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jRO(ジロー)日本山岳救助機構×ココヘリ一括入会プランから加入してみた

jROとココヘリ

 

振り返ると、人生の半分以上の期間にわたって山歩きをしてきたのですが、今まで山岳事故の経験は一度も無く、よく生きてこられたものだと思います。

 

でも、今後も無事でいられる保証などどこにもありません。

 

山での事故のリスクを減らす方法はいくらでもありますが、リスクをゼロにするにはやはり山に行かないこと。

 

ただ、それでは生き甲斐も無くなってしまうので、私にはその選択肢はありません。

 

そこで先日お伝えした通り、jRO×ココヘリ一括入会プランに加入することにしました。

 

jROは、万一の場合の捜索・救援にかかる経済的な負担を軽減し、その後の人生にハンディキャップを抱えないようにするため。

 

ココヘリは、山中で身動きが取れなくなってしまったときに、命を落とす確率を減らすことができます。

 

カードと端末はどのように使うのか?

 

申し込んでから1週間も経たず、jROのメンバーズカードとココヘリのjROモデル会員証(発信機)が送られてきました。

 

ココヘリはスマートフォン非対応のシンプルプランスマートフォン対応のスタンダードプランの2種類があり、僕が加入したのはシンプルプラン。

 

僅かですが、年会費で1350円の差異があります。

 

さて、これらの使い方ですが、jROに関しては基本的にメンバーズカードを携帯するだけ。

 

A4サイズの会員証は自宅で保管します。

 

ココヘリは、会員証(発信機)をUSB充電して携帯します。

 

そして、PCやスマートフォンから専用サイトにログインし、初期設定と基本情報を登録。

 

以降は山歩きの都度、登山計画を記入して出かけます。

 

基本的には迅速な情報共有を目的に、オンラインでの登山届(山と自然ネットワーク コンパス)が推奨されているようです。

 

万が一の捜索要請は?

 

ココヘリに捜索要請をするには、専用窓口(24時間365日対応)に電話をかけないとなりません。

 

そのため、携帯電話の電波が圏外になる場所で身動きが取れなくなった場合、単独行では捜索要請が困難になることが予想されます。

 

そう言ったことを想定して、家族など第三者に行き先と下山時間を伝えておき、デッドラインを過ぎても連絡が途絶えたままの場合は、捜索要請をしてもらいます。

 

捜索要請の時期については、季節や山域などを考慮して、出かける前にあらかじめ具体的なタイミングを取り決めしておく必要がありそうです。

 

僕の場合、独身で子供や兄弟もおらず、老親はこういった仕組みを正確に理解するには時間がかかるので、緊急時の初動については職場の上司にお願いするようにしています。

 

山岳ではハインリッヒの法則以上にヒヤリハットが多い

 

最後に、今まで山歩きをしてきたなかで、どのようなヒヤリハット、アクシデントがあったかを振り返ってみます。

 

ハインリッヒの法則は、労働災害等の場面で有名ですが、1つの大きな事故のバックグラウンドには29件の軽微な事故があって、さらに300のヒヤリハットがあるというもの。

 

僕は単独行が圧倒的に多いのですが、意外にも同行者がいるときにこういったヒヤリハットが多い印象です。

 

ヤオロマップ岳と1839峰の中間で道を踏み外した

 

20代後半の話ですが、真夏にヤオロマップ岳山頂でテント泊をし、翌朝の1839峰へアタックする場面。

 

4名のパーティで最後尾を歩いていて、尾根上の踏跡でバランスを崩して転倒。

 

谷側へ僅か1~2mくらい落ちたのですが、ハイマツに絡まって身動きが取れず、数分後に全身の力を振り絞って体勢を立て直し、何とか復帰することができました。

 

たとえ同行者がいても、後方でミスをした場合、声を出しても気付いてもらえないことがあります。

 

この時は自力で何とかなったものの、このような奥地でのアクシデントは最小限にしたいものです。

 

浜益岳への登りで、同行者が雪庇を踏み外して落下する

 

これも20代の頃ですが、冬の浜益岳に1泊で登りに行った時、先頭を行く同行者が雪庇を踏み外して落ちたことがあります。

 

当時、数名のパーティでの行動でしたが、同行者はこの山行のリーダー的存在。

 

関西出身の人なので、笑顔の中心にいるタイプですが、この時はかなり焦った表情をしていたのを覚えています。

 

メンバーの多くが雪山の初心者だったので、当時はコトの重大さを軽く見て笑っていましたが、今考えると危険と隣り合わせだったと思います。

 

白雲山でスノーシューがハイマツに絡まって身動きが取れない

 

2014年のクリスマス時期。

 

初日、母と一緒に猛ラッセルの末、4時間以上かけて南ペトウトル山に登った翌日。

 

然別湖湖畔の白雲山に登りに行くものの、この日も猛烈なラッセルでかなり足に疲労が溜まっていました。

 

山頂手前で引き返し、下山中に斜面で正面から転倒。

 

フカフカの新雪に上半身がうつ伏せ状態で埋まり、片足のスノーシューがハイマツに絡まって動かせない状態。

 

どうにも身動きが取れない状態のところ、後続の母にスノーシューを外してもらって何とか復帰できたのですが、単独だったらちょっとマズかったかも。

 

4月上旬のユニ石狩岳。転倒して稜線からゆっくりと滑落していく

 

2016年4月上旬のユニ石狩岳

 

ブログで何度か書いていますが、母と三国峠の方からユニ石狩岳へ登りに行った帰り道。

 

稜線上にあるポコを乗り越えて、急な斜面を下りていくとき、母が後傾になってお尻から転倒。

 

尻滑り状態でゆっくりと谷の方へ滑り始め、5m~10mくらい落ちたところで踏ん張ってストップしました。

 

この日は風が強くて、雪が氷化しつつある時間帯。

 

その後、何事も無かったかのように下山することができましたが、お互い教訓を得て、これ以降、母とは積雪期に一緒に登っていません。

 

その他にも、特に積雪期は急なホワイトアウトで身動きが取れなくなるなど、外傷を伴うようなケガ以外のアクシデントが多いです。

 

僕は厳冬期に森林限界を超えるような山へは行かないので、雪崩や滑落のようなクリティカルな事故には遭っていません。

 

でも、初冬や残雪期、真夏でもヒヤリハットは数多くあるので、これからも気を付けていきたいです。

 

25年くらい前は、まだGPSも携帯電話も持っていなかったけれど、今ではほとんど人がGPSとスマホを携帯しています。

 

ココヘリやオンラインの登山届のような新しいツールやシステムを受容し、高齢になっても、安全に山歩きを楽しんでいきたいと思います。

 

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