離婚してから約10年、これまで自炊を基本としてきた。初めは経済的に立て直すことが狙いだったので、節約のためにやってきたように思う。でも最近では自炊が本当に節約になるのか疑問に思うようになった。理由は一人暮らしだからだ。
家族がいれば確かに自炊は家計を助けるだろうし、家族全員の分を作れば作業効率だって良いだろう。
しかしこれが一人の場合となると、コスト的なメリットは低いように思う。さらに買い物と準備、洗い物まで含めると時間だってかかる。トータルでは無駄が多い気がする。
もう一つ、栄養バランスという切り口もある。
よく外食は栄養が偏るとか、加工食品がどうのこうのとかいう人もいて、外食のデメリットが挙げられることが多い。
しかしこれも本当にそうなのかと思う。
管理栄養士が献立を作っている産業給食ならともかく、一般家庭、ましてや一人暮らしの自炊など献立レベルなんてたかだか知れているだろう。むしろ、自炊の方が栄養バランスが悪い方に偏っていくように思う。
そこで最近は夕食を外食にするか、スーパーのデリカで調達するように変更した。そもそも50歳を過ぎて食べる量が減ってきたから、一度の食事にかかる食費も知れている。
それに日々、新しいお店を開拓していけば刺激も受ける。近所にこんなお店があったのか、という新たな発見もあって、会社と自宅の行き来という固定されたルーチンから少しだけ抜け出せる。
基本的に悪いことはひとつもない。
ちなみに私は朝は毎日決まった食事をとる。すりごま乗せの白米、みそ汁、納豆、焼き魚、ヨーグルトだ。昼は会社でナッツ類をポリポリ食べるだけ。なので、今では自宅でまともな食事をとるのは朝だけだ。
さて冒頭に少し触れたが、食器洗いにかける時間も結構ムダだと思っている。よく食洗器を買って時短している家庭もあるが、さすがに一人暮らしでは不要だろう。ワンルームマンションの狭いキッチンにはジャマでしかない。
そこで自宅で食事をとる回数が減ったのをきっかけに、食器も簡素化することにした。
箸は基本的に割箸を使う。ご飯は紙ボウル、焼き魚はペーパープレートだ。
みそ汁は今まで通りお茶碗で、ビールはグラス、コーヒーはマグカップで今まで通り。
つまり、油で汚れたりでんぷん質が付着して浸け置きが必要なものは使い捨ての食器に、そうでないものは通常の食器というハイブリッドにした。これだけでもかなり時短になった。
エコでないとか、ごみが増えるという意見もあると思う。でもいまの私にはこれが最良の選択肢だと思う。
料理ができてもあえてしないという選択肢だってもあっていいのではないか。