黒松内岳の概要
はじめに、黒松内岳について、簡単なご紹介を。
黒松内岳は標高が740mと低く、登山口からの標高差も550m足らず。
初心者向けの易しいコースで、2時間ちょっとで山頂まで登れます。
スタート直後はいきなり急登となるものの、その後は高山植物を楽しみながらの吊り尾根歩き。
最後は山頂までほとんど樹木がなく、開放的で爽やかな斜面を楽しめます。
夏の山歩きの魅力をギュッと詰め合わせたかのような感じで、私の大好きな山の一つなんですよ。
札幌からの移動距離も約150kmとそれほど遠くなく、軽めの登山⇨ゆっくり温泉⇨美味しいゴハンという楽しい休日を過ごせます。
黒松内岳登山口への行き方
黒松内岳の場所は、長万部岳の北東に位置しています。
国道5号線から道道9号線に入ると、1kmちょっと進んだところに案内標識があり、そこから未舗装の林道へ入って行きます。
ちなみに、国道5号線をクルマで北から走らせると、途中で長万部岳を眺められるスポットがあります。
長万部岳はスキーの山としても知られ、雪の時期はとっても魅力的。
林道は未舗装ですが、今回はスクーターでも走れました。
だから軽自動車でも安心して登山口まで行くことができますよ。
林道の途中には分岐点もあります。
こんなところにも丁寧な案内標識が設置されていますので、道に迷うことはないでしょう。
登山口からいきなり急登
黒松内岳の登山口には数台分の駐車スペースがあります。
今回訪れたのは、6月第1週末の日曜日。
もう8時過ぎだというのに、クルマはたったの1台だけでした。
入山届の記録を見てみると、このクルマの持ち主の方は沢へ入渓して、周回登山をしている様子。
黒松内川は沢登りでも有名な山なんですよね。
余談になりますが、この山は「新版 北海道百名山(山と渓谷社)」には入っていますが、旧版と「北海道の百名山(北海道新聞社)」には選ばれていません。
夏山の情報は、北海道夏山ガイド<5>道南・夕張の山々が最も詳しいので是非参考に。
沢に関しては、北海道沢登りガイドになんと6コースも、積雪期の情報は、新版 北海道の山と谷1のなかで紹介されています。
登山口から標高450m地点までの間は、いきなり急登で始まるのでツラいところです。
途中にはブナ林コースと呼ばれる迂回路もあり、尾根筋に付けられた急な登山道から離れることもできます。
距離は少々伸びますが、こちらを利用するとちょっと楽ができます。
私は、膝への負担を少なくするため、下山時に使用しましたよ。
5合目を過ぎると山頂が見え、一気に視界が開ける
5合目を過ぎて標高点・528まで登ると、これまでほとんど視界が無かったのに、いきなり山頂部が姿を現します。
とっても開放的。
だいたいこの辺りで全工程の半分くらい。
羊蹄山やニセコアンヌプリから始まるニセコ連山を一直線に見渡すことができ、ここからは気持ちが良い尾根歩きが始まります。
ただし、日差しを遮るものが無くなるので、帽子やサングラスをお忘れなく。
コルまでいったん下ったあとは、再び山頂までの急な登り。
周囲の眺めも良く、いたるところにお花が咲いているので、それほどツラく感じないでしょう。
例えば画像のお花は、フギレオオバキスミレ。
道南地区にしか咲かない種類なのだとか。
見たことがないお花は、片っ端から撮影しておくと、帰宅後に学習してだんだんとお花に詳しくなっていくものですよ。
山頂から隣の長万部岳や大平山の眺めが抜群
周囲が笹に覆われた山頂まで登り詰めると、隣りの長万部岳や大平山の眺めが抜群です。
さらに遠くには、噴火湾を越えて駒ヶ岳、登山道からも見えていた羊蹄山とニセコ連山の展望が広がっています。
こちらは長万部岳。
標高は黒松内岳より250mくらい高い972m。
あちらにはまだ雪が残りますが、こちらの黒松内岳には残雪はありませんでした。
長万部岳は5合目を過ぎた辺りからも見ることができます。
今日は、これから下山後に「おかわり」で登ります。
そしてこちらは花の名山、大平山。
北海道外の方にとっては、狩場山に比べて知名度は劣りますが、お花好きならぜひ一度は訪れたい山のひとつ。
【大平山】お花好きが必ず登るべき山はココ!多くの高山植物を楽しもう
天気が良ければ、噴火湾を挟んで、およそ70km離れた亀田半島にある駒ヶ岳も見えます。
手前に見えるのは△568.7の二股山だと思います。
山頂でのんびり休んだら、来た道を戻ります。
傾斜が急なので勢いがつきがちですが、膝に負担をかけると下山後に泣くことになるので、ゆっくりと。
下山後は黒松内町内に黒松内温泉ぶなの森があり、清潔で料金も安いのでおすすめです。