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ホームベーカリーを購入してみた話

 

4月に入ってから職場で家庭用のホームベーカリーを購入してもらい、ほぼ毎日パンを焼いて部署のメンバーで共有している。すでに20回は焼いただろうか。

 

2斤を焼くためには、セットしてから4時間41分かかる。8時に出社してから準備を始めても焼き上がり時間はだいたい13時を過ぎる。

 

使用しているのはアイリスオーヤマさんのマシンだ。操作も手入れも簡単だし、音も静か。何より1万円以下で購入できるのだから、そのうち自宅でも買おうと思う。

 

アイリスオーヤマ ホームベーカリー 1斤・2斤対応 選べる19メニュー レシピ付き パン 生地 ジャム 米粉パン ピザ 餅つき機 うどん ブラック IBM-020-B

 

焼きたてのパンは本当に美味しい。毎日時間になるとメンバーが集まって来るので、みんなもパンが好きなのだと思う。そしてそれぞれに感想を口にする。

 

今の段階では小麦粉以外の変数は一定にしている。具体的に言うと、水、砂糖、バター、ドライイースト、塩、スキムミルクの分量は変えない。小麦粉のスペック(製品名と原料小麦の品種、たんぱく量と灰分)を共有して検食するので、小麦粉に関する知識が増える。

 

さて、経緯。

 

私は麺類全般の商品開発業務に従事しているが、実はこれまでパンを焼いたことがなかった。しかし、原料の小麦粉は一緒なので、もっと多角的に小麦粉の性質を知って然るべきだと思ったのだ。それと麺用の食感改良剤がパンにも使われていることを教わり、これもヒントになった。

 

パン用の小麦粉は強力粉を使うのに対し、中華麺なら準強力粉、うどんは中力粉を使うのが通常だし、ケーキなどは薄力粉を使う。

 

でも最近はこれまでとは異なる食感が求められたり、おいしさ以外が求められたりと消費者の要求が多様化しつつある。例えば、麺なのにサクッとした食感が求められたり、ガッツリ食べても太らないものを作ってくれとか。そういう概念の枠外にも対応していこうとすると、これまでの常識からはみ出さないと無理だと思う。

 

だから私みたいに、比較的常識の範囲外で活動するタイプにピッタリの仕事だと思う(ようにしている)。

 

そこで手始めに毎日パンケーキを焼いていたのだが、それでは足りずにパンを焼くに至ったわけだ。

 

パン作りにも変数がたくさんある。小麦粉だけではなく、最近は扱いが難しくて用途に困っている米粉だってある。

 

パン屋さんにそんなことも知らなかったのかとご指摘を受けそうだが、強力粉100%より準強力粉100%のほうがモチモチしたパンが焼けることがある。トライしてみて初めて分かってきた。基礎から製パン理論を勉強しようと思う。

 

モノ作りに携わるようになってから特に感じているのだが、とりあえずやってみると思わぬ結果や知見が得られるということが分かる。

 

スティーブ・ジョブズのコネクティングドットの話ではないが、点と点が繋がってアイデアが浮かぶことがしょっちゅうある。

 

基礎研究はすぐには成果に結びつかないが、将来必ずどこかで花が咲く。だから明日もあさってもパンを焼き続けることにしよう。