美瑛富士登山口からオプタテシケ山を経て、トムラウシ山、化雲岳、天人峡へ日帰りで歩こうという今回の計画、前回までの記事でトムラウシ山までの様子をお伝えしてきました。
美瑛富士登山口からオプタテシケ山まで
⇨白金温泉(美瑛富士登山口)からオプタテシケ山を越えて、いざトムラウシ山へ(前編)
オプタテシケ山からトムラウシ山まで
⇨白金温泉(美瑛富士登山口)からオプタテシケ山を越えて、いざトムラウシ山へ(前編)
さて今回のブログは、トムラウシ山から天人峡までの徒歩区間、それと天人峡から美瑛富士登山口までの自転車区間について。
まあオマケみたいなものなので、ただの読み物だと思っていただければ幸いです。
トムラウシ山から意外と遠い化雲岳
当初の計画では、美瑛富士登山口を0時に出発し、およそ12時間でトムラウシ山の山頂に立つ予定でした。
しかし、出発が30分遅れたばかりか、体力や歩行技術がまだまだ未熟だったこともあり、計画より2時間半もオーバー。
このままでは、日没までに天人峡へ下山できない可能性がかなり高い状況です。
天人峡への下山ルートは、これまでに2回使用したことがあるので特に心配はしていません。
ただ、トムラウシ山から化雲岳までの区間は意外と長く、ロックガーデンやヒサゴのコルから化雲岳までの登りなど、案外時間を要する箇所もあります。
スケールの大きさに圧巻されるくらい、トムラウシ山の懐には多種多様で風光明媚な箇所がたくさんあります。
雪が沈んでスカイブルーに輝く北沼などは、生涯忘れられない良い思い出になることでしょう。
一方で全般的に標高が高くて、天候が急変すると逃げ場がないのが怖いところです。
どの方向へエスケープするにも距離が長く、大規模な岩場や登り返しが必ずあるため、2時間を超えるような長時間を、風雨や冷気に暴露する可能性が十分にあります。
トムラウシ山は全国区で人気の山なので、表大雪へ縦走する人も少なくないでしょう。
個人的な意見では、緊急時の避難スペースがもう少しあっても良いのではないか、と考えています。
ロックガーデンとは言い得て妙だなぁ、といつも思います。
白雲岳や音更山、石垣山、ニペソツ山辺りでも、これほど大規模な岩場が続く箇所はないでしょう。
しかも岩の大きさが半端ないので、体系が小柄な人にとっては通過するのにハンディキャップとなるかと思います。
すでに15時を過ぎていますが、南沼方面に1人、化雲岳方面に全部で5人ほど歩いていました。
おそらく、南沼やヒサゴ沼に泊まる方でしょうね。
ヒサゴのコルからの登り返しがボディーブローのように効き、しかもなかなか化雲岳へ届きません。
でも振り返ると、トムラウシ山がきれいなんだなぁ。
結局、化雲岳に着いたのは16時20分。
トムラウシ山から2時間20分もかかってしまいました。
急いでもどうせ日没までに天人峡には着けないし、さらに自転車区間が55kmも残っているしで、何だかもうどうでもいいやって感じ。
天人峡に着いたら、道端でシュラフカバーに包まって寝ようかなぁって思ったり。
天人峡温泉までの長い道のり
天人峡への下山はこれで3度目になりますが、11.5kmってまあ長いですよね。
僕のペースでは登りで約4時間半くらいかかるので、下山は最低でも3時間はみておきたい。
と言うことは、早くても19時半に到着できればいいわけで、第1公園通過が日没前になればそれでいいだろうという気持ちでスタート。
ここからはスピード第一主義にて。
理由は、止まると蚊に刺されるから。
第2公園は思っていたよりもヌチョヌチョの箇所が少なく、第1公園は木道なので全部ジョグにて通過。
第1公園の下り口こそ急斜面がありますが、それ以降は緩やかで歩きやすいので、スピード下山。
最後なので膝を温存することなく、先を急ぎます。
2名の下山者を追い抜き、暗くなる直前に滝見台に到着。
まるでゴーストタウンのように静まり返った天人峡温泉に到着したのは、20時過ぎ。
化雲岳から、やはり3時間30分くらいかかりました。
デポしておいた自転車を確認したら、猛烈に睡魔に襲われたのですが、せめて美瑛市街のコンビニで美味しいものを食べてから寝たいので、カッパを着込んで出発準備。
天人峡から白金温泉への長い道のり
僕はカメラを向けると笑顔で写るようにしていますが、実際は疲労困憊。
50歳近くにもなって、不眠で20時間くらい歩けば、さすがに疲れます。
この時点でのモチベーションは、セイコーマットホットシェフの豚丼。
まず、最初の信号機までほとんど下り。
距離はおよそ17km。
ペダルをほとんど漕がなくてもスイスイ進むので、楽なんだけどとっても寒い。
左折してちょっと登り返しがあり、一気に汗が噴き出してきて、さらに14kmちょっとでセイコーマート美瑛店に到着。
唯一の心の支えとなっていたホットシェフの豚丼。
しかし22時を過ぎているためか、ホットシェフの棚には何一つ残っておらず、サンドイッチやお弁当も全くありません。
予想が的中。
かなりショックで、一気に力が抜けました。
でも、セイコーマートは総菜パンの種類が多いので、カレーパンとマヨコーンを購入して駐車場で食べ、一気に回復。
そのまま駐車場で朝を迎えたい気分でしたが、意を決して白金温泉へ。
で、ここから白金温泉までの19kmが辛すぎて。
登りがずっと続いて、衰弱している身にはかなり堪えます。
しかもお腹が満たされて睡魔がマックスで、半分眠りながらペダルを漕ぐありさま。
車もほとんど通らないので自転車のスピード感もよく分からず、しかも途中で何度も幻覚が見えてハッとさせられるのでした。
無いはずの建物が見えたり、反射板が車のライトに見えたり。
100マイルレースなどのランナーが、ほとんど不眠不休で山を駆け抜けると、睡魔で幻覚が見えると聞きますが、まさにこんな感じなのでしょう。
青い池の付近では、2回ほどベンチに寝転がって死にかけましたが、スマートバンドの走行距離では白金温泉まで残り5kmくらいなので、何とか頑張ってペダルを漕ぎ続けます。
23時過ぎ、光が見えてきたと思ったら、白金温泉に到着。
とりあえず心の中でひとり万歳三唱。
枯沢林道のゲートに到着したのは24時頃。
前日は3時台に起床したので、ほぼ丸2日間寝ていないことになります。
加齢とともに一番できなくなることと言ったら、やはり徹夜。
自分、よくやってるなと思います。
枯沢林道は全線が舗装されているのが救いですが、ほとんどが登りで、しかも傾斜がきつ過ぎます。
結局、ほぼ全線を自転車を押しながら歩き、登山口の駐車場に着いたら自転車をそのまま投げて、車の中で爆睡するのでした。
今回、いつものニコニコレンタカーさんでお借りしたのは、スペーシアカスタムという車で、ハイブリッド車。
まだ3,000kmくらいしか走っていない新車なのに、中年オヤジが泥だらけの悪臭で乗るわ、車中泊はするわ、自転車は積むわで本当に申し訳ない気分。
でも、寝心地は上々でした。