総合旅行業務取扱管理者|会社員が独学で資格を取得するための試験対策

旅行業務取扱管理者

 

一昨日の話ですが「2018年度総合旅行業務取扱管理者試験」を受験してみました。

 

これから独学で勉強する会社員の方を対象に、コストや時間をかけずに効率的に勉強する方法について、私の体験談を交えて話します。

 

 

記事の内容は次の通りです。

  1. 私の略歴
  2. 私の勉強法(時間配分や投入時間)
  3. 試験当日の対策、優先順位
  4. 終わりに

 

これからこの「資格を取得してみたい!」と漠然と考えている方の参考になれば幸いです。

 

 

はじめに、私の受験歴について少しお話します

 

まず、私についていくつかお話します。

 

現在年齢45歳になりますが、旅行業界での勤務経験は全くありません。

 

製造業の会社員。

 

でも一人旅が好きなので、週末を中心によく旅行に出かけます。 

 

過去に受験した一般旅行業務取扱管理者試験について

 

今から20年ほど前に、一度だけ「一般旅行業務取扱主任者」試験(現在の「総合旅行業務取扱管理者」試験)を受験し、不合格になった経験があります。

 

その時は「旅行業法」「約款」「国内旅行実務」の3科目が合格ラインに達したものの「海外旅行実務」が不合格になったらしく、「国内旅行業務取扱主任者」資格を付与されました。

 

 

そのため、今回の試験では「旅行業法」「国内旅行実務」の2科目について試験免除となり、「約款」「海外旅行実務」の2科目のみの受験となりました。

 

「海外旅行実務」に集中して勉強できるというのは、かなりのアドバンテージとなります。

 

最初に結論を申し上げておくと、初めて総合旅行業務取扱管理者試験を受験する方、特に実務経験なく独学で取り組まれる方は、私のように「国内旅行業務取扱管理者」に焦点を当てて取り組むことをお勧めします。

 

 

私の海外への渡航歴

 

つぎに渡航歴ですが、このブログで紹介している通りアジアの国々を中心に20回ほどの渡航経験があります。

 

基本的にはLCCを利用した単独での旅行で、個人で航空券やホテルを手配し、空港でのチェックインから出入国手続きをすべて自分で行っています。

 

旅行業者が提供するパッケージツアーを利用したことがないため、試験で問われるような「募集型企画旅行契約」について、実践的な知識はほとんどありません。

 

地理に関しても比較的詳しい方かもしれませんが、旅行業に携わる方に比べると足元にも及ばないレベルです。

 

 

それでも、海外渡航を重ねると出入国等や旅券等に関するイメージが蓄積されるので、学習する際にプラスに働くことは確かでしょう。

 

 

この人、英語は話せるの!?

 

「海外旅行実務」試験では、英語の試験もあります。

 

私の英語力は英検2級(これも20年ほど前に取得)レベルで、それからほとんど実力が伸びていません。

 

英会話に至っては今でもほとんど出来ません。

 

対面での会話では、相手の配慮があって初めて理解できる程度です。

 

 

それでも何度か海外渡航した経験から、試験で出されるようなインフォメーション的な文章は読みやすいと感じています。

 

 

例えば今回の試験で出されたような、現地でのオプショナルツアーのような情報では、どの部分にどのような内容が書かれているのかを推測しながら読むことはできます。

 

英語力も大切ですが、実は文章を読み取る国語力も必要だと感じています。

 

いずれにせよ、4年生大学を受験する程度の力があれば大丈夫でしょう。

 

 

旅行業務取扱管理者|私の勉強法について

ユーキャンの旅行業務取扱管理者

 

「総合旅行業務取扱管理者」試験は例年10月第2週に行われますが、私が取り組もうと思ったのは5月頃だったと記憶しています。

 

テキストはユーキャンの2018年版旅行業務取扱管理者(速習レッスン)のみ。

 

ちなみに、このテキストの価格は本体2,800円+税で、試験の申込みには6,500円かかっています。

 

 

さらに余談になりますが、試験当日は会場まで自転車で移動し、当日の昼食代が「てんや」で食べた天丼の540円なので、試験に要したコストは全部で10,064円ということになります。

 

試験会場から遠くにお住いの方以外、費用はこれ以上かかりません。

 

 

でも会社員にとって一番の負担は、お金ではなく時間です。 

 

 

ですから効率的な学習が欠かせません。

 

社内で課せられている研修の一つだと思って、要点を中心に短期集中で取り組みましょう。

 

 

学習するポイントを選別し、配点が少ない場所は切り捨てる

 

私自身が合格したか否かについては今のところわかりませんが、試験内容を見る限り、「約款」と「海外旅行実務」に関して言えば、1冊のテキストに全てが網羅されていました。

 

私のように独学で勉強する人にとって最初にやらなくてはならないことは「試験の出題傾向の理解」と「努力の配分を決めること」です。

 

言い換えれば、学習の計画を立てる、つまり青写真を描くことが大切です。

 

 

繰り返しになりますが、会社員にとっては日々の時間の使い方が大切。

 

 

ユーキャンのテキスト「2018年度旅行業務取扱管理者」では、各章の冒頭に「出題分析と試験対策」のページがあり、過去5年間の試験で出題されたカテゴリと出題数が書かれています。これが便利!

 

さらにページの下半分に僅か数行で書かれている「試験対策」を読めば、努力を集中すべきポイントがわかりますので、膨大な時間の節約ができます。

 

要するに「学習すべきこと」と「学習しない(あえて切り捨てる)」ポイントについて、最初に決めてしまうのです。

 

これが大人の勉強法です。

 

 

英語は普段から慣れ親しむしかない

 

実のところ、私の場合英語を全く勉強していません。

 

ユーキャンのテキストには僅か8ページしか該当ページがありませんが、関連する旅行英単語が列挙されています。

 

正直申し上げて、私はこれすら読んでいません。

 

 

英検2級程度(TOEICで言えば520点が私のレベルですが、、、)があれば十分です。

 

それでも私は、自身の語学レベルを向上させたいという意欲が強いため、日頃からYouTubeを利用して英語のシャワーを浴びるようにしています。

 

 

いっぽうで英検2級レベルに満たない方であれば、英語の勉強は必須。

 

これは海外旅行実務とは別物だと思っていいでしょう。

 

 

すでにそのくらいのレベルの方であれば、英語の勉強は不要だと思います。

 

 

海外の観光資源対策はテキストとGoogleの画像検索の併用

 

「海外の観光資源」について、設問が20問用意されています。

 

1問の配点は2点なので、すべて合格しても全体の20%。

 

それなのに出題範囲が広くて深すぎます。

 

 

2018年の試験では、私がこれまでに訪れたことがある中国、タイ、台湾、カンボジアについて出題されておりました。

 

それでも正解しているかどうかが、判然としないくらい難しいです。

 

 

とは言っても勉強しないわけにはいかないので、試験勉強の当初から少しずつ息抜き程度に学習することをお勧めします。

 

私の勉強方法は、次のパターンです。

  1. テキストの太文字と赤文字について、グーグルの画像検索をする。
  2. ウィキペディアに情報があれば読んで内容を把握する。
  3. グーグルマップで位置関係を調べる。

この繰り返しをします。

 

今回の試験であったような「ルーブル美術館に収蔵されている絵画をすべて選びなさい」などの設問は、こういう勉強を繰り返してイメージを定着させることが大切になってきます。

 

 

それと、私はこれまでアジアを主に旅行してきましたが、海外旅行の王道(世間の幅広いニーズ)は欧米であり、観光資源もヨーロッパに集中していることを痛感しました。

 

ですからここの学習は最も力を入れるべき場所で、優先順位は最も高いと思います。

 

アジアや中東、中南米、アフリカなどは、世界遺産に登録されているような主要な観光名所や、台北やソウルなどトレンドとなっている場所のみに的を絞るべきです。

 

これが海外の観光資源に関する学習のポイントであり、私の勉強法でした。

 

それでも私はこのカテゴリの結果は壊滅的でした、、、

 

そのくらい難しい、と考えるべきです。

 

 

OAGや時差、飛行所要時間などに関する設問

 

この分野も暗記が必要になります。

 

ただ私の場合、渡航経験がかなり役に立ちました。

 

 

まず、アジア圏の航空会社や都市コードや空港コードは、すでに頭に入っているので、すぐにピンときます。

 

時差についても資料を見なくてもわかりますし、すぐにイメージが湧きます。

 

これはOAGを理解したり読み取りしたりする上で、解答時間の短縮となり大きなアドバンテージとなりました。

 

 

さらにこの分野は確実に得点が取れるカテゴリですので、暗記を含めて実践的な学習と習得をすべきだと思います。

 

 

旅行業務取扱管理者|試験当日の対策と優先順位について

試験会場

 

さてここからは、当日の試験対策についてお話していきます。

 

私の場合は2科目受験ですので「約款」と「海外旅行実務」に分けてお話します。

 

 

約款

 

試験当日は、午前11時00分から午前11時40分までの40分間で「約款」の試験があります。

 

試験会場へは10時30分から入れますので、10時20分くらいに現地入りして、直前に最後の「悪あがき」をしましょう。

 

特に数値的なものを最終確認する程度。

 

なお「約款」に関して「私の勉強法」では触れませんでしたが、これもテキストの「出題分析と試験対策」にある個所を2回ほど通読して概要を抑え、当日の午前3時から午前6時までの3時間で集中して暗記しただけです。

 

「約款」は繰り返し同じ箇所が出題されています。

 

 

ただし重要なポイントが2点あります。

  • 出題数30問に対して、回答時間が僅かに40分間しかないため、平均回答時間1分20秒で素早く解答していかないとならない。
  • 小難しい文章を正確かつ短い時間で読み取る日本語力が必要になるため、普段から本や新聞を読む習慣がない方や、オフィスでのデスクワークより現場での作業が中心の職種の方、職業経験が少ない学生さんなどにはハンデがある。

ということです。

 

そのための対策として、

  • 徹夜等はせず十分な睡眠を取って、高い集中力で挑める体調管理が必要
  • 「正しいもの(誤っているもの)を一つだけ選びなさい」という問題では、選択肢を上から読んでいって確実にこれが正解だと思う選択肢が分かった時点で次の問題へ移る(それ以降の選択肢は読まない、悩まない)。

要するに「集中力の維持」と「時間短縮」こそが「約款」の試験対策になります。

 

 

【実は一番重要】お昼休みをどのように過ごすか

 

さて、核心部の「海外旅行実務」です。

 

2科目受験の場合、お昼休みを挟んで13時30分から14時50分までの80分間が試験時間になります。

 

お昼休みが約1時間50分もあるため、ここで集中的に最後の悪あがきをしたいところですが、これはお勧めしません。

 

なぜなら、その後の試験で集中力を失う可能性があるためです。

 

 

普段の勉強で5時間くらい集中して勉強できる人なんて、そうめったにいないもの。

 

人間の脳は、集中とリラックス、それと身体的な運動が必要なのです。

 

 

そこで私は、次の2つをお勧めします。

  1. 徒歩でお店まで昼食を取りに行き、早めに切り上げて会場で15分くらい昼寝をする。
  2. 徒歩でお店まで昼食を取りに行き、そのまま街をブラついたりカフェでコーヒーを飲んだりして、気分転換してから会場に戻る。

ポイントは2つです。

  1. 昼食をとるために体を動かすこと。
  2. 短い時間の昼寝や、街中の心地よい喧騒の中で気分転換をして、脳を休ませる。

これをすることで午後の80分間を集中し、力を出し切ることが出来ます。

 

脳だって身体機能と一緒で、パフォーマンスを最大限に発揮するのが大切。

 

頭脳プレイヤーだってアスリートと何ら変わらないのです。

 

 

朝、会場へ来る途中のコンビニで調達してきたおにぎりと、ペットボトルのお茶を会場で食べて、すぐに最後の勉強に取り掛かるなんて絶対ダメです。

 

それでは良いパフォーマンスが出せません。

 

 

海外旅行実務

英語

 

海外旅行実務は80分で問題数が52問です。

 

平均すると1問当たり約1分30秒となります。

 

 

そのなかでも時間がかかるのは「国際航空運賃」と「英語」になり、しかもここの配点がそれぞれ40点ずつありますので、かなりウエイトが高くなります。

 

そこで、優先順位は次のように進めます。

  1. 海外観光資源の20問から始めて、わかならいところは適当にマークして完了。
  2. OAGやCIQ法令をテンポよく解答する。
  3. 核心部の国際航空運賃に手を付けるものの、英語は大設問1問あたり10分を確保(20分残す)
  4. 最後に英語に10分ずつかけて、余った時間で国際航空運賃へ戻る。
  5. さらに時間があればCIQ法令を見直す(実際にはありませんでしたが、、、)

これが私にとっての最適解でした。

 

 

英語の読解はいくらでも時間をかけてしまいがちなので、始めと終わりの時間をしっかり設定します。

 

前出の通り「OAG」は事前に学習しておけばかなり時間を短縮し、しかも正確に解答できます。

 

 

また「CIQ法令」も「約款」と同様に、時間をかけずに集中して正確に読み取ります。

 

これらは、テキストの内容を正しく暗記していれば、それほど悩まずに素早く答えられるはずです。

 

 

問題は「国際航空運賃」。

 

これは事前に問題集を購入して勉強すべきだったと反省しているところです。

 

「マイレージの計算」「HIPチェック」「CTMチェック」について正しく理解しており、「特別運賃」について資料を正確かつ素早く読み取ることができれば難しくない、というのが感想です。

 

私はここの学習と対策が不十分でした。

 

明かしますが、実はほとんど一夜漬けです。

 

当日の朝6時から2時間だけ読み込んで、「マイレージ計算」→「HIPチェック」→「CTMチェック」の手順を覚えたのでした。

 

でも手順さえ覚えておけば、解答の選択肢の4択からすぐに2択まで絞ることができます。

 

資料の読み取りのコツさえ掴めば、そのくらい実務的なものなのです。

 

 

「国際航空運賃」は「実務」。

 

ふだんこれを仕事している方であれば、きっと難しくないだろうと容易に推測できます。

 

もし不合格になった場合、次年度では「実務」として「資料の見方」に焦点を当てて反復演練していきたいです。

 

 

旅行業務取扱管理者試験|終わりに

旅行業務取扱管理者試験

 

この試験の良いところは、実務経験がなくとも受験できるところにあります。

 

これは、旅行業界への就職に際して幾ばくかのアドバンテージになることでしょう。

 

また社会人であれば、私のように業界が全く違っても自分の自信につながりますし、どこかで何かの役に立つかもしれません。

 

 

そしてもう一つ。

 

「海外旅行実務」を落としても残りの3科目さえ合格ラインに達すれば「国内旅行業務取扱管理者」としての資格を付与されることは大きなメリット。

 

なぜなら、最終的な目的が「総合旅行業務取扱管理者」資格を取得することだから。

 

これは冒頭にお話しした通りです。

 

 

翌年の試験で「旅行業法」「国内旅行実務」の試験を免除されることは「2年かけて2科目ずつ合格し、資格を取得する」ということとほとんど一緒。

 

特に「英語」や「海外観光地理」を苦手とする場合は、この手法で攻略するのが賢いやり方ですし、私の様な会社員にとっても短期集中で効率的な学習が出来ます。

 

 

初年度は「国内旅行業務取扱管理者」に焦点を当てて必達目標とし、翌年に2科目免除で「総合旅行業務取扱管理者」に合格しよう、そんな中期計画で臨むことをお勧めします。

 

 

文中で何度かご紹介しましたが、試験勉強に当たってテキストの選択に悩んだ場合は、ユーキャンのテキスト一択で大丈夫です。

 

余談ですが、私は調理師免許もユーキャンのテキストで取得しました。

 

筆記試験はユーキャンにおまかせでいいでしょう。

 

 

独学でこの試験に挑まれる会社員の皆さん、コストをかけずに短期集中で試験に合格しちゃいましょう!