海外で現金を使うと、小銭が増えてその処理に困る。
日本での生活であればほぼキャッシュレスだし、通貨の補助単位(円に対する銭)がないから、小さな単位の硬貨ばかりが貯まっていくようなことも少ない。
さて先日行ったシンガポールにはドルの補助単位にセントがあるし、マレーシアにはリンギットの補助単位にセンがある。
もっとも旅行者がシンガポールで買い物をするとき、補助単位のセントを目にすることはあまりない。
しかしマレーシアは違う。
普通にセンの単位まで使われる。
なので自宅にはマレーシアのコインがたくさんあり、渡航するたびに増えていくという悩みがあった。
もちろん滞在中にうまく使えばよいのだが、コインが小さいので瞬時に種類を判別することが難しく、コンビニのレジでもたついてしまう。そして紙幣のみで支払って小銭が増えていく。タイでもこの傾向はある。
でも今回の旅行では1枚もコインは発生しなかった。ほぼキャッシュレスだ。使おうと思って日本から持って行った50セン硬貨6枚はすべてホテルに残置してきた。
使用したのはクレカのコンタクトレス決済とGrabPayだ。
コンタクトレス決済の端末は、だいたいどこの国へ行っても同じタイプのものが使われているように思う。レジでピッとかざすだけで終了するので、もっぱらコンビニやスーパー、チェーン展開している飲食店で使用する。
日本でも使えるが、すでに交通ICや流通系電子マネーが普及していたこともあって、後発のためか使う機会があまりなかった。
一方、GrabPayはローカルな飲食店で役立つ。これは日本でPayPayを使える飲食店が多いのと一緒だ。お店のQRコードを読み込んで金額を入力、お店の人に金額を確認してもらいながらスライドして決済完了という流れだ。店員さんがタブレット端末を持っていて、その画面上で決済を確認しているようだった。しかもレシートも発行される。
なおGrabPayはセブンイレブンでは使えなかったが、Orangeというコンビニでは使えた。OrangeではQRコードを読み取るパターンではなく、スマホのQRコードを店舗の端末に読み取らせるタイプだ。ただ、PayPayと一緒でスマホを使うより、クレカのコンタクトレス決済のほうが早くて楽だ。
それとGrabPayは、サービスを展開している国へ行ってからアプリの登録をしないとならなかったり、チャージ(トップアップ)した残高は国を跨げないというデメリットもある。例えばマレーシアリンギットでチャージした分は、シンガポールでは使えない、そういう具合だ。
もしかすると使えるのかもしれないが、もともとシンガポールでは認証が必要になるらしく、短期旅行者では使えないらしい。いずれにせよ私はそこまでサービスを熟知しきれていない。
いずれにせよマレーシアはすでにキャッシュレス化が進んでいて、私たち旅行者にも使いやすい。調べてみるとコロナ以前から進んでいたようなので、私がやっと追いついただけなのかもしれないが。
だからと言って現金が不要かと言えばそうではないし、現金で支払ってもいい。屋台や露店で何かを買うときはキャッシュのほうが大多数だ。
私はだいたいどこの国へ行っても1万円分くらいのキャッシュは持ち歩くが、これからマレーシアへ行く際は、100リンギットくらい持っていれば十分かもしれない。
ちなみにシンガポールでは1ドルたりともキャッシュは使わなかったので、これからもシンガポールドル紙幣はほとんど手にすることはないだろう。