちょっと遠くに見えるのは、雌阿寒岳より標高がおよそ130m低い雄阿寒岳。
人気も雌阿寒岳より低いのですが、日本百名山の阿寒岳は、雄阿寒岳を指すのだとか。
これを機に深田久弥の「日本百名山」を読んでみるのもいいかも。
あんなにぽっかりと山頂だけが顔を出しているのは珍しいですよね。
雄阿寒岳山頂からどんな景色が見えているのでしょう?
こちらは印象的な阿寒富士。
無雪期に見るような、ただの黒いザレの塊とはまるで違いますよね。これぞ美白効果って感じです。
とってもいい天気だった☆
— コモ子@やまたび北海道 (@ComocoHk) February 2, 2020
久しぶりの雪山ハイク #雌阿寒岳
300km彼方から札幌へ帰ってきてひと安心#この世で一番美しいのは雪山#この世で一番醜いのはオッサンの自撮り#自分が好き pic.twitter.com/XZXcZYNhKy
ということで、冬の雌阿寒岳を満喫。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
時間があればオンネトーコースへ下りてもいいでしょうが、冬山は来た道を変える方が心理的に安心。
なお、帰り道は眼下に広がる景色に取れて、ついつい標高点・1415側に向かいがちですが、火口縁から外れないように。
無駄な登り返しをしてしまわないようにご注意、です。
下山後はぜひ野中温泉別館へ立ち寄って、冷え切った体を温めましょう。