こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は、北海道百名山。
この記事では「新版 北海道百名山(山と渓谷社)」および「北海道の百名山(北海道新聞社)」のなかで、日高山脈から選ばれている23の山々を紹介します。
日高山脈の概要
子供たちに山の絵を描かせると上部が尖った三角形の絵を描くことが多いのですが、日高山脈の山々のほとんどがそのような形をしています。
その美しさを一度知ってしまうと、沢の技術や雪山の技術を身に付けていつかは全て登りたいと思いを描くことでしょう。
そんな山をこよなく愛する人が選んだとあってか、前出の2冊の合計118山のうち日高山脈から23もの山々が選ばれています。
残念ながらいくつかの山々には夏道が無く、沢歩きや積雪期の登山となるわけですが、夏道があってもハイマツ帯が濃くて時間がかかり、歩行時間がゆうに10時間を超える行程があるなど、一般登山者を遠ざける要素がたくさんあります。
また2016年の台風・大雨による被災により、未だ多くの登山口へ通じる林道が不通になっており、序盤に沢歩きが含まれる登山道では倒木等による荒廃も深刻です。
お出かけの際には、最新の情報を収集することを推奨します。
北海道百名山に選ばれている日高山脈の山々
1.佐幌岳 標高1,059m
サホロスキー場で有名な山。開発の手が加えられると登山対象としてはやや魅力に欠けるかもしれませんが、日高山脈の北端ならではの眺望が楽しめます。
2.チロロ岳 標高1,880m
林道からのアプローチ、沢を源頭部まで詰めてお花畑を通って稜線へ。そんな日高らしさを堪能できるのがチロロ岳です。主稜線よりもさらに北側なので、とても眺めがいい山です。
3.剣山 標高1,205m
日高山脈の主稜線より東に位置するため、山頂からは山々の眺望が良く、十勝平野も広く見渡せます。山頂部の岩場が特徴で地元の里山的な存在。
4.芽室岳 標高1,753m
日高山脈の国境稜線上の山で、ピパイロ岳へと続く稜線の北側に位置します。ピパイロ岳への縦走路はありません。中級者でも日帰りでき、標高も高くて眺めが良い山です。
5.伏美岳 標高1,791m
十勝幌尻岳と並んで北日高の展望台の山で、沢歩きをせずに山頂へ登れることもあった人気の山です。奥にあるピパイロ岳や1967峰への玄関口にもなります。
6.ピパイロ岳 標高1,917m
通常ピパイロ岳へはまず伏美岳に登り、主稜線を伝っていったんコルまで下りて、再び登り返すことで到達できます。日帰りでもたいてい10時間以上を要する遠い山です。
7.1967峰 標高1,967m
残念なことに山名がありませんが、日高山脈で3番目に高い山とあってとても存在感があり、山頂へは容易に登らせてくれません。通常はピパイロ岳から縦走します。
8.北戸蔦別岳 標高1,912m
チロロ林道から沢を歩いて尾根に取り付き、ヌカビラ岳を経て山頂へ至るのが一般的なルート。ここを起点に、戸蔦別岳や幌尻岳、七つ沼カールなどへも行くことができます。
9.戸蔦別岳 標高1,959m
鋭く尖った頂は遠くからでも確認することができ、登ってみたいと強く感じる山です。単独ではなく、幌尻岳とセットで登ることが多いと思います。
10.幌尻岳 標高2,052m
国境稜線から離れているものの、日高山脈では最も標高が高くて大きく、唯一の2,000m超えの山。日本百名山に選ばれていることもあって、訪れる人がとても多いです。
11.十勝幌尻岳 標高1,846m
カチポロの愛称で親しまれ、その大きさに圧倒される存在感のある山。国境稜線から少し離れているので、隣の札内岳やエサオマントッタベツ岳を始め、日高の主要な山々が見えます。
12.札内岳 標高1,895m
「北海道の百名山」に選ばれている夏道がない山。ため息が出るほど美しい山容にあこがれを抱く人も多いはず。通常は沢か積雪期に登ります。
13.イドンナップ岳 標高1,752m
沢歩きをしなくても登れる山ですが、道も荒廃気味でロングコースとあって、訪れる人が限られているようです。そのうち夏道が消滅しないかと心配しています。
14.カムイエクウチカウシ山 標高1,979m
通称カムエク。日本二百名山の中で、難易度が最も高いと言われることが多い山。札内川ヒュッテから八ノ沢を詰めるルートが一般的ですが、相応の経験や体力など実力が必要。
15.コイカクシュサツナイ岳 標高1,721m
北海道で最も急登と言われることが多い夏尾根を登り、国境稜線に達した先にあるピーク。通称コイカク。1839峰やカムエク、1823峰などの展望が大変素晴らしいです。
16.1839峰 標高1,842m
日高山脈の中ではとても有名で、特徴ある風格を持っています。夏に登ることができる山としては北海道内で最も登山口から遠い山とされ、通常2泊3日の行程で登られます。
17.ペテガリ岳 標高1,736m
東尾根がほとんど廃道化している現在では、西尾根からの登山がメインとなります。長きにわたって林道が不通のため、神威山荘付近が事実上の登山口となり「遥かなる山」です。
18.ピセナイ山 標高1,027m
林道歩きさえなければ、比較的簡単に登れる山で、日高山脈の主稜線から離れているため、山頂からの眺めが大変素晴らしいですね。おすすめします。
19.神威岳 標高1,600m
日本三百名山にも選ばれていて、南日高を代表する山の一つです。この山も林道、沢、急な尾根を経て山頂へと至るため、日高らしい登山を満喫できるでしょう。
20.ピリカヌプリ 標高1,631m
「北海道の百名山」に選ばれている山で、夏道がありません。沢は難しく、残雪期で最もポピュラーなルートでも、長大な稜線歩きとなるので、一般登山者には困難。百名山118山の最後に登られることが多いようです。
22.野塚岳 標高1,351m
この山も「北海道の百名山」に選ばれている山で夏道がありません。野塚トンネル十勝側出口からスノーハイクで登られ、日帰りができるてめに、残雪期は多くの人で賑わいます。
23.アポイ岳 標高810m
日高山脈の主稜線からは外れますが、知名度が断トツで高い花の名山。小学生のハイキングでも登られるくらい親しまれています。高山植物の固有種に恵まれ、花の百名山(田中澄江)にも選ばれています。
登山に役立つガイドブックなど
情報元となっている新版 北海道百名山(山と渓谷)と北海道百名山(北海道新聞社)の両方がすでに絶版となっていることから、個人間で譲り受けるか古本市場で入手するなどが現実的です。
現在流通している書籍の中では、北海道夏山ガイド<4>日高山脈の山々がほぼ網羅されているのですが、2016年の林道被災以前の情報となるため、登山口までのアクセスについては別途情報集が必要です。
ただし、夏道がないカムイエクウチカウシ山、札内岳、野塚岳、ピリカヌプリに関しては、新版北海道の山と谷2に記述が多く、沢や雪山に登らない方でも、きっと夢が膨らむでしょう。
〇他の地域に関しては下記で紹介しています。
北海道の百名山概要【大雪山系】表大雪、十勝連峰、東大雪、北大雪、然別湖周辺
北海道の百名山概要【道東・道北】利尻山、斜里岳、羅臼岳、阿寒岳など
北海道の百名山概要【道南、樺戸・増毛、夕張山地の山々】夕張岳、芦別岳、暑寒別岳、渡島駒ヶ岳など