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アルチプラノパック20とクロスランナーパック15を使ってみて

 

今年購入したモンベルのアルチプラノパック20とクロスランナーパック15の比較レビューをします。これから購入を検討している方の参考になればと思います。

 

先に結論を言いますと、 食料や水をたくさん持つシーズン(7月、8月)はアルチプラノパック20を、秋になって水の消費量が減ってきたらクロスランナーパック15を推したいです。 

 

前提条件は日帰りハイク

  

まず、使用している私について、前提条件をいくつか。

  • 一般的なコースタイムより速く(コースタイム0.5~0.8程度)、長めの距離を歩きます。平坦な地形や林道ではちょくちょく走ります。
  • 小屋泊りを含め、宿泊を伴う行程では使用していません。すべて日帰りです。
  • 積雪期には使用しません。
  • それぞれ1年を通じて相当回数を使用しました。 

アルチプラノパック20とクロスランナーパック15の想定する利用シーン

 

そもそもアルチプラノパック20とクロスランナーパック15では、想定している使用目的が異なります。

 

メーカーのコメントを引用しますと、アルチプラノパック20は日帰りトレッキングが主目的で軽量性と機能性を両立したモデル

 

クロスランナーパック15はスピードハイクやランニングに最適とあります。

 

さらにこれらの中間にはバーサライトパックやフラットアイアンパックという商品がラインナップされており、私も何度か購入を検討したことがあります。ただ、使用したことがないのでここでは割愛。

 

スピードハイクを追求する方にとって、行動中は背中に収納されている荷物にはなるべくアクセスしないで完結したいし、荷物を減らして快適に行動したい。

 

そんなニーズを叶えてくれるモンベル商品はどれ?ということでこの2つのモデルを比較してみます。

 

1.サイズ感の違い

 

さて、アルチプラノパック20とクロスランナーパック15との大きな違いについて、具体的に見ていきます。

 

やはり一番はサイズ感でしょうか。

 

実際に私も何回も使っていますが、今でもどちらをチョイスするか迷うんですよ。できればクロスランナーパック15で済ませたい、だけど荷物が入らなかったら不安、そんな感じ。

 

で、サイズ感。

 

製品名の後ろに付いている数値を見る限り、収納容量が僅か5リットルしか変わらないように感じませんか。しかし実際使ってみると、1.5倍から2倍くらい異なるような印象を受けるんです。

 

これはクロスランナーパック15の容量が小さいのではなく、アルチプラノパック20の容量が大きく感じるのです。ここは大きなアドバンテージ。安心感があります。

 

ただし容量が大きいので、整理整頓がしずらい、探しているものがすぐに見つからないといったマイナス要素があるのも確か。

 

ではクロスランナーパック15にはあまり荷物が入らないかと言えば、無雪期の日帰りハイクに十分な荷物が入ります。私の場合、

その他にバラクラバやビーニー、ティッシュやファストエイドキット、ヘッドライト、行動食なども入れています。 

 

クロスランナーパック15

ただ、水を入れるためのボトルはこんな感じでサイドポケットに収納します。

 

500mlのペットボトルなら問題なく収納できるものの、上の画像のように900mlサイズのポカリスエットだと、かなり窮屈になります。だから2リットル以上を消費するシーンや、途中で補給できないような場合は不向きかも。もちろん、ハイドレーション対応なんですけどね、私は好みじゃないもので。

 

あと、重宝するのは両胸のショルダーポケット。

 

スマートフォンやコンデジも収納できるサイズですが、アルチプラノパック20のそれより、僅かに小さいです。

 

また、アルチプラノパック20は腰回りにヒップベルトポケットがあるので便利ですが、クロスランナーパック15にはこれがありません。

 

そのため私は、クロスランナーポーチMと併用して収納の不足分を補っています。

 

2.防水性

 

次に防水性。

 

アルチプラノパック20のセールスポイントの一つに、高い防水性が挙げられます。内側に防水性の袋がセットされているので、ザックが濡れても荷物を濡らすことがほとんどありません。

 

一方、クロスランナーパック15は雨が降れば普通に濡れてしまいます。このサイズのザックの場合、レインカバーではなく背負ったまま雨具を着るのが一般的かと思いますが、これだと荷物へアクセスする度にレインジャケットを脱がないとなりません。

 

ただ雨が降れば、収納している装備のほとんどは着用しているわけですから、そもそも濡らして困るものはあまりないはず。

 

その辺りを合理的に考えれば、どのくらいの防水性が必要かはおのずと見えてくるでしょう。 

 

3.フィット感と重心の高さ

 

3つ目に挙げるとすれば、背中へのフィット感と重心の高さ。

 

アルチプラノパック20は背中部分の素材に剛性があるので自立しますが、クロスランナーパック15はペラペラです。

 

つまり、クロスランナーパック15に水筒などの固いものを入れる場合、バランスや向きを考慮しないと背中に当たって違和感を感じてしまいます。基本的には固いものは入れないほうがいいでしょう。

 

一方で、クロスランナーパック15は容量が少ないために重心が高くなります。ですから後ろに引きずられるような感覚がほとんどないので、行動中はかなり快適です。 

 

アルチプラノパック20

7月、弥平四郎から飯豊山大日岳を日帰りにてアルチプラノパック20を使用。雨が降った時に一眼レフカメラをザックの中に収納する余力もありますし、3リットルくらいの水分やゼリー、行動食を持つ場面では収納に余裕があったほうが安心。

 

アルチプラノパック20

初投入したのは、4月の宮古島旅行のとき。登山以外に旅でも活用。防水性が真価を発揮するのは、実はバックパックのときかも!?LCCの機内持ち込みも可能なサイズで、衣類やノートPC、ガジェット類を入れても7kgに収まります。ちなみに中にクロスランナーパック15も入っています。

 

富士山

ホワイトのカラーは汚れが目立つことも考慮しておきたいですね。富士山では御殿場コースの大砂走で真っ黒に汚れました。クロスランナーパック15はネットに入れて毎回お洗濯するので手入れが簡単ですが、アルチプラノパック20はそうはいきません。なので油断をするとワンドポケットやヒップベルトポケットのようなメッシュの箇所はすぐに汚れて白さが失われていきます。

 

木曽駒ヶ岳

10月の木曽駒ヶ岳にて。秋になってからはクロスランナーパック15をメインで使用。水の消費量が減るので、10時間行程くらいでも問題ないと感じました。リスクの判定と荷物のチョイスは山歩きの永遠の課題。

 

富士山

10月の茶臼岳ー上河内岳ー聖岳の周回でもクロスランナーパック15。一眼レフカメラもパンケーキレンズ装着だったので、ザックの中に収納して林道を走るのが容易でした。うーん、参考になったかな?