4月29日、雪山シーズン最後の札幌150峰で遊んできました。
今年に入って30回目の山行となるので、それにふさわしいルートを計画。
無意根大橋から中岳、喜茂別岳、東中山を経由し、最後に庚申草山から再び無意根大橋へと下りる周回ルートです。
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豊滝から無意根大橋まで深夜のチャリ移動
今日は深夜に無意根大橋から登山開始です。4日前の山行(札幌タケノコ山ー股下山ー小舎上山)の後、豊滝の除雪ステーションの駐車場脇に自転車をデポしておきました。木曜の夜に地下鉄+じょうてつバス12番の最終便で豊滝入りしたのが23時半頃。そこから1時間半かけて国道230号を移動し、午前1時に無意根大橋に到着です。
無意根大橋から薄別川沿いに薄別林道が走っていて、手前には閉じられたゲートがあります。ここでアイゼンやスパッツを出したり、荷物の入れ替え作業をしたりして、出発準備。さすがにこの時間帯に入山者がいるわけもなく、車は1台もありませんでした。
ちなみに今回歩いたルートがこれ。
ここ最近晴れていても風が強い日が続いていましたよね。今晩は一時的に風がおさまる予報。暗い林道を自転車のライトを手に持って、ヘッドライトとダブルで歩き始めます。
雪解けが進んでからはスマホで音楽を聴きながら山歩きが多いです。古い曲ばかりですが、、、ヒグマ対策に鈴とかラジオで音を出すことは逆効果だという説が支配的になりつつあるようですけど、それとは別の意味で。私、ソロが好きですけど、深夜の山の中を一人で歩くのはやっぱり怖いんですよ。
約2時間で丹沢山(△1052.0)へ。ここまで半分以上が林道歩き。送電線下を過ぎて林道が二股になる標高830m地点から尾根に取り付きました。当初の計画では最初から林道を離れて「薄別」(△854.9)へ向かう予定だったんですけどね、雪が全くなくて諦めたんです。
丹沢山から20分くらい歩いた頃から夜明けモードに。振り返ると札幌市内が見えるんです。
開けた場所に出てくると右手に無意根山が間近に見えるので、一気にテンションが上がります。でも夜明けの直前が一番寒くて、こうやって停滞して写真を撮っていると指先がジンジン痛くなるくらい。もう5月になるのにね。
無意根山を真横に見るようになると中岳山頂はもうすぐ。奥には余市岳の姿も見えてきます。雪原がピンク一色なるこの時間帯は思わず息をのむ瞬間です。そう言えばブログの読者さんが「今年は中岳に登りたい」とおっしゃっていたことを思い出し、お誘いすればよかったかなとちょっぴり後悔。
目国内岳と似てポッコリと盛り上がった中岳の山頂。今日この山を選び、このタイミングに合わせて来られたことに最高の幸せを感じます。成功は「意志」「健康」「経済」、この3つの要素が揃って到達できると言われますが、今シーズンの札幌150峰はすべて地下鉄とバス、それと自転車だけでアクセスしてきたので、意思と体力だけでもこれだけのことはできるのだと実感しました。
およそ3時間半で中岳山頂へ。2017年5月以来2回目でしょうか。岩の上部は平らな山頂部が広がっていますが、この時期は濃厚なハイマツ帯が露出しているので快適とは言えません。安全のため山頂に向かって左側から登りました。
無意根山(右)と余市岳(左)。2週間前にあの稜線を歩いているので、今日も無意根山に寄り道してこの稜線を繋げたいところ。この後、途中まで下りてみたものの、やっぱり面倒くさくなってやめちゃいましたけど。
次の並河岳(・1258)への稜線。すっかり夜が明けてしまいました。ここからは下り基調なので、気温が上がる前にサクサクと距離を稼いでおきます。
並河岳とのコル付近から振り返る中岳。南側が急斜面になっているので、いつもの真っ白でなだらかな山容とは違った一面を見せてくれます。
並河岳のピークもブッシュで覆われています。GPSのログを見ると、ピークはさらにこの奥だったようですが、まあわざわざ藪漕ぎをして行くまでもないかな。
次の喜茂別岳のピークは、並河岳側から登ると左手になるので、そのまま稜線上を進むと右手のピークに乗り上げてしまいがち。山頂部は藪に覆われて直接見えないので、GPSで現在地を確認しながらやや急斜面のトラバースをして、ピンポイントで三角点に到達するのがコツかも。
喜茂別岳から居眠り下山!?
喜茂別岳から先は単調な下り。昨晩は退勤後に1時間半ほど仮眠をとっただけなので、眠いのなんのって。萬年草(△965.0)、ポン山(・925)、風来山(・979)、境岳(△926.8)と惰性で歩き、次の東中山(△961.6)へ行こうと思ったら、いつの間にか通り過ぎて・863まで来てしまいました。計画時に誤って・863まで線を引いていたのを忘れていて、眠気と相まってここまで来てしまったって感じです。東中山へ引き返し、最後の庚申草山を目指します。
最後の庚申草山(△917.9)は、萬年草から東中山まで続いた一連のピークとは性格が異なり、やや急峻な岩の上部にあるピーク。三角点が設置されている山頂は奥の突端部にあります。手前に大岩があり、どうやって攻略しようか悩みましたけど、無視して大丈夫でした。ちなみにこちらの方が高いんですね。
庚申草山のピークには山頂標識もありました。ちょっと広いところで自撮り。さて、今日の目標地点にはすべて到達できたのですが、問題はここからの下山。斜面に雪が繋がっていなければ過酷な藪漕ぎになりそうです。
地形図には・793付近まで林道が描かれていて、実際に道があります。しかしそれ以降は途切れているので、無意根大橋まで下れるかどうかが懸念でした。さらに「地すべり調査作業中」の立て看板もあり、私の心はとっても不安に。
結局のところ、古い作業道跡や途切れ途切れの雪を繋いで難なく無意根大橋付近まで下りてくることができました。林内をトラバースしながら橋に近付きますが、橋とトンネルの間に覆道があり、橋の上に乗ることができません。覆道脇には作業用の足場が設置されているものの、それも途中で途切れていて橋には乗れそうもない感じ。これは誤算でした。さぁ、どうする?
橋に乗ることを諦めて薄別川へ下り、対岸へ渡ることを試みます。しかし川幅が狭い場所は急流で水深はゆうに1m以上はありそう。雪解け時期ですからね、これは無理です。
諦めずに上流に遡ると、魚止めの手前に飛び石で渡れそうな場所を発見。ここなら足を踏み外しても流されることなく渡河できそうです。
念のためさらに上流へ行ってみると、一番深いところに倒木で橋ができていて、中洲へ渡れそう。ここを渡ることに決定です。渡河できなければ登り返して中山峠か望岳橋へ引き返そうとしていただけに、ホッと胸を撫でおろした瞬間でした。
一本橋を慎重に通過。バランスを崩して川ポチャはいやなので、途中から座ってじわじわと移動。
無事に薄別川の渡渉に成功し、藪を漕いで対岸の林道へ。庚申草山を下りてからは緊張して喉がカラカラでした。装備を乾燥させながらランチタイム。これで今シーズンは札幌近郊の雪山を終える予定なので、今日は自宅まで自転車を戻さないとなりません。
薄別林道から振り返ると、先ほど登った庚申草山が。こうやって見ると冬ならそれほど難しくなさそうだと思いました。いっぽう、残雪期は滑落、藪漕ぎ、雪崩、渡渉など不安要素がたくさん。
自転車を回収して自宅まで38kmのサイクリングのスタート。まあほとんど下り基調なので、MTBでも1時間半くらいで終えられました。さてあと1回か2回くらい、十勝連峰や大雪で雪山を歩くかもしれないけれど、次回からは夏山ハイクのブログがメインになります。なかなか充実した2022年の雪山シーズンでした。