札幌近郊にありながらも、山腹の爆裂火口では今でも噴気が見られる恵庭岳。
札幌市内から見える山で、これほど存在感があるのはこの山を除いて他にないと思います。
自宅から近いゆえにこれまで登るチャンスを逃していたこの山へ6月中旬に訪れてみました。
空がまだ薄暗い時間帯から登山開始
今朝は恵庭岳の登山口を午前3時に出発。
札幌市内から国道453号線を支笏湖方面へ進み、丸駒温泉との分岐点より少しだけ札幌寄りの所に駐車スペースがあります。20台くらいは停められそうですが、この日は午前7時でもすでに満車に近い状況。シーズン中の週末は早い時間帯の出発を推奨。
恵庭岳は17世紀以降にも少なくとも2回以上、水蒸気噴火が起きているのだそう。そして頂上は崩落が進んでいるという理由から立入禁止になっています。
これを書いている2022年6月現在、それが解除になったという一次情報は見当たりませんが、最近は多くの方が山頂を踏んでいるようですね。
立入を禁止する法的な根拠がないから?千歳市と恵庭市の境界が定まっていないから?理由は分かりませんが、お隣の樽前山と異なり、立入禁止の発信源が不明瞭な感じですし、そもそも禁止なのか自粛なのか不明。
いずれにせよ、今でも第2見晴台に山頂標識が設置されていて、そこから山頂までの登山道は万人向けではないのは確か。
第1見晴台までちょうど100分の道のりでした。この手前はロープが設置された急斜面が続きます。夏でも手袋があったほうがいいでしょう。土で汚れるので軍手で十分。
登山者によって落石が生じる可能性が高いためでしょうか、登りと下りで別経路の設定がありました。
第1見晴台からは山頂部の岩峰が見えており、昨年登った磐梯山の姿が思い浮かんだ私。
花は全体的に乏しい印象。登山開始後すぐにタニウツギが、第1見晴台付近にはイワヒゲやウコンウツギの姿も見られます。
前日雨が降ったためか草花に雫が付いてしっとりしており、早朝出発ならではの醍醐味ですね。
すっかり雪が無くなり、新緑に彩られた漁岳から空沼岳、札幌岳へと続く稜線。
奥にはまだ少し雪が残る無意根山の姿も見えています。ここに夏道の縦走路があれば札幌近郊の山はもっと面白くなるんですけどね。
ちょうど2か月前、漁岳側から見た恵庭岳。僅か2か月でこんなにも季節が進むんですよね。
そうそう、この日も雲海が広がっていたんだっけ。
第2見晴台に到着したのが5時10分頃。登山口から2時間10分くらいの道のりでした。私たちのコースタイムは6割~7割ペースと早めなので、あくまでも参考程度に。
あいにく支笏湖は見えなかったけれど、眼下には大雲海が広がり、早朝出発のご褒美には十分すぎるほど。念願だった雲海を眺められ、同行者も満足したようす。
山頂へは向かって右側を捲くように至るようですね。私は高所恐怖症なので、過去にも皇海山のクラシックルートや由布岳西峰などではあまり良い思い出がないんですよね。今回も無理はしないことに。
ホント、山頂なんてその山の一番高い場所の一つに過ぎないですからね。どうしてもその価値にこだわりたいのであれば、ご自身の経験や技量をよく見極めて慎重に。安全かつ楽しいと思う範囲で楽しむのが長く続けるコツ。
下山は午前7時。札幌に自宅には8時に帰宅し、朝からビールを飲める幸福度が高い日曜となりました。