最近、マラソン関係の本を読み漁っているのだけど、きっかけは「せっかく走るなら、もう少し記録を伸ばしていきたい」と純粋に思い始めたから。
現役サラリーマンの読書が、ビジネス書や自己啓発本よりも、趣味の分野に偏ってきたなんて、いよいよライフがワークを駆逐しつつあるのかもしれない、、、(汗)
僕が走るそもそもの理由は、山に登るための体力を維持することにあって、大会参加が目的ではなかった。
しかし、17年にソウルマラソンに出場したのをきっかけに、マラソンイベントに参加すること自体が楽しいと感じて、ここ数年は通勤ランを中心に走り続けている。
それから海外のフルマラソンに9レース、ハーフマラソンに5レース参加し、「完走して楽しかった」というただの満足感から、「楽しみながら走るけれど、記録も伸ばしたい」という気持ちに変わってきた。
「以前の自分より強くなりたい」というように考え方が変化したのは、真剣に取り組み始めている証左なのかもしれない。
僕は未だにフルマラソンではサブ4を達成できないし、ハーフマラソンも1時間50分程度でしか走れない。
だからこそ、練習を重ねて数値結果を更新していけば、自分が楽しいだけではなく、同じレベルの読者さんにもストーリーを共有できると思う。
フルマラソン2時間13秒台の実績がある著者
さて、タイトルにある書籍の話題に戻すと、著者の松本翔さんはフルマラソンを2時間13分台で完走した記録を持つランナーで、2005年に箱根駅伝に出場し、その後は実業団でも活躍している。
現在は市民ランナーで、富士登山競争でも2015年に山頂の部で優勝しているとのこと。
この本の中身は、実に分かりやすい。
スポーツ科学の学術的な小難しい話は一切出さず、結果を出すためのトレーニングの解説に終始している。
解説とは言ってみたが、そもそもテクニックの話はなく、1週間の練習スケジュールとポイントについてのみに特化している。
「〇kmを〇分〇秒/kmのペースで〇本走る」といった具体的な数値が示されているので、その数値を参考にして今日からでも取り掛かれるのが魅力だ。
基本的にサブ3~サブ3.5くらいを達成するための目安になるが、考え方は一緒。
僕のような初級者は目標数値をそのまま落としてアレンジし、低めの設定で練習すればいいだろう。
筋トレをしないで走りながら筋力を鍛える、2部練習はしないで朝か夜かどちらか1回にする、など経験に裏付けられた考え方も展開しているので参考になる。
小出監督のコラムで以前読んだ「夏はケガなんかしないから、朝からバンバン走れ」という一節が印象に残っていて、短絡的に量は質を凌駕すると捉えて大いに共感したものだが、この本の中に書かれていることは、それとは対照的な考え方なのかもしれない。
まあ結果が出せれば、いずれも正解なのだろう。
著者のように結果を出している人が、必要最低限の要素を万人に分かりやすく伝えることができるのは、これも大きな才能だと思う。
さすが東大卒だと感心してしまったり。
成功者に学ぶ≠結果を出している人に学ぶ
「成功者に学ぶ人間は、決して成功できない」というような話はよく聞くけれど、それは勝者と敗者がそれぞれ同じ数だけ存在するようなビジネスの世界。
一方で、「結果を出している人のやり方を徹底的にパクれ」という考え方も正しい。
思うに、「成功者」と「結果を出している人」とでは、似ているようで意味が異なるのではないか。
個人競技、しかも対戦相手はあくまでも自分であるマラソンの世界では、結果を出している人のアドバイスには純粋に耳を傾け、そして従うべきだろう。
ということで、僕も今日からこの本のトレーニング手法を取り入れていくことにしよう。
あれこれ悩まず、まずやってみる。
たとえ遠回りになったり、間違っていたりしても、実行して後悔することはないのだから。