こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は、中国本土の広州市と深圳市を結ぶ広深線(和諧号)について。
2018年の秋、香港の西九龍から広州南駅へ最短47分で結ぶ高速鉄道が開業しました。
しかしながら広州南駅は広州市の中心街から遠く、従来の広深線よりもかなり割高な料金設定となっています。
そのため、依然として旅行者にとって利便性が高い和諧号について、乗り方をまとめてみました。
香港を訪れる多くの日本人が、気軽に深圳市や広州市へ足を延ばしてもらえたら幸いです。
広州市の魅力については下記の記事も併せてお読みください。
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広州~深圳間の鉄道(概念図)と料金について
まず上の画像のように、北側のルートを行くのが従来から利用されている広深線(和諧号)、南側のルートを行くのが2010年代に入って整備された高速鉄道です。
前述のとおり、高速鉄道は最近になって香港の九龍西駅まで延伸され、ますます利便性が良くなりました。
ここで料金についてのお話をしますと、
- 高速鉄道2等席の料金は、香港の九龍西駅~広州南駅の区間で200元前後が相場
- 広深線和諧号2等席の料金は、広州東駅~深圳駅(羅湖)の区間で79.5元、深圳市の羅湖駅から香港の紅磡駅の区間で40香港ドルです。
つまり、高速鉄道は40%~50%くらい割高になるということがわかります。
それほど急ぐ必要がなければ、従来の広深線和諧号の方がコスパで勝るのでおすすめです。
広深線(和諧号)乗車方法の基本
続いて和諧号に乗車するときの手順を詳しく解説していきます。
私もまあ3度しか中国本土を旅行したことがないので、初心者の視点で説明します。
まずは乗車の基本的な流れは次の通りです。
- セキュリティチェックを受けて駅構内に入場する
- 窓口で乗車券を購入する
- 改札口でパスポートのチェックと顔認証をして待合室に入る
- ゲートが開いたらホームへ下りて列車に乗る
- 指定された席に座る
続いて下車時の基本的な流れです。
- 到着したら下車をして人の流れに乗って出口へ向かう
- 改札で乗車券のQRコードをかざす
- 駅構内から退場する
以上の流れです。どうです?イメージが湧くでしょうか?
実はこれ、中国本土の地下鉄や飛行機とほとんど一緒なんですよね。
ポイントは、まずX線検査機で荷物と身体のセキュリティチェックを受けてから、駅の構内へ入ること。
乗車券の購入はそれからになります。
なお、深圳駅および広州東駅で駅職員と直接やり取りするのは、乗車券の購入時のみです。
まずはセキュリティチェックを受けて駅構内へ入る
上の画像は広州東駅の駅構内(内部)から見た様子です。
広州東駅では1号門から駅構内に入ります。ここで最初にセキュリティチェックを受けます。
地下鉄で広州東駅に到着した場合、地上に上がると右手に2号門がありますが、こちらは駅構内からの出口専用となります。
左に曲がるとすぐにセブンイレブンがありますので、そちら側から1号門へ。
ここでセキュリティチェックを受けます。
セキュリティチェックのときに、たまに広東語で話しかけられることがありますが、手にペットボトルの水を持っている場合や、ポケットにゴチャゴチャ入っている場合くらいです。
なお中国の空港では、機内持ち込み手荷物の中に折りたたみ傘が入っていると、PCやスマホと一緒にカバンから出すように要求されます。
深圳駅から広深線に乗車する場合、羅湖口岸を背にしてまっすぐ進むと、左手に広深線の入口があります。
深圳駅は羅湖口岸に近い方が入口、羅湖口岸から遠い方が出口です。広州東駅同様に、出入口にも動線が決まっています。
なお、途中に自動券売機が並んでいます。
広東語が話せないのと英語が通じずらいこともあって、ついつい自動券売機で購入したいところなのですが、日本人はまずセキュリティチェックを受けて駅構内に入り、きっぷ売り場で対面にて購入します。
乗車券の購入方法
続いて乗車券の購入方法です。
広州東駅は駅構内が広いので迷子になりがちですが、セキュリティチェックを受けて左手にしばらく進んだところにきっぷ売り場があります。
いっぽう、深圳駅は駅構内が狭いのですぐにきっぷ売り場があります。
広東語が話せない場合は筆談で大丈夫なので安心してください。
深圳駅から広州東駅へ行くならば、
「广州东 二等座 一票」と書いて現金とパスポートを提示するだけ。
簡体字は私たち日本人でも書けないものですが、ちょっと学習するだけで書けるようになります。
私は中国語検定準4級という最低級を持っていますが、勉強をしたのはキクタン中国語【入門編】中検準4級レベルのみ。英語もそうですが、会話レベルとなるとかなりの勉強時間と本気度が必要になりますが、識字だけなら短期間で最低限の識字が出来るようになります。
これ、ハングルも一緒。1時間でハングルが読めるようになる本なんて手に取ったらわかりますが、記号にしか見えなかったあの文字がすぐに読めるようになるんですよ。
識字と挨拶だけでも覚えておくと、旅が楽しくなりますよ。
さてさて。
乗車券の購入にはもちろんAlipayやWeChat PayといったQRコード決済もOKですが、最近の中国では現金を使う機会が少ないので、こういうときこそ現金を使った方がいいかも。
列車はどれに乗るかも指定することができます。
窓口に並ぶ前に駅構内の電光掲示板で自分が乗りたい列車番号を確認し、自分で指定したほうがいいでしょう。
すぐ次に来る列車を指定しても大丈夫ですが、初めての場合は少し余裕をみて30分くらい後(2~3本後)の列車番号を指定したほうがいいかも。
その場合「深圳 二等座 一票 C7185」のように書きます。
特に広州東駅から深圳へ向かう場合は、駅構内が広いので時間に余裕を持ちたいですね。
乗車券はこのような感じ。QRコード付きの乗車券です。
ちなみに窓口での接客態度が良くないことがあって腹が立つかも。
乗車券と釣銭、パスポートをサイドスローでプイッと投げ返されることもあります。でもいちいち驚いてはいけません。日本を基準に考えないほうがいいです。
こちらは広州東駅の自動券売機。
中国のIT化は急速に進むので、外国人でも購入できるようにすでにアップデートされているかもしれません。
身分証チェックと顔認証をして待合室へ
無事乗車券を購入することができたら待合室へ入ります。あとは誰とも話す必要がありません。
待合室の手前には自動改札のような機械がありますが、ここでは乗車券は不要です。では何をするのかと言うと、パスポートの照合をします。
上の画像ではゲートに番号が書かれていますが、そのすぐ上のリーダー部にパスポートを開いてかざします。
イメージ的には空港の自動化ゲートと一緒です。
次に、正面にカメラがあります。そこに顔を向けると顔認証をするので、問題なければゲートが開きます。
パスポートはこれ以降使用しないので、カバンの中にしまって大丈夫。
こちらは広州東駅。基本的には深セン駅と一緒です。
なお余談になりますが、最近の中国本土では入国審査の列に並ぶ前に、セルフで指紋をスキャンする機械が導入されています。
これを取っておかないで列に並ぶと、入国審査にやや時間を要すことも。
羅湖口岸も広州白雲国際空港もそうでした。
成田空港第1ターミナルもスタンプが廃止がされていたり、シンガポールのチャンギ国際空港第4ターミナル、韓国の仁川国際空港も自動化ゲートになっています。
全世界の国境では日々進歩していますよね。
パスポートのチェックが完了すると、中は待合室に入ります。たかだか待合室に入るために随分と苦労しますよね。
深圳駅の待合室は比較的狭いのですが、広州東駅はかなり広め。
どちらの駅にもコンビニやトイレがあり、ビールも販売しています。
広州東駅ではSIMカードや香港の交通系ICオクトパスカードも販売しています。
中国本土を旅行する場合、「壁越え」が出来るSIMカードがないと、GoogleやFacebookなどに繋げられないのはご存知の通りですよね。
当サイトでは繰り返しお伝えしていますが、SIMカードは日本であらかじめ調達して行った方がずっと楽チンです。数百円をケチって現地で調達するのはコスパが悪いですよ。
中国本土はやっぱりチャイナユニコムのSIMカードが格安でおすすめ。もちろん、音声通話をする人にはおすすめできませんが。
オクトパスカードは香港ではマストアイテム。地下鉄の駅でもカンタンに購入することができます。
また、広州市の交通系IC羊城通も持っていると便利。購入方法は下記にて。
【羊城通】中国広州市地下鉄ICカードの買い方。中国語や英語ができなくても筆談で大丈夫!
さて、話を戻します。
待合室には次の列車の乗客だけが待機しているわけではありません。電光掲示板をよく確認し、自分が乗る列車の改札が始まったら他の乗客と一緒にホームへ下ります。
こちらは深圳駅の改札。改札中の列車番号がモニターに表示されてます。
上の画像ではC7040という番号の列車です。
ちなみに、同じ時間帯に2本の列車が同時に改札されることがあります。その場合、右のモニタと左のモニタで異なった番号が表示されることがあります。
改札が始まったら人の流れに乗ってホームへ。
深圳駅でも広州東駅でも、待合室からホームへ下りる際に乗車券やパスポートを提示する必要はありません。
乗車時間約100分。和諧号の車窓から広東省の眺めを楽しもう
改札口から人の流れに乗ってホームへ着くと、すでに列車が到着しています。
自分の乗車券に印字された車両番号を探して列車に乗り込みましょう。
例えば「04车15F号」と書かれていれば、4号車の座席15Fという意味。
広州東駅のホームはとてもわかりやすく、車両番号が書かれた表示がありました。
二等座は2列ー3列の5列シート。
基本的に一方を向いていますが、真ん中だけなぜか向かい合わせでテーブル付き。
途中で検札もありませんので、行き先が一緒であればお客同士の席の交換は問題ないでしょう。
下車時の流れについて
深圳駅もしくは広州東駅(一部は広州駅)はそれぞれ終着駅なので、到着後は全員下車します。
ここでも人の流れに沿って出口を目指せば大丈夫。
ちなみに広州市と深圳市の地下鉄のマークは異なりますが、どちらも簡体字で地铁と書きます。
一番最後の出口に自動改札があるので、ここで乗車券のQRコードをかざします。
ゲートが開いて、外に出られます。
深圳駅では羅湖駅正面広場の奥側なので、そのまま香港へ向かう方はちょっと歩くことに。
地下鉄に乗って深圳市内を移動する人はそのまま地下へ下りれば大丈夫です。
市内バスの乗り場は広場の反対側の左手、郊外へのバス乗り場は広場の反対側の右手、羅湖商業城の1階となります。
広州東駅では出口専用の2号門を出ると左手にセブンイレブンがあり、その脇から地下鉄に乗ることが出来ます。
広州東駅でお出迎えがある人は、2号門を出てすぐのところがミーティングポイントになっていて、空港のように名前が書かれたプラカードを持った人が待っています。
この付近の端っこでタバコを吸っている人も多く見かけました。喫煙をする方はどうぞ。
なお広州東駅の地下は、大きなショッピングセンターになっています。イオンやフードリパブリックも入っています。
買い物やひとり飯にも便利ですよね。
最後になりますが、今回ご紹介した広深線和諧号や高速鉄道の乗車券は、Trip.comでも予約することが出来ます。Trip.comは中国最大手の旅行サイトCtripの国際ブランドなので、中華系のホテルや航空券に関しては断トツで強いです。