こんにちは!コモ子@やまたび北海道(@ComocoHk)です。
今日の話題は、留辺蘂町の北見富士。
ただでさえ登る人が少ない山なのですが、あえて積雪期に登ってみました。
2018年1月2日に訪れたときの記録を公開します。
北見富士っていったいどんな山?
北見富士は「北海道の百名山」(北海道新聞社)に紹介されている藪山。
同名の北見富士が北見山地にもあり、こちらは紋別市、遠軽町、滝上町の境界に位置しています。
標高も北見山地の方が高いのですが、今回ご紹介するのは、北見市留辺蘂町富士見地区にある北見富士。
北海道の百名山に選ばれていることでも有名ですね。
ちなみに、「北海道の百名山」(北海道新聞社)(絶版)と「新版 北海道百名山」(山と渓谷社)(絶版)両誌で紹介されている合計118名山を合わせて、一般的に北海道百名山と言われます。
この北見富士、実は公式には登山道は存在しておりません。
しかし、作業道や鹿道、踏み跡が発達してしまったのか、今では山頂まで道が付いているようす。
積雪期に登る方も少なからずいるようです。
最近は山岳ガイドさんも、ツアーを募っているみたいですね。
無雪期は登山所要時間がとても短く、これを百名山という理由だけで登るとなると、やや物足りないかも。
趣味の山歩きですから、ピークを踏むためだけの「やっつけ仕事」になるのは、ちょっぴり寂しい気がしますよね。
そこで、できるだけハードルを高く設定し、あえて冬季に登ってみることにしました。
今回登るルートは、積雪期には一般的なのですが、傾斜がきついのがデメリット。
雪質によってはハードなラッセルを覚悟しなければなりません。
留辺蕊町富士見地区の50号林道から無加川を渡渉して
富士見地区には、くまがい北きつね牧場という施設があります。
ここからさらに北見市寄りに250mほど進んだところに、住居や動物の飼育施設棟などが複数あり、その脇から50号林道が北西に延びています。
この時期は林道が除雪されておらず、私有地との境界も不明確なので、駐車する場所には注意を払いたいところ。
林道入り口付近も、私有地の所有者の方が重機で除雪をされているようなので、クルマを停める際には一声かけた方がよさそうです。
50号林道を200mくらい進むと、無加川に架かる「生間内橋」があります。
しかしこの時点では橋梁のみが残り、手前の林道部分は土砂が流出して流木が堆積しています。
おそらく、2016年の台風と大雨によって流されたのでしょう。
積雪期であれば、雪の上を歩いて橋梁部分に登れます。
なので、水に濡れないで本流を渡渉できますよ。
パオマナイ川のスノーブリッジを渡り、倒木が多い尾根に取り付く
50号林道をラッセルしながらしばらく歩くと、カーブミラーがある標高点・501のカーブがあります。
そこからパオマナイ川のスノーブリッジを渡渉し、斜面に付けられた作業道らしき道を登って尾根に取り付きます。
地図で見ると、このような感じです。
- 国道から50号林道を歩き始め⇨
- 壊れた生間内橋から無加川を渡り⇨
- パオマナイ川のスノーブリッジを渡り⇨
- 尾根に取り付きます。
北見富士は、基本的には木々が覆い茂る藪山。
積雪期に訪れても、残念ながら展望はありません。
ただ、このルートは尾根が明瞭なので、展望が無くても大丈夫。
尾根を忠実にトレースしていけば、山頂まで登れます。
ちょっと疲れるのは、倒木が多いところ。
小枝もたくさん落ちていて、それらが尾根上に堆積しているので、意外と邪魔になります。
また、尾根上だけに低灌木が茂っていて、両脇が急斜面なので回避できないところも多いです。
尾根の傾斜が緩む箇所がありますが、基本的には高度を上げるにつれて、急登になると考えていいです。
標高点・830の手前には作業道らしき道がありますが、その手前が最初の急斜面になります。
この山へは、70歳になる私の母のリクエストで来たのですが、この登りはかなり苦しそうです。
直登したいところですが、大きくジグを切りながら。
スノーシューはトラバースが不得意なので、私もかなり疲れました。
標高点・830から再び傾斜が急になる
2万5千図上の標高点・830の手前には、ちょっとした崖があります。
作業道が伸びているので、東側から回り込みたいところですが、ここも倒木が道を塞いでいます。
なので、崖を攀(よ)じ登りました。
ちなみに、この辺りにはエゾシカの寝床が多いようで、至近距離で何度も遭遇しました。
樹木が全くない区間が100mくらい続いたかと思うと、今度は一気に雪が深くなります。
倒木箇所がとても多い上、深い雪と急斜面に泣かされ、著しく減速。
たった5m進むのに、1分以上かかるイメージです。
この時点で山頂まで登るには時間的に困難と判断。
でも、標高1,170mの平坦地まで登らなければ満足できません。
そこで、急斜面を登りきったところにゴールを設定することにします。
視界が悪い、雪は降ってくる、時間も遅いということで、無理に山頂に立つ理由を見出せません。
ここで止めたら次のチャンスが無いから必ず山頂へ立つという狭い選択肢ではなく、次が無くてもそれで良いという判断もありだと思うのです。
山頂まであと300mのところで敗退
何とか目標地点に到達したので、ここをゴールとします。
雪山では、山頂間近で撤退した経験は今までにも何度かあり、白雲山(2014年12月)、天塩岳(2015年10月)、十勝岳(2015年12月)、海別岳(2016年2月)、雄阿寒岳(2017年4月)など。
山頂に立つことはできませんでしたが、どれも満足している山歩きばかり。
いっぽうで、雪のコンディションや天候が良くなかったり、体力的に限界に近かったのに、無理矢理登頂したこともあります。
幌尻岳⇨1967峰(2014年7月)、カムイエクウチカウシ山⇨1903峰(2014年8月)、チトカニウシ山(2014年11月)、南ペトウトル山(2014年12月)、ピセナイ山(2015年1月)、神威岳⇨奥手稲山(2015年5月)、野塚岳(2016年1月)、知床連山(2017年7月)、そして前日に登った武佐岳(2018年1月)、笠ヶ岳(2018年8月)など。
はたして無理やり登る意味があったのだろうかと、疑問符が付いてしまう山歩きも多いのです。
これは雪山に限らず、夏山でも同じです。
何ごとにも潮時と言うものがあって、その見極めと決断が大切だと思います。
いつも笑顔で自撮りをする私ですが、さすがに今回は疲れた表情をしてみました。
50号林道をスタートして、すでに4時間30分もかかっていますが、北見富士の山頂まで到達できなかったのですから。
この日の北見富士山頂は、最後まで雲の中。
下山にも約2時間を要し、道東の山奥で人知れず、親子二人の静かな山旅となったのでした。
塩別つるつる温泉で心も身体も温まる
下山後に便利な温泉がこちらの「塩別つるつる温泉」さん。
日帰り入浴は大人550円(2020年3月現在)で、もちろん宿泊や食事をすることもできます。
冬山登山では芯まで冷え切った体を温めるために、とにかく入浴が欠かせません。
内湯も露天風呂も浴槽が広く、休憩スペースでは生ビールも飲むことができるので最高!
積雪期の北見富士。
かなりマイナーな山歩きになりますが、参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。