そう言えば先月に登った早池峰山、栗駒山、西吾妻山のブログを書いていなかったんですよね。
今日のブログでは、まず早池峰山の山行記をまとめます。山行日は2021年10月17日です。
新千歳からpeachで仙台、そして小雪の早池峰山へ
早池峰山に登ったのは10月17日。前日の夜に雨の新千歳空港を出発し、仙台空港到着が20時50分。翌日の仙台も雨模様で、とりあえず栗駒山に登ろうと登山口まで行ってみたもののやっぱり小雪。
午後から回復に向かうと言うことで再び北に進路を取り、早池峰山に登ることにしました。
気象庁のウェブサイトより引用
前夜に寒冷前線が通過して、西高東低の冬型の気圧配置になっています。悪天候だった山行では、こういうレビューもたまにしてみます。
早池峰山の登山道は南側の小田越コースが最短ルート、それと北側の門馬コース、あとは西側の鶏頭山を経て稜線を歩くコースや、東側の早池峰剣ヶ峰を行くコースもあるみたい。しかしここでは説明を割愛。
今回チョイスしたのはもっともポピュラーな小田越コース。
早池峰ダムから河原坊までの道路は舗装されていますが、道幅が狭いですね。今回のように時間帯によっては対向車の方が多くなるので運転には注意が必要。
登山口付近には駐車場がないので、河原坊の駐車場からしばらく歩きます。ちなみにこの区間は11月中旬から冬季通行止めになるので、基本的には通り抜けできないと思ったほうがいいかも。
小田越登山口。簡易トイレが設置されていてここが最終。あとは携帯トイレブースが登山道に1か所。
このコースは森林限界に飛び出すまでの距離が短いため、隠れる場所が少ないんです。
長時間の行動においては排泄という行為は切っても切れない関係。だけど事前の水分摂取量や利尿効果が高いものを避けるなど、ある程度のコントロールは可能。この山は特にコントロールが必要なのかなって。
登山口から少しの区間は木道があり、ここを過ぎると普通の登山道に。まもなく林の中から飛び出して開けた地形になります。
この日はもうこの時点で上空を流れる風の音が凄まじく、天候が回復基調でなければ絶対に登らない。
林を抜けるとガレ場が続きます。両脇に規制線が張られているので視界が相当不良であっても道を外すことはないと思います。
雨や小雪が降ったあとに強風が吹き付けているので、上部へ行くほど凍結気味。
昨年の11月上旬に来たときも同じでしたが、今回はそれより3週間位早い。それでも状況がほとんど変わらないということは、今回は11月並みの天気だったってこと。
山はいつだって油断禁物、過信はできません。
最初からとにかく寒くて、ほぼ冬用の装備で挑みました。7合目くらいまで登ってやっと風を防げる大きな岩を見つけ、バラクラバを装着。
山で活発に行動するタイプの人って、すぐに汗をかくことを想定して薄着でスタートしたがるけれど、その気持ちはよく分かるんですよ。
だけど、早池峰山のように身を守る場所がとても少ない場合、着替えのタイミングを逸してしまいがちなのも確か。この辺の状況判断がなかなか難しい。
あまりにも風が強くて今回も敗退か?と諦めモードが漂う中、確実に高度を稼いで1,800mくらいまで進んだので、冷静に判断して山頂まで行くことに。
撤退するか否かの状況判断の決め手となるのは「安全確実に引き返せる自信がある場所」。そういう場所に差し掛かったなと感じたら撤退。
上の写真のハシゴ場は1枚岩を安全に通過するために架けられているだけで、特に急斜面というわけではありません。なのでこのまま先へ進むことに。
稜線まで出ると幸いにも風を防ぐことができたので、あとは粛々と山頂を目指して歩きます。
再び木道が敷かれており、小雪が積もっていかにも滑りそうな気配。つい最近のヤマレコの記事の中で、木道上で転倒して骨折した手記が紹介されていたので、否が応でも慎重になります。
時刻は14時を過ぎていて、これからもう誰も登ってくることはないでしょうし、いくら冬山装備とは言え、行動不能になったら凍死の可能性も高い。この風だと救助だって呼べないでしょう。
安全確実に行動することこそがリスクマネジメントだと思います。
早池峰山の山頂には避難小屋があるんですよね。中は覗かなかったけれど、人工物があるだけでちょっと安心。
ここより一段上がったところが早池峰山の山頂。
頂上はもちろん貸し切り。
最初、どこが山頂なのか分からず右往左往しまいましてね。GPSを見ながらやっと見つけた山頂。いや、そんな難しいことはないのだけど。
自撮りするために手袋を外すと一気に指先が痛み始めるくらい風が強い状況。こういうときはサクッと下山するに限ります。もちろん作り笑顔。
登山あるある、下山中に晴れてくるパターン。
早く下りてしまいたい気持ちも重なって、つい勇み足になってしまうけれど、ここは慎重に。
1年間の遭難事故について集計されたデータをたまに見ますが、遭難・事故に遭った方の性格も加味されるともっとリアリティが増すように思うんですよね。「普段からおっちょこちょいな性格」とか「緊張するとパニックになりやすいタイプ」とか。
それと、頻繁に山に登っていると一度くらいチャンスを逃してもへっちゃらだけど、一世一代の勝負みたいな感じで挑んで来られる方だとどうしても無理してしまいがち。
だから計画はゆとりを持って。それと無理はしない。
この日の山行時間は3時間くらいでしたが、気象条件が悪くてかなり疲れました。