2024年3月、日本から中国東方航空で上海浦東国際空港を経由し、バンコクを往復した。
ビザはないが、中国に入国して上海観光を楽しみたいと思い、わざと乗り継ぎ時間を長くした。
旅程は次の通り。
日にち | 出発 | 到着 | 航空会社 |
3月13日 | 13:30新千歳 | 17:10浦東T1 | 中国東方航空 |
3月14日 | 13:45浦東T1 | 17:50スワンナプーム | 上海航空 |
3月17日 | 10:45スワンナプーム | 16:00浦東1 | 上海航空 |
3月18日 | 8:20浦東T1 | 12:30新千歳 | 中国東方航空 |
このブログでは、パンデミック後に中国のビザ免除措置が停止しているなか、
- 乗り継ぎで中国へ一時入国して上海観光を楽しもうとしている。
- 観光はしないにしても、浦東国際空港T1で夜明かし(仮眠)を検討している。
という比較的稀有な方を対象に情報共有をしたいと思う。
今回の旅をするにあたり、ネット上でたくさんの方々の話に触れ、参考にさせていただいたことに心よりお礼を申し上げたい。
ただ、不足する情報や古い情報もあるので、それを補完する目的でこのブログを書くことにした。参考になれば幸いだ。
また、入国しないで乗り継ぐ方法はネット上にあふれているので、そちらを参照していただきたい。
①入国手続きの流れ
結論から先に言うと、日本で事前にビザを取得しなくても中国へ入国できる。
もちろん前提条件として、第三国への出国が事前に決まっていることである。
今回は24時間フリートランジットという制度を利用した。こちらは滞在地域と出国する場所の指定はない。
その他にも144時間の制度もあって、こちらは滞在地域と出国する場所が指定されるようだ。入国する空港の指定もあり、それは一次情報から最新情報を確認できる。
いずれの場合も申請書類と手続き場所は同じと思われ、旅程によって入国審査官が振り分けているようだ。
申請する際に使うアライバルカードの書式は次の画像のものだ。
降機してからの流れは次の通り。
- イミグレーションまでの動線を歩いて、途中で指紋採取をする。
- アライバルカードを記入する。
- 入国審査の列に並ぶ。
- 入国して荷物を受け取り、税関を通って到着ロビーへ出る。
順を追ってみていこう。
①降機後、通常の入国同様の動線に沿って歩くと、指紋採取の端末が現れる。機械が10台以上並んでいるので、空いている端末でパスポートを読み取って、続いて日本語の音声ガイダンスに従って指紋採取を行う。
レシートが出てくるので、それを受け取ったら完了となる。
②次にアライバルカードの記入をする。
通常のアライバルカード(以前は黄色だったが、今は水色のフォーマット)ではなく、前出の画像のフォーマットを貰う。
私が往路で一回目に入国した際は、手前に係員がいてその奥に書類と記入箇所があった。
復路で二回目に入国した際は、手前に準備されていた。
いずれの場合も、前出のフォーマットのみに記入して入国審査の列に並ぶ。
③記入を済ませたら、電光掲示板に「24小時/144小時…」書かれたゲートが最奥の1~5番(復路では1~3番になっていた)にあり、そこに並ぶ。
しかし、復路ではそちらのゲートが締まっており、係員から通常のゲートに並ぶよう指示があった。
並んでいると、途中で前出のゲートが開き、私と同じような乗り継ぎ客はそちらへ並び直すよう指示があった。
この時、再度係員が並んでいる人全員に旅程を確認していたが、当日にT1から乗り継ぐ客は別の窓口へ行くように指示をされていた。
余談になるが、浦東空港はT1とT2が離れているため、
- T1に到着してT2から出発する人(逆も然り)
- 荷物をいったん受け取って再度搭乗手続きをする必要がある人
に関しても、同様の入国審査が必要になると思われる。
また、新千歳空港でもスワンナプーム空港でも、1区間分のボーディングパスしか発行してもらえなかった。
新千歳では「翌日のフライトなので現地で発行してください」と説明があった。
話を戻す。
入国審査の際、私が渡した書類は次の通り。
- パスポート
- 前出のアライバルカード
- 指紋採取のレシート
- 翌日のフライトについて記された書類(ブッキングドットコムで予約。それをプリントしたもの)
- 宿泊先について記された書類(トリップドットコムで予約。それをプリントしたもの)
往路では宿泊先の書類を渡したのに「泊まるのか?」と訊かれた。
復路では宿泊先の書類は渡さなかったが、問題なく通過できた。
本当は復路でもホテルの予約をしていたのだが、地下鉄の始発が遅くて間に合わないかもしれないので、バンコク滞在中にキャンセルをした。
ちなみに中国ではホテルに泊まった際、宿泊登録したことを証明する書類の控えを渡される。念のため、出国まで保管しておいた。
④パスポートのシールを貼られて、返却されたらそれで終了。
入国については以上であり、24年3月現在ではワクチン接種証明も不要だし、アプリのインストールや事前登録など一切不要。
参考までにアライバルカードの裏面に書かれている内容を、グーグル翻訳で日本語に変換してみたので、そちらも付け加えておく。
重要な注意点
以下の情報をよくお読みになり、中国を出国する前に参照用としてこのメモを保管してください。
不法滞在に関する関連規定は法律に従って処理されるものとする。
1.一時入国外国人は、一時入国許可証に記載された期限と区域を超えて滞在することはできず、違反者は不法滞在として罰則の対象となります。
2. 宿泊登録手続きは規定に従って行う必要があり、ホテルに宿泊する場合はホテルがチェックイン手続きを行いますが、市区町村にお住まいの場合は居住地の警察署に行って手続きしてください。宿泊地到着後24時間以内に宿泊登録手続きを完了してください。中華人民共和国出入国管理法第 76 条第 6 項によると、法律に従って宿泊施設を登録しない場合は警告が与えられ、2,000 元以下の罰金が科せられる場合があります。
3. 不可抗力により許可された期限を超えて滞在しなければならない場合は、地方出入国管理局に許可を申請してください。
これを読み取ると、24時間フリートランジット制度を利用した場合は、宿泊しなくても問題ない、つまり空港内で時間内は滞在(仮眠)しても良いと解釈できそうだ。
逆に144時間の制度を利用する場合、宿泊先が必要になると考えられる。もっとも、それだけ長期になれば普通はホテルに泊まると思うが。
中国入国に関しては過度に心配する傾向があるが、少なくても一般の旅行者にとっては何の問題もないように感じる。
往路も復路も入国し、パスポートにシールを貼られる。
往路では19時に入国、21時に南京東路のホステルにチェックイン、南京東路を観光。
22時過ぎに豫園へ行ったらすでに終了していたので、翌朝再訪した。午前11時前に豫園を出発し、正午に浦東空港へ。13時15分にバンコクへ向けて出発した。今回はケチって磁浮は未利用。
復路では17時に入国し、19時に七宝老街、20時に陸家嘴、22時に浦東空港へ戻って仮眠した。
②浦東国際空港T1の一般エリアで仮眠する
まず結論から先に言うと、浦東国際空港T1の一般エリアで仮眠は可能である。
快適度は別として、成田や羽田、台北や仁川と何ら変わらない。まったく心配ない。
浦東国際空港T1からの日本行きは、午前7時台や8時台といった早い時間帯のフライトがある。
中国東方航空だけではなく、日本航空もT1から出発するようだ。
私が利用した中国東方航空は、日本行きのほとんどのフライトは同じカウンターでチェックインが行われ、カウンターが開く時間は5時20分頃だった。
したがって結構混雑する。
※ちなみに、出国ゲートが開くのは5時30分頃。
浦東国際空港へは地下鉄2号線や磁浮で直接アクセスできるが、上海の中心部から始発に乗ってもこの時間帯には到着できない。
かと言って深夜にバスやタクシーを利用して移動したり、空港に近いホテルに宿泊したりするのもコスパが悪い。
それなら最終日くらい空港野宿でいいじゃないか。いつものやつだ。
意外に思われるが、終電は早いし、始発も遅い。結構不便かもしれない。
到着ロビー階の両サイド(国際線側、国内線側)にはベンチがたくさんあるが、横になれない席が大部分。ツラい。
到着階にはローソンが2軒あり、深夜早朝でも空いているので便利だ。フロアには給湯器があるので、カップラーメンを食べるのもありかも。なお日本で事前にアリペイのインストールとクレジットカードを登録しておくと、QRコードで買い物もできるし、地下鉄にも乗れる。
Wi-Fiのキオスク端末でパスポートを登録すれば、アカウントとパスワードが発行されてフリーWi-Fiが利用できる。無論、Google系のサービスなどは一切使えないからあまり役に立たないが。
一般エリアで寝るなら到着階か
一般エリアで仮眠を取るとすれば、1階の到着階か3階の出発階のいずれかになると思う。
※その他にも出発ゲートの並びに奥まった静かな場所があり、こういう隠れスポットがないわけではない。
個人的には出発階より、到着階の両サイドにある待合所を推したい。
理由は3つ。
- 出発階は座席数が少ないうえ、出入口が近いので特に寒い。
- ターミナルの出入口にはすべてX線検査場があり、警備員が数名常駐している。出発階の椅子がある場所は、これらから近くてうるさい。
- 個人的には、出発階特有の照明が好きではない。
加えて1階にはコンビニがあるから便利だ。
ただ、座席でスマホの充電をしながら寝よう、そんな好条件は諦めたほうが良い。
中国は警備が厳重だというイメージが強いが、日本のほうが警察官が巡回していて物々しく感じるだろう。
なお、私が訪れたこの日は最低気温が7℃まで下がったので、館内はどこでも普通に寒い。深夜の空港は冬はどこも一緒だと思うが、まあ寝られたものではないことを付け加えておきたい。寒さにはめっぽう強い私でも、震えが止まらなかった。
ちなみに入国せずに乗り継ぎで制限エリアに直接移動できたとしても、こちらも夜は自販機以外はお店が開いてないし寒いだろう。
ラウンジが24時間空いていて、しかも滞在時間が決まっていなければ快適に夜明かしできるかもしれないが、その可能性はおそらく低い。
制限エリアで夜明かしする利点は、ベンチで静かに横になれることくらいかもしれない。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
状況変化が起こることが考えられますので、参考程度にしていただければ幸いです。