こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題はチロロ岳。
沢からのアプローチや、尾根に取り付いてからハイマツ帯を漕いで稜線に出るところなど、典型的な日高山脈の登山を楽しませてくれます。
これから神威岳やカムイエクウチカウシ山などに登る計画がある人には、ぜひその前に体験してもらいたいと思います。
【カムイエクウチカウシ山|日本二百名山】札内川ヒュッテから日帰り|さらに1903峰にも登ってみた
チロロ岳の概要
チロロ岳は、芽室岳からピパイロ岳へと続く主稜線からずっと外れたところにあります。
でも、日高山脈では欠くことが出来ない名山の一つ。
北海道の岳人には大変よく知られた山です。
積雪期に登られることは少なく、無雪期でも沢からのアプローチが主体。
なので、この山に一般登山者が入ることは少ないでしょう。
ただ、沢靴を履かなくても登れるくらい、易しいレベルの登山道なので、登攀用具やそういった技術が無くても山頂へ立つことができます。
北海道夏山ガイド〈4〉日高山脈の山々で、新版北海道の山と谷2でも詳しく紹介されていますので、ご参考ください。
沢靴で曲り沢を詰めて二ノ沢へ
今回訪れたのは9月初旬。
だんだんと夏から秋へと移り変わり、昼の時間が短くなってきました。
しかし9月初旬は沢歩きには良好で、紅葉が進むなか気持ちよく水の中を歩くことができるんですよ。
登山口にはしっかりとした標識が立っており、ここから少しだけ林道を歩きます。でも、ほとんど林道歩きの距離はないので、沢靴で登る場合は、最初から沢靴を履いて出発したほうがいいでしょう。
出発してまもなく、すぐに左岸沿いの踏み後をたどります。
繰り返しになりますが、コースを気にせず歩くことが出来るので、最初から沢靴を履いた方がいいでしょう。
小さな渡渉は数えきれないほど。
登山靴でもストックを使ってうまくバランスを取れば、濡れずに飛び石でクリアできます。
沢歩きは苦手な私。しかも尾根の急登をゼイゼイ言いながら登るのが好きな変人…
でも、沢は歩き始めると面白いんですよねぇ☆
ヘルメットの装着を推奨します。
常に捲き道があるので、水に濡れなくても大丈夫ですが、そのぶん時間はかかります。
やや高度感がある場面も。慎重に行きたいところ。
滝を高捲きする場面もあり、土砂が流出して足元が不安定なポイントもあります。
沢の二股は右へ進みます。マーキングのテープがぶら下がっていました。
ここから水量がグッと少なくなり、木々も黄色く色づき始めます。
山の上部はすっかり紅葉が始まっています。
背後に見えるのは、ペンケヌーシ山の手前にある標高点・1733でしょうか。
沢の水量がかなり少なくなり、水はいつしか枯れてしまいます。
曲り沢を詰めていくと、最終的に標高点・1482の南東の尾根に乗り、そこを越えて二ノ沢の上部に出ます。
二ノ沢は水量が少なくゴロゴロした岩が多いので、尾根で沢靴をデポして登山靴に履き替えたほうがいいでしょう。明瞭なポイントがほとんどないので、帰路にデポした沢靴を見失わないように、木の枝に吊るしてマーキングしておくなどの配慮が必要です。
二ノ沢を詰めて、チロロ岳のコルへ出る
二ノ沢は最初こそ水量がありますが、やがてガレのなかに伏流してしまいます。不安な方は、完全に水が無くなるこの付近で、沢靴を履き替えるほうがいいかもしれません。
一部に水が湧き出ている箇所もありますので、水を採るならこの付近が最後のチャンスです。
沢地形の最後は、背丈の低い草花に囲まれた斜面を登り、チロロ岳と西峰のコルへ出ます。
標高点・1713のコルへ飛び出すと、一気に視界が開けます。
ランチに最適な広場があり、わざわざ山頂まで行かなくても、ここで十分満足できるでしょう。
約100m高いところにあるニセピーク。山頂までおよそ170mくらいの登り。
台形状の山が北戸蔦別岳。右奥が幌尻岳。
ピパイロ岳(左)と1967峰(右)
ニセピークを越えて、憧れのチロロ岳山頂へ
標高1810mのニセピークから先ほどのコルを見下ろと、かなりの高度感を感じます。
ピパイロ岳から幌尻岳への稜線。誰しもが憧れるでしょう。
表大雪の山並み。5日前が初冠雪でした。
チロロ岳からトムラウシ山まで直線距離で80km、旭岳まで96km離れていますが、見えるものですね。
山頂付近から、先ほどのニセピークと背後にチロロ西峰。
清々しい天気に恵まれて、最高の思い出となったチロロ岳。
国境稜線へと続く支稜線。中央奥にあるのがルベシベ山。芽室岳からピパイロ岳まで縦走するとしても、この山に寄る人は少ないでしょう。
帰りも同じ行程ですが、元気な人は西峰にも寄りましょう。
デポしてあった沢靴をしっかり回収し、焦らず慎重に下山したいところ。
日勝峠より日高側で温泉に入るなら、たいていの場合、ひだか高原荘さんになるでしょうか。疲れた体を癒してくれます。水風呂でアイシングも忘れずに。疲労回復が早まります。
※この記事は2014年9月21日の山行をもとに作成しました。