芦別岳は日本二百名山に選ばれている山で、北海道五大鋭鋒とも呼ばれているくらい、鋭く尖がった山です。
富良野盆地を挟んで十勝連峰と対峙しており、高さこそ若干劣りますが、十勝連峰の山々に全く引けを取らない風格があります。特に富良野市から見た姿が印象的です。
岳人の間では、旧道と新道を繋いで登ることが出来れば一人前、と言われるようですが、新道を往復している人が圧倒的に多いようです。
新道コースだけでも十分登りごたえがあり、基本的に尾根を歩くコースは快適で、天気が良ければ十勝連峰もバッチリ見渡せます。
この記事では、これから新道コースを利用して山頂を目指す方へ向けて発信します。道内の登山者はもちろん、道外から訪れる登山者にも、この山の魅力を知ってもらえたら嬉しいですね。
キャンプ場で前夜泊が出来るので、日の出とともに出発が可能
芦別岳山麓には山部自然公園太陽の里というキャンプ場があり、ここを起点に芦別岳を楽しむことができます。芦別岳の嬉しいところは、夕張岳と異なり、林道によるアクセスがないところ。早朝に自宅を出ても計画通りの時間に登山口に到着できます。
また、富良野市の市街地で車中泊をしたり、麓のキャンプ場で満天の星空を楽しみながら就寝し、テントを残置して日の出時刻より早い時間に出発すような選択肢もあるでしょう。
まずは、入山届を記入しましょう。
登山ポストで記入を済ませたら、エゾシカの出入りを防ぐための柵を開けて登山道へ。もちろん、開けたら閉めましょう。余談ですが、日常生活でも、開けたら閉める、出したらしまうを徹底したいもの。
新道コースは東に面しているので、日の出直後の日差しを浴びた林内を歩くことができます。明るいので、まだ暗い時間から行動開始するのがいいでしょう。だんだんと明るくなり、朝陽が強く差してくると、世界は動いている、今日も自分は生きている、と実感することができます。
雲海に浮かぶ十勝連峰と大雪山系の峰々。
富良野盆地は雲の下です。
半面山までは、ほぼ西へ向かって尾根を登ります。そのため、早朝は真後ろから朝陽を浴びるので、緑や花々の色がとっても映えます。
シラネアオイが咲くと、いよいよ夏山シーズンだと感じますよね。7月くらいまでの花。
半面山からスッキリした山頂までの眺め
標高点・1377を半面山と呼びます。ここからは、手前には標高1560mのポコ、通称「雲峰山」と、その奥に芦別岳のピークが見えてきます。
半面山からちょっと標高を下げると、通称「熊の沼」と呼ばれる湿地帯があります。
雪が解けて一斉に咲き始めた花々。
おそらく6月上旬から、いろんな種類が咲き続けるのでしょうね。
花に詳しい方は、この時期の登山が一番楽しいと思います。
本谷を挟んだあちら側には旧道コースがあります。
1560ピークから見上げる芦別岳。最後の登りは高度差150mくらいです。
最後の岩場を詰めたら、ピークに到着です。
新道コースを朝早く出発すると、旧道コースより1時間以上早く到着できるので、360°のパノラマを1時間以上独り占めできることも!
こちらは夕張岳方面。
山頂まで登らないと見られない景色があるので、ぜひ晴れた日に登りたいところ。
新道の下山は、歩きやすい尾根道なのでスピーディになりがち。膝を傷めないように、調子がよくても優しく下りましょう。また、水は多めに持っておいたほうがいいですね。