札幌に住んでいても「遠いなぁ」と感じる知床連山。
2連休が取れたので、久しぶりに羅臼岳と斜里岳に登ってみました。
木下小屋から羅臼平へ登るのは、これで4回目。
1回目は羅臼岳のみ、2回目は羅臼平でガスが晴れなくて撤退、3回目は木下小屋から知床硫黄山の往復を日帰りで、そして今回は羅臼岳と縦走路のサシルイ岳までです。
このうちブログを公開しているのは、2017年の縦走。
⇨知床連山|7月に木下小屋から知床硫黄山までの日帰り往復縦走をできるかやってみた
で、今年は時遅しの8月後半。
天気は晴れていても、残雪も無ければお花もほとんど無く、なかなかモチベーションが上がらないのがこの時期のデメリットかも。
土曜の早朝なのに、いきなり駐車できない
前回訪れたのは2017年。
- バイクで行ったので木下小屋のすぐ側に駐車できたこと
- 岩尾別温泉「ホテル地の涯」さんが休業中だったこと
そのため、当時は駐車スペースに苦労することはありませんでした。
しかし今回は状況が異なります。
もともと宿泊者以外の駐車スペースが少ないため、道路わきに縦列駐車。
僕が到着した土曜日の午前4時半頃はすでに満車。
仕方なく、路肩に駐車することにします。
羅臼平へは通いなれた道。
大沢までは歩きやすく変化に乏しいので、深夜出発でもまったく問題ないのですが、懸念事項はやはりヒグマとの遭遇。
先日の石狩連峰で学習した通り「ヒグマは夜行性はないけれど、夜間も活発に行動する」と一節が気になります。
いつもならイチバン乗りで暗闇の中から登り出しますが、今回は夜明けからちょっと遅らせて、後続からスタートします。
大沢辺りで先頭に出て山頂は独り占め、そんなズルい計画。
スピード違反の取り締まりに合わないために、先頭を走らずに後続で80km/hくらいでついて行くようなイメージかも(汗)
ヒグマには遭遇しなかったけれど、エゾシカに会いました。
登山道の脇にいたので、そのまま近づいて脇をかすめたけれど、まったく逃げる気配はありません。
すぐ直後に後続の登山者がいたので、僕が前に出たことで挟み撃ちみたいになったけれど、全然動じず佇んでいました。
エゾシカにはよく会うのですが、これだけ近接することは珍しいかも。
羅臼平へ出ると、国後島が見える
木下小屋から2時間くらいのペースでまずは羅臼平へ到着。
テントが2張。
もう少し奥へ行くとフードロッカーが設置してあり、その付近からは国後島を眺めることができます。
国土地理院の2万5千図には、もちろん北方4島も詳細が記されており、ここから見える国後島の山々を同定してみたのが上の画像です。
北方4島で最も大きな島は択捉島ですが、最も高い山は爺爺岳で標高1772m。
北大雪の武利岳以東では、おそらく最も高い山になるかと思います。
大きな地図で見ると、阿寒湖畔の山々から知床半島へと山々が連なっており、国後島、択捉島、千島列島、そしてカムチャッカ半島の3,000m峰であるカムチャッカ富士群へと至るのが分かりますよね。
さて、羅臼平から山頂までがこのコースの核心部。
まるでトムラウシ山のように、急な岩場の登りが続いて心が折れそうになりますが、ピークへ飛び出すと360度の展望が待っています。
ひとしきり写真に収めたら、後続者が来たので彼に山頂を譲ります。
今日は三ッ峰を越えて、サシルイ岳まで行ってみることに。
遥か彼方に見える知床硫黄山も、サシルイ岳まで行けばかなり近くに見えるんですよ。
こうして見ると、知床半島にはまだまだ未踏の山々があります。
雪を繋いで登る山々ですので、春に機会を見つけて訪れてみたいですね。
三ッ峰を越えてサシルイ岳へ
羅臼平へ戻り、次は縦走路へ向かいます。
羅臼岳に登る人が100人いたとして、縦走路を歩く人はそのうち5%くらいでしょうか。
ここからはほとんど人を見かけなくなります。
体力に余力があれば、ぜひサシルイ岳まで足を延ばしてもらえたらと思います。
三ッ峰とサシルイ岳とのコルは、キャンプ指定地となっていて、景色はそれほど良くありません。
でも、雪渓が残る時期であれば水も採れますし、周囲がお花畑なので居心地がいいと思います。
開放的な山腹を登り、今日のゴール地点のサシルイ岳へ到着。
ピークは縦走路から離れたところにあり、植生保護の観点からみてもわざわざ行かなくてもいいかと。
ここから見えるのは、次のオッカバケ山へと続く標高差250mくらいの下り。
それと硫黄山周辺の荒々しい山肌。
ここからの眺めでおススメなのは、三ッ峰の背後に羅臼岳が見えるところ。
羅臼平から往復3時間もみておけば十分なので、晴れていればぜひトライしてもらいたいですね。
今度は雪のある時期に再訪してみます。