以前、台北市内の書店で購入した「百岳完登圓夢手冊」という本の中で、玉山群峰について記されたページがある。
玉山と言えば、誰もが知っている台湾最高峰。
第二次大戦後75年が経過しようとしている現在でさえ、「ニイタカヤマ」の方が通りがよいから不思議だ。
名称だけが独り歩きをして、人々の記憶に残るのはいかがなものか。
隣国の歴史教育は確かに問題だけど、私たちニッポン国民も歴史について不勉強すぎるのはあまりよろしくない。
もはや、70代前半の人達だって戦争を知らない世代なのだから仕方ないのかもしれない。
話を玉山登山に戻す。
日本から玉山に登りに行くツアーは、たいていの場合1泊2日で主峰だけを登るパターン。
でもこの本の中で紹介されているのは、玉山主峰以外の衛星峰も含めて合計5日間で9座を登ってしまおうという内容だ。
まず、その9座というのが次の通り。
- 玉山前峰|3,239m
- 玉山西峰|3,518m
- 玉山主峰|3,952m
- 玉山東峰|3,869m
- 玉山北峰|3,858m
- 玉山南峰|3,844m
- 南玉山|3,383m
- 東小南山|3,711m
- 鹿山|2,981m
ちなみに玉山主峰が一等三角点、南玉山が二等三角点、玉山前峰、東小南山、鹿山の3座が三等三角点なのだそう。
念のため付け加えると、難易度は5段階中の4として紹介されており、そのうち5つのピークが台湾で10番以内に標高が高いということになる。
ルートの概要と難易度について考察
ルートの概要は、塔塔加登山口からスタートし、台湾で最も高い場所にある標高3,640mの圓峰小屋をベースに4泊し、5日目に塔塔加登山口へ下山する。
以下、次の通り。
- 1日目|距離12km、CT10時間、途中で玉山前峰に登る。
- 2日目|距離12km、CT10時間、南玉山を往復
- 3日目|距離13km、CT13時間、玉山南峰、東小南山、鹿山を往復
- 4日目|距離10.7km、CT12時間、玉山主峰、玉山東峰、玉山北峰を往復
- 5日目|距離13.5km、CT7時間、玉山西峰に登ってから塔塔加登山口へ下山
総距離61.2km、CT52時間だ。
ここで言うCTとは、この書籍で表している数値なので、あくまでも一つの基準に過ぎない。
ちなみに別のページを見ると、七卡山荘から雪山主峰までのCTが10時間になっていて、僕が半年前に登ったときのタイムが5時間半くらいだったので、それを考慮した場合、単純計算でCTの55%ということになる。
この数値をそのままスライドすれば29時間、70%で見ても37時間となり、1~2日の短縮もできそうだ。
とは言え、北海道の山で例えるならば、天人峡からスタートしてヒサゴ沼を起点に、石狩岳とオプタテシケ山、白雲岳、最終日にトムラウシ山をそれぞれピストンして下山するようなイメージだろうか。
しかも、ベースとなる圓峰山荘の標高が富士山頂とあまり変わらないから、酸素不足でちょっと厳しいと思う。
いざとなれば、いくつかの行程を省くという柔軟な選択肢も視野に入れれば、トライできそうだ。
地図アプリは玉山群峰2016が使えそう。