紅葉目当てで表大雪へ行ってみたが、意外とイケてなかった話

ウラシマツツジ

 

秋晴れ予報の9月24日、久しぶりに表大雪を満喫することにした。

 

予定では旭岳温泉から旭岳に登り、御鉢平を半時計回りに周回しながら白雲岳にも立ち寄り、北鎮岳から安足間岳方面を周回して旭岳温泉に下山する計画だった。

 

最終的には計画よりずいぶんと短縮したルートで終えた。よく言えばいいとこ取り、悪く言えば妥協。まあ、十分満足できる内容。

 

すでにヤマレコもYouTubeも先にアップしたので、ブログにはビール片手にくだらないことを書いて行く予定。いや、すでに2.0ℓいってるので今日は書けないな。

 

YouTube

ひとり登山|旭岳・北鎮岳・安足間岳

 

ヤマレコ

旭岳ー北鎮岳ー安足間岳(旭岳温泉)

 

レンタカー

 

19時出発でレンタカーを借りに行くと、すでに70代と思われる従業員さんの対応が全く不慣れで時間がかかった。しかも運転席に座ると財布が落ちている。どうやら前に借りた人のものらしい。大丈夫か?

 

気を取り直して出発。

 

国道275号で滝川まで1時間半、その後は東川町の道の駅で30分くらい仮眠をして、23時半に旭岳温泉に到着した。

 

旭岳登山口

 

夜明けまで5時間以上ある長丁場。深夜の山行は孤独と退屈との戦いだが、どちらにも強いタイプな私。

 

誰もいないので唄を歌いながら歩く。

 

すでに前出のYouTubeに上げた動画の中で車中流れている曲は

  • 荻野目洋子「Oneway Generation」
  • Wink「涙を見せないで~Boys Don’t Cry~」
  • AKB48「ポニーテールとシュシュ」

だが、口ずさんでいるのはキャンディーズの「アン・ドゥ・トロワ」だ。

 

キャンディーズはミキちゃんが好き。Winkはサッチン派だ。ホント、アイドルヲタ。どうでもいい話だが。

 

旭岳

 

山頂に着いたのは3時45分。

 

秋なので明るくもなく暗くもなく、かなり微妙な時間。

 

一眼レフでシャッター速度をかなり遅くしてやっと薄明が確認できるレベル。

 

大雪山の夜明け

 

間宮分岐で夜明け。荒井岳辺りで1時間くらい写真と動画を撮って過ごす。黒岳や白雲避難小屋でテン泊の人は、まだこの時間にはいないハズ。裏旭も1張だったし、まだ撤収していなかった。

 

で、誰もいないと思っていると、ソロの方が2名来た。トップは女性で次は男性。どちらもガチで走る人っぽい。私と同じく深夜に旭岳温泉を出発する人だろう。

 

山でも動画を撮るようになって分かったことだが、まあとにかく時間がかかるし、頭の中で常に編集の際のストーリーを考えている。

 

純粋に今この瞬間を楽しむ自分が不在なのは、ちょっと悲しいような気がする。

 

トムラウシ山

 

こっちから見る朝のトムラウシ山が好きだ。本当は白雲岳の脇から白雲小屋を見下ろしながら眺めるのが好きなんだけど、今日はもう間に合わないからやめることにした。

 

大雪山系にある日本百名山の三座は、どれも登るより眺めて美しい山だと思う。

 

でも登るなら北鎮岳、白雲岳、化雲岳、美瑛岳の方が好みかな。

 

御鉢平

 

御鉢平の水系は2系統あるようだ。

 

合わさって赤石川となり、最後は層雲峡で石狩川に合流する。

 

江別の国道12号線や当別の国道275号線で石狩川を渡るが、御鉢平から流れる水も含まれていると思うと感慨深い。

 

黒岳

 

黒岳の背後には北大雪の盟主である武利岳と武華山の連なり、それと手前には屏風岳がある。

 

道外の登山者にはニセイカウシュッペ山以外は知名度が低いと思われるが、岳人には言わずと知れた山々だし、北海道百名山をやっている人にもよく知られている。

 

自分にはどうも北大雪には縁が無くて、これまで後回しにしていた。

 

25年くらいかけて道内の山をコツコツ登ってきたが、未だに一度も登っていない山の中で最も著名な山は武利岳と武華山、それとエサオマントッタベツ岳と南日高の神威岳、ピリカヌプリだと思う。

 

比布岳

 

北鎮岳を越えると次のピークは比布岳。このピークから景色が一気に様変わりする。

 

この辺のピークで最も有名なのは愛別岳。でもそれ以外はどれがどこなのかしっかりと記憶している人は少ないだろう。

 

かくいう私も、この稜線を歩くのが2回目だけど、やっと覚えられたという感じ。そして2年くらい経つとまた忘れると思う。

 

北鎮岳-比布岳ー安足間岳ー当麻岳ー当麻乗越の順。永山岳は安足間岳から愛山渓へ下りて行くとある。

 

チングルマ

 

北鎮岳から当麻岳の間には、チングルマの紅葉が見られる場所がたくさんある。

 

中岳分岐から中岳温泉に下り、裾合平を歩かなくても、この稜線上でも同じくらい大規模に見られると言ってもいいかもしれない。

 

どちらを歩くのかは好みが分かれるところ。旭岳温泉から当麻乗越、当麻岳、安足間岳、北鎮岳、中岳分岐から中岳温泉、最後に裾合平へ下りる周回ルートも楽しそう。

 

安足間岳

 

私がこの辺りを通過したとき、女性2名がすでに愛別岳のピークを踏んで戻って来ていて、さらに女性1名がこれから行こうとしていた。

 

この界隈を歩いている人は、北海道在住のハイカーかコアな岳人だけだと思う。

 

そう言えば私の母も北海道百名山をやっていて、大雪山系でピークを踏めなかったのは愛別岳と化雲岳だったようだ。こういう山は体力もさることながら技術が要るので、若いうちに登っておきたい。

 

沼ノ平

 

沼ノ平や松仙園という地名を聞いたことはあった。

 

しかしこれまで全く興味がなかった。同じように大雪高原沼にも行ったことがない。

 

当麻岳から当麻乗越への下りから眺める湖沼群の景色は格別だ。この歳になってやっと魅力が分かってきたように思う。

 

旭岳

 

歩き始めて10時間を超え、さすがにピヨピヨしてきた頃、やっと姿見へ戻って来た。

 

裾合平方向へ向かう観光客から「私は韓国人です。こっちへ行くと山頂へ着きますか?」という質問を受けた。

 

これだけ晴れていても、国籍を問わず登山者以外の方はそういう感じなのだから、遭難騒ぎが起きてもおかしくない。

 

グレード表示も含めてあれだけ標識が整備されていても、まだ不十分だと思うのは私だけではないだろう。インバウンドは私たちの想像以上にこの地へ訪れている。

 

これほどたくさん訪れているのだから、英語と簡体字、繁体字、ハングル、タイ語やマレー語辺りも併記するくらいしてもいいのかもしれない。

 

キタキツネ

 

キタキツネが歩いている姿を多くの人たちが撮影していた。

 

外国人の男性が、私に笑顔で”FOX,FOX”と教えてくれたが、地元民としては日常茶飯事なことだけに複雑な気分。

 

でも私たちが当たり前だと思っていることに、大きな価値があるのが観光だ。ニセコが好例じゃないか。

 

天女が原

 

姿見から旭岳温泉へ下りる途中、後ろから来た男性に声を掛けられた。ヤマレコ繋がりで私のことが分かったらしい。

 

自分大好き人間の私としてはブログでもYouTubeでも見境なく顔出しするし、たいてい同じ服装をしているから分かったのだと思う。こんな感じで「コモ子さんですか?」「ピーターパンさんですか?」と訊かれたことが何度かある。そして連絡先を交換するどころか、ろくにご挨拶もできずに取り繕ってお別れしてしまう。

 

ほんと、こういう方々に支えられて今の自分がいる。ネット上でまるで自慰行為のように好き勝手に自己表現しているつもりでも、見てくださる方が少なからずいる。

 

50歳、いやー今さらながら恥ずかしくなってきた。

 

旭岳登山口

 

そんなこんなで14時間くらいかかって山行を終えた。

 

レンタカーの返却時刻が19時なので、高速を使って札幌へ帰ってきた。

 

たくさん運動をしたから油断して連日ビールをカパカパ飲み続けていたら、ブログを書くまで3日もかかってしまった。そしてまた太る。

 

おそらく今シーズンはこれでおしまい。降雪後に快晴の日があればまた十勝岳かニセイカウシュッペ山辺りに行きたいと思う。