先月、富良野岳からオプタテシケ山までを縦走した際、いつかはその先のトムラウシ山までの区間を歩きたいと感じました。
さらに2週間前、クチャンベツ登山口から東大雪のユニ石狩岳まで縦走したことで、その思いがますます強くなり、今週末に実行することに。
今回はその様子を、3回に分けてお伝えしていきます。
天人峡温泉に自転車をデポして、白金温泉へ向かう
7月18日土曜日、17時30分に退社してレンタカーを借り、自転車を積んでまずは天人峡温泉へ向かいます。
直前まで、美瑛富士登山口から旭岳温泉まで縦走するかどうかで悩んだもの、東川町まで運転してやっと現実を直視することができ、天人峡へ下山することで決心が付きました。
机上で考えていると楽観的になりがちですが、実際に現地現物で状況判断すると、甘さが見えるもの。
結果としてそれで良かったですし、これだけでも今の僕にとっては、お腹いっぱいのメニューでした。
まずは、23時に天人峡温泉に到着して自転車をデポ。
街灯の光の下、せっせと自転車を組み立てて橋の欄干に固定します。
スタート地点の美瑛富士登山口までの移動距離をナビで見てみると、およそ55km。
下山後に車を回収するために自転車で同じルートを移動するため、経路の詳細と道路の傾斜、自販機やコンビニの場所などを運転しながら確認します。
登山口へ通じる枯沢林道は、8年前にオプタテシケ山に登った時にも歩いて通行していますが、もはや記憶から薄れています。
最初、間違って別の林道に入って奥でゲートにぶち当たり、引き返しました。
その後いったん道道に戻り、枯沢林道の入り口を見つけて進入し、行き止まりにある駐車場へ。
すでに10台くらいの車両が止まっていて、多くの入山者がいるようです。
全く睡眠を取っていない状態ですが、0時30分に元気に出発。
ここ数年で夜明け前出発の割合が多くなり、躊躇することがほとんどありません。
何事も経験を積んでいくと視野が広がって、メンタル面をブロックしていた固定概念が外れる瞬間があります。
古い常識にとらわれなくなるのも、こんな瞬間です。
何事も、大衆とは異なる道を選ぶことで、受け取れるメリットが大きくなります。
もちろん、大きな失敗も数多くしますが、、、
で、暗闇なので途中は全く写真を撮らず、空が明るくなり始めた頃には、まもなく美瑛富士避難小屋という辺り。
空は快晴、今日も気温が上がって、天気も良さそう。
ここのキャンプ指定地は人気があるのか、それとも消去法でここを選ばざるをえないのかは分かりませんが、小屋脇の指定区域と、さらにやや離れたところにもテントが張られており、合計10張くらいがありました。
今年はコロナの影響で泊りの登山者が少ないだろうと予想していただけに、ちょっとびっくり。
中にはこんな朝早くから行動開始している人もいて、僕が石垣山へ登り始めたとき、すでに先を歩いている登山者もいました。
美瑛富士避難小屋からオプタテシケ山へ
いつも思うことですが、ここから化雲岳までおよそ23kmもあり、桁の違いにやや戸惑います。
これは、大雪山系のスケールがとても大きいということ。
それにしても、下界は暑くて無風だったのに、この辺りは風も強くてとっても寒い。
思わず、カッパを着て帽子もビーニーに替えました。
真夏は極限まで荷物を減らそうと考えがちになるものの、防寒や雨対策などどうしても外せないものってありますよね。
荷物を減らすより、一つ一つの軽量化を図るのことのほうが正しい考え方なのかもしれません。
ただ、水だけはどうしても軽量化できませんが。
東大雪の山々が一列に並んで、その手前には大雲海。
これだから山歩きはやめられません。
先月は富良野岳から縦走してきたので、こんな早い時間帯にこの付近を歩いてことも初めて。
ちなみにオプタテシケ山に登るのは、これで5回目でしょうか。
暁をバックに、ピラミダルなオプタテシケ山頂上部のシルエットが美しい。
先行者の方はルートを離れて、石垣山から景色を見るのが目的だったみたい。
実際、この後双子池の手前まで誰とも会うことはありませんでした。
ベベツ岳の手前で振り返ると、太陽が順光になるからでしょうか、美瑛岳がひと際大きくいつもより近くに見えます。
美瑛富士には、こちら側の稜線のシルエットが浮かび上がっています。
この時間帯にこの付近を通過することなんて、通常ならあまりないことですよね。
珍しい景色にちょっと得した気分。
コマクサが踏まれないためでしょうか、人為的に石で囲ったようです。
過保護な親心って感じ。
周辺にはお花畑が点在し、すでに終わりかけているチングルマをはじめ、多品種の高山植が楽しめます。
まずは最初のオプタテシケ山へ。
先月来たばかりなので、あまり新鮮味がありません。
自分自身のことが大好きな変わったおじさんなので、普段は自撮りが多いのですが、今回はここで初めて。
ここまでおよそ5時間。
0時30分に出発して、現在の時刻は5時30分。
きっとトムラウシ山まで快調に縦走するならば、4時間以内で登らないとならないのでしょうが、若い頃のようにガツガツ登らなくなったし、そもそも今の僕にはそこまでの資質もトレーニング結果もありません。
それと、このブログやSNSへの投稿もあるので、以前より写真を撮っている時間も増えたことも、遅くなった原因の一つ。
今回は600枚くらい撮影しました。
いずれにせよ、登山口からトムラウシ山まで10時間以内で行けたらいいな、という甘い考えは、すでに打ち砕かれていました。