· 

さらば高雄の安ホテル。そしてソウルへ寄って札幌へ帰る

安ホテル

 

台湾に入って4日目。高雄は今日も晴れたり曇ったりで暑いくらいだ。

 

今朝は7時過ぎまで約9時間眠ったが、やはり昨日の疲れが残って身体が痛い。

 

バスルームの換気扇が照明と連動しているので、内部を乾燥させるためには夜中も電気をつけておかなければならなかった。洗濯物を干していたからだ。

 

バスルームの扉が半透明で明るくて眠れないから、アイマスクをして寝た。しかし換気扇を回しっぱなしにすると、下水の匂いを呼び寄せるらしく、朝は吐き気がするほど異臭がしていた。ますます酷くなってくる。

 

今朝も相変わらずアリが集(たか)って酷い。このホテルは立地以外に良い点が一つもない。

 

出発準備をして朝食へ。朝食バイキングの内容も質素すぎて、中身が入っていない蒸し饅頭と漬物2品で済ませた。ただ、ホットの豆乳がすこぶる美味しくて最後にプラス5点。

 

11時までいても仕方がないので、9時にチェックアウト。

 

受付の女性が満面の笑みで「OK!バイバイ」と送り出してくれたのでこれまた加点10点。終わり良ければすべて良し、と言ったところ。飲食店もそうだが、料理の内容以上に接客はもっと大切。サービスとホスピタリティは本当に重要なのだ。

 

高雄市

 

高雄駅のコインロッカーにリュックを預け、MRTで中央公園まで移動。YouBikeで光榮碼頭から駁二藝術特區辺りをポタリングし、今日こそは鴨肉を食べようと前回も訪れた鴨肉本さんへ。10時半だからお客さんはほとんどいなかった。

 

鴨肉本

 

西子湾で自転車を返して、かき氷を食べに前回も訪れた渡船頭海之氷へも行ってみたが、残念ながら定休日。

 

この辺りで急にお腹が痛くなり、クネクネしたり、ストップアンドゴーをしながら西子湾駅まで歩いて駅のトイレへ駆け込む。長旅では必ずこういうことが起きるから注意が必要だ。

 

余裕を持って3時間前に空港へ行ったとしてもまだ1時間ちょっと時間があるので、三多商圏のデパートめぐりをして時間を浪費。平日のデパートはまるでゴーストタウンのように静まり返っていた。

 

このあと高雄駅で荷物を回収して13時に空港へ向かう。

 

金浦空港行きは15時55分出発。チェックインも出国もスムーズで、搭乗ゲート付近の窓際席で充電しながらブログを書く。

 

ソウル

 

ソウルの金浦空港に到着したのは19時過ぎ。初めての金浦空港。アライバルホールはとっても静かだ。コロナ後初の韓国なのでおよそ4年ぶりになるが、通算16回目なのであまり新鮮味がない。

 

空港鉄道でソウル駅へ移動。Tmoneyカードの残額は30,000ウォンくらいあったが、持参した現金でさらに50,000ウォンをチャージした。台湾のようにコンビニを多用すると思ったからだけど、結局それほど使わなかった。

 

1号線に乗り換えて東大門駅の一つ先にある東廟前駅で下車。高雄から来たという理由を差し引いたとしても、めちゃくちゃ寒い。出発前の札幌より寒いと思う。

 

ホテルにチェックインして、すぐに外出。ドミトリーは慣れているが、3段ベッドは初めて。私は2段目だけど、3段目になる人はちょっとかわいそうだね。それでも今朝までいた高雄の安ホテルよりはずっと清潔感があり、やはり韓国は日本と一緒だと思う。トコジラミが住み着いてなければいいのだが。

 

近所で一杯やりながらご飯食べようと思って出かけるが、どうも気に入ったお店がない。そもそも日本でも一人で外食する習慣が無いから、言葉も分からず気軽に飲食店に入っていくことに少し躊躇するし、何よりハングルを読むのに時間がかかる。

 

結局コンビニでビールを買って飲み干すだけにして就寝。

 

北漢山

 

翌28日は終日フリーだ。

 

朝7時に目が覚めると、どうも快晴のお天気らしい。

 

ドミトリーの住人は深夜に帰って来て、9時くらいになって行動し始める人が多い中、自分は8時に行動開始する。まあ、旅行者が市街地で訪れる場所なんて、飲食店にしてもショップにしてもお昼くらいにならないと営業開始しないものだ。

 

私は久しぶりに北漢山に登ろうと思いつき、出かけることに。

 

北漢山

 

標高わずか836mなのに、これほどの眺めを高度感を味わえる。首都にあって地下鉄でアクセスができる。こんな好条件の山、日本にあるだろうか。

 

それにしても寒い。モンベルのソフトシェルジャケットを着て行動していたが、風が吹くと身体の芯から冷える。

 

おとといフルマラソンを走り、昨日の夕方まで気温25℃の高雄にいた。そしていきなり氷点下。身体がうまく機能しきれていないのだろう。

 

明洞

 

下山後は一度ホテルに戻って着替え、すぐに明洞へ出かけてみた。

 

身体が冷えたので、久しぶりに明洞餃子でカルグクスを食べよう。麺はもちもちしているし、スープも味わいがある。切り刃は14番の角刃、平打ちで麺の厚さは1.5mmくらいだろうか?などと職業柄、麺のスペックを観察しながら食べている自分がイヤになる。

 

それと相変わらずここのキムチは辛い。おかげでこの数時間後に激しい下痢に2回見舞われ、肛門から火を噴くくらい熱かった。私の胃腸は辛い食べ物に対して拒絶反応を起こすようだ。

 

食後は明洞に用事はない。50歳のおっさんひとり旅にコスメやエステ、マッサージ、美容整形のいずれも縁はないし、バラマキみやげを買って帰る相手もいなければ、一人焼き肉だってない。

 

つまりそういうことだ。

 

戦争博物館

 

15時過ぎから三角地にある戦争記念館へ。ここは朝鮮半島の古代史から近代史、朝鮮戦争から現代の韓国軍のPKO活動に至るまでを知ることができ、しかも無料で入館できる。独島(竹島)に関する記述もあるが、どちらかと言えば日本人は韓国人ほど領土問題を機微に捉えていないと思うので、嫌悪感を抱かずに見学できると思う。

 

この施設にはかなりお金がかかっていると見え、展示物が立派だ。ミリタリーマニアでなくても、必ず訪れておきたい場所の一つだ。

 

ここへは2016年、2019年、そして今回2023年とこれまで3回訪れているが、展示物が入れ替わるので飽きない。

 

今回特筆すべきは北朝鮮に関する展示だ。前回来た時は北朝鮮寄りの文政権だったためか、友好をPRするような色合いが濃かった。しかし今回は北朝鮮の弾道ミサイルや核に関する脅威を前面に押し出した内容だった。

 

STONE IPA

 

閉館時間近くまで戦争博物館で過ごし、南大門市場を散策。シャワーを浴びたりスマホの充電をしたりするためにもう一度ホテルへ戻る。そして一杯飲みに外出。

 

近所のから揚げ屋でも良かったが、広蔵市場でレバ刺しも食べたい。でも夜は営業終了しているだろう。クリスマスシーズンの明洞の夜はおさえておきたい。再ぶ4号線で明洞へ行くことにした。

 

CRAFT BEERの文字が目に飛び込んできて、即決で入店。2階の席へ案内されたが、両隣がグループ客でちょっと異物感たっぷりになりながら一人でIPAを飲む。唐揚げは2~3人前だったらしく、すべて食べきれなかった。

 

スカイハブラウンジ

 

6日目。今日は札幌へ帰るだけ。

 

ホテルを9時にチェックアウトし、仁川空港へ。エクスプレスではなく一般電車で行くところがセコい。貧乏性が抜けない。

 

セルフチェックインをして出国、いつものスカイハブラウンジで昼間っからビール飲みながらビビンバの昼食。プライオリティパスで利用できるラウンジなんて、内装と食器がちゃんとしているだけで、食事そのものは大したことはない。スーパーで売っている総菜や冷凍食品をビュッフェサーバーに並べて照明を当てればそれだけで豪華に見える。搭乗前のタダ飯と割り切って利用。

 

新千歳行きのフライトはエアプサン。3時間もかからずに到着。今回は税関で止められることもなく、サクッと出られた。これで6日間の休暇は終了。

 

台湾と韓国を同じ旅行に組み込むと、今まで見えなかったものや気付きが結構ある。おそらく欧米から訪日する外国人は、台湾や韓国へも訪れると思う。ちょうど私たちが欧州旅行の際に、イタリア、フランス、ドイツと訪れるように。

 

だからインバウンドを相手にするビジネスをされる方には、北東アジアを周遊する旅をしてみることをおすすめしたいと思う。