先日、新千歳から中部へのフライトを利用する予定で空港へ行き、保安検査を受けて搭乗口で待っていると、いきなり欠航のアナウンスがあった。
欠航の理由がよく分からなかったが、地上係員も対応に忙しい状況だったので、その場では特に詰問することなく空港を後にした。
返金手続きのために紹介されたコールセンターにはすぐに繋がらなく、受信したメールからチャットに繋いでもシステムエラーが続いたため、諦めてしばらく放置。
3営業日を空け、先ほどチャットで返金手続きを済ませた際に、欠航の理由を尋ねてみたところ「機材整備のため」という回答が得られた。
搭乗予定の機材がすでに到着していて、しかも天候も良好なのに「機材整備のため」という一言でキャンセルになるということに対して、はたして他のお客さんは納得できたのだろうか?
今まで数えきれないくらいLCC各社を利用してきたが、こんな経験は初めてだ。
もちろん、支払い済みの全額がクレジットカード会社を通して返金されるわけだが、空港までの交通費や現地到着後以降の旅程に関しては一切保証されない。
これは約款で記されている内容なので、航空会社にはもちろん責任はない。
そんなことは十分承知だが、どうも腑に落ちないのは一体なぜだろう?
顧客に納得のいく説明が必要では?
飛行機はこの世で最も速い乗り物なので、欠航や遅延をした場合の代替手段がないと言ってもいい。
そういう意味で、同じ公共交通機関である電車やバスが運休するのとは、ちょっと意味合いが違うと思う。
相手がLCCなのでサービス内容に期待していなくても、運送そのものに対するお客の期待値は他の交通機関同様に高いのかもしれない。
雪国では「着氷による〇〇のトラブル」とやらで、電車の運行ダイヤに大幅な乱れが生じることがある。
晴れていても、滑走路の除雪で離陸や着陸ができないなんてこともある。
でも、今回は「機材整備」だと言う。
航空機は電車やバスと違って、エンジンやその他諸々のパーツが緻密で、トラブルや故障が発生しやすいのかもしれない。
だからと言って、搭乗直前になって「機材整備のため欠航です」だけでは納得できないだろう。
すでに搭乗手続きを済ませ、保安検査も受けていて、しかも出発予定時刻を過ぎようとしているのに。
企業としての姿勢に違和感を感じるが、実はこれが業界の常識らしい
このブログを書きながら、頭の中でちょっと論点を整理してみた。
僕が直接的に損失を出したのは、空港までの交通費、わずか2,200円だけだ。
お金以外では、移動時間や待ち時間、その後の旅程のキャンセルもある。
これについては航空会社の責任の範囲外なので、やむを得ないのはよく分かる。
ただ、やむを得ないと納得ができる材料が欲しいのだ。
しつこいが、天候が良好で、機材もすでに到着しているのに、なぜこのタイミングで「機材整備」なのかということを。
ちなみに少しググってみると、機材整備を理由に遅延や欠航になるケースは意外と少なくないようだ。
トラブルの原因は、一括りにして「機材整備」と告げられるらしい。
機材の老朽化や、整備員の不足による応急対応ができないなど、「機材繰り」と並んでLCCでは対応が難しい場面なのだと言う。
旅行業界では常識のようで、知らなかった自分が常識外なのかもしれない。
ということで、過去にもこの手の記事を書いたが、これもLCCのリスクの一つなのかもしれない。
⇨【LCC】天候欠航の場合まずどうする?事前に知っておきたいリスクと回避方法
かくしてこういう経験を一つ積むことにより、身をもって学習したカタチになるが、結果として知見を広くできたので良かったのかもしれない。
価格が安いということは、つまりそういうことなのだ。
これからも積極的にLCCを利用していこうと思う気持ちに変わりはない。