11月1日、朝日連峰の主峰”大朝日岳”に登ってみましたので、その様子をお伝えします。
この山に登ってみたいと思ったきっかけは、新版 日本三百名山登山ガイド 上 北海道・東北・関東を見て。
紅葉最盛期、西朝日岳からの眺めがたいへん素晴らしく、深い谷から突き上げるピラミダルな大朝日岳が印象的だったからなんです。
本当は10月26日に登ろうと思っていたのですが、天候が悪くて断念しまして。
その時に登った尾瀬の燧ヶ岳で雪に遭ったため、「今シーズンの夏山はもう無理だろう」と諦めていました。
しかし、、、
今週は高気圧の圏内で気温が上がる予想でしたので、”これは最後のチャンスかもしれない”と思ってやっぱり朝日連峰へ出かけることにしました。
チャンスと感じたら躊躇せず飛びつかないとダメなのです。
上のキャプチャは”てんきとくらす”から引用させてもらいましたが、晴れ予報で前日よりも気温は高いことが予想されています。
ただし、風は次第に強くなる見込み。
実際のお天気をレビューしてみると、気温は高めで朝の天気は概ね晴れ。
ただし、山形県も宮城県も午前中のうちから高曇り。
山頂には5時に到着しましたが、北から真冬並みの強い風が吹き荒れていました。
山の天気を読むことは本当に難しいですね。
満月の中、深夜1時に古寺鉱泉を出発。そして47歳の男がなぜか怒られる!?
前夜、古寺鉱泉の登山口に到着したのは18時過ぎ。
車内で缶チューハイを空けてすぐに就寝し、およそ5時間後の0時20分に起床。
寝袋に入ったまま着替えたり、パンを食べたりして1時に出発します。
”慣れ”とはおそろしいもので、自分一人で行動するときは深夜出発が常識になってしまいました。
ブルームーンがひと際明るく、積雪期であればライトなしでも歩けるくらい。
そうそう、登山口には”大江町朝日連峰古寺案内センター”という宿泊施設があるのですが、出発時にここの軒先で酔っ払いと思われる3人組の男性に絡まれたんです。
「待て待て、こんな夜中にどこ行くんだ?」「朝日をなめんじゃねーぞ」「登山届は出したのか?」などなど、かなり高圧的な態度、、、(汗)
彼らがここで宿泊していた登山者なのか、あるいは施設の関係者なのかは知る由はありませんが、登山口にある宿泊施設でこんな夜中に3人で外に出て話しているほうがよっぽど非常識だと思いません?
それに、初対面の人に対してこういう話し方をする人は相手にしたくないので軽く流すことに。
登山開始から1時間40分後、古寺山に到着。
実は今回、GPS専用スマホを自宅に忘れてくるというミスを犯してしまい、通信用のスマホでStravaアプリのログ兼ねてYAMAPアプリの現在地確認をしました。
通信用のスマホはOPPO RENO Aという大きなスマホなのでザックの中。
なので、こういうランドマーク的な場所に着いて休憩するときだけに、アプリで現在地を確認するという感じ。
肉眼ではよく見えないのですが、写真を撮ってみるとかなりの量の降雪が確認できるのでちょっと身構えてしまいました。
小朝日岳は通常往路か復路のいずれかでトラバースするものの、雪による影響があると嫌なので往復で登りました。
これも立派なトレーニングなのです。
午前3時30分、小朝日岳に到着。
大朝日岳のみをターゲットとするならば、ここからの稜線歩きが核心部になるのかな。
小朝日岳からの下りは急なので慎重に。
ナイトハイクの登りは問題ないですが、下りはかなり気を使います。
午前4時55分、山頂直下にある避難小屋へ到着。
小朝日岳から下れば、あとは易しい稜線歩きが続きます。
まだ雪庇ができるほどの雪はないものの、次に降雪があればかなり雪深い箇所ができるのではないでしょうか。
今シーズンの夏山はまもなく終了しようとしています。
山頂到着と待ちに待ったご来光
避難小屋からおよそ10分で山頂へ到着。
時刻は午前5時5分。
これから西朝日岳まで歩いて日の出を迎える予定でしたが、あまりにも風が強いので断念。
日の出時刻が6時頃なので、強風の山頂でそれまで待つことに。
南側を背景に記念撮影。
笑っていますが、体感温度は氷点下10度くらい。
緊急用のホッカイロを開け、手袋の中に入れて凍傷を防ぎます。
こういう山行をすると、2~3日くらい体温のコントールがうまくできなくなるので、カゼをひきやすくなると感じています。
山頂からの眺めは格別で、どの方向を眺めても稜線が続いています。
4月に登った北海道の群別岳を思い出しました。
遠くには未踏の飯豊山も。
来年、登りに来ようと思います。
好きな山には何度も登りますが、最もモチベーションが上がるのは行ったことがない山に登ること。
”変化を好むタイプかどうか”という生き方にも直結している気がします。
午前6時3分、やっとお待ちかねの日の出。
大朝日岳で朝陽だなんて。
強風の山頂でおよそ1時間待った甲斐がありました。
月山もすでに雪が積もっていますね。
その左奥には鳥海山も。
どちらも夏から秋にかけて登りましたが、今度は積雪期に登ってみたいものです。
西朝日岳、竜門山、寒江山、そして以東岳へと続く稜線。
ここは夏、陽が長い時期に一気に縦走したいですね。
今回は、こういう楽しそうなフィールドを見つけられたことが一番の収穫。
帰り道は往路を引き返すだけ。
ソロの外国人ハイカーも含め、15名くらいの方とスライドしたでしょうか。
ナイトハイクだと楽しめなかった紅葉も、帰り道は十分に楽しむことができました。
結局9時20分に下山完了し、実質的な行動時間はおよそ7時間程度。
登山道も十分くらい整備されていて歩きやすので、体力さえあれば日帰りが可能な山だと感じました。