世間はお盆休み。私は普通にお仕事。
今日は先週の夏休みの話を。遠征登山の第1日目、尾瀬の平ヶ岳について。
8月2日に札幌から成田空港入りし、14時半過ぎにレンタカーを借りて出発。一般道を繋いで登山口まで走ることおよそ6時間。道の駅尾瀬檜枝岐へ到着したのは21時過ぎ、初日から移動が大変なの。
3日0時から登山開始し、8時に下山後はそのまま越後駒ヶ岳に移動しておかわりハイクをする予定もありましたが、これだと完全に不眠でのスタート。最近の札幌は暑くてまともに眠れない日々が続いていましたので、不眠スタートはオジサンにはちょっとツラい。
そんな無茶な計画を立てた理由は、翌4日が雨予報だったから。しかし、4日も午前中の天気が安定しそうなので、3日は無理せず平ヶ岳のみに登ることにしました。なので4日に越後駒ヶ岳に登る方向で計画修正。
深夜早朝にから登山を開始する場合、前日のうちに登山口まで行って車中泊をすることがあるけれど、最近は30分〜2時間くらい運転してから登山口入りすること増えました。
理由は寝起き後すぐに行動開始するのはちょっとツラいから。それほど実感があるわけではないものの、運転時間があればその時間で朝食をとれるし、運転中に便意をもよおして入山前に排泄もできるから。
身体を1日の最初の状態にリセットするような目的があります。
明け方の鷹の巣登山口から平ヶ岳を目指して出発
登山口の駐車場は平日なのにすでに7割以上が停まっていて、出発準備をしている人も多数。
檜枝岐から尾瀬の御池を経て奥只見、魚沼へと抜ける国道。昨年9月には会津駒ヶ岳から白馬岳への移動、10月には燧ヶ岳に登った際にも利用。
くねくねした急カーブと対向車とすれ違うのが厳しい急勾配が続くため、檜枝岐から登山口まで2時間くらいかかるかと思っていたのですが、実際は1時間程度で到着。
駐車場は新潟県魚沼市との市境に位置し、国道に面しているので分かりやすいと思います。
登山口は駐車場の尾瀬側に隣接しているので深夜でも迷わないでしょう。今回は4時15分頃のスタートで空がまだ薄暗かったけれど、すでに出発準備をしている人もいました。
ちなみにここはアブが多くて、車の扉を開けた瞬間に大量侵入してくる始末。銀山平周辺も一緒かな。
アブはあまり刺さないと聞きますが、蚊やブヨも多いので結局虫刺されからは逃れられないんですけどね。
平ヶ岳の登山道は主に3つのパートに分かれていて、
- 下台倉山までの尾根登り
- 池ノ岳までの稜線歩き
- 山頂部周辺の湿原帯
となっています。
最初の下台倉山までの尾根がなかなか急ですし、尾根の取り付き地点から標高差700mくらいあるので、ちょっと苦労します。
やせ尾根でザレている箇所もあるので注意が必要ですが、急な箇所にはロープも設置されていますし、浮石が少ないのでザレ斜面で滑ることはほとんどありません。
左手には燧ヶ岳が見えていますが、早朝は雲に包まれていました。
私のペース(山頂まで3時間35分)で、尾根の登り切った下台倉山まで1時間25分かかりましたので、気温が上がりそうな日は早めの出発を推奨します。
下台倉山直下の標高差200mくらいの区間が最も急斜面。
しかしそこを登り切ると、緩やかな稜線歩きになるので頑張りどころです。
登り切ったところにある標柱には”山頂まで7.2km”という距離が記されていて、きっと誰もが「えー!まだそんなにあっちゃうのー」ってがっかりしますけど、のんびりと歩いても意外と早く着くので大丈夫。時間が解決してくれます。
下台倉山から池ノ岳までの長い稜線歩き
これは帰りに撮影した写真ですが、こんな感じでゆるーいアップダウンが続きます。
ええ、アップダウンなので、登ったり下ったりの連続ですけど。
谷側には灌木が生い茂っているのであまり気になりませんが、すっぱりと切れ落ちているので足を踏み外さないように気を付けて。
この日は”朝のうち(気象用語で6時~9時)”がガスガスだったので視界の無い中を黙々と登りました。実際は上の画像のように木々や笹に囲まれる感じで登っていきます。
池ノ岳の手前までは風の影響を受けることもなく、静かなハイキングとなります。
ほぼ中間地点に台倉清水という水場がありますけど、登山道からちょっと外れていて、あまりアテにしない方がいいかもしれません。それなら山頂部の湿原のほうがいいかも。
池ノ岳の登りもちょっと急になり、ザレている箇所もあります。ですが左手にはゴールの平ヶ岳の山頂が見えているので、気分的には楽になりますよね。
池ノ岳さえ登ってしまえば、あとはルンルン気分で湿原帯を歩けるので、ここが最後の頑張りどころかな。
湿原広がる平ヶ岳山頂部はまるで別世界
池ノ岳を登り切ると、正面に湿原が広がっているんです。姫ノ池って言うのかな。
私が登った時間帯はまだガスがかかって風も強かったのですが、、、
山頂とたまご石をぐるっと回って戻って来たら、すっかり晴れました♪やっぱり平ヶ岳は晴れたときに来たい山ですよね。
遠くに見えるのは至仏山かなぁ?
平ヶ岳の山頂標識は木道から外れて、木々に囲まれたところにポツンとありました。
最高点は木道をちょっと進むと分岐になっていて、そこを右へ。木道が笹で覆われて分かりにくいのですが、ちょっと我慢して進むと「この先通行止」と書かれている場所にぶつかり、そこが最高点の扱いです。きっとその先の方が高いと思われますが、まあいいでしょう。2万5千図では、一帯は湿原になっていますので、木道を外れて立ち入らないようにしたいです。
まるで大雪山の小泉岳のように、その地点を目指すことには何の意味もなく、一帯の高山植物や湿原を楽しむことにこそ価値があるような感じ。
”平ヶ岳の頂上はなぜ広くて平らなのか”について書かれた説明。確かに会津駒ヶ岳も似たような雰囲気がありますよね。
山頂を踏んで”ハイ、おしまい”もいいけれど、こういうことに関心を持って調べてみるのもおもしろいもの。
山頂から池ノ岳方向に戻り、次いで訪れるのはたまご石。2万5千図にも玉子石と書かれているくらいなので、ランドマーク的な存在。
平ヶ岳沢の源頭部をトラバースするように木道が続いていて、一帯はお花畑になっています。
私が訪れたときには残雪がほぼ消滅していたけれど、水は豊富なのでここで補充が可能です。
平ヶ岳の見どころはやっぱりたまご石なのかな。
ちょっと下ったところにも池塘が点在していて、正面に見えているのは・2072と剱ヶ倉山でしょうか。
さらに奥には雲がかかった稜線が見えていて、おそらく兎岳あたりが見えていたのだと思います。この辺りは銀山平から周回登山をやってみたくて、次に狙っている山々。
復路も長い道のり。最後まで体力を温存しながら。
たまご石からの眺めを楽しんだらあとは帰るだけ。
再び長い道のりとなるので、最後まで気を抜かずに下りたいところ。
この日は本当に暑くて、魚沼市の気温は38℃まで上がりました。なので標高1,500mを超える高山歩きでも決して涼しくありません。
行動時間はおよそ8時間、水分は2.5リットルを持っていましたが、登りも暑ければきっと足りなかったと思われます。
水の消費は意外と下りでも多くなるので、最後まで気を抜けません。ちょくちょく登り返しもありますからね。
尾根を下りきったところには下台倉沢があって、登山道には橋が架かっています。とても暑いので、ここで全身水に浸かってアイシングを兼ねて汗を流しました。
冷たくて本当に気持ちいい!
最後は全身ずぶ濡れになりながら、ジョグってゴール。
ちなみに登山口までバスが走っているようですね。
予想通り、バスの運行本数は極めて少ないようです。
さらに会津バスのウェブサイトによると、要予約路線みたい。ヒッチハイクのほうが現実的かもしれないですね。
この後は、いったん魚沼市市街地まで下りて食料を調達しました。再び枝折峠まで登って車中泊。翌朝は越後駒ヶ岳に登ります。