今日は朝から日帰りで東京出張の予定だったが、搭乗口で待っている時に大幅遅延のアナウンスがあった。
新千歳8時30分出発が11時45分に変更となったため、制限エリアから手荷物検査場を逆走して戻り、すでにカウンターに並んでいた相方と落ち合って、振替便の手配をすることになった。
結局のところ、午前中のフライトは全て満席となってしまったので、バウチャーを貰って空港内で食事でもして出発まで待つか、諦めて払い戻しをするかの二択しかなくなった。
これなら行っても仕方がない、ということで払い戻し一択。
さすがのANAさんとはいえ、300名近い乗客をすべて午前中の便に振り替えることはできなかったようだ。やはり、G7サミットの関係で混雑しているのだろうか。
コロナが終わって需要が急速に回復しているものの、業界の働き手はまだまだ戻っていないと聞く。こういう時の対応は特に苦慮するだろう。
最近はオンラインチェックインでそのまま搭乗できるようになったし、こういったお知らせもモバイルにはすぐに届く。しかし、イレギュラーの手続きに関してはカウンターに並ばないとならないから、一気に人が押し寄せて平気で1時間以上待たされる。
ただ、払い戻しの手続きはアプリやホームページからでもできたようだ。私たちは法人名義で予約しているので、その辺りの処理がよく分からずに念のためカウンター対応にした。
なお、アプリで何の手続きができるのかが利用者には周知されていないし、係員さんも列に並んでいる人たちに伝えきれていないものだから、不満を増長させているようにも見えた。
中にはスマホの操作方法が分からないと訴えるお客もいて、こんな場面でも高齢者デジタル難民問題を垣間見たように思う。
それでも現場で働く係員さんたちは、早朝から予定外の仕事に追われたにもかかわらず、よく対応してくれていたと思う。
一方で行列の中には、地上係員さんに対して穏やかではない口調で詰め寄る輩が数名いた。
彼らの全員がどう見ても私より人生の先輩だ。人生そろそろ悟りを開いても良さそうなのに残念でならない。
こういう人がいるから、若い人達から老害と指摘されるのだろう。
言っても仕方ないことを言いたくなる気持ちは分からないでもないが、言う相手も違うし、空気を読めば言うタイミングではないことも分かるはずだ。どうして感情に任せてこうなってしまうのか理解に苦しむ。
さて私自身と言えば、出張がキャンセルになったおかげで有休消化をすることになった。棚ぼただ。
でも、問題は空港までの往復交通費だ。この出費はムダになってしまう。
遅延はしても飛ぶには飛ぶ。確実に乗れるのだ。
「お待たせしますから、食事代も出しますよ」と言ってくれている。
遅れて困るようなスケジューリングをしたのは航空会社ではなく、その時間の航空便を予約した本人だ。やはり航空会社に責はないと思う。
これが予約不要のバスや電車だと理解しやすい。
通勤で乗る予定のバスが遅れたからといって、バス会社に前後の予定を補償してくれと訴えても塩対応されるのがおちだ。
それと同じことだと思う。
日本で暮らしていると、すべて時間通りに進むのが当たり前だと誰もが思い込んでいる。でもそれは前提でも確約でもない。過信しないことだ。
札幌と東京とを結ぶ路線は、早朝から深夜まで数えきれないほど運航している。でも、空路に何かあった時の代替手段は皆無に等しい。これはリスクだ。
過去にも何度かこの手の経験はしている。雪国だから冬に頻発しそうな話だが、意外とそうとも限らない。台風や爆弾低気圧といった天候もあるが、機材に何らかのトラブルが発生することだってある。
今回の事案も、前夜に発生したバードストライクによるものだったらしい。
今回は反故になっても大きな影響がない出張だったが、その後の旅程が大切であればあるほど、前乗りするのが望ましい。
陸続きではない札幌で暮らすというのは、そういうことなのだ。