今日の話題は、韓国の世界遺産海印寺(ヘインサ)について。
海印寺を訪ねてみたい方へ向けて、
- 釜山駅から東大邱駅までKTXへ移動し、大邱からバスで海印寺まで移動する方法
- 海印寺から、裏山の伽倻山をハイキング
について紹介します。ちょっと強硬プランですが釜山から日帰りで往復します。夕方には釜山で楽しい夕食タイムを過ごせます。
海印寺へは大邱(テグ)からバス1本で行くことができます。私のように朝鮮語が話せない一般旅行者にとってはややハードルが高いかもしれませんが、最低限の情報だけ集めて行ってみました。
今回の訪問に関しては、プサンナビさんの情報が大変役に立ちました。海印寺については後半に触れるとして、この記事では伽倻山のハイキングをメインにお伝えしていきます。私は2017年と2019年に2度訪問していまして、今回は2017年に訪れたときの様子です。
釜山駅からKTXを利用して東大邱駅へ行く
釜山から大邱への行き方にはいろいろありますが、移動にはKTX(新幹線)の利用が便利です。その理由は、
- 移動時間は約50分と最も早い
- 便数が多く、定刻で運行される
- 指定席なので確実に座ることが出来る
- 事前予約によって購入ができ、購入方法もクレジット決済でカンタン
ということで、利用しない方がもったいないです。なお、釜山と東大邱との片道運賃は17,100ウォン(2017年5月現在)でした。
KTXの乗車券は、KORAILの日本語サイトで、事前に予約とクレジットカード決済をすることができます。
駅では、決済時にに取得したスクリーンショットの画面とパスポートを見せるだけで、乗車券を発券できます。会話は必要ありません。
今回のように伽倻山に登ることがメインであれば、行動開始時間は早いほうがいいでしょう。私は釜山駅発5時20分(始発の次の第2便)のKTXに乗って東大邱駅へ行きました。
KTXへの乗車方法はカンタン。
- 駅の窓口で乗車券を発券してもらう。
- ホームへ下りて、列車が来たら乗車する。
- 指定の座席に座る。
たったこれだけ。日本とは異なり改札口はありません。その代わり車内での検札があります。
車内での飲食も問題ありません。
ちなみに釜山は始発駅なので、ちょっと早めに着いても列車に乗って出発を待つことができます。
東大邱駅から大邱西部市外バスターミナルへの行き方
海印寺へ向かうバスが発着するのは大邱西部市外バスターミナル。
大邱西部市外バスターミナルは地下鉄1号線の聖堂池駅のすぐそばにあります。そのため、まずは地下鉄に乗り換えて聖堂池駅を目指しましょう。
※追記 現在は聖堂池駅ではなく西部ターミナルに名称が改められています。
東大邱駅へ着いたらまずは屋外へ出て、左手にある新世界百貨店方面へ歩きます。東大邱駅は釜山駅より大きいので迷わないように気を付けて。
ハングルが読めないとちょっと苦労しますが、地下鉄1号線のホームに降りたら、中心街へ向かう路線を確認しましょう。駅番号123の聖堂池駅までは12駅。
聖堂池駅まではおよそ20分。3番出口から地上へ出るとすぐに大邱西部市外バスターミナルがあります。
ちなみに大邱市内の地下鉄は、釜山で流通している交通系ICキャッシュビーが使えます。もちろん、ソウルで一般的なT-moneyでも大丈夫。
ちなみに駅のコンビニでは、キャッシュビーは使えませんでした。この辺のルールは進化は早いので、その後変更されているかもしれません。
※コンビニでT-moneyは使えます。
こちらが西部市外バスターミナル。
バスターミナルの建物は昭和を感じる古い建物で、中もこじんまりとした感じ。東大邱のターミナルとは大違い。
ここにはセブンイレブンが併設されていますので、飲料水や行動食を調達しておくといいかも。海印寺にも売店や露店、飲食店も並んでいますが、朝早いと営業していないんですよね。だから大邱市内から準備していくのが最適解かも。
その他にもターミナル周辺にはカフェや飲食店もありますので、バスに乗る前に朝食を済ませておくのアリですよね。
海印寺までの乗車券を購入
バスターミナルの中へ入ると窓口が並んでいて、窓口の上には行き先と時刻表が掲示されています。正直なところスムーズにハングルが読めません。。。でも、漢字も併記されているので海印寺行きの時刻表を見つけることができます。
始発が6時40分で、最終の20時出発まで40分間隔で運行されている様子。運賃は7,100ウォンです。※追記 2019年に再訪したときは、8,100ウォンに値上がりしていました。
筆談の場合、チケット売り場で海印寺と書いたメモを渡して運賃を支払い、乗車券を受け取ればOKです。もちろんヘインサと言って代金を支払ったほうが楽。市内バスとは違い、事前に乗車券の購入が必要になります。バスの中での交通ICカード支払いはできません。
私が日本人だと分かると、窓口の女性は「ヘインサ、トゥー」と言って、乗り場2番を指さして教えてくれました。外国人観光客の利用が多いので手慣れたものです。
窓口で渡された乗車券はこんな感じです。乗車券は下車時に運転手さんに渡せばOK。
バスの中の様子は、日本の高速バスとほとんど変わりません。エアコンも効いているので快適。大邱からおよそ1時間20分くらいかかるのでトイレを済ませておいた方がいいかも。
出発は40分間隔なので、タイミングが悪いとちょっと待ちます。トイレを済ませたり買い物をしたりして時間を潰すことに。
季節にもよりますが、伽倻山に登るなら1.5リットルくらいの水分を担いでおきたいですね。あとはバスの中で食べるおやつとかも買っておくといいのかな。
海印寺へはバスの終点1つ前の停留所で降りた方がよい
バスに揺られて1時間ちょっと。高速道路を下りてからは山道に入り、海印寺が近くなるとゲートがあります。ここで公園管理の方がバスに乗車し、順番に入場料を徴収していきます。
乗客全員が対象ではないようですが、3,000ウォンと引き換えに入場券が渡されます。私も3,000ウォンを支払います。
バスは山道をさらに進んで、海印寺の入り口で停車します。車内ではアナウンスが流れないので、そのまま乗り過ごしてしまう可能性があります。ちょうど上の画像の場所です。
私が訪れたときは、車内には乗客が5人くらいしかいませんでした。女性が2名下車しただけだったので、ここが海印寺への入り口だと気づきませんでした。終点の一つ手前のバス停が、海印寺に最も近いということは知っていても、あといくつで終点なのかが分からないと降りることができませんよね。
この付近にはたくさんのハイキングコースがあるようで、バスの終点から登る山もあるようです。そのため乗客の中には登山のスタイルをしている人も多く、みんなが海印寺で下車するとは限りません。
私もその辺が分からずに終点まで乗ってしまい、海印寺入り口まで約1kmの道のりを歩いて戻りました。それほどのロス時間にはなりませんけれど、やはり無駄に歩くのは避けたいもの。
さて、海印寺のバス停まで戻ってから約1.2kmの参道歩きが待っています。およそ20分くらいでしょうか。ここにはミニバスも運行されているようですが、ほとんど人たちは歩いて海印寺へ向かっています。
伽倻山の登山口は、海印寺の脇を通り過ぎてその奥にある
海印寺へ向かう参道には随所に案内標識が設置されていますので、確認しながら歩くと良さそうです。
参道にはカフェやお土産屋さん、露店などが点在しています。朝早い時間帯だとまだ一部のお店しか営業していませんが、参拝客がほとんどいないこともあって集中的な呼び込みを受けます。これから山に登るので、まずは冷やかし程度に眺めるだけにして登山口を目指します。
自動販売機や休憩所もあります。試しに購入してみるとジュースは冷たくなっておらず、ぬるいジュースが出てきました。
20分くらい歩くと、右手に海印寺の正門が見えてきます。この奥には海印寺仏閣の敷地が広がっています。
伽倻山への登山口へ向かうには、ここを素通りしてさらに真っ直ぐ進みます。もちろん、海印寺の中からでも登山口へ行くことは可能です。
海印寺の正門を素通りしてさらに奥へ進むと、やがて上の画像のような分岐点が現れるので、ここを右に曲がって登っていきます。海印寺の外壁沿いを進むようなイメージ。
さらに奥へ歩いていくと、いよいよ登山口。左には橋がありますが、渡らずに右側の詰め所のような建物の脇を通ります。
入口には看板があり、このように書かれています。入山時間制限と一番上に書かれており、早朝4時から14時までということでしょうね。
韓国の山々は標高が1000m程度と比較的低いのですが、登山道や標識などがしっかりと整備されていることが多いです。さらにこのような入山規制もしっかりしているので、かなり安全意識が高いのかもしれません。
さて、目指すピークは標高1430mの牛頭峰とその奥にある標高1433mの칠불봉(七佛峯)。ゆっくり歩いて2時間程度の道のりです。
詰所の奥にある立派なゲートを抜けて登山道に入ります。ここから山頂までおよそ4km。
伽倻山への登山道は初心者向けのハイキングコース
まずはきれいに整備された道を、川沿いに心地良く歩いていきます。今回の服装は、サロモンのSPEEDCROSS 4にAGILE17というトレランスタイルでしたが、現地の人たちも半分くらいは遠足モードの軽装で歩いています。
ソウルの北漢山(プカンサン)と同様に、上部の岩場を除いてはほとんど危険個所はありません。北漢山については下記の記事にて。
【北漢山(プカンサン)白雲台|韓国ソウル】登山口への行き方とコース案内
しばらく土の登山道が続いた思ったらこんな石畳のようなところも。いずれにせよしっかりと整備が行き届いています。
登山道の途中ではシマリスを見かけました。その他には動物と出会うこともなく、単調な道のりを1時間程度歩きます。
道は次第に険しくなってきて、上部のほうはやや急な登りも。慎重にいきましょう。
足場が悪いところには階段があり、手摺りまで設置されています。こういうところの整備状況は本格的です。
随所に案内板や標識がありますが、謎の日本語訳も、、、汗
山頂部は切り立った岩の稜線で眺めがサイコー
伽倻山は岩峰なので、下部の林内を抜けると一気に展望が開けてきます。片道4kmの行程中、特に最後の約500mくらいからはこれまでと違った景色が広がり、特にテンションが上がります。
傾斜がきついので、登山者の安全のために至るところに階段が設置されています。雨が降って階段が濡れていればスリップする危険もありそうですが、手摺りを使って普通に歩けば問題はありません。
ただ、落石にはご注意を。注意喚起の看板が設置されていました。
私が訪れた5月の後半にはお花が咲いていました。シーズンは日本と一緒ですよね。上部に出てからは、岩場のところどころでお花を見ました。光を好まないお花も岩陰に見られます。
この付近まで、ハイカーとは2~3人しかスライドしない静かな旅。ここから多くの人で賑わうようになります。おそらく別のルートから合流する人たちでしょう。
牛頭峰(1,430m)と七佛峯(1,433m)
視界が開けた岩場を登っていくと、伽倻山の山頂に到着です。手前にあるピークが牛頭峰と呼ばれていて標高は1,430m。その200mくらい奥には七佛峯と呼ばれるピーク。こちらの標高は1,433mと約3m高い最高点です。
それぞれの場所から見える景色はやや異なるので、せっかくなので両方を訪れてみます。
今回の計画では9時30分から登山を開始して、正午に山頂へ到達する予定でした。だけどまだ11時くらい。1時間くらい早く到着できました。
四方に広がる尾根が恐竜の背のように尖っていますね。手前のポコにも道が付いていて、伽倻山を往復する人が見えています。こちらは海印寺とは別ルート。だけどメインルートなのかもしれません。
このように山頂近くになっても、しっかりとした階段が付けられていました。とっても安心。
続いて奥側のピーク、七佛峯へ。一部は稜線上を歩きますが、岩の基部にも道が付けられて、安全に配慮されています。
以前、伽倻山の山頂は牛頭峰の方を指すと聞いたことがあります。でもこちらの七佛峯には伽倻山頂上と書かれていました。だから両方登っておきます。
お昼近くから多くの人で賑わい始める
牛頭峰と七佛峯の山頂に立ったあとは来た道を戻ります。この時間帯から登ってくるハイカーが多いようです。
挨拶程度しかできませんが、同じ趣味だと言葉は通じなくても気持ちが通じる感じがします。海外マラソンに参加するときにも感じることですが、趣味やスポーツでの交流に国境はほとんど存在しないですね。海外の山に登ってよかったと思う瞬間です。
登山口が近くなってくると右手に海印寺とは別の寺院が見えてきます。登山口の詰め所の手前にあった橋を渡ったところにある龍塔禪院(Yongtap-Seonwon)と七佛賽宮という寺院です。
そうそう、登山口付近には周囲に馴染むような建物が。トイレでした。トイレットペーパーも完備されており、とてもキレイな水洗トイレでした。
海印寺にも訪れてみる
今回は山歩きが目的だったため、海印寺がどんなところなのか予備知識がない状態での訪問。
実は、世界遺産に登録されているということすら知りませんでした。
海印寺の敷地はそこそこの広さがあり、場内は階段でいくつかの階層に分かれています。それでも念入りに見ない限り、1時間くらいで全体を見学することが可能。
大邱から海印寺だけを目的に訪れると、あまり満足感が得られないかもしれません。
海印寺の奥、一番高い場所には、世界遺産に登録されている八万大蔵経があります。監視カメラなど警備が厳重になっていますが、8時から18時の間は自由に拝観することができます。
こちらは日本の神社にある、絵馬やおみくじみたい。中国本土の上海市でも似たようなワンシーンを見ました。国は違っても似通った文化があるんですね。
海印寺バス停での乗車券購入方法
さて、海印寺正門からの帰り道。木漏れ日の参道をバス停まで15分ほど歩きます。
ほとんどは海印寺への参拝者ですが、ハイカーもたくさんいます。韓国人のハイカーは比較的派手めな服装をしていますね。年配の人たちは、日本よりアクティブシニア感が強く、みんな楽しそう。
地下鉄に乗っているとみんな地味目で落ち着いた色の服装をしていますけど、アウトドアでは明るめ。日本と一緒。
海印寺のバス停まで戻ると、小さな詰め所のような乗車券売り場があり、ここで帰りのチケットを購入します。
バスが来る10分くらい前になると売り場が開くので、そこで行き先を告げて購入します。
大邱へ向かうバスは、6時40分から20時まで40分間隔に運行されています。大邱以外への行き先もあるみたいですので、購入時は行き先を大邱と告げましょう。
帰りのバスの運賃も7,100ウォン。窓口で小さなきっぷを渡されます。
帰りのバスはお昼過ぎになるので海印寺の参拝客も多く、そこそこの混雑も予想されます。また大邱方面に向かうため、途中のバスで乗車してくる人もいます。
東大邱駅から釜山へ帰る方法
大邱西部市外バスターミナルへ到着後は、地下鉄聖堂池駅から東大邱駅へ戻ります。
東大邱駅からはやはりKTXを利用したほうが、楽に釜山まで帰ることができます。
東大邱駅には隣接する新世界百貨店内に東大邱バスターミナルがあり、ここから韓国各地に向けて高速バスが運行されています。急がず割安な料金を優先するなら、バスで帰るのもいいでしょう。
バスターミナルは3階と4階のフロアに分かれています。上の画像のように、行き先・乗り場・運賃・時刻表が表示されています。釜山行きであれば、概ね30分~40分間隔で運行されています。そのほかにもソウルや大田など、国内の主要都市へ向けてバスが発着しています。
バスもカウンターでチケットを購入しますが、一部に自動券売機も設置されています。
また、バスターミナル内はフリーWiFiも使うことができます。
帰りもKTXを利用する方は駅の窓口で。夕方はかなり混雑しますので、ちょっと時間に余裕をもっておいたほうがいいでしょう。