今日は十勝岳に登ってみた。
久しぶりに南の山へ出かけてお花見登山を計画していたが、天気が下り坂なので北へ転進。パッと思いついた十勝岳にした。
23時50分に起きて出発。この時期は空が明るくなる3時台の前半から登り始めたいから逆算するとこうなった。
結果から逆算して行動を考えるクセを付けるために、登山という遊びを利用するのは有効である。
そして昼には帰宅して、週末の旅の準備、その後の登山の準備を済ませてしまいたい。毎日一生懸命仕事をすれば、休日はすぐにやって来るものだ。
深夜に3時間の移動をした後、望岳台に到着。
登山口で時間をかけて準備をする人もいるが、私は自宅で着替えてから出かけるので、到着後はシューズを履いたらすぐに出発してしまう。
3時25分にトイレと入山届を済ませた頃には、空はすでに明るい。
同じ時間の出発者が一人、2時台に出発した人も一人いるみたいだ。
風向きが悪くてしばらく噴煙に難儀したが、避難小屋を過ぎたら解放された。
高曇りのわりには視程は良好。左を見れば表大雪、右を見れば夕張山地もよく見える。
カメラを設置できる人工物や岩がある場所が変わらないから、セルフタイマーで撮る場所もいつも同じ。
十勝岳は過去の火山ではなく、現在進行中の活火山だ。
気象庁のホームページを見ると、北方四島から渡島大島にかけて活火山が斜めに分散しており、十勝岳もほぼその線上にあることが分かる。
最新の噴火の歴史を見てみると、羊蹄山が約1万年前と最も古い部類に入る一方で、十勝岳は2004年に噴火していて、雌阿寒岳の2008年に次いで最も新しい。
何度も来ていると感覚がマヒしてしまいがち。気を付けたい。
スマートウォッチを見て心拍数がなるべく無酸素運動域まで上がらないように気を付けながら歩く。
むしろ寝不足や疲労もあるし、加齢や体力低下もあって追い込めないというほうが正しい。
山頂まで2時間30分。美瑛岳の背後にオプタテシケ山の頂、奥にトムラウシ山が見える。
石狩連峰が30km先に見えている。石狩岳と音更山が見えているが、ユニ石狩岳はその奥に位置しているので見えない。
石狩連峰の手前には前トムラウシ山や沼の原山も見えている。
見えている範囲にはトムラウシ温泉以外の人工物はおそらくないのではないか。
ニペソツ山やウペペサンケ山が目立つが、どちらも登ったことがある人なら、その間にある丸山に注目するのではないか。
どこからアクセスするにしてもかなり遠い山だ。
境山から下ホロカメットク山へと続く山並み。
こうして夏に思いを馳せることで、積雪期に訪れるための原動力になる。
十勝岳では先行者が山頂標識の前に陣取って食事中だった。
私だって人間なのでマナーに欠く行為をすることがあるだろうが、こうして人の行為を見てハッと気付かされる。
山はみんなのものなのだ。
標高年の2012年に登ったオプタテシケ山(△2012.5)からすでに12年が経った。
この山域で次の標高年を迎えるのは美瑛岳(△2052.2)で28年後になるが、その時には私も79歳になってきっと登れないだろう。同年は幌尻岳(△2052.4)も標高年である。こちらはもっと無理だよね。
それよりも十勝岳(・2077)の標高年となる歳まで生きることを目標にしよう。未来の私は104歳か。
帰り道は沢地形の雪上を下る。
登りで同時刻に出発した方は、私より早く山頂に到着して下山開始も私より先だったが、下りはそのまま夏道を下りていったので、ここで追い抜いて私の方が先に下山できた。
やはり雪の上を直線的に下りたほうが早い。概ね避難小屋近くまで雪が繋がっているので、昭和火口から15分程度しかかからない。
ウコンウツギが見えてきたら望岳台は近い。
7時30分に下山し、山行タイムは概ね4時間。そのためにわざわざ往復6時間運転するのもどうかと思うが、楽しく4時間のエクササイズができたんだからマルである。
前にも書いた通り、趣味の世界にコスパや時間効率を追い求めると結果が色褪せる。
何も考えずにやりたいことに飛びついて行動したほうがいい。それが今年の冬にほとんどの休日を在宅していた私の教訓なのだから。