2020年9月5日、後立山連峰の白馬岳と雪倉岳に登ってきましたので、その様子をお伝えします。
蓮華温泉から白馬岳・雪倉岳・朝日岳の周回登山をワンデイで行いたいという意欲とは裏腹に、あまりにも朝の天気が良くて満足してしまったため、雪倉岳までで終了。
気温が上がり、午後からはガスがかかってきたこともあり、結果としてはそれで良かったと思います。
下界で車中泊をして、深夜に蓮華温泉登山口へ
前日は会津駒ヶ岳に登ってお昼前には下山。
福島県から新潟県までの移動に時間がかかり、国道148号線の糸魚川市平岩パーキングで力尽きてしまい、19時には車中泊。
シートがフラットにならないスウィフトの助手席で身体をよじり、5時間くらい爆睡しました。
あまりにも車中が暑くて0時半に飛び起き、自販機で購入したコーヒーを流し込んで出発。
蓮華温泉までおよそ23kmの道のりです。
星空がきれいなので、途中で撮影タイムを設けながら、蓮華温泉に到着したのは2時20分頃。
平岩パーキングを出発前に準備は完了しているので、下車後速やかに出発。
水4リットルを担ぐところを、ザックの脇に入れていた水筒を車中で脱落してしまったことに気付かず、結局3リットルで歩き始めてしまいました。
初めて来る場所なのでライトを照らして標識類を確認します。
深夜の蓮華温泉から2時間半をかけて白馬大池へ
まずは最初の目的地である白馬大池へ。
北アルプスでは、こういう時間帯に行動している人が僕の他にも必ずいるもの。
登山者がいるというのは安心感があります。
ただ、ヒグマはいなくても他の登山者に存在を知らせるために、鈴を付けるべきですね。
暗闇の中を歩き続けると白馬大池の手前で空が明るくなり始め、月に照らされた主稜線が徐々に姿を現しはじめます。
白馬大池の脇をかすめて小蓮華山へと向かいます。
朝の天体ショーが始まる時間と重なったため、小丘を駆けあがって景色の良いところへ急ぐ私。
白馬大池に宿泊した方々もカメラ片手に登って、この瞬間に歓声を上げています。
そしてご来光の瞬間。
この方向に見えているのは、おそらく妙高戸隠連山かと思われます。
北アルプスだけではなく上信越高原なんかも近隣にあるわけで、晩年はどこかのタイミングで長野を拠点にして活動したいという思いが湧いてきます。
ちょうど背後から日が差すので、雪倉岳の中腹にこちらの稜線のシルエットが映し出されます。
目測ではそれほど遠くなく、山並みのなだからなので地元の大雪山みたいで親近感がわきますね。
9月上旬なので残雪がないものの、雪倉という名の通り冬は相当な降雪があるのでしょうね。
小蓮華山を越えて、三国境、白馬岳頂上へ
小蓮華山へと続く登山道。
背後には白馬三山が見えていて、テンション上がりっぱなし。
20年以上山歩きを続けてきて、40代後半で初めて北アルプスに魅せられるという私。
まだまだ未踏の山々にチャレンジできるかと思うと、これからの人生が楽しみです。
今日は槍ヶ岳がクッキリと見えていて、遠くは富士山まで見えています。
北アルプスの百名山に限って登ったことがあるのは、黒部五郎岳、鷲羽岳、笠ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、そして今回の白馬岳。
できれば最後は槍ヶ岳の山頂で締めくくりたいですね。
出発から4時間30分かかってやっと三国境へ到着。
暗闇の中2時間30分かけて白馬大池へ、そこから1時間30分かかり小蓮華山、そして三国境です。
行政上の境界に過ぎませんが、その名の通り、長野、新潟、富山を隔てる場所として感慨深いものがありますね。
このまま日本海まで歩き通したいという意欲が沸き上がってきます。
こうして旅が次の旅を生む、そんな好サイクルが回っています。
前日から小屋泊りだった方、撮影目的で夜明けの山頂に陣取っていた方など、この時間帯になるとすでに下山者も多くなります。
みなさん口々に「こんな最高の天気は珍しい」とおっしゃっていました。
そんな日にこの場所にいられて最高の幸福感。
三国境から白馬岳のピークまではおよそ1kmの行程。
180mくらいの標高差があるので、最後の最後まで登りが続きます。
ところどころに旬を終えた花々の跡があり、季節の移り変わりを実感。
外出自粛が呼びかけられていたときはまだ残雪期、県外への移動緩和の時期に夏山シーズンが始まり、GoToで旅行をしようと呼びかけられている今が秋の始まり。
1年が過ぎていくのはあっという間ですね。
そして白馬岳の山頂へ。
すでに3パーティくらいの方が休んでいて、僕もゆっくりと過ごしたいところですが、次の白馬鑓ヶ岳までの道のりを考えて先を急ぐことに。
稜線をちょっと進んだところからは、剣岳をバックに白馬山荘を眼下に見下ろせる展望ポイントが。
この後、白馬大雪渓を登ってくるガスが一気に覆い隠してしまい、白馬三山の縦走は諦めることにしました。
雪倉岳へのピストンだけに焦点を当て、ここで10分くらい休憩を取ることにします。