福島県の南側、尾瀬の北側にある日本百名山「会津駒ヶ岳」。
2020年9月4日に訪ねてみましたので、その様子をお伝えします。
会津駒ヶ岳は、山頂からさらに奥にある中門岳まで縦走路が続いています。
周辺には池塘が点在し、素晴らしい景観が広がっていました。
会津駒ヶ岳の登山口があるのは、福島県桧枝岐村。
今回は成田空港でレンタカーを借り、一般道を繋いでやって来ました。
その距離およそ250km。
夜間に山間部の狭い道路を走るので、かなりの時間を要しました。
200kmくらい走行してから道の駅で仮眠を取り、さらに50kmを運転して登山口へ到着したのは午前4時頃でした。
滝沢登山口から会津駒ヶ岳の山頂へ
滝沢登山口は国道からさらに山奥へ入ったところにあります。
直前に駐車場があるものの、20台程度のスペースしかありません。
ここに停められなかった人は、道路脇のスペースに迷惑にならないように駐車するか、国道付近の駐車場から歩くことになります。
僕が到着したときはまだ2台しか停まっておらず、9月の平日という点が良かったみたい。
空はまだ暗いものの、自転車用のライトを手に持って元気に出発です。
登山道で迎える夜明けはとても気持ちが良く、テンションが高揚します。
ほとんど徹夜状態だという点も気分高揚に拍車をかける要因かも。
以前、登山道で迎える夜明けをテーマにブログを書きまして、その魅力について触れています。
ちなみにこちらの登山道から遠くに見える見える山々は、福島県と栃木県の県境に連なる山々です。
登山道は尾根沿いに付けられているため、駒の小屋手前までは明瞭で水はけも良く、深夜でも登りやすいですね。
地形を見ると分かるように、序盤が最も急登でツラいと感じるところです。
シグを切りながらグングン標高を上げ、木々の背丈が低くなってくる頃には視界が広がって見晴らしが良くなります。
駒の小屋の手前、標高1990m付近へ到達すると緩やかに木道が続き、周囲は草原が広がります。
振り返るとそよ風が心地よく、今まで見えていた峰々が朝陽を浴びて輝いて美しいですね。
僕の歩くペースはコースタイムより早めなので、ここまで2時間かからない程度。
早朝は気温が低めなので、バテることなく歩けるのがポイントです。
湿原の上部に駒の小屋が見えてきました。
右手奥が駒ヶ岳のピーク方面。
今回の山行は直前になって行き先を決めたため、会津駒ヶ岳について詳しく調べずに来たのですが、駒の小屋は有人の営業小屋なのだそう。
寝具付きの素泊まりになりますが、1泊3,000円(税込み)とリーズナブル(2020年情報)。
売店もあります。
体力的に自信が無ければ、ここに泊まって夕暮れ時や早朝の景色を楽しむのもありでは?
コロナ禍の影響で、定員の半分の14名までの宿泊に限られるそうですので、要予約。
アメブロを更新しました。
— 駒の小屋 (@komanokoya) September 10, 2020
『朝焼けはまさに天界炎上!』
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駒の小屋の直下には大きめの沼があり、水面に写る会津駒ヶ岳が魅力的です。
ちなみに小屋の脇を通って大杉岳を経由し、御池までの縦走路もあるみたい。
いつかこの道を通って、燧ヶ岳と至仏山まで縦走してみたいですよね。
登山口からおよそ2時間くらいで会津駒ヶ岳の山頂へ到着。
周囲には誰もおらず、完全に独り占めの世界。
今までたくさんの山々に登ってきましたが、こんなに大きな山頂標識は初めてかも。
山頂には山座同定しやすいように「パノラマガイド」が設置されていました。
最近はスマホのアプリでも山座同定が可能になりましたけど、大自然の中ではこういったアナログの方がいいと感じてしまうのは、僕が旧いタイプの人間だからでしょうか。
歳を取ると頑固になるということが、僕も何となく理解できる年齢になりました。
中門岳までの高層湿原を歩き、早めの下山へ
駒ヶ岳からは気持ちが良い高層湿原を歩き、30分ほどで終着の中門岳に到着。
中門岳は沼と休憩スペースがあるところに山頂標識がありますが、その先にも道は続いています。
ここでもお決まりの自撮りをしていると、右側にトンボが映り込んでいました。
残暑が続いていますが、季節はもう秋なんですね。
中門岳の標識よりさらに進むと、沼を周回するように道が付けられています。
どうやらその先にも道が続いているようですが、規制線が張られて立入禁止の標識も。
2万5千分の1の地図でも、ここで点線道は終わりになっています。
帰り道は駒ヶ岳の山頂を通らず、トラバース気味に駒の小屋へと戻ります。
双耳峰の燧ヶ岳が美しく、近いうちに機会を作って登ってみたいと思うのですが、なぜか僕の周囲の人たちには人気がないみたい。
みんな口々に「至仏山には何度登ってもいいけれど、燧ヶ岳は1回きりでいい」みたいな。
駒ヶ岳山頂の捲き道では、木道歩きを推奨しないかのような看板が。
安全第一ということで「濡れた木道は歩かないほうが良い」という点については共感できるのですが、湿原や高山植物は踏んだらダメで、笹やハイマツなら踏んでも良いという認識は私たちの身勝手な考え方かも。
でも、これが全体最適なのだという点は僕にも理解できるし賛成。
午前8時頃、駒の小屋に戻ってきました。
この時間帯になると登ってくるハイカーさんが何人かいて、みなさん天気が良くて嬉しそう。
余談ですが、早朝から登っている人は30代くらいの男性に多い傾向があるような。
ナイトハイクや早朝の登山には相応のリスクはあるけれど、涼しいうちから行動できるので熱中症になる可能性も低くなるし、天気が急変して豪雨に見舞われる可能性も低いと思うのです。
駒の小屋から1時間40分くらいで滝沢登山口へ下山完了。
平日ですが、途中で多くのパーティとすれ違いました。
駐車場には15台から20台くらいがすでに停まっていて、さすが日本百名山だけあって人気があるんだなと感心。
駐車場から溢れて、かなり下の道路わきに停めている車もありました。
本来であれば、若くて僕のように体力的なアドバンテージがある人が国道付近の駐車場から歩き始めればいいのだけど、今の僕ではそこまでお人よしにはなれないかな。
まだまだ人間的に修業が足りてないということかも。
国道手前に公衆トイレがあり、登山靴を洗う水場もあったので、衣類を水洗いして車の屋根の上で乾燥。
行動食として持っていた餅の余りを食べたり、インスタとFacebookをアップしたりして30分くらい過ごします。
すると天気が急変してきます。
桧枝岐村内にある日帰り入浴施設で入浴中、土砂降りの雨に。
気温が高い日は、午前中に行動を終了させる大切さを再認識しました。
翌日は白馬岳と雪倉岳の登るために、再び長い道のりを移動します。