どうもタイミングが悪く、今週も午後からの日曜勤務。
職場に急きょ欠員が出たので、自分に白羽の矢が立った。
今日は晴れ予報だったので、北大雪の未踏の山、武華山と武利岳をセットで訪れたいと思っていたのだけど、またしても機を失してしまった。
どちらの山もあまり話題になることはないし、登山口への林道が被災していることを理由に、訪れる人は少なくなっていると思う。
後悔しないよう、行けるときに登っておきたいものだ。
ちなみに、武華山と武利岳との間には縦走路があると、北海道夏山ガイドには書いてある。
※注:僕が持っているのは2014年に発売された最新第2版だが、最新版は2020年4月に発売された第3版
それからまだ10年も経っていないので、歩く人が少なくてもそこまでは荒廃していないと思う。
で、武華山や武利岳とは全く関係ない話だけど、ロングセラーの北海道夏山ガイド全6巻について、ふと感じたことを書いてみたい。
今の消費者ニーズと合致しているか?
のっけから見出しで疑問をぶつけてみたのだけど、ここでいう消費者ニーズとは書籍の内容の話ではない。
むしろこのシリーズの内容はピカイチで、将来においても唯一無二のものとして君臨するだろう。
確かにネットの情報のように即時性はないが、長年にわたる実地取材の蓄積や、関係機関へ取材した結果での情報など客観的な要素もしっかりしている。
では何が問題だと感じているか?
それは、本のサイズだ。
このシリーズはB6サイズで統一されていて、本全体はビニールカバーで覆われている。
創刊時からこのサイズで、ビニールカバーで覆われていたのかは分かりかねるが、当時からこのスタイルだったと仮定して話を進めたい。
僕が想像するに、当初は野外に携行することを想定して設計されたものと思われる。
あくまでも想像の話なので、間違っていたらごめんなさい。
ただ、僕はこの本をザックの中に入れて山に登っている人は、今までに一人しか会ったことがない。
おそらくたいていの人は、自宅から持ち出したとしても、車中に残置して登山を開始するのではないかと思う。
もしくは必要な部分だけコピーを取って使っているのかもしれない。
シリーズ第1巻の初版は1989年と書かれていて、当時は国鉄分割民営化の直後くらいの時期で、公共交通機関で山に出かける人も多かったのだろう。
スマホはもちろんGPSなんて無かった時代なので、2万5千分の1の地図を携行する人も多かったと思われる。
でも、これから登ろうとする全ての山々の地図を購入するのは大変だし、今のように国土地理院のウェブサイトからダウンロードすることもできなかったわけだ。
だから、ハンディタイプのガイド本は、当時の消費者ニーズに合致していたのだと思う。
それから30年経過した現在、テクノロジーが進化して、ナビゲーションを含めた情報源はデジタルでコンパクトになった。
また山岳地域への公共交通機関の縮小で、ほとんどの人がマイカーで山へ出かけるようになった。
それと、山歩きを趣味としている年代層は、今では中高年が中心だ。
紙ベースの書籍を購入する層は今でも全世代に分布している。
しかし、電子書籍となると若年層ほど購入が多くなる傾向があるので、このシリーズの主な購買層はやはり中高年になるのではないかと思う。
これらを総合的に考えた場合、これまでのハンディタイプのものである必要性があまり見いだせない。
- A4~B4 程度の大きなサイズで、自宅で永久に保存できるようなもの
- 文字のサイズも大きく、イラスト地図や写真も大きい
こういうほうがウケがいいのではないかと思う。
ちなみに、2018年に発売された北海道夏山ガイド厳選34コースはA5サイズなので一回り大きて見やすい。
この本は、厳選34コースと言うだけあって、実に美味しいとこ取りをしている。
こちらと住み分けをする意味でも、オリジナルシリーズはリニューアルのタイミングが来ているような気がする。
あくまでも個人的な要望なので、賛否両論があって然るべきだと思いますが。