北海道百名山118山のうち、このページでは道南、樺戸・増毛、夕張山地の山々をご紹介します。
道外の方にはあまり知られていないような山々が多いでしょうが、時間に余裕がある方、もっと北海道の山を探りたいと思っている方、積雪期のBCを楽しまれる方は、是非訪れてみて、その魅力に触れていただきたいと思います。
このページをきっかけにそれらの山の存在を知り、書物やウェブサイトで情報を集め、北海道の山々の魅力を感じ取っていただけたら幸いです。
〇他の地域に関しては下記で紹介しています。
北海道の百名山概要【大雪山系】表大雪、十勝連峰、東大雪、北大雪、然別湖周辺
北海道の百名山概要【道東・道北】利尻山、斜里岳、羅臼岳、阿寒岳など
北海道の百名山概要【日高山脈】幌尻岳、カムイエクウチカウシ山など
道南の山々について
北海道の山と言うと、どうしても大雪山系と日高山脈に焦点が当てられがちで、道南の山が賑わいを見せることはあまりありません。登山ガイドさんでもなければ、1年のうちに数十回も山に登るということはないでしょうから、人気の大雪山や日高の山々を優先してしまうと、道南へ訪れることが少なくなるのは仕方がないことかもしれません。
でもちょっと待って。道南は全体的に山深く、海が近いので比高があり、麓と頂上部の様相が大きく異なることも珍しくありません。険しい谷と急峻な尾根が多いのも特徴的で魅力だと思います。
「新版 北海道百名山」「北海道の百名山」に選ばれている道南の山々は、ほとんどがそのような特徴を持った山々で、高山植物に恵まれる山が多いのも魅力と言えるでしょう。
そんな道南地区の山々を簡単にご紹介します。
黒松内岳 標高740m
黒松内岳はわずか740mの山ですが、日高山脈のアポイ岳や道東の西別岳などと並んで、とても楽しむことができる山なんです。登山口まで林道区間が数キロありますが、道は平坦でフラットです。最近では夏道だけではなく、沢からのアプローチも楽しいと言われ、人気があるようです。
大平山 標高1,190m
大平山には高山植物の固有種があり、花の名山としては屈指の人気を誇ります。この山も樹林帯を抜けた後のすっきりとした緑の山肌が魅力的です。花は6月から8月いっぱいまで種類が入れ替わるので、何回も訪れたいですね。
狩場山 標高1,520m
日本海側の名峰の1つで、狩場山は大きな山塊の最も高いピーク。狩場、雷電、積丹、雄冬は海岸線に近いため冬は風雪が強く、7月でも雪が残ります。お花の見どころは初夏の時期。
長万部岳 標高972m
冬はスキーの山として親しまれてきた山で、山頂からは大平山や狩場山などを望むことができます。麓には有名な二股ラジウム温泉があり、下山後に汗を流すにはちょうどいいですね。
遊楽部岳 標高1,277m
この山の山頂へと至る夏道は、かなりのロングコースとして知られており、忠実な尾根地形で標高が低いこともあってか、疲労度も倍増。雨が降ると辛い行程になるので、晴れた日に。
雄鉾岳 標高999m
当初は沢に沿ったアプローチで、とても面白味がある夏道を有し、遊び心をくすぐる要素を持っています。道南の夏山登山では、外せない山の1つでしょう。
乙部岳 標高1,016m
山頂まで車道がついており、レーダー施設を有することもあってか、登山意欲が湧きにくいところですが、訪れてみるとこの山が名山に選ばれる理由がきっとわかるはず。
駒ヶ岳 標高1,131m
山の姿がとても美しく、この山が見えてくると、函館が近いなと感じるランドマーク的な存在。火山活動が続いているため、立ち入りに関して自主規制があります。
大千軒岳 標高1,071m
北海道の最南端にある百名山のひとつで、花の名山としても知られています。知内川からの夏道は、河原歩きと急尾根のミックスされたコースなので、登山自体も十分楽しめます。
恵山 標高618m
登山というより観光客メインが訪れる山で、ツツジがたくさん咲くことで有名です。標高は低いのですが、見晴らし、爽快感などは、訪れる価値が十分過ぎるほどあるでしょう。
函館山 標高334m
夜景で有名な函館山。同じく夜景で有名な香港のビクトリアピークにもトレッキングコースがあるように、ここ函館山もたくさんのトレイルがあって、気軽に訪れることができます。
横津岳 標高1,167m
大沼公園の南にある優しい姿をした山。函館市街地からその姿を見ることができ、山頂から眺める駒ヶ岳も美しい。雪の時期にもたくさんの人で賑わいます。
樺戸・増毛山地の山々
樺戸山地・増毛山地は、札幌市内からでも見ることができることから、道央圏から1~2時間程度で訪れることができます。日本海側に位置していることから、冬型の気圧配置の影響が大きく、11月から3月までは風雪が強いため登山不適のシーズンとなります。また、夏道が開かれている山も限られ、残雪期にスキーやスノーシューでしか登ることができない山々もいくつかあります。
群別岳 標高1,376m
鋭く尖った頂が美しく、多くの人が憧れを抱く山。夏道がないため、多くの人は残雪期に登っています。沢からのアプローチも紹介されていますが、やはり真っ白な頂が魅力的ですね。
暑寒別岳 標高1,491m
増毛山地の最高峰で、日本二百名山にも選ばれています。お花も豊富で、残雪期のスキーも盛ん。夏道も、単独のコースと南暑寒岳からの縦走路もあり、シーズン中は賑わいます。
浜益岳 標高1,258m
浜益村(現在は石狩市浜益区)の地名を冠した山で、どっしりとした姿がとても美しいです。夏道がありませんので、積雪期に浜益御殿を経由して登るのが一般的です。
神居尻山 標高947m
樺戸山地の神居尻山は、林道を走らずにアクセスできること、札幌市から近いこと、コースがしっかりと整備されていること、お花が多いことなどから、初心者におススメできます。
黄金山 標高739m
山の姿がとても特徴的で、山に親しみがない人でも興味を抱き、一度は登ってみたくなるような山。初心者向けですが、山頂部は危険箇所もあるので注意して。
ピンネシリ 標高1,100m
樺戸山地のピンネシリには夏道があります。山頂のレーダー施設まで車道が付けられていますが、ハイキングコースはここを通りません。地元開催の登山マラソンやトレランでも登られています。
夕張山地の山々
夕張山地は直線距離では道央圏から近く、雨上がりの夕方や秋晴れの早朝にはくっきりとその姿を見ることができます。夏道が開かれている山がいくつかありますが、北海道百名山に選ばれている山々は、夕張岳の大夕張コースを除いては、富良野盆地側から登ることになるため、大雪山系に訪れるのとあまり変わらないアプローチを強いられます。なお、豊富な高山植物で有名な崕山へは、自治体主催のモニター登山でないと登ることが出来ません。
崕山 標高1,057m
前述の理由で一般登山者に解放されていない崕山。その魅力は貴重な高山植物の宝庫だということでしょう。いつか植生が戻り、多くの人に解放される時期が来ることを願います。
夕張岳 標高1,668m
日本二百名山という位置付けより、花の百名山として人気を誇る夕張岳。例年6月中旬から1か月間くらいの期間に登山者が集中し、多くの人がお花畑を楽しんでいます。
富良野西岳 標高1,331m
芦別岳に劣らず美しい姿の富良野西岳。スキー場があり、山頂に立つことは難しくないが、十勝連峰や大雪山方向の眺めは素晴らしく、芦別岳も大きく見える。
芦別岳 標高1,727m
日本二百名山にも選ばれていて、鋭く尖った姿が魅力的。夏道は旧道コース、新道コースがあり、距離が短い新道コースでもボリュームがあるので、山頂に立った喜びは大きい。