ちょっと前の話になりますが、夏休み登山遠征の最終日、北アルプスの燕岳と大天井岳に登りました。
前日は富士山に登ったあと旧友と再会し、夕方からおよそ130kmのドライブで道の駅はくしゅうへ。朝1時まで車中泊をしてから中房温泉まで再び110kmの道のりを運転し、4時15分出発でまずは燕岳を目指しました。
登山日は2021年8月6日です。
早朝の中房温泉登山口から合戦尾根を行く
まず、ハイシーズンということで駐車場にクルマを停められるかどうかが懸念でした。実際、登山口よりずっと手前の県道327号線沿いにもポツポツと車両が停まっていたんです。
しかしそれも杞憂でした。一番遠い第3駐車場に入ると、まだ若干の余裕がありました。
ちなみに上の画像は第1駐車場の入口。第3駐車場は有明荘の脇にあるのですが、登山口までそれほど遠くはありません。
登山口には立派なトイレがあるので、ここで済ませて出発。
さて日本三大急登なんて呼ばれる合戦尾根の始まり。まだ薄暗いのでヘッドライトを点けての出発です。
ここ数年で少しずつ北アルプス遠征をしていましてね。2018年に母と登った笠ヶ岳、2020年の爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳、それと白馬岳と雪倉岳に続いてこれで4回目。
すでに多くの人が登り始めていて、テント泊装備の方々はゆっくりとしたペースで、日帰りの若い方々はかなりペースが早めなのかな。私は連続登山4日目ということもあり、かなりスローペース。後ろからどんどん追い抜かれていきます。
ここは春にも訪れる人が多いそうなので、来年はゴールデンウィーク辺りに再訪してみたいですね。潜在意識の力って強いそうなので、たぶん来年の春に実現していると思います。
稜線上の燕山荘まではおよそ5.5km。中腹には合戦小屋があります。ここまでが急登と感じられる区間なのかな。強いて言うならこの後の△2488.2まででしょうか。
北海道在住だと小屋で休むという感覚が乏しいのですが、今度から缶ビールを買って朝から飲んじゃおうかな。
さらに標高を上げていくと、前日に登った富士山の姿が見えました。その他にも稜線上の鞍部には槍ヶ岳の穂先も見えて、気分が盛り上がること間違いなし。
もうすぐ稜線上の燕山荘に到着という場面。その手前はテン場になっていて、かなり下の方からでもカラフルなテントが見えます。
そして、いよいよ絶景とのご対面。
燕山荘から燕岳へ
稜線に飛び出すと、いきなり飛び込んでくる北アルプスの全景。画角に収まらないくらいの大パノラマが広がっています。
初めて来たら誰もが絶句するほど素晴らしい。北海道の岳人にはお馴染みのニペソツ山と初めて対面した瞬間を思い出します。
思わず息を呑むというのはまさにこういう瞬間でしょうか。
人気の燕山荘。ヘリポートを付けて1棟まるごと貸し出せば、世界中の大富豪がやってくるのではいかと思うのは私だけ?
お金でも買えないくらいの素晴らしい景色が広がっている、そのくらいの価値があるということを表現したい。
まずは燕岳へ。天気もいいので手ぶらでピストンする人も多いですね。
中には餓鬼岳の方へ縦走する人もいるみたい。
途中にはイルカちゃん。奥には槍ヶ岳も。
行きは見逃しやすいかも。
ザレと岩がミックスされているので足元が滑り易そうですが、意外と安定しているので大丈夫。
白さが青空に映えて、とっても美しい山ですよね。
燕岳の山頂は平坦地が無くてとっても狭くなっています。
スナップ写真を撮れるような感じではなく、ちょっと下りたところからゆっくりと景色を眺めるのがいいのかな。
燕岳から大天井岳へ
再び燕山荘まで戻って、今度は大天井岳を目指して歩きます。
槍ヶ岳がどんどん近づいてくる、表銀座とは言い得て妙だなって。三分の一くらいまでは概ねスッキリとした稜線なので、ルンルン気分で歩けます。
今日の目的地の大天井岳。とても大きくて存在感があり二百名山どころか百名山に推したいくらい。
後半の縦走路は細かなアップダウンがあり、思っていたよりも時間がかかります。
もっとトレーニングしておけば良かったって誰もが思うようなシーン。
大天荘までは分岐点からさらに200mくらいの標高差があり、ラストを飾るに相応しい登り。
稜線上の最低コルから350mくらいの登り返しとなるので、ここが頑張りどころ。
これだから山はやめられないんですよね。自分をいじめるのが好きなタイプ、、、
岩場をトラバースをしながら高度を稼ぎ、やっとたどり着いた大天荘。
燕山荘からちょうど2時間かかりました。中房温泉の駐車場からトータルで6時間。
3000m級でも暑さが堪えますが、爽快感がハンパないです。
小屋をスルーして大天井岳の頂上へ。最後の登りから振り返ると、大天荘と常念岳や蝶ヶ岳の山並みを見下ろすようなカタチになります。
本当は常念岳のピストンをしたかったのですが、暑さと体力的にも今の私に30kmはちょっと無理でした。何より、大天井岳までで十分に満足してしまったというのが本音。一番は気力が維持できなかったってこと。
槍ヶ岳の存在感がハンパないですよね。
今年はこっそりと日本百名山を進めていて、現在のところ47座。私の年齢が48歳なので、年内にもう1座どこかに登りたいかな。
そして百名山の最後は槍ヶ岳で達成したいと思っています。しかも、還暦の誕生日とかに。でもきっと前倒しして50歳の誕生日には達成しちゃいそうだな。
私の誕生日って5月前半なんですよね。まだたっぷりと雪がありますね、、、
とにかく槍ヶ岳は私にとって憧れの山の一つ。
山頂は全周に遮るものが何ひとつなく、北アルプスの多くの山々を見渡すことができます。
私が好きな山歩きのスタイルは、日帰りで稜線までの登りと稜線歩きの両方を楽しめるというものなので、今回の行程は理想的なパターン。
私の実力ではせいぜい歩行距離35kmくらいが限界なので、折立から黒部五郎岳・薬師岳のピストンとか、称名滝から奥大日岳と雄山のピストンみたいな山行をこれからもやっていきたいと思います。
そうそう、このコースのもう一つの魅力はコマクサ。
私もこれまで20年以上山歩きをしてきましたけれど、これほど個体数が多い場所は他にお目にかかったことがありません。例え天気がイマイチで景色が見られなくても、コマクサだけを見るためにここへやって来る価値もありますよ。