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12泊13日の旅【12】広州から北京、天安門広場と前門大街

前門大街

旅の12日目。前日はダナンから香港、陸路で広州へやって来たところ。今日が事実上の最終日になる。

 

正直な気持ちとして、「早く終わればいいなぁ」って思っている。帰ってゆっくりと温泉にでも浸かって休みたい。長旅をやってみるといつも思うんだけど、途中で休日を入れても環境が違うから気分的になかなか休まらない。

 

旅先でリフレッシュして幸福度が最大値になる日数はいったい何日か、これまで50回以上海外へ行っていながら、未だに最適解を見つけられていない。きっと永遠の課題なのだろう。

  

中国国際航空で広州から北京へ

さて、今日は広州白雲空港から中国国際航空に乗って北京へ行く。出発は10時40分。

 

到着後すぐに首都空港至近のホテルに荷物を預け、天安門広場へ行く。そう、この旅最後の目的地は天安門だ。

 

事前の入場予約が13時〜16時半までの間なので、入場ギリギリの可能性が高い。

 

ホテルの一室

24時過ぎに寝たのに、5時前に目が覚める。寝過ごさないようにカーテンをせず、耳栓もしなかったからかもしれないが、夜にスタバでカプチーノを飲んだことと、時差ボケの影響のほうが大きいように思う。そして今朝もお湯を沸かしてコーヒーを飲む。

 

広州ホテルの一室

7時に部屋の電話が鳴る。中国のホテルではよくあることだ。

 

日本人の私相手に中国語でまくしたてる。何を言っているのか分からない。

 

チェックインする際に7時半のシャトルバスに乗ると伝えてあったから、リマインダーの電話なんだと思う。チーサンリンと言ったらオッケーオッケーだって。朝からノリがいい。

 

ホテルのエントランス

チェックアウトをしたら受付の女性が寄って来て、翻訳アプリで「滞在はどうでしたか?」と訊かれたので「エクセレント」と答えたら、「それではダメです」と言う。どういうことだ?

 

「トリップドットコムでレビューを書いてください。」と言うから、「じゃあ、後で書いておくね」と言ったら、「それではダメです。今すぐ書いて投稿してください。部屋は清潔でしたと書いてください。」と矢継ぎ早に注文を受ける。それ、違反行為じゃない?って思ったけれど、面白いから従うことにした。

 

こういう時、中国人は物理的な距離感がとっても近い。

 

彼女と私のスマホを見ながらレビューを書いていく。「部屋の写真撮ったでしょ?写真見せて、それそれ。それも投稿して。」

 

強かである。

 

そしてある意味で従業員教育が徹底していると思う。賞賛。日本のコンビニや飲食店で客単価を上げるためにもう一品のサジェスチョンを推奨することがあるが、これをしっかりとできる店員は少ない。

 

日本人もグローバルな競争に勝つために、この姿勢は見習うべきだと思う。個人レベルでは推しが強くて物事をハッキリ主張する人はいるが、社会全体がそうならないといけない。

 

広州白雲国際空港

空港行きの送迎車に乗ったのは私1人だけだった。7時30分にホテルを出発、ターミナル1には10分くらいで着いた。これも電気自動車。ちょっと欲しくなった。

 

中国国際航空

広州→北京→ソウルの旅程なので、キオスク端末ではセルフチェックインができないようだ。エアチャイナのカウンターに並ぶ。

 

対応してくれた若い男性は少しサバサバしているが、対応してくれる内容は丁寧だ。

 

「おはようございます。」「ありがとうございます。」も日本語で言ってくれた。

 

8年前に初めて上海へ行った時、あらゆる場所で接客態度が悪いと感じた。でも今回は良いと感じる場面が多かったように思う。私の接し方や感じ方が変わっただけなのか、それとも社会全体が向上しているのかは分からない。

 

逆に訪日外国人から見た日本人の接客やサービスは、低下していると感じる人が多いと聞く。

 

広州白雲空港

明日のソウル行きのチケットも発券してくれた。明日は8時台の出発なので、少し時間に余裕ができるだろう。

 

広州白雲空港中国国際航空ラウンジ

搭乗口までの途中にエアチャイナのラウンジがあり、プライオリティパスも使えるから入ってみた。

 

広々して開放的。快適。北京到着後の予定は天安門広場だけなので、ここでそれ以降の計画を立ててしまおう。

 

この時点ではまだ8時半。ホテルを出発して1時間しかかからなかった。中国での移動には保険をかけて早めの行動を心がけてきた。でも乗り物に乗る前にすごい行列ができるような場面は一度もなかった。テクノロジーのおかげなのかもしれない。

 

中国国際航空

広州からのフライトはA350-900で、しかも満席に近い。広州も北京もメガシティなだけあって、1時間に1~2本の頻度で運航されているようだ。

 

中国国際航空

これまで中国東方航空、海南航空、上海航空には乗ったことがあるけれど、中国国際航空は初めて。

 

翌日のソウル行きも含めて、CAさんの接客レベルがとても高いと感じた。この旅の合計13フライト中、断トツでトップだった。

 

今度は中国国際航空でヨーロッパへ行こうと思った。

 

機内食

国内線だけど機内食も提供された。ポークライスとフィッシュライスから選ぶ。ポークライスはスライスにしたソーセージの炒飯。

 

ちょっと微妙な味だったけれど、それを機内食がマズいという評価にしてはいけないと思う。単に口に合うか合わないかだけの話。

 

そもそも異国の民が私たちと味や食感の好みが同じわけがない。

 

そして、美味しい食事だけを求めるという発想もどうかと思う。料理なんて千差万別であって、それも含めて旅の楽しさだと思うんだけど。

 

私たちは過度に食事に期待し過ぎているのではないだろうか?

 

空港から急いで天安門広場へ

C919

13時20分。北京首都空港T3に到着。となりにはCOMACのC919が停まっていた。T2までの移動は無料シャトルバスに乗る。

 

北京首都空港T3

ターミナル3の到着ロビー。ターミナル間接続バスの乗り場へ移動する。

 

シャトルバス

意外と距離があるので、徒歩で移動するのは難しいだろう。バスでも5分以上かかったと思う。ちなみに地下鉄の首都機場線でT3からT2へ移動するのも同じくらい時間がかかる。

 

北京首都空港

ターミナル2の出発階に着いたら、到着階へ降りるのに一度空港内に入る必要があるようだ。空港内に入る際、毎回安全検査があるので少し面倒に思う。

 

北京首都空港T1

ターミナル2から、現在は閉鎖されているターミナル1の方へ歩き、予約したホテルへ向かう。徒歩で行けるという点が今回の決め手。

 

恵強賓館

ウワサ通り、外観は21エモンのつづれ屋(知ってる?)かと思うような老舗のホテルだった。安いとはそういうことである。寝るだけなのでこれでいいと思う。部屋にリュックを置いたら5秒以内で外出する。

 

北新橋

ホテルからターミナル2に戻ったのが14時25分。よし、計画通り進んでいる。この調子なら地下鉄を乗り継いで1時間で天安門広場に着くだろう。

 

WeChatで天安門広場への入場予約はしてあるが、どこから入るのかはよく分かっていない。とりあえず、空港鉄道から5号線、1号線と乗り継いで天安門東駅へ行ってみよう。

 

長旅の場合、そんなことも移動中に決めていく。

 

天安門広場

改札を出ると、天安門広場へ行く動線が決まっていた。

 

それに従って歩くと何回か手荷物検査を受けたり、パスポートを出したり、予約画面を確認してもらったりする。

 

でも思っていたよりも順調に中に入れた。

 

手荷物検査では財布の中身を確認されたり、帰りの航空券を見られたりしたけれど、対応は丁寧だった。

 

天安門

いたるところに公安関連の人がいて物々しい。

 

ちなみに中国の街を歩いていると、公安、警察、特警、武警などいろいろな文字を見る。興味があればそれぞれの役割を調べてみて欲しい。

 

儀仗隊のような制服を着た衛兵は軍人だろうか。若い人が多い。

 

私は元自衛官なので、直立不動で微動だにしない彼らの心理は共感できる。今日も大変ご苦労さんである。

 

天安門広場

多くの人が国旗の周りに陣取って待っているので、国旗降納を待っているのだろう。

 

私も16時30分まで粘ったが、どうもその時間ではなかったらしい。そこまでこだわりもないので、天安門広場をあとにした。

 

天安門まで行って故宮へ行かないのもどうかと思うが、今回は時間がないからまた次回に。

 

前門大街と王府位歩行街

北京地下鉄

次いで向かったのが前門大街へ。地図上では徒歩で行ける距離だけど、この辺りは規制線やゲートなどが多数あるので地下鉄で移動することにした。

 

北京前門スターバックス

前門大街は予想以上に楽しそうな場所だ。まずはスターバックスへ行こう。この店舗はスターバックスリザーブだね。

 

北京スターバックス

ギフトカードを探していると、熱心な女性店員さんがいて、彼女の通訳アプリと私のそれでやり取りをして購入することができた。

 

彼女ももれなく距離感がめちゃくちゃ近かった。

 

スターバックスカード中国

北京のデザインを購入。このカードは金額相当が充当されているプリペイドカードではなく、何種類かのクーポンが入っているようだ。先月昆明で購入したカード同様、中国では各地のデザインをあしらったカードがあるみたい。

 

カプチーノを注文すると、カード代金に加え、カード内のクーポンとカプチーノグランデサイズとの差額を合わせた金額だった。まあ、カードそのものがお土産なので、中身を自分で使ってしまってもいいだろう。

 

彼女はこの説明も熱心にしてくれた。とてもホスピタリティ溢れる店員さんだった。 

 

焼小籠包

スタバで休憩した後は、最初に目に入った焼小籠包のようなものに猛烈に惹かれ、秒で注文してしまった。値段がいくらかは分からないが、「幾ついる?」って訊かれたので3つにしたら、請求は30元。うーん、この内容で630円か〜。

 

北京フードコート

せっかく北京へ来たので、フードコートで炸醤麺を食べてみた。おそらく一番値段の高い炸醤麺というのがいいと思って注文してら、あまり注文する人がいないようだ。なぜなら厨房の従業員達が困惑している様子に見えたから。

 

レジの前でずっと観察していたら、途中でオペレーションを間違ったのか、何やらインチキをしている様子。従業員同士のやりとりとか、顔の表情、振る舞いを見てそう思っただけなので真実は定かではない。

 

でも、私も飲食店勤務が長かったから直感的にそう思うのだ。何かの不正をしている場面を防犯カメラで捉えた映像で見るやつだ。ある意味、分かりやすい。

 

炸醤麺

丁寧に盛り付けられた具材を麺の上に全部乗せて混ぜ合わせる。

 

炸醤麺

でも、なんだかんだ言ってほとんど平らげた。美味しく食べられたし、お腹の調子も悪くなっていない。単に私の思い過ごしなのかもしれない。

 

前門歩行街

日が暮れてきて、これからの時間帯が賑やかになる。

 

密雪冰城

この時期の北京はまだ寒いけれど、密雪冰城は人気だ。

 

王府位歩行街

前門歩行街の次は、地下鉄で一駅のところにある王府位歩行街へ。

 

HUAWEIショップ

こちらは北京の銀座なんて言われているそうだ。ファーウェイのショップに入ってみると、折り畳んで半分になるスマホと、開いて3画面になるスマホが展示されていて、どちらも注目を集めていた。直感的に欲しいと思ったが、android搭載でないのがネガティブだ。

 

ANTA LI-NING

LI-NINGとANTA。店舗は隣接しているが、競合関係にあるそうだ。次回訪中時は購入してみたい。

 

中国国際貿易中心

最後に北京の高層ビル群を観たい。でも場所が分からない。AIに質問しても、上海や広州、深圳や香港のように、定番スポットが出てこない。

 

そこで百度地図でifcと検索してみたら、その名の通り国貿駅付近に高層ビル群が集中していることが分かった。百度地図は3D地図を表示することが出来るので、確かにこの付近に高層ビルが集中しているのだろう。

 

地下鉄で数駅なのでさっそく行ってみよう。

 

地上に出るとビル群の真下で近すぎるし、派手にライトアップされているわけでもない。だから広州のような凄さが感じられない。なるほどそういうことか。

 

空港鉄道北京

20時を過ぎたので、10号線と首都機場線を繋いでターミナル2へ向かう。この旅はこれにて終了。今日はもうビールを飲んで寝たら、明日はソウルを経由して札幌へ帰るだけ。安堵感と同時に寂しい気持ちもある。

 

三元橋駅

三元橋駅から空港行きの終電は22時34分。ちょっと油断すると間に合わなくなるから要注意だ。

 

ファミマ

ターミナル2に着いたらファミマへ。ビールと紅茶を購入してホテルへ戻る。

 

ホテル

シャワーを浴びてビールを飲み始めたら、天井に大きな穴が空いているのに気付いた。思わず吹き出しそうになる。んなアホな。

 

虫が入ってくるくらいならまだ我慢できるが、蛇やネズミがでてきたらどうしよう。

 

結局、その想像が頭から離れず、寝ている時に虫退治をしている夢を見たじゃないか。

 

燕京ビール

ビールを飲み始めたら1本で止まらない。フロントで飲み物を売っているのを知っていたから、追加で1本購入。

 

フロントの女性は14時にチェックインしたときと同じ人だ。ずっとワンオペなのだろうか。

 

北京のホテル

こうして24時半就寝。経年劣化がある部屋だが、中身は決して悪くない。私にはちょうど良かったが、普通の人なら部屋が寒いと思うことだろう。