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北海道の山に関する情報は本当に少ないのか?

 

Kindle Unlimetedで斜め読みしていた何かの雑誌(山系)か、ウェブサイトで見た内容だったか忘れたけれど、北海道の山の情報が少ないというようなことが書かれていた。

 

地元の人間としては、決してそんなことはないと思うのだけど、真実はどうなのかは確かに気になるところだ。

 

アウェイの立場で考えてみると、情報が少ないあるいは検索がしずらいのかもしれない。

 

そう言えば僕も先週鹿島槍ヶ岳に登るにあたり、山と渓谷8月号PEAKS6月号で概念的な情報収集をしたし、「日本三百名山登山ガイド(中)」(公益社団法人 日本山岳会)あたりのページもめくった。

 

確かにアウェイの立場に立ってみれば、都市との位置関係や距離、登山口、アクセスなど、現地に知見が全く無ければ、そもそも山域のイメージすら湧かないかもしれない。

 

今回は山小屋や自治体のウェブサイトではコロナ状況下での最新情報もチェックしたし、ヤマレコでは実際にどのくらいの人が登っている人がいるのかどうかも確認した。

 

つまり「ホーム」以外の人にとって「アウェイ」で山に登るには、多岐にわたる情報収集が不可欠だということを意味する。

 

正直なところ先週の鹿島槍ヶ岳に登るだけでも、2019年に登ったキナバル山雪山よりも、多くの情報収集をしたと思う。

 

こういった経験から、地元の人間が生の情報を発信する意義は極めて大きいと改めて感じた。

 

読者が欲しい情報は何か?

 

ウェブサイトでブログ論的な話題になったとき、読者目線で考えて記事を投稿しなさいというような「教え」が目立つ。

 

「『今日どこへ行って、何を食べて美味しかったです』という話なんて、誰も興味がないし、誰も読まない」とバッサリ切られる。

 

でも、僕はそうは思わない。

 

それはアクセス数を集めて広告収入を増やしたり、ブログ記事を通じて商品やサービスのコンバージョンに結び付け、アフィリエイト収入を得たりするためにブログを書くことを想定した発言だからだ。

 

でも、僕がブログで書いているようなジャンルでは、読者がインターネットを通じてモノやサービスを買うような行動パターンなんかほとんどないだろう。

 

僕の体験を通じた生の情報、つまり口コミ的な内容が期待され、その情報を通じて読者さんたちは自らの行動に役立てていく。

 

だから、純粋に一人のハイカーとして体験した記録を綴ることには意義があるし、地元の人の目線で多くの体験を発信したほうが、情報の深さも増して頼りにされる。

 

さて、インターネットは誰もが世界中のどこにでもアクセスできるが、どこで何を調べたらいいのかが分からないと宝の持ち腐れになる。

 

自分に関心がないジャンルはGoogleからサジェストされないし、自分が知らないワードを自ら検索することだってない。

 

北海道の登山に関して興味があったり、自発的に検索する人なんてそもそもマジョリティではないはず。

 

本州からわざわざ北海道の山に登り来る理由なんて、あまりないだろう。

 

せいぜい深田百名山の完登のために訪れる幌尻岳利尻山羊蹄山であり、それを実現した数少ない方々が二百名山や三百名山にリーチするだけだと思う。

 

地元では北海道百名山というものがあるが、そんなものはせいぜい道民528.1万人の数%にも満たない地元のハイカーくらいしか興味がないだろう。

 

 

本当に情報が少ないのか、統計から推察してみる

 

さて冒頭の話に戻す。

 

本当に北海道の山に関する情報は少ないのだろうか?

 

そこで、潜在的にどのくらいの人が北海道の山に関する情報を発信しているかを推察してみたいと思う。

 

まず、総務省統計局のデータでは「登山・ハイキングの行動者率は9.0%であり、北海道ではそれより低い僅かに5.5%未満という数値がある。

 

で、北海道の人口528.1万人の5.5%で試算してみた結果、30万人にも満たないというのが、道内の登山人口である。

 

しかも一番厚い層は65歳~74歳なんだとか。

 

年齢5歳階級別スポーツの種目の行動者率の順位で2位~5位に入っているのは45歳以上なので、まあ「登山・ハイキング」なんて、ほとんどがジジババの遊びだということだ。

 

この世代が積極的にデジタルな情報発信をするとは考えにくい。

 

1年間あたりの行動日数にしても、60歳未満ではほぼ5日に満たないことから、どう考えても発信される情報量は少ないと思われる。

 

で、全国的に見ても、北海道、東北、山陰・四国、九州、沖縄の登山・ハイキング行動率が低い

 

この結果は、ヤマレコでの投稿数とパラレルだと思う。

 

結論として、人口が密集している3大都市圏よりも行動者率が低くて、しかも人口が少ないのだから、結果は火を見るより明らかだ。

 

統計ってオモシロイ。

 

僕の発信する情報で、1人でも多くの人が北海道の山に登るきかっけとなって貰えたら嬉しいものだ。 

 

ウペペサンケ山

東大雪ではニペソツ山と対比して有名なウペペサンケ山。日本三百名山からも外れているし、3本もある登山道も現在ではどれもアクセスできない状況が続いていることから、北海道外の人にはまったく無名の山なのかもしれない。残念なことだ。

 

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